2017年11月11日土曜日

2017.11.11 アトレ目黒の有隣堂(の文具売場)を覗く-生産性や効率に関係のない品々

● 仕事から半身を引いてしまうと,いわゆるビジネス関連の文具やその使い方には興味がなくなった。生産性とか効率という言葉にほぼ反応しなくなった。
 具体的には,まず手帳や手帳術の本。そんなもの,どうでもいいじゃないかと思ってしまう。手帳なんて使いたいモノを使いたいように使えばいいんだよ,と言いだしかねない。

● もちろん,自分がそういう境遇になったからといって,日本経済を支える現場にいる皆さんに,そんなことを申しあげるつもりはまったくない。
 自分を顧みて,人間なんて現金なものだなと思うだけだ。

● そうなると,生産性や効率に寄与しない文具の数々が目に入ってくるようになる。たとえば,便箋や一筆箋,封筒など。
 文字のやり取りによるコミュニケーションなら,LINEやFacebookのMessengerを使った方が,便利に決まっている。瞬時に届くし,かかるコストもゼロだ。
 が,そうじゃない昔からの世界に遊んでみるのもいいものだろうなと思う。優雅であり,何より贅沢だ。便箋と封筒,それから82円の切手代で味わえる優雅と贅沢。

● アトレ目黒の有隣堂(の文具売場)を覗いてみた。生産性や効率に関係のない品々。
 今の時期だと,年賀(絵)ハガキとかクリスマスカード。昔と違って,三次元のカードが普通にあるんですねぇ。飛びだす絵本みたいな。当然,けっこうなお値段。郵送するにも82円じゃすまない。
 購入するのは女性に限られるんでしょう。“若い”という限定は要らない。若い人もそうじゃない人も,こういうのをいくつか買って,誰かに送ったりするんだろう。

● 家を離れて大学に通っている息子かもしれないし,遠くでOLをしている娘かもしれない(夫に送るってのはないだろうね)。彼氏かもしれないし,親友かもしれない。
 送ったからといって喜ばれるとは限らない難しさはある。けれども,それだからこそ,いろいろ考えられて,楽しく遊べるのかもしれないね。

● 今どきだから,ひょっとすると男性にもこういうものに手を染める人がいるんですかね。彼女が喜びそうだからという理由で。商売がら,ホストが常連のお客さんに送るなんてのは昔からあったんだろうけどね。
 でも,基本,こういうのって,女性の世界でしょ。そもそもカードなんて贈らなくてもいいもの。でも,ムダのやりとりって大切。女性たちは昔から豊穣な世界に住んでいたのだ。

● 男たちは,職場や仕事がそのまま付き合いのフィールドのほぼすべてだろう。その職場で言われるのは虚礼廃止。
 これはこれで合理性があるんだけども,仕事に絡まない贈答文化をもともと持っていなかったんだから,男たちは文化の一分野から完全に遮断されている。文化的にあるいは教養的に,女性との差は広がる一方かもね。

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