2024年9月19日木曜日

2024.09.19 マイ・フェイバリット・ペンシル

● だんだんとマイ・フェイバリット・ペンシル候補ができてくる。今のところ,北星の9606(HB)とトンボの2558(B)だ。
 北星のHBは他社より濃いめなので,両者の濃度硬度はほぼ同じ。

● そこを強いてどちらかと言うと,2558がわずかに上回る。消しゴムの差だ。
 2558は消しクズをまとめてくれる。9606は消しクズが散らかる。

● ただし,消しゴム付き鉛筆だからといって,鉛筆に付いている消しゴムを使わなければならない理由はない。消しゴムは消しゴム単体のを使ってもいいわけだ。
 ぼくはそうすると思う。であれば,両者のどちらにするかは軸色なんかの好みになるかな。

● 入手の容易性なら2558になりそうだが,9806も Amazon やヨドバシでダース買いすればいいだけだからね。夕方にポチッても翌日には届くんだしね。
 実際のところ,ここはあまり問題にならない。色々比べて買おうってんじゃないんで。買うものはピンポイントで決まっているんだから,ネット通販の便利さが際だつところだ。

● ちなみに,2558のHBもすこぶる滑らかで,いい鉛筆だと思う。率直に申しあげると,HBなら MONO100 より2558の方がいいんじゃないか。
 MONO100 のHBはどちらかというとFよりで,やや硬くて薄い。30分以上使い続けるにはちと辛い。

● というわけで,鉛筆は(値段が)高きがゆえに貴からず。北星9606もトンボ2558も1本77円じゃなかったか。

● 以上は,BとHBでの話。2Bはまだ本格的に使っていないので,マイ・フェイバリット・ペンシルも変わってくるだろうと思う。
 というのも,たぶん,2Bが自分のフランチャイズになるだろうと思っているからだ。

● どうでもいいことを,もう一点。北星のHBはBに近いのだが,同じのがもうひとつある。先代の伊東屋 イートンペンシルだ(現在のがどうなのかは知らない)。
 ITOYA とあるだけで,硬度の表記はないんだけれども,ないからには中心硬度のHBだろう。これがほぼBなのだよね。滑らかさも9606に近い。

● 違いは丸軸であること。持った感じ,9606より細いと感じる。
 その一点で9606を選びたくなるが,消しゴムの装着の仕方がオシャレだし,モノとしての珍しさもあるだろうし,スッキリしたフォルムだし,これもいいなと思っている。

● 消しゴムはやはり2558のそれには及ばない。この点で2558と勝負できるのは三菱9852のみで,このあたりは三菱も抜かりはないなぁと感じる。
 まぁ,しかし。鉛筆に付いてる消しゴムは使わないという前提なら,何も問題はない。

● それじゃ何のために消しゴム付き鉛筆を使うのかと言われても,消しゴム付きだから9606や2558やイートンペンシルを選んだわけじゃないからね。
 書き味がいい鉛筆を選び出したら,たまたま,消しゴム付きだったというだけだから。

● 価格はイートンペンシルの方が高いんじゃなかったかと思う。が,その差は問題とするにあたらない。自分はデザインにお金を払える高感度人間だと思っている人には,選択肢に入るのではあるまいか。
 あ,ぼくは,メルカリで買った “鉛筆まとめ買い” の中に入ってたんで,たまたま持ってるだけです。

2024年9月17日火曜日

2024.09.17 高級(?)鉛筆,書き比べ

● 高級(?)鉛筆のHBを試してみる。まずはHi-uni。適度に滑らか,適度な抵抗感。
 次に uni。HBだと Hi-uni との違いがわからない。使ってみての感想は Hi-uni と同じ。
 MONO100。Hi-uni や uni と比べると,やや硬くやや薄い。

● 率直に言うと,いずれも他の鉛筆に比べて圧倒的にいいとは思わせない。少なくとも,Hi-uni を使っちゃったらもう9800には戻れない,なんてことはない。
 Hi-uni には Hi-uni の,9800には9800の良さがあるよな,という冷静な印象を持つことになる。
 以上はあくまでHBでの感想ね。Bや2Bだと違った感想になると思う。

● HBを使って文字を書くなら,北星の9500,9606,クラフツマンがいいと思う。
 なぜかというと,北星のHBは他社より濃くて軟らかいからだ。北星のHBは他社の硬度基準でいうとBに近い。B’だな。

● どうも,ぼくはHBでは硬すぎる,薄すぎる,と感じるタイプのようだ。
 したがって,HBをフランチャイズにすることはなさそうだが,HBの在庫も大量にある。使わなきゃしょうがない。

● 北星に話を戻す。同社の普及品である9500は侮ってはいけない。これをマイ・フェイバリット・ペンシルにしている人もいるんじゃないか。
 けど,やはり9606になるかな。HBしか使ってはいけないとなったら,9606の一択。価格との見合いでコスパがいいということではなく,価格を抜きにしてもこれが一番いい。

● でもね,道具は選ばないのがカッコいいな,とも思っていてさ。アテガイブチというやつ。
 ま,HBとBの世界では,ぼくのお気に入りはトンボの 2558B と北星の 9606HB ということになるかな(ちなみに,この両者の濃度硬度はほとんど変わらない)。現時点では。
 そのうえで。自分のフランチャイズは2Bになるだろうと予想している。その予想にしたがって,最も大量に買い込んでいるのも2Bだ。

● しかし,だね。uni は1958年に発売されて,価格が50円。
 喫茶店でのコーヒーが50円だったらしい。当時,喫茶店に行ける人は少なかったと思いますよ。だって,地方に喫茶店なんてなかったから。今ほど都市人口は多くない。多くの人が田舎に住んでいた時代だ。

● Hi-uni の発売は1966年,価格は100円。
 こりゃ,uni や Hi-uni のケースを筆箱代わりにしたくなるわけですよ。富裕の象徴だったから。昭和50年代まで続いたんじゃないかな。

● ところが,今は Hi-uni 165円,uni は110円で買えちゃうわけですよ。実質価格は底なしの右肩下がり。
 ぼくのような昔を知ってる人間は,どこかで当時を引きずっちゃってる。小学生が Hi-uni を使っていると聞くと,エッと思うところがある。
 けど,今の Hi-uni は小学生が使っても全然おかしくない価格なわけですよ。

● もし,Hi-uni が1,000円ほどするのであれば,いやぁ,やっぱ Hi-uni はいいなぁくらいに思っていたかもしれんよね。
 昔のおじさんが,オールドパーを飲んで,本場ものは違いますなぁと言っていたのも,要は価格に幻惑されていただけのことだった。味なんかわかってやしなかった。

● 人間の官能なんて,その程度のものだろうな,とも思うんですよ。あまり信用しちゃいけないものですよ。

2024.09.17 BLACKWING の鉛筆本体を製造している日本のメーカーは?

● BLACKWING は MADE IN JAPAN を表看板にして,日本で製造していることを公表している(最終工程はアメリカでやっているのだろうから,MADE IN USA と表記してもいいわけだろう)。
 BLACKWING の鉛筆本体を製造しているのは日本の鉛筆メーカーのどこかなのだが,さて,それはどこなのか。

● 三菱はさすがにやらないだろう。一方で,従業員数が10人程度のところに BLACKWING 側が委託することもないだろう。
 とすると,トンボか北星に絞られる。ここまでは紛れがない。一直線だ。

● 気になるのはトンボで,自社製品のすべての生産拠点をベトナムに移転した。では,国内の生産ラインは廃したのか。
 製品開発もベトナムでやるつもりならそれもありだけれども,製品開発までベトナムでやるのは無茶というものだ。競合他社が存在し,厳しい要求を突きつける消費者がいる日本でやるしかないものだろう。

● そのためには稼働している生産ラインの存在は必須のはず。BLACKWING の下請けをしていれば,国内の生産ライン(の少なくとも一部)を止めずに稼働させておける。そう考えると平仄が合う。
 だから,BLACKWING の鉛筆本体を製造しているのはトンボである・・・・・・のかどうかはわかりませんがね。

● ただ,もしそうだとすると,トンボ鉛筆はそんなことのために自社のフラッグシップまでベトナムに追いやったのか,と考える消費者が出てしまうでしょうねぇ。
 実際はそういうことではないと思うんですよ。しかし,メーカーの生産戦略など消費者の知ったことではない。消費者は自分が理解しやすいように理解する。

● BLACKWING の BLACKWING たる所以は鉛筆本体にあるのではない。白木の BLACKWING を想像してみるがいい。それを BLACKWING だと思えるだろうか。
 トンボかどうかはわからないけれども,日本のメーカーが作った白木の鉛筆がアメリカに運ばれて,アメリカで木軸に塗装が施され,あの形状の消しゴムが装着されることによって,初めて BLACKWING になるのだ。ぼく一個は MADE IN USA を名乗るのが,BLACKWING には相応しいと思う。

2024.09.17 エコっぽい鉛筆

● 右の写真の鉛筆は,古紙を固めて軸にした鉛筆。塗装も水性塗料を使ってますよ,と。
 鉛筆削りはハンドル式か電動式を使ってくれ,携帯用の手回し式は使わないでくれ,とも書いてある。

