もう一方の雄である三菱9800はどうなんだろうと思って,HBでちょっと比べてみるかと思ったんでした。
● 両者とも長く続いているブランドなので,かたやかなり昔に製造されたもの,かたや最近のものという製造年代の違いがあってはまずいから,両方とも現在,文具店で売られている現行品で比較。
良くも悪くも,古いのが比較的簡単に手に入るのが鉛筆の特徴。品質劣化が少ないから古くなっても実用性を保持しているのが第一の理由。
● 第二に,必要以上に買ってしまう人が多いこと。少しばかり買いすぎるのではなく,必要量の3倍4倍と買うのが普通なのかと思える。あと,文具店に眠っていたデッドストックが相当量あること。
要するに,過剰生産。これは鉛筆に限るまい。