2025年9月6日土曜日

2025.09.06 さくらさくえんぴつ

● サンスターの “さくらさくえんぴつ”。1本433円は,津軽塗りが施されているといった特殊なものを除くと,国内で一番高い鉛筆ですかね。
 買う人,いるんですか? って,いるんでしょうねぇ。

● あまり勉強できない受験生が験担ぎに買うのかとまず思ってみたんだけれども,そうではなくて,幼稚園や保育園の卒園祝いとか小学校の入学祝いに使われることが多いんですかね。
 高校の合格祝いには向かないかもしれない。少なくとも男子に対しては無理筋っぽい。彼の気持ちはシャープペンに行っちゃってる。

● 自分用に買う人はあまりいないような気がする。メーカーも贈答用として購入してもらうことを念頭においているのは間違いない。
 財布の紐を緩めてもらうには,自分用ではなくて贈答用にするに限ると最初から思っている。そういう包装になっている。

● 昭和のみぎりは,中学校の入学祝いは万年筆,高校の入学祝いは腕時計というのが一般的だったが,現在では廃れているだろう。そうした一般基準は成立しにくくなった。
 今の子供たちは,iPhone を新調してもらった方がずっとありがたいと思うだろう。

● もっとずっと低年齢の子供たちが対象だとしても,鉛筆が贈答用に使われるようになったのが,逆に新しい。
 Hi-uni や MONO100 がそうした用途に使われたことがあったのかもしれないし,今でも BLACKWING が贈答用に購入されることがあるのかもしれないけれども。

● と,ウダウダ言っているだけでは始まらないので,じつは買っておいた。実際に使ってみたのだが,芯が減らず,なかなかいい鉛筆だ。
 たとえば Hi-uni や北星クラフツマンに比べると,筆記抵抗がやや大きい気がするが,これを抵抗と言ってしまっていいのかどうかはわからない。芯はオリエンタル産業のものだと思うが,価格差を考慮すればクラフツマンを選択することになる。

● 価格差を考慮しなくてもクラフツマンか。削りカスも桜の花びらのようになるらしいのだが,軸に頂が5か所あり,その頂に筋を入れている。花びらのように見せるための芸が細かい。
 そういう遊びが好きな人にはいいのだろうが,ぼくはそういう風流に遠い位置にいるので,あまり響いて来ない。当然,ハンドル式の鉛筆削りを使っては,花びらもクソもあったものではない。

● 削りカスも桜の花びらのようになるというどうでもいいことを除いて,単純に鉛筆として見れば,433円の価値はない。
 ノーマルユニよりはいいんじゃないか。しかし,Hi-uni やクラフツマンには劣ると思う。Hi-uni が165円なのだから,もし自分が使うつもりなのであれば,黙って Hi-uni を買っておけと言いたい。
 気持ちザラつき(抵抗)があった方がいいし,筆記音も楽しみたいという人にはいいかもしれない。ぼく一個はそのために433円を払う気にはならないが。

● 繰り返しになるが,メーカーも贈答用に買ってもらうことを想定しているだろう。贈答用なら財布の紐を緩めてくれるだろうという前提での値付けかと思う。
 ニッチ商品の典型的なもので,したがってそんなには売れていないだろう。メーカーもそれで良しと割り切っていると思う。

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