2024年10月27日日曜日

2024.10.26 鉛筆がいいのは,使ったら姿を消すところ

● ポツポツと最後まで使い切る鉛筆が出てきた。ハンドル式の鉛筆削りを使えなくなる程度に短くなると,手回し式の鉛筆削りを使い,それも使えなくなってからは補助軸に挟んで手削りする。
 手削りも最初はぎこちなかったが,すぐに慣れる。

● そこまで短くなった鉛筆は本当に軽い。掌に載せても重さを感じなくなるほど軽く,儚げになる。
 そうなるまで自分のために働いてくれたのかとしみじみするといった情緒に浸るところにはいかないのだが,鉛筆のいいところの1つは姿を消すことかもしれないとは思う。使い終えたあとにブツを残さないということね。

● たいていのものは残るわけだ。読み終えたあとも本は本としてそのまま残る。聴き終えたあとのCDも変わらぬ姿でそこに残る。
 だから何度も読んだり聴いたりできるわけだが,時にそれが邪魔に思えることがある。CDはともかく,一度読んだ本をもう一度再読することは,ぼくの場合はだが,ほとんどない。なのにブツが残ってしまうのだ(かといって,電子書籍では読んだ気分にならない)。

● 残ってしまうのだから処分しなければならない。今すぐ処分するかどうかは別として,自分の死後まで放置するわけにはいかないのだから,いつかは処分しなければならない。
 そのための手間がかかる。勝手に消えてくれるわけじゃないんだから。

● ぼくはサブスクをありがたいものだと思っているのだが,それはブツを介さないですむからだ。デジタル化の恩恵の1つはそれだ。内容を盛るのに質量のあるブツを必要としないこと。
 その代わり,スマホやタブレット,PCといった別のブツが必要になり,それらの耐用年数はそんなに長くないという問題が生じるわけだけどね。
 とはいえ,スマホのおかげでカメラやボイスレコーダー,ラジオや万歩計を持つ必要がなくなった。ぼくの場合だと,テレビも新聞も要らなくなり,オーディオ機器も不要になった(BTスピーカーがあればいい)。

● 鉛筆の話だった。鉛筆は自分の姿を消してくれる。最後の最後,1cm程度の残骸を残すわけだが,それは当然,許容の範囲内だ。
 鉛筆のいいところは,すかり短くなって,ほとんど重量をなくすほどに,いと儚げになって命を終えてくれることだ。

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