● エコを謳ったものは一定数売れるのだろうが,これをやることによってエネルギー消費をかえって増やしていないか,環境負荷を高めていないか,という疑問。どうなんだろうか。
 メーカー(三菱鉛筆)は9900番という製品番号ををこれに与えてるんだけども,すでに廃番か。文具店で見かけることはない。

● こちらはエコとは無関係。小田原の森林組合かどこかの公共セクターが拵えたPR用鉛筆。
 硬度もメーカー名も記載されていない。

● 鉛筆を使うということは,木軸を削って削りカスにして,それをゴミに出して燃やして灰にすること。
 それに微かな罪悪感を覚えちゃう人がいるのかもしれない。

● そうじゃないんだよ,木を使ってくれないと,森を育てることはできないんだよ,と訴えているわけね。
 鉛筆の軸が国内の間伐材であることはまずなかろうけれども,理屈はそういうことですよね。

2024年9月16日月曜日

2024.09.16 エクステリバーの “古美仕上げ” とポイント補助軸

● 今さらなんだけど,エクステリバーの “古美仕上げ”,いいね。使いこんで塗装が剥げてくると,いい具合に地が現れてまた別の味になるのだろうけど,その味はあえて求めなくてもいいかなというくらいね。

● 写真映えがするのは,ミミックよりもエクステリバーじゃないかと思う。ミミックはアセテートが素材だから(そうじゃないのもあるが),経年変化を楽しめるのもエクステリバーの方。
 今のところは,経年変化よりも “古美仕上げ” の風合いを長く楽しんでいたいと思っているけど。

● エクステリバーは “たんぽぽ補助軸” に “古美仕上げ” を施しているらしい。素は “たんぽぽ補助軸” であるわけだが,その “たんぽぽ補助軸” も現在は販売されておらず,メルカリに3,000円とか,けっこう法外な価格で出品されてたりする。
 エクステリバーは信頼文具舗で1,760円だから,エクステリバーを買っとけよ,となるわけだが,素の “たんぽぽ補助軸” に惹かれる人もいるのだろう。

● 心配なのは,エクステリバーの素材としての “たんぽぽ補助軸” がいつまで供給されるんだろうかということだ。
 部外者の素人が心配しても仕方がないことではあるんだけどね。

● ともあれ,エクステリバーを使い込んでいくと “古美仕上げ” の塗装が取れてきて,“たんぽぽ補助軸” の地の真鍮が顔を出すことになる。
 最初から真鍮の風合いを味わうなら,ポイント補助軸を使うこった。上の写真の右上隅に写っているが,これなら300円でお釣りがくる。鉛筆の補装具としてはあるべき価格でしょ。

● 無垢の真鍮のいいところは,ひとつは軽量であること。もうひとつは,鉛筆の軸色を選ばないことだ。どんな鉛筆ともしっくり馴染む。
 しかし,ポイント補助軸には欠点もあって,ホールドに問題があることだ。グラつくことがしばしばある。
 そこはだましだまし使っていくことになる。が,さほどイラつくことにはなるまいと思う。

● ホールド感に確実性を求めるなら,文具店の学用品売場に置かれているクツワの補助軸が一番だ。
 素材はアルミ。この確実性は感涙ものだが,使っていて楽しいのは真鍮だ。結局,ポイント補助軸に手が伸びることが多い。

2024年9月14日土曜日

2024.09.14 ミミックは鉛筆の書き味を変えるか

● 同じ鉛筆でもミミックに入れて書くと,書き味が変わるだろうか。そんなことのあるわけがない。
 はずなのだが,変わるような気がする。トンボの ippo! を挿しているのだが,ミミックに入れると MONO-R くらいにはなるような。

● そげなアホな。グリップの太さや重量によって書き味が変わることもあるか。
 万年筆では,それ,普通だよ,ってか。万年筆じゃないんだ,鉛筆だぞ。そんなことがあってたまるか。
 つってもな,変わるような気がするんだな。ミミックマジックと,とりあえず呼んでいるんだが。

● 補助軸は軽ければ軽いほどいい,鉛筆がそもそも軽いのだ,その軽さを殺すような補助軸はいかん,と思ってたんですよ。
 ミミックは鉛筆補助軸としては軽い方ではない。が,ミミックの重量はその大半が金属製のグリップになる。重心が低く,しっかり安定する。
 そのあたりの作用なんでしょう。書き味が変わるというのが,ぼくの錯覚でなければ。

● となると,軽ければ軽いほどいいというのを改めなければなりませんかね。
 ともあれ,ミミックは紙製のサイリンダーを含めて8本になった。さすがにもう打ち止めにする。ガシガシと普段遣いしていく。

2024.09.14 質の良し悪しと “好み” は一致しない

● 半年間,鉛筆だけを使ってきて思うこと。鉛筆の良し悪しは概ね価格に比例する。高いものはいい(ただし,除く,欧州産)。
 もちろん,例外はある。BLACKWING が(その価格ほど)頭抜けていいかというと,さすがにそのまでではない。BLACKWING の BLACKWING たる所以は,鉛筆本体にあるのではない。

● しかし,良し悪しと自分の好みは一致しない。三菱製品の中でどれか1つしか使ってはいけないとなったら,ぼくなら Hi-uni ではなく9800を選ぶ。
 北星なら9500の2Bだ。トンボなら2558のBだな。

● その理由を説明するのは難しい。好みの淵源なんか,自分でもわからない。
 同時に,自分の好みをあまり信用してもいない。好みなんて移ろいやすいものだ。
 現在の自分の好みをモノサシにして製品群を評価するなど,天に向かって唾するようなものだ。そこはわかっているつもり。

● ということもあるので,自分の好みに適うものだけを使うという方向には行かないことにしている。といっても,そっちの方向に流れがちではあろうけどね。
 すでに手元にかなりの量の鉛筆があるので,これらを無作為に使っていこうと思う。その過程で好みが変わるはずだ。

2024年9月10日火曜日

2024.09.10 メモ帳を持ち歩いて,サッとメモする人への憧れ

● 右の写真は DAIGO の「すぐメモ!」。
 DAIGO って「ジェットエース」や「すぐログ」など,鉛筆付きの小型メモ帳をいくつも出していますな。

● こういうのを持ち歩いて,思いついたことをサッとメモる。アイディアであれ TODO であれ。
 そういう人に憧れて,「ジェットエース」や「すぐログ」も買いましたよ。けど,ダメでした。他にも,ジョッターやロディアも買ったけど,全部ダメでした。

● ダメだった理由を探せばいくつもあるけれども,結局のところ,その必要に迫られていなかったということでしょう。
 必要は発明の母で,必要もないのにある習慣を身に着けようとしても,なかなか上手くいかないとしたものなのだろう。

● 自分はダメだったけれども,これができる人はどんな分野に進んでも,必ずひとかどの人物になれると思う(つまり,ぼくはなれなかった)。
 可能ならば,身につけるべき習慣のひとつだろうと思う。こうしたメモ帳が入るポケットのついた服をいつも着ることが第一歩になるけれども,その習慣が身につくような生活設計をするといいんでしょうな。

● 同時に,あまり大仰に考えないことも大切だ。ひとかどの人物云々といったことは,いったん頭から追い出す。
 即効性も期待しないで,軽くさり気なく始めるといいんだと思いますよ。

● 人生の残りが少なくなっているぼくにしても,まだ遅くはないのかもしれない。
 が,いよいよ必要に迫られない状況になってるからねぇ。サッとメモする自分というイメージを作って,それに憧れているだけでは,なかなか上手く行かないや。

2024.09.10 三菱鉛筆の9800が37円

● 無印の2本70円の鉛筆を見て,安すぎだろ,この価格で生産継続は可能なのか,と思ったりしたわけだけどね。
 ところが,ダイソーでは三菱9800が3本110円で売られてるんだよねぇ。

● マスとしての大衆は賢いと思ってるんですよ。マスとしての大衆が選んでいるものなら,だいたい間違いない。
 鉛筆なら9800。それが1本37円ってどういうことよ。

● 9800をこの価格で売られてしまったら,中小の鉛筆専業メーカーは辛いことになるだろう。つけ入る先がなくなるんじゃないか。
 だいたい一般の販売ルートに入れないんだから,自社製品を知ってもらうのが大変なのだ。

● 鉛筆のメインユーザーは小学生だ。大昔の子どもたちにはヨット鉛筆があった。昔の子どもたちにはコーリン鉛筆があった。
 が,今の子どもたちには三菱かトンボしかないわけだ。彼らが使うのは三菱かトンボになる。9800か8900。Palette か ippo!。

● そうして大人になる。大人になっても鉛筆を使う奇特な人が,何を選択の基準にするかといえば,子どもの頃に使っていた鉛筆の記憶だろう。
 そうでなくても9800が選ばれやすい。その9800が37円となると,ほぼ試合終了という気がする。

● 三菱鉛筆にすれば売りたいのは9800ではないと思う。uni を売りたい。であっても,9800の手を抜いているわけではない。
 ぼくは目下,9800を使っているのだが,ほれぼれするほど隙のない鉛筆だと思うもん。

● それが37円なのか。文具店で買っても55円しかしないんだが,37円というのは何と言うのか,あってはならない価格なんじゃないか。
 いいのか,これで。


(追記 2024.09.11)

● ダイソーといえば,中華製の12本で110円という鉛筆が,価格破壊の象徴的な存在として販売されていた。それがインフレに転じた現在でも残っている。
 さすがはダイソーというべきか。

● 現在売られているのは使ったことがないのだが,かつて売られていたと思われる消しゴム付き鉛筆を使ったことはある。
 いい鉛筆だと思いましたよ。国産普及品と比べても,そうそう引けは取らないんじゃないかと思った。

2024年9月9日月曜日

2024.09.09 限定品戦略は永遠に不滅か

● 右の写真は丸善のPR誌。“夏目漱石にちなむ万年筆” や “キャップレス若檸檬”,ラミーサファリの丸善限定モデルなんかが出るらしい。
 檸檬万年筆は当たった企画なんですかね。何度かやってるもんね。

● でも,買った人は使ってるんだろうかなぁ。死蔵しちゃってるんじゃないかなぁ。
 いや,使わなきゃいけないってことはないんだけどさ。

● 限定品戦略というのが,戦略として飽きられてきてるってことはないんだろうか。
 限定品に手を出しちゃうヤツって知能に問題ありと見ちゃうタイプなんだけど,そういう人もいつまでもバカのままではいてくれないんじゃないか。
 そうでもないのか。半永久的に有効であり続けるんですかねぇ。

● と言うのはね,ぼくもそっち側の人間なわけですよ。思いあたる節がありすぎる。
 たとえば,檸檬万年筆なんて買えやしないから,あとから雑誌の付録になったミニ檸檬万年筆を買いましたよ。これが2種あるんだけど,2種とも買ったからね。
 けど,使いやしないんですよ。届いた時点で満足しちゃってね。

● で,最近は限定品に目を向けるのは止めようと思っている。いや,自然に目を向けなくなった。皆さん,そうなんじゃないのかな。
 しかし,次々に限定品バカが参入してくるんだろうなぁ,とも思うわけね。

2024年9月7日土曜日

2024.09.07 新型ぷにゅグリップと消しゴムを買う

● 調布に来た。駅前に勝文堂という文具店があったので覗いてみた。中高生のみならず,年寄りまでお客さんの年齢層は様々。
 この場所で長くやってきた店っぽい。店内の空気感もいい。

● 調布駅前には勝文堂の他にも地場の文具店があるようだ。それぞれ,贔屓筋のお客さんがいるんでしょうかね。
 改装前の伊東屋には,祖父母の代から文具を買うなら伊東屋と決めている,他では買わない,といった風情のお客さんがいたが,そういった感じのお客さんがこちらにはまだ残っていたりするんだろうか。

● クツワのぷにゅグリップのこれは新タイプだろうか。ぼくが知らないだけで,前からあったんだろうけどね。
 正しい持ち方をするための指をあてる凹み,なんぞという余計なものがない。買ってみることにした。

● この凹みを尊重してしまうと,持つところが固定することにねるのて,芯が偏減りする。
 鉛筆を回転させて持つ箇所を変えようとすると,凹みが邪魔をする。ここがぷにゅグリップの困ったところではあったわけでね。

● ぷにゅグリップは鉛筆に太さを加えるためにぼくは使っているのだが,そのための道具としては他に貫通式補助軸もある。どちらを使うかはけっこう悩みどころだ。
 正直,貫通式の補助軸の方が書くには快適だと感じている。が,貫通式補助軸は鉛筆を隠してしまう。鉛筆というのは長いと扱いづらいものだが,フォルムとしての美しさは長い方が勝る。そのフォルムを隠してしまうのはちょむとな,と。

● ぷにゅグリップもフォルムを損なうのだけれども,鉛筆を隠してしまうことはない。
 そのあたりで迷うわけだが,ま,新型ぷにゅグリップを試してみよう。

● 本当はぷにゅグリップだけでいいんだけども,198円なんですよ,ぷにゅグリップ。それだけ持ってレジに行くのもなぁと思って,神宮杉をケースにした消しゴムも買うことにした。
 神宮杉とは有難味が大きいが,お値段も550円。消しゴムにしてはいい値段だ。消しゴムたと思うから高いのだ。伊勢神宮の杉を買っているのだと思いなさい。
 こうして,要らないモノが溜まっていくんだな。

● シードは消しゴムのほぼすべてをベトナムで作っているんじゃなかったか。これは日本製と表記がある。
 消しゴムはベトナムから持ってきて,ケースにはめこむという最終工程を日本でやっただけかもしれないし,消しゴム自体を日本で作っているのかもしれない。どちらにしても消え具合いは同じだろう。

2024.09.07 ぺんてるのP200,良さげ 2

● 最近,いいんじゃないかと思っているのが,ぺんてるのシャープペン,P200 シリーズ。買うとすれば,0.9㎜か0.7㎜になる。

 手帳で使うなら0.5㎜でいいし,0.3㎜もありかもしれないが,B罫ノートに使うなら,まぁ0.9㎜か0.7㎜が適当だと思う。


● というのも,ぼくの字は小さいのでね。小さく書こうと思ったら,いくらでも小さく書ける。測量野帳の SKETCH BOOK の3ミリ方眼のひとマスに,那覇の覇の字を書くくらいは造作もなくできそうだ。まったく自慢にならんが。

 ので,ある程度太い芯じゃないと,際限なく小さく書いてしまいそうなのだ。

● 鉛筆を使うようになって半年経つのだが,鉛筆削りで削って書き始めて3分も経った後の芯は,シャープペンの0.9㎜より少し太くなっている感じだ。
 そのあたりが最も気分のいい太さなので,シャープペンを使うなら0.9㎜。1.3㎜でもいいかもしれないが,試したことはない(何本か持っている)。

● P209 は DELFONICS コラボのやつが,たとえば Ecute 品川の Smith で584円だったかな。逆輸入版は ANGERS で890円だったと記憶している。
 ならば,単純に Smith で買うのが正解でしょ。

● P200 シリーズのどこがいいのか。軽いこと。握りやすそうなこと。
 気持ちグリップが細いかもしれない。先に向かってすぼまっているのも若干の不安点。しかし,滑ることはない。
 書くための道具に徹している。“所有する喜び” なんぞというどうでもいいものをすべて切り捨てて,書きやすさだけを追求しましたという佇まいがいい。

● もっとも,そういうものは P200 に限らない。ぺんてるは AMAIN も出している。芯径が1.3㎜しかないが,ぼく的用途にはたぶん問題ない。
 サクラのライトルも良さげだ。ただし,0.3㎜と0.5㎜しかないから,ぼくには無縁のもの。
 北星の「鉛筆屋のシャープペン」は0.7㎜だが,これもいいだろう。だから,P200 にこだわることもないわけだが。

● と,ここまで書いておいて何なのだが,すでに10本以上持っているコクヨの「鉛筆シャープ」でいいやと思ってるんですよ。書くための道具に徹しているという点ではP200と双璧だと思うし,何より安いし。
 さらに,その鉛筆シャープも使ってないし,これからも使うことはないなと思ってるんですよ。

● これからも鉛筆で行くと思います。鉛筆から離れるときは万年筆に戻るとき。シャープペンはたぶん使わない。
 そのうえで,P200 はいいなぁと思っただけなんでした。

2024年9月4日水曜日

2024.09.04 「いくつになっても成長期。」

● 川崎 LoFt で見かけた,ぺんてるの広告。AMAIN シャープペンの広告ね。
 シャープペンは使わないので,どんなメーカーがどんな製品を出しているのか,よく知らないんだけども,AMAIN は1.3㎜芯に特化した製品のようだ。書きやすそうな気がする。

● シャープペンの主なユーザーは中高生の男子になりますかね。彼らは細さにこだわるんですかね。0.3㎜芯なんてのは,彼らに向けた製品でしょ。
 クルトガのようなメカニックにも興味を持つ。メインユーザーに向けたシャープペンはどんどん進化しめいるようだ。

● 彼らに使いやすいものは誰が使っても使いやすいはずだが,ぼくのようなロートルはそっち方面にはあまり興味を持てなくなっている。
 そんな機構は余計なもので,芯の偏減りは自分で軸を回転させることによって防げばいいじゃないか,ぐらいに思っている。そんなものを搭載することによって価格が高くなるのは何だかなぁ,と。

● ただし。メカ機構に興味を持てなくなるのは別に悪いことではないが,だからといって,メカニックに群がる中高生に対して,おまえらは未熟だなどと非難がましいことを言うのは,私はバカですと表明するのとあまり変わらないとも思っている。
 つーか,シャープペンは使わないのだから,そもそも意見を言う立場にないわけだけど,ぼくはね。

● ただ,1.3㎜芯の AMAIN は中高生ではなくて中高年に宛てた製品なんだろう。なので,広告のコピーも「いくつになっても成長期。」というもの。
 年寄りにはアピールしまっせ。そうだよ,まだまだ枯れちゃいかんな,とか思うがわけですよ。元気をもらえる思うんじゃないか。

● 「いくつになっても成長期」が正しいかどうかは,“成長” の定義による。大きくなること,強くなること,速くなることが成長なら,これは明らかに間違っている。
 もし,その意味でいくつになっても成長するなら,プロスポーツ選手が引退することもないし,将棋界でも70歳の名人や竜王がいなきゃいけない。

● 違った世界が見えてくることを成長と言うなら,人は誰でも死ぬ直前まで成長する。自分が見てきた世界をすべて忘れないでいられれば,年寄りは大した賢人になっているはずだ。
 そうではないから,色々と厄介な問題が年寄りの周囲に生じるわけだが,成長をそういう意味で捉えれば,人は「いくつになっても成長期」にいることになる。

● しかし,老年の同志諸君,若者と張り合っちゃダメだよ。向こうは正真正銘の成長期なんだからね。勢いが違う。
 老年の成長は生産性を上げることじゃないと割り切って,その分野で若者のやることに(頼まれもしないのに)口を出すのは控えましょうよ。

2024.09.04 ほぼ日の下敷き

● 銀座 LoFt の文具売場をウロウロしてたら,「ほぼ日の下敷き」が目に入ってきた。TVアニメ『SPY×FAMILY』の登場人物をあしらってるやつ。
 ぼくは鉛筆党員になったので,ノートを両面使用するのに下敷きは必須。

● オリジナルサイズ用は A6ノートに使えるわけだ。目下は測量野帳を絶賛使用中だけども,Campus も「ほぼ日の方眼ノート」も持っている。いずれ使うだろう。だったら,買っておいてもいいか。
 という感じで,買ってもいい理由を一生懸命に探すことになります。何でもいいから “買う” という行為をしたいんでしょうね。

● が,鉛筆を使うと下敷きは黒鉛で汚れる。週に一度は中性洗剤で洗わないとね。
 「ほぼ日の下敷き」でそんなことをしていいんだろうか。絵柄も落ちてしまわないだろうか。
 クリアファイルをハサミで切ったのを下敷きにしてるんだけど,それを続行する方がいいかな。

● と,ここまで書いて思い出した。この「ほぼ日の下敷き」は数年前に買っていた。絵柄のない地味なやつ。
 まったく使うことがないままだったので忘れていた。探せば出てくるはずだ。

● 数年前は万年筆党員だったから下敷きは不要だったはず。どうして買ったのかは思い出せない。
 今と同じで,“買う” という行為をしたかったんでしょうかなぁ。

2024.09.04 こらっ,Standard Products

● 9月1日。川崎駅地下街アザレアの Standard Products を覗いてみる。
 DAISO,Standard Products,THREEPPY の複合店ではほぼ感じないのだが,Standard Products のみの独立店舗だと,無印チックな空気感が強い。無印をそっくりなぞっているわけではないんだけどね。

● 文具売場しか見ない。分具売場には北星鉛筆のクラフツマンとノートがいくつかあるだけだ。クラフツマンの2Bでも買い増しとくかと思ったのだが,Bと2Bは箱,バラとも欠品。
 昨日今日ではなくて,欠品状態がだいぶ続いてるんじゃないか。その代わり,Fと3Bはありすぎるほどにある。売る気があるのか。

● まぁ,クラフツマンはね,その名のとおり「描画作業に最適」な鉛筆であることが使ってみればわかる。
 ぼくは文字しか書かないから,クラフツマンだとオーバースペックになるきらいがある。

● 9月4日。今度はダイソー マロニエゲート銀座店。フィルム付箋を買おうと思ってね。
 ダイソーに来るとそれだけではすまなくなるんだけど。

● ついでに,Standard Products も覗いてみたわけですよ。ここでも北星クラフツマンのHB,B,2Bは品切れなんだよね。バラだとHBが4本,2Bが1本あったんだけど,クラフツマンは箱で買うもんだろうよ。6本入りが5本の値段で買えるんだから。
 一番の売れ筋を欠品にしといてどうすんだよ。2Bがあったら買ってたわ。

2024.09.04 丸善本店で能率手帳ゴールドを見る

● 丸善丸の内本店。丸善にも来年の手帳が並んだ。
 能率手帳ゴールドも積まれている。右が小型6,380円。左が普及型で6,600円。

● 能率手帳が登場した当初は,ずいぶん大きいと受けとめられたらしい。手帳は大型化の歴史を辿ってきた。かつ,分厚くなった。
 サラリーマンは忙しくなる一方だったってことですかねぇ。噛み砕かなければならない情報がどんどん増えてきたってことだろうから。そうして,かつてのアメリカ奴隷と同じような生活をしている。

● ところで,能率手帳ゴールドは都市部でしか売れないものだよね。特に首都圏で過半を売ってるんじゃないだろうか。
 宇都宮で売れるのは数冊止まりじゃないか。こういうふうに平積みになってるのを見かけることはないからね。1冊か2冊,棚に差し込まれている。それが年をまたいでもそのままそこにある。ひょっとすると,まったく売れてないんじゃないかと思うほどだ。
 ぼくはゴールドを使っている人をリアルに見たことはない。田舎住まいだから。それも,地方じゃこういうものは売れないと考える理由になっている。

● ゴールドがいわゆるエグゼクティブ御用達かと言うと,これがそうでもなくて,その辺のアンチャンやオバチャンが使っている印象がある。𝕏 でゴールドについて語っている人たちにエグゼクティブはいないから。
 というか,エグゼクティブはそもそも 𝕏 なんかやってないだろうかな。

● 小金を持ってるアンチャンやオバチャンが首都圏に多いってことなんでしょうかね。
 いや,そう言ってしまうと,ちょっと違うのかな。こういう高価なものにも手を出す手帳マニア,手帳オタクは田舎にはまばらにしかいないけれども,都市圏には販売店に平積みさせるほどにはいるってことなんですかね。
 人口が多いんだから当然だって話ではなく,人口比以上に多いだろう。つまり,それが都市というものだからだ。

● ぼくも能率手帳(ゴールドの付かないやつね)を使った期間が最も長い。
 スケジュール欄のレイアウトには時刻を縦に刻むバーチカルなんてのも出てきたけれども,能率手帳の横刻みが今でも主流だろう。週間レフトは手帳の古典だ。

2024年9月3日火曜日

2024.09.03 「ほぼ日の罫線ノート」の現物を確認

● ほぼ日の文具は手帳以外にもあるわけで,「ほぼ日の方眼ノート」はLoFtで買ったり,ほぼ日ストアで何かのついでに買ったりした。手帳と同じ3.7㎜方眼。
 使うことなく保管中。やっぱり横罫の方がいいんですよ。

● で,「ほぼ日の罫線ノート」か出た。A6は120枚で990円。トモエリバーなので枚数のわりに薄い。
 Campus ノートの2.5冊分,判型は違うけど測量野帳の3冊分になるので,価格もそんなに高くはない。少なくとも,ハカに点々の方々がお使いになるモレスキンよりだいぶ安い。

● けど,買わないな。測量野帳が500冊以上溜まってるんでね。
 買ってる場合じゃない,今あるものを使いなさい,という神の声が聞こえてくる。

● とは言うものの,ラゾーナの LoFt で「ほぼ日の罫線ノート」の現物を確認。現物を見れば手に取って確かめたくなる。
 手帳本体と一緒にカバーに挿めば容量無制限のほぼ日手帳を持ち歩くことができる。本体を avec にすれば,現行カバーでOKか。

● ただし,そうなると本体の1日1ページはムダかなぁ。「ほぼ日のメモ帳セット weeks用」を使って weeks でやるのがいいかねぇ。
 weeks MEGA であっても容量に制限があるのは同じ。無制限にしたいんだよね。スケジュールとメモは分けるしかないんだわ。

2024年9月2日月曜日

2024.09.02 脳だけでは考えられない

● このコピーはアトレ川崎のハンズで見かけたものなんだけどね。「書くこと,考えることが仕事を創造的にする」っていうやつ。
 どうやっても創造的にはならない仕事の方が多いかもしれんね。身も蓋もない言い方をしちゃうとさ。ホワイトカラーの仕事って,そもそもなくてもいいものがけっこう多くない?

● それはそれとして。「書くこと,考えること」と並列するのはダメだよね。書くという行為を介在させないで考えることなんてできないから。
 文字や図を書くのでなくても,グリグリと丸を書いたり,三角を書いたりでもいいんだけども,書かないで考えることはできないでしょ。脳内て捏ねくっているだけなのは,たぶん何も考えてないよ。

● 書きながら考えないでいることもできない。書く≒考える。
 厳密に言うと,「書く」じゃなくてもいいんだけど,身体を使わないで頭だけで考えることはできないんじゃないかと思う。
 哲学するにも散歩道は必要なわけでね。足を使いながら考えているってことだよね。

2024.09.02 薄くて小さい手帳

● アトレ川崎のハンズで来年の手帳を購入。マンスリーの薄めの,判型も小さめの手帳だ。
 自分で使う用ではなく,誰かに貰ってもらおうと思っている。なぜなら,自分では Seria で買った週間バーチカルを使ってみようと思っているのでね。

● マンスリーは日曜始まりが主流になったようだな。月曜始まりは後ろに引っ込んだ感じ。
 カレンダーに合わせる方が使いやすいってことですか。仕事優先の並び方は嫌だってことですか。

● この手帳は NOLTY なんだけども,ペイジェムに入ってるのが相応な感じね。
 ペイジェムはペイジェムとしてあるんだけれども,分けておく理由はあるのか。将来的にはすべてNOLTYで統一することを考えてるのかね。
 いや,だからどうということではないんどけれども。

● 手帳というのは,本来,これくらいの小ささと薄さでいいのかもしれないよね。前世紀に登場したシステム手帳以後,手帳は大きく厚くなる傾向を辿った。
 ぼくらは,憶えておかなければいけない,あるいは管理下に置いておかなければいけない情報を増やしてきた。

● 無理をしすぎたのではないか。もっとズボラでよかったのではないか。
 手帳が大きく厚くなってきたのは,“失われた30年” と重なる。手帳が大きく厚くなって,何かいいことがあったろうか。

● 最近は,システム手帳の流れが変わったようだ。バイブルサイズやA5からミニ6やマイクロ5に。
 それに伴って,手帳の重厚長大化にも歯止めがかかってきたようにも思われる。

● その動きを作ったのは女性,しかも若い世代の女性たちだろう。彼女たちを手帳界のジャンヌ・ダルクと呼びたくなる。
 前世紀末から現在に至るまで,重厚長大化の流れに巻き込まれなかった人も,もちろんいたはずだ。その人たちも,たぶんだが,男性より女性に多いと思う。

2024年9月1日日曜日

2024.09.01 測量野帳の魅力

● 鋭意,測量野帳を愛用中。量野帳の魅力はという話は,SNSで色々言われている。
 表紙が厚くて硬いので,野外で立って書くのに便利だ。しかも,判型が小さめなので持ち出しやすい。
 しかし,野外でノートを使うことのない人には,ここは魅力でも何でもない。どうでもいい。

● 中紙が40枚と薄いのがいい。薄いからすぐに使い終えることができる。1冊使い切ったという達成感をこまめに味うことができる。
 これも野帳1冊を半年かけて使う人には関係のない話になる。逆にモリモリ書く人は,B5やA4のノートであっても短期間で使い切れるだろう。

● あたりまえのことだけれども,ノートの魅力はユーザーとの関係性,そのノートが使われる状況との関係性の中に立ち現れるものだ。
 その関係性から独立して,魅力なるものが厳然と屹立しているわけではない。

● では,ぼくとの関係性の中で立ち現れている測量野帳の魅力は何だろうか。
 第1は薄いことだ。使い切ったという達成感をこまめに味わうことができる。ぼくの筆記量と野帳の薄さの相性がちょうどいいのだろう。

● また,ノートを開いたときに段差ができにくい。これも薄さのメリットだ。
 野外で使うことはまずないにもかかわらず,ぼくが野帳を使っている理由のひとつはここにある。

● 第2に,保存しやすいことだ。自分が書いたものを読み返すことはないのだが,いつかはまとめて読み返すつもりでいる(本当に読み返すかどうかは別の話)。だから,保存しておきたい。
 保存には Seria の “仕切りボックス深型” を使っている。44冊ほど入る。表紙が硬いので,崩れることなく並べておける。

● 第3に,価格のことがある。文具店で買うと275円。カウネットだと(10冊単位になるが)約100円も安くなるので,まず文具店で買うことはない。100円台で買えるなら安いと思う。
 7〜10日間で1冊,年間で40冊程度使うので,安くないと困る。

● 安くないと困る理由がもうひとつある。大したことは書いていないということだ。
 大したことを書いているわけではないのだから,高価なノートでは内容とのバランスが悪くなるとしたものだ。

● 第4に,紙質がちょうどいいということ。価格との見合いもあるわけだが,良すぎないというのが大事なところだ。
 気安くガシガシ書くためには,あまり紙質がいいのは考えものだ。紙質が良すぎると,高価格なのと同様に,気後れを生むかもしらない。

● ちなみに,万年筆を使うと裏抜けするという指摘もあるのだが,測量現場での使用を前提にした野帳に万年筆を使うのは,メーカー(コクヨ)にすれば想定外かもしれない。ギャップを外す手間のかる万年筆をなぜ使う。
 ノックですむ油性ボールペンか鉛筆(シャープペン)だろう。現場は雨かもしれないのだぞ。
 実際にはプラチナインクならOKだ。が,パイロットだと裏抜けするかもしれない。

● とりあえず思いつく理由は以上の4点かな。
 入手の容易さはあまり考えない。丸善や LoFt,ハンズ,カルトレリアには間違いなく置いてあるから,入手困難ということはないと思うが,ぼくは通販でまとめ買いしているので,そこはあまり関係ない。

● もしカウネットがなくて文具店で買わなければならないとしたら,それでも測量野帳を使うだろうか。
 たぶん使わないんじゃないかな。Campus のA6にすると思うな。となると,測量野帳を使っている一番の理由は,カウネットやメルカリで安く買えるからだということになるか。

2024年8月31日土曜日

2024.08.31 ぺんてるのP200,良さげ

● Ecute品川の Smith で DELFONICS コラボのぺんてるP200を見てるんですがね。買うとすれば,0.9㎜か0.7㎜。
 0.9のオレンジの軸色がいいですな。芯径によって軸色が違う。0.5にはすべての軸色が揃ってるようなんですが。

● 勝手に芯がクルクル回ったり,折れない工夫をしたり,そういうお節介は無用。
 単純に書きやすさに徹しているっぽいところが潔いッス。

● 買いませんがね。鉛筆党に入党しちゃったしね。
 使いもしないものをこれ以上溜め込んでどうする? と自分を叱責する神の声も聞こえてくるし。

● シャープペンなら0.9㎜と,だいぶ昔に刷り込まれた。なぜ0.9㎜かといえば,まず芯が折れにくい。
 その頃は,オレンズやデルガードなんてのはなかったわけですよ。芯じたい,今より脆かったかもしれない。

● 書き味も0.9㎜がベストだ,と。0.5㎜よりタッチが軟らかい。鉛筆に近くなる。
 0.5㎜だとやや硬い。その硬さが筆圧を要求してくる。それが芯折れにつながる。
 今はそんなことはないんでしょうけどね。オレンズやデルガードの機構がなくても,なかなか折れない芯になってるんでしょう。

● が,若い頃に0.9㎜がいいぞと言われ,素直な質だからそれを信じた。代表的な製品も教えてもらった。
 プラチナの PRESS MAN だ。PRESS MAN という名前にしているくらいだから,新聞記者が取材に使うのにちょうどいい,速記にも使われている,と。
 メーカーのマーケティング文章をそのままなぞったような言い方だったが,文具店に行って PRESS MAN を2本買った。

● 200円と安かったから,なるほど,これは気安く使えるな,と思ったのだが,結局のところ,使うことのないまま今に至る。
 軸が細すぎた。鉛筆より細い。気にならない人もいると思うが,ぼくはダメだった。

● P209 は PRESS MAN より太さがある。その差はわずかだけれども,そのわずかが大きい。
 使ってもいないのに,そのわずかが大きいなどと断言してはいかんのだが。

2024年8月28日水曜日

2024.08.28 トンボの2558,いいじゃないですかぁ 2

● トンボ2558のBを使ったら,ビビビッと来た。自分にとっての決定版はこれか。
 書き味だけを取り出せば,これ以上のものは複数ある。Hi-uni や MONO100 は当然として,北星のクラフツマンなど。

● いずれも2558より高価格帯の鉛筆だが,鉛筆というのはよほど大量に使う人でもない限り,価格は問題にする必要がない。高い鉛筆も安いからだ。
 相当に使っても鉛筆は1ヶ月はもつ。1ダースあれば1年分だ。2558は77円だから1日あたり2.6円。Hi-uni は165円だから1日あたり5.5円。この違いは違いのうちに入りますか。

● 2558には自身より高額な,けれども同じ土俵で勝負しなけれはならないライバルたちがいて,その何人かには書き味では負けている。
 ただし,これも鉛筆の特徴だと思うのだが,勝ち負けはあってもその差は僅かだ。微差だ。
 百円ショップで4本110円で売られている鉛筆と Hi-uni には,もちろん差がある。同じはずがない。しかし,大きくは違わない。

● ぼくが子供だった頃には,もっと価格相応の差があったと思う。全体的に底上げされてきたのだろう。
 中華製の安い鉛筆でも,半世紀前の国産普及品よりはずっと良くなっている。まぁ,当たり前と言えば当たり前のことか。

● ということなので,2558にビビビッと来たについては,書き味以外の要素がある。ではそれは何なのかというと,よくわからない。なぜ彼女に惹かれたのかわからないのと一緒ですかね。
 ひとつは,明るい黄色。昔のアメリカ文具の色ですか。今でも褪せない訴求力がある。目立つ黄色の魅力。
 フォルムの美しさ。消しゴム付き鉛筆ならではの機能美とでも言えばいいんですかねぇ。持ってみたくなる形ではあると思いますね。

● このくらいしか思いつかないんですよね。でも,この程度でビビビッと来るかね。来るのかな。
 他に何かあるのかもしれないし,ないのかもしれない。よくわからない。けど,ビビビッと来たよ,たいうことね。

● 2558はH,HB,Bの3硬度しかない。2Bがあればと思うんだが。
 昔はあったに違いないと思って,メルカリをチェックしてみたんだけども,出てませんね。最初からなかったんですかね。

● その代わり,こんなのが出てましたよ。HBとB,合わせて8ダースで1,600円。安っ。
 でも,これを使い切るのに10年かかる。ずっと2558が自分にとっての決定版であり続けるかどうかもわからない。

● さらに,HBは3ダースほど持っている。さて,どうしますか。ポチりますか,やめときますか。
 1,600円なら買っちゃえってなりそうなんだけどね。数えたことはないけれども,千本くらいすでに手元にあるんでね。1本1ヶ月で計算すると,1,000月=83年≒ぼくの残寿命の4倍。これ以上増やしても仕方がないでしょ。ポチらない方向で。


(追記 2024.09.08)

● ずぅぅと堪えてたんだけども,売れないで残ってるんですよ。結局,ポチることになりました。
 Bの3ダースだけ残して,HBの5ダースは誰かにもらってもらいますわ。

2024年8月26日月曜日

2024.08.26 男物を使ってる女の人はたいてい素敵

● ミミックのテンピョウとショート(エボナイト)。男性的な面構え。
 こういうものは,むしろ女性に使って欲しい。こんなの使ってる女性を見たら,速攻で惚れてまうやろ。できれば,ショートヘアで凛とした顔立ちの人であって欲しい。生意気そうだとなおいい。

● あるいは,成熟した面構え。酸いも甘いも噛み分けて,清濁併せ呑んできた,っていう。
 こういうものこそ,若い人に使って欲しい。おまえには10年早いとか言う人がいても,そんなハカに点々なヤツの言うことは無視して,普段使いして欲しい。

● いわゆる予定調和を外した方が,とりあえず面白くなる。外せばいいというものではないんだろうけど,予定調和に乗っかっていたんじゃしょうがないもんねぇ。
 微小なりといえども,ブレイクスルーは予定調和を破ることから始まりますよ。

● 予定調和というのは,エチケットという形で存在していたり,常識という形でそこにある。
 破るのは簡単だが,破ったままじゃ困るんだよ,とは普通に言われることだ。仰るとおりだ。別の形を作るか,予め用意しておかなければならない。

● だから,大破壊はなかなか以上に難しい。そもそも,大破壊なんてやろうとしてもできるものじゃない。
 せめて,つまらぬ常識に絡め取られて一生を終えることこそを怖れましょうよ。基本姿勢は “予定調和を外す” でいいと思う。

2024.08.26 トンボの2558,いいじゃないですかぁ

● トンボ2558のB,いいじゃないですかぁ。書き味滑らかなのに加えて,消しゴムが秀逸。
 BLACKWING の消しゴムよりいいような気がした。消しクズをまとめてくれる。この消しゴムだったら,単体の消しゴムは持たなくていいかも。

● って,今さらの話ですか,そうですか。
 メーカー希望小売価格は77円。MONO-R と同じなのか。8900 と同等かと思ってたんですよ。それでこれは凄いぞ,と。
 価格的には北星9606と同じ。9606はHBしかないので2558のBと比べるのはアレなんだけども,北星のHBは他社に比べるとB寄りなので,ザックリ比べてみようか。
 といっても,結論はありきたりなもので,いい勝負だと思う。書き味の滑らかさは9606が勝るかもしれないが,消しゴムは2558の方がいい。

● この黄色はアメリカ色なんですかね。三菱には9852があるし,コーリンにも710番という黄色の消しゴム付き鉛筆があった。
 この色は日本の風土の中からは出て来にくい気がする。憧れのアメリカの色だった。黄色の消しゴム付き鉛筆は文具界におけるアメリカの象徴だったのだろうと思う。

● 三菱のかきかた鉛筆,Palette。designed for students。どこが for students なのかはイマイチ分明でない気もするのだが,student であることをやめた人が使っても何の問題もない。
 ただし,Palette は 9800 よりザラザラする。筆記音が大きくなる。もちろん,ユニスターベースではない,安い方の Palette のこと。

● でも価格は66円で,9800 の55円より高いんだよな。が,書き味はハッキリと 9800 の方がいい。かきかた鉛筆に限ると,トンボの ippo! の方がいいかもな。
 こっちの感覚がおかしいのか。だとしても,ここは自分の感覚をモノサシにするしかないところだからな。

● ところが,しばらく使っているうちに,ザラザラ感が消えた。どういうことなんだろ。
 芯にムラがあるということか。あのザラザラ感が出てしまう部分はごくわずかで,基本はザラザラなしということなのだろうけどなぁ。いや,ノートの紙質にムラがあったのかもしれない。
 ただ,ザラザラ感が消えたあとでも,9800 の方がいいような気がしたな。

● 消しゴム付き鉛筆を使ってみたついでに,国内最安値の国産消しゴム付き鉛筆も使ってみることにした。
 ダイソーで4本110円で売られているアイボール鉛筆製の鉛筆。HB,B,2Bの3種があるが,今回は当然,Bを使ってみた。

● 鉛筆として問題があるかといえば,まったくない。少し芯の減りが早いような気がするが,そんなのは大した問題ではない。
 充分に滑らかに書けるし,消しゴムの消字機能にも問題はない。子供が勉強に使うのにも,大人が仕事に使うのにも,これで何か困ることがあるかといえば,何もないだろう。

● 2558の77円に対して,こちらは28円。どちらを選んでも良いと思う。
 唯一問題があるとすれば,自分は百均製品を使っているのかというユーザーの気分の沈みだろうか。それは個々のユーザーの問題であって,傍からは何とも申しあげようがない。


(追記 2024.08.29)

● 三菱9852のBも使ってみた。こちらもかなりいい。消しゴムの性能も甲乙つけがたい。
 昔の消しゴム付き鉛筆には忌まわしい記憶しかない。とにかく,鉛筆に付いている消しゴムは使えないものだという。
 今の消しゴム付き鉛筆は格段の進歩を遂げていたんですねぇ。鉛筆としても相当にいいからね。

● ネットを見ていると,トンボ2558を礼賛する人が多い印象。三菱からもそっくりのものが出ているあるが,そちらではなくトンボの2558だぞ,と念を押している人もいる。
 判官びいきなのか。少数派の自負なのか。何でもトンボというトンボファンなのか。

● かつての Windows に対する Macintosh のようなものになぞらえる気味合いもあるんだろうか。三菱が Windows でトンボが Macintosh。
 Windows は体制派で多数派で事務屋。Macintosh は反体制,反中央,クリエイティブで少数派。それを三菱とトンボに類推するような愚か者は,まさかいないよな。

2024.08.26 鉛筆の「正しい」持ち方

● 花田紀凱さんの YouTube チャンネルで鉛筆を取りあげていたので,ちょっと見てみた。
 鉛筆ってまだあったんだ,と言っているが,これはまぁ許すことにしよう。ずいぶん浮世離れしているのか,強調話法なのか知らないけれども,まぁ,どっちでもよろしい。

● 北星鉛筆を取材したときの話で,北星側が伝えたことをそのまま紹介しているようだ。
 その北星を,キタボシではなくホクセイと言ってる時点で,トットと引っ込め,このクソジジイ,と思ったことであったよ。

● 今の子供は筆圧が弱くなったという話が最初に出る。そうであっても正しく鉛筆を持てれば云々という,お決まりのパターン。
 本当なのか。そんなデータがあるのかね。ぼくは昔の子供だけれども,筆圧を測られたことなど一度もなかったがな(測る方法があるのかどうかも知らんが)。今の子供が筆圧が弱くなる理由も思いつかんね。

● このあたりについて,ぼくの意見を言わせてもらうと,昔の子供にもBか2Bを使わせるべきだったんだよ。
 昔はHBが標準だったわけだが,なぜそうだったのか。メーカーがHBを標準硬度にしているんだからと,何も考えずに(何も考えずに,だよ)HBを児童に押しつけてきたのが,当時の教育界の実態だったんじゃないか。

● 大人でも大量に書く人は2Bを使うだろう。手書きで(しかも鉛筆で)原稿を書いているプロの作家には2B使用者が多いんじゃないか。
 毎日数時間も鉛筆を使う小学生にHBを使わせるなんてムチャだったんだよ。HBでは硬すぎるんだよ。持ち方がどうのこうのと言う以前の話だ。

● それを今のジジイどもは自分の経験を是として,それを疑うことを知らない。2Bが標準だなんて,今の子供は情けないくらいに思ってるんじゃないか。
 鉛筆を正しく持てなくなったのも,スマホを使いすぎるからだとか,根拠のないことを思い込みだけで語って恥じることがない。

● だいたい,鉛筆の「正しい」持ち方など誰が決めたのか。ぼくは,鉛筆に「正しい」持ち方などない,自己流に勝る正統なし,と思っている。
 自分が不自然さを感じない持ち方なら,それで良し。「正しい」とされる持ち方に気を取られるより,自己流を洗練させることに意を用いよ,という意見だ。

● かつ,「正しい」とされる持ち方をしていない子供は,昔もいた。今と比べて少なかったとも思わない。それが問題にされることがなかっただけだ。
 人を放っておくことができないお節介な暇人が増えただけではないか。放っておいて差し支えないことは放っておくのが正しい。“小さな親切,大きなお世話” ということがある。

● 小学校で2Bを推奨するようになったのがいつで,それがどういう理由によるのか,ぼくは知らない。ので,まったくの当て推量なのだが,公文の功績(と言っていいだろう)が大きいのではないかと思う。
 公文は小さい子どもたち(未就学児)をよく見ていた。現行鉛筆では合わないと考えて,三角太軸を出した。しかも,最適硬度は6Bとした。
 このあたりから初等教育の現場にも広がって行ったのではないか。

2024年8月25日日曜日

2024.08.25 どうでもいいことをノートに書きつける時間の至福

● 台風様のご訪来をお待ちしながら,測量野帳に鉛筆でどうでもいい雑記を書きつける。これ以上に至福に満ちた時間を,ぼくは持っていませんよ。
 ま,台風は来ない方がいいんだけども,3日後になるんですかね。台風10号サンサンの日本上陸。

● 台風はどうでも,お金がかからず,なかなか飽きが来ないいい趣味を持てたものだと,そこは満足している。意図して持ったものでなはく,偶然というか成り行きで持つことになったものだけどね。
 あと,小学校の「こくご」の授業で字を教えてもらったことね。ともかく,読み書きができるようにしてもらったこと。

● ミミックを使わなくなってしまったのをどうにかするために,ミミックをまとめ買いして喝を入れることにしたのも,今のところは正解。また,使うようになったからね。
 使ってみれば,たしかにいいんですよ。なのに使わなかったのはどういうわけか?

● 美味しいものは最後に取っておくということですかねぇ。あるいは,安物から使いたいと思うほどに貧しく育ってしまったのかもね。
 自分に残された時間の少なさ(齢を取っちまった,ってことね)を考えると,美味しいものから食べるべきだし,高価な方から使っていかないと悔いを残すことになりそうなんだけど。

● ただ,クツワとかポイントなどの安い補助軸も,軽くて使いやすいんですよ。特にクツワは,鉛筆のホールドの確かさ,ホールドするために必要な鉛筆の残部が相当少なくてもOKなんですよ(かなり短くなるまで使える)。
 とりわけ,軽いことですかねぇ。軽さは正義ですよ。たくさん書く場合は特にそうだな。

● ミミックの質感に感応する度合いが普通の人より少ないのかもしれない,と思ったりもします。ブランド品にもあまりピンと来ない方なんですよね。
 “高級” というものにあまり価値を認めない。それ以前に,“高級” がわからない。そういうこともあるかもしれない。

● そのミミック。ナンテンを使う頻度が一番高い。手が延びた先にナンテンがあるというか。赤が好きなんでしょ。
 ペンギンもテンピョウもドロップスもパシフィックもエボナイトもいいんだけども,手が延びるのはナンテン。
 が,これも変わっていくでしょうね。自分の好みというものをあまり信用しないようにしている。意外に簡単に変わるものだと知ってるからね。

2024年8月24日土曜日

2027.08.24 メルカリに出品される哀れ

● メルカリで鉛筆の出物を見てたら,こんなのがあった。

*********
何年経っても 何年待っても
なかなか自分の出番が回ってこない鉛筆達を
しげしげと眺めて居るうちに 不憫になりましてございます

思いっきり活躍出来る場所へお行きなさい と
送り出してやろうと 思った次第でございます
*********

● これ,よくわかるわ。
 しかしだね,メルカリに出して売れたからといって,そこが鉛筆にとって「思いっきり活躍出来る場所」かというと,その可能性は極めて低いと思うぞ。里子に出された鉛筆ってだいたい不幸な道筋を辿ると思うわ。

● 鉛筆のメルカリ価格って安すぎるからさ(安くなきゃ売れないんだけど)。
 安く買った人が存分に活躍させるなんて,まずもってないでしょうよ。大事にはされないよねぇ。

● 鉛筆に「思いっきり活躍出来る場所」を提供できるのは,自分しかいないと思った方がいいよ。
 できぬ算段を何とか算段して,自分で使うしかないんだよね。

2024年8月23日金曜日

2024.08.23 三菱鉛筆一強時代?

● 酒米を磨きに磨いて,その酒米だけで酒を造る。純米大吟醸というのは,メーカーを超える。どれも似たものになる。一点に収斂する。
 鉛筆も上質の黒鉛を微細に砕き,これまた上質の粘土だけを使って作ると,メーカーの持ち味は消える。どの製品も同じようになる。

● そこで。文具店の鉛筆売場に行く。Hi-uni と MONO100 がある。価格はどちらも165円。品質と書き心地も同じ。
 しかし,片や MADE IN JAPAN,片や MADE IN VIETNAM。さて,どちらを買いますか。

● トンボはフラッグシップの MONO100 を含めて,すべての自社製鉛筆の生産拠点をベトナムに移した。
 ベトナム人は勤勉だし,手先も器用だし,向上心も旺盛だ。これらの点で日本人に劣るとは思えない。ハイエンド製品の製造を委ねても,何ら問題はあるまい。

● まして鉛筆だ。7NMの最先端半導体を製造するのとはわけが違う。ベトナムでもタイでもインドネシアでも,最高品質の鉛筆を量産するのは比較的容易であろうと思う。
 しかし,MADE IN JAPAN と MADE IN VIETNAM,どちらを買いますか。

● 鉛筆に関しては三菱一強の方向か。三菱鉛筆は MADE IN JAPAN を前面に押し出した訴求を強めて行くだろう(現に強めている)。
 北星鉛筆以下の国内メーカーにとってはトンボから販路を奪取する機会到来ではないかと見る。

● 価格面においても,トンボは三菱と差を付けられることになるだろう。MONO100 が Hi-uni と同じ価格を維持できるとは考えにくい。
 8900 はひと足早くベトナムに移ったが,以後,ヨドバシの文具売場では 8900 は三菱の 9800 より安く売られるようになった(Amazon では,HBでの比較だが,9800 がダース424円なのに対して,8900 は380円)。同じことが MONO100 においても起こると見るのが順当だ。
 それでも,消費者の多くは MADE IN JAPAN の三菱を選ぶだろう。

2024年8月22日木曜日

2024.08.22 三角太軸鉛筆

● 公文発(と聞く)の三角太軸。写真はダイソーのものだが,三角太軸のメリットはグリップの太さを補う補装具が不要なこと。
 補助軸は長さのほかに太さを補うものとしてぼくには必須の鉛筆補装具だが,これなら鉛筆単独で使っていける。

● 反面,短くなったときに市販の補助軸は使えない。単純に長さを補ってくれればいいのだが,学研ステイフルの 「2軸鉛筆ホルダー」 が使えるんだろうか。

● 鉛筆削りは,手回し式でよければ色々ある。ハンドル式だと,ぼくが使っているのはファーバーカステルの「はじめての鉛筆削り」。
 言うも愚かながら中華製。ステッドラーやコヒノールのジャンボ鉛筆も削れる。

● 「はじめての鉛筆削り」のパッケージにも “子供用の三角鉛筆も削れる!!” とあるわけね。この文言の方が伝えたいことが直截に伝わると考えたのはわかるんだけどね。買うのは親なんだから。
が,三角太軸を子供用と決めつけることはない。大人も使っていいんですよ。

● 今後はこちらがスタンダードになるってことはさすがに考えにくいけれども,三角太軸ってよく練られていると思う。
 三角軸じたいは昔からあったものなので,一から十まで公文のオリジナルというわけではないと思うけど。

2024年8月20日火曜日

2024.08.20 来年の手帳をセットアップ

Smith
● 17日。川崎に来た。アトレのハンズと Smith には来年の手帳が並んでいた。
 これから長く手帳が売場の一等地を占め続けることになる。手帳の売上げは大きいんでしょうな。

● ハンズには高橋や能率のビジネス手帳も並んでいたが,手帳の太宗であるビジネス手帳はコロナ禍で売上げが大きく減ったと聞いた。
 自宅で仕事をするなら,PCを立ち上げっ放しにして,Google Calendar を使えばいい。コロナ禍が去って,売上げは回復したんだろうか。

● ダイソーにも来年のカレンダーと手帳が並んでますね。ぼくも今年からダイソー手帳を使っとります。A5マンスリー。
 ホチキスの針を外して,表紙は捨てる。真ん中を裁断して,パンチで穴を開けて,A5システム手帳のバインダーに綴じるんス。A5サイズのシステム手帳のユーザーざんす。

● ところが。今日(20日)Seriaで分厚い手帳を買っちゃいましたよ。A5でマンスリーもウィークリーもあるんですよ。ウィークリーは6〜24時のバーチカル。
 ただ,これね,バラすのが面倒なんですよ。無線綴じにしといてくれればいいのに,念のために糸でかがっている。

● じつは去年も買ってたんですけどね。うまくバラせなくて,使うのを諦めたんですよ。
 その経験を活かして(?),今年はうまくバラせたんで,来年はこれで行ってみようかと思いますわ。
 ただし,毎日が日曜日の年寄りには,A5ウィークリーだとスカスカになるでしょうな。マンスリーの使い途はないから捨てる。

● 来年はこれを使うとなると,初めてバーチカルを使うことになるんだけど,その日やったことをほぼほぼ時間軸に沿って並べることができるから,パッと見てこの日はこうだったと思い出しやすくなるかもしれない。
 文字で残すんだけども,全体が絵的に残ることになるというか。

● 見開き2ページの “年間計画表” がないのが残念なところ。
 管理する予定なんかないから,手帳は過ぎたことのログを残すために使うんだけども,“年間計画表” はそのためにほぼ必須なんですよね(計画なんかないんだけど)。目次になる。
 どうするかな。Bindexで補充するか自作するか。

● なお,これはサンノート㈱の製品で,MADE IN VIETNAM。
 百均製品も中華製は減少してますかねぇ。中国も人件費が上昇して,世界の工場の役割は担えなくなってきてますか。それどころではない問題を抱えてそうでもあるけど。

2024.08.20 百均版パーフェクトペンシル

● 地元のダイソーで要らんものを買った。ドラえもんの鉛筆キャップ,携帯用の鉛筆削り,削り器付きキャップ。

● 削り器付きキャップを消しゴム付き鉛筆にセットすれば,機能的には “パーフェクトペンシル” ができあがる。ただし,実態はこれのどこがパーフェクトなんだよってことね。
 でも,ファーバーカステルの例のやつよりは,百均版の方が使えると思う。

● 例のやつと来たら,削れない,消せない,だからさ。たとえ洒落でも,あれで “パーフェクト” を名乗っちゃいかんだろ。
 ま,手がつけられないレベルのバカが次々に現れて買っていく。そうして,自分がバカだったことを悟る。いや,ぼくもそうだったから,人様をバカと言っちゃいけないんだが。

● どっちにしても,鉛筆削りと消しゴムは専用器を持ちなさいってこと。こんなことをしてたんじゃ,パーフェクトどころか鉛筆が泣くぞ。
 が,旅行で持ち出す際には,携帯用鉛筆削りの代わりに,こっちのキャップにした方が筆箱への収まりがよくなる。それだけでも買う価値があると言えば言えるかもしれない,とは思った。

2024年8月18日日曜日

2024.08.18 消しゴムは消しゴム単体のものを使うべし

● 今どきの消しゴム付き鉛筆の消しゴムはよく消える。昔のは消しゴムとは呼べないシロモノだった。ほとんど石だったな。
 しかし,消えはするのだけれども,消しくずが粒のまま紙の上に残ってしまう。

● 消しゴムは,メーカーはどこでもいいから,消しゴム単体のものを使うべし。昔も今も変わらぬ鉄則だね。
 ただし,消しゴム単体なら何でもいいというわけではない。

● 鉛筆型のノック式消しゴムも消しゴム付き鉛筆の消しゴムと同じなんだな。
 これだけ断面が小さくなると使える材質がどうのこうのというわけなんですかね。

● つまり,今の消しゴムはプラスチック製だけれども,ゴム製より柔らかいから,鉛筆に付いてる程度の大きさと細さだとすぐに消耗してしまう。あるいは,欠けてしまう。
 ので,固くてすり減りにくい昔ながらの消しゴムを採用している,と。にもかかわらず,ここまで消しやすくしているわけか。

● ともあれ,消しゴムの形があの直方体であるのには,そうでなければならない理由がある。
 その直方体の消しゴムを鉛筆と一緒に筆箱に入れておくのが吉かと存ずる。

2024年8月17日土曜日

2024.08.17 ANGERS とボールぺんてる

● Ecute 上野の ANGERS。商品の配置が変わっておりました。
 が,いかんせん,欲しいものがない。使ってるのが測量野帳と鉛筆だけなんだから,当然っちゃ当然なんだが。

● 店舗によって置いてあるものが微妙に違うのは当然。上野店では測量野帳が姿を消した。丸の内店にはある ぺんてるP209 もなし。シャープペンの主力は,上野店ではステッドラー。
 だけど,ボールぺんてる はあるんですよね。丸の内店にも上野店にも。昔からある。たぶん,欠かしたことはない。

● 正直,そんなには売れてないと思うんですよね。売れたところで,利幅は小さい。
 けれども,ANGERS では ボールぺんてる は自店に欠かせないと思っているかのようだ。ボールぺんてる には ANGERS の魂が籠められているのかと思うほど。ボールぺんてる の何がそうさせているんですかねぇ。

● 鉛筆では,BLACKWING は消えたので,コヒノールが幅を利かせている。あとは,MADE IN USA の消しゴム付き鉛筆。国産鉛筆は以前から置いてない(厳密に言うと,オリエンタル産業の Twelve Black Pencils というのがひとつだけ置いてある。F〜10Bの12硬度セットで3,300円)。
 鉛筆は画材の1つとして扱うところが増えている。文字を書くためのものじゃない,という扱いね。ANGERS も,基本,そういう扱いでしょうね。

● 品切れになっていたポイントの鉛筆補助軸が入荷されていた。これは丸の内店でも同様。
 ぼくもポイント補助軸を使っている。自分が使っているものが ANGERS にあるのは,何がなし嬉しいものだ。
 と言っても,丸の内店で買ったのだから,ANGERS が扱っているのは当然。嬉しいも何もない。

2024年8月15日木曜日

2024.08.15 忘れるために書く

● 宇都宮テラスのワーク(休憩)コーナーで,ここ数日の間にやらかしたチョンボを書き留めてます。忘れないためではなく,サッサと忘れるために。
 大人は忘れるために書くのだ。わかったかね,そこのお坊っちゃん。別にわからんでもいいんだけどさ。

● 児童,生徒,学生と呼ばれていた頃は,憶えるために書いていた。漢字を何度もノートに書く。英単語も書いて憶える。
 もう少し進むと,理解しやすいように構造化(?)して書くことが増える。複雑なものを平面(ノート)に展開して,腑に落ちるようにする。

● けれども,大人になって,しかも40代,50代になると,もはや憶えるべきものは存在しなくなる。存在はするんだけれども,憶えようとしなくなる。
 それよりも,憶えたくもないのに頭に入ってきてしまうことどもが増える。そのほとんど(すべてと言ってしまいたいのだが)はおよそどうでもいいことだ。

● どうでもいいことだから放っておいても忘れるかと言えば,8割は忘れられるかな。つまり,たいていのことは放っておけばいい。自然に忘れる。
 が,問題は残りの2割。これがけっこうしつこい。繰り返し繰り返し,吃水線の上に顔を出す。

● それを忘れるためには書き出してしまうこと。脳の外に吐き出してしまうこと。
 それでどのくらい効果があるのかはわからないが(書かないでいても,時間薬が効いて忘れられたかもしれない。書いた場合と書かなかった場合を両方同時に体験することはできないので,厳密な比較は不可能だ),たぶん書いた方が安心して忘れることができる。

● しかし,問題がひとつある。しつこく頭に浮かんでくるようなことは,自分としてはシリアスなことが多い。忘れた方がいいんだけれども,しかし,シリアスだ,と。
 そういうことを文字に置き換えるという作業は,心理的にエネルギーを要する。自分を客観視するもう一人の自分を作らなくてはいけない。客観視される自分の生気を抜かなくちゃいけない。

● それをするにはエネルギーが要る。どうでもいいことはいくらでもダラダラと書けるけどね,切実に書いて吐き出すべきことはなかなか書けない。
 それができる,たとえばプロの小説家は並みじゃないんだなぁと思いますよ。

2024年8月14日水曜日

2024.08.14 ミミックが届く

● 8日に注文していたミミックが届いた(代金を振り込んだのは13日)。紙製のサイリンダーを含めると8本になった。どうすんだって話ね。
 8本並べた写真を厭味ったらしく(かつ,バカを丸出しにして)載せようかと思ったのだが,やめておく。

● まず,コーラル(右)を使ってみる。ナンテン(左)が楚々とした娘さんなら,コーラルは30代半ばの熟女かと思ってたんだけども,届いてみたら逆。
 赤よりピンクの方が,若さあるいは幼さを表現しますわね。オバさんたちがピンクを着るのもこれが理由か。
 ひとり,ニヤニヤしながら使っていきますわ。

● ミミックのショート(エボナイト)。ポイント補助軸よりも少し短いが,エクステリバーよりも長い。筆記上の支障は皆無。
 逆に,ショートであることの利点も説明できない。ジャケットの内ポケットにまだ挿してないのでね。
 アセテート製のミミックしか使ってこなかったが,エボナイトの質感とかすかな光沢もいいものですな。フルサイズがいいという人はメッセンジャーをどうぞ。

● 測量野帳に3ページほど書いてみた。ショートの方がいいかもしれない。補助軸としては取り回しが自然にできる気がする。あくまで “気がする” にとどまるのだが。
 ローラボールキットやボールペンキットを装着した場合にどうなのかは,わからない。
 いや,ショートもいいんじゃないですかね。その分,鉛筆を短くしないとミミックに挿せないことにはなるんだけど。

● テンピョウの質感は圧巻。古く見えるモダンというやつだな。
 ミミックのフラッグシップ。ぼくのようなガサツかつ下品な人間が使ってもいいのかとおののきながら,これから使ってみる。挿している鉛筆はトンボの木物語。

● 最後はドロップス。アセテート樹脂はペンギンなど他のミミックと変わらないが,スケルトンで,ややポップな感じ。写真だと少しチャチく見えるかもしれないが,質感はミミックスタンダード。飽きが来ることはないと思う。
 スケルトンゆえ,あまり短い鉛筆よりも,ドロップスの軸内にしっかり残る長さが欲しいかも。

● ところで,ミミックを使うときにキャップをポストする人はいるんだろうか。ぼくは,万年筆でもポストしないんだけど。
 ミミックでポストはあり得ないですかね


(追記)

● 上の3本は北星。第一勧業銀行のノベルティだからバブル崩壊以前のもの。真ん中の3本はコーリンの女児用のキャラクター鉛筆。下の3本はやはりコーリンのヒゲタ醤油のノベルティ。
 それぞれ,ミミックのナンテン,コーラル,ドロップスに合わせようかと思って,引っぱり出してきた。と言っても,実際に使うのはだいぶ先になりそうだ。その前に使っておきたい鉛筆がけっこうあるもので。