青森の「田酒」と山形の「十四代」と栃木の「鳳凰美田」の違いを語っても,重箱の隅を突つくことにすらなるまい。
● 鉛筆界も同じで,Hi-uni,MONO100,BLACKWING,ホクサインを書き比べてみても仕方がない。差はほとんどないからだ。鉛筆も上質になると書き味は収斂する。
目隠しテストをして百発百中当てられる人はいないだろう。いや,実際には当たるんだけどね。ただし,それは軸の太さが微妙に違うからで,書き味を感知しているわけではない(BLACKWING だけは頭が重いから誰でもわかる)。
● そんなことは誰も知ってるから,“個人の好み”というマジックワードで逃げ場を作ったうえで,脳内で違いを作り出して,それを弄ぶことになる。
それはそれで楽しいことだろう。SNSの文具界隈はそういう遊びで溢れていると言っても,たぶん過言ではない。
● となると,選択の基準はダース箱のデザインや,すでに確立された “名声” にならざるを得ない。
そう考えないと,たとえば STAEDTLER の Mars Lumograph がここまで幅を利かせていることを説明できない。
● しかし,だ。このレベルになると微差が大差。その微差を生むために,メーカーは骨身を削っているに違いない。
自分だけが骨身を削って,他社は遊んでくれてればいいんだけども,そうじゃないから困る。
● ホクサインは苦戦しているだろう。一度出来あがった生態系に割り込むのは容易じゃないというのは別にしても,生態系を揺るがすほどの差は残念がらないということなんだよね。このレベルまで来ちゃうと,画期的というのはあり得ないものなぁ。
販売元のクツワはどこかの鉛筆メーカーに作らせているわけだがら,骨身を削っているかどうかはわからないけどね。
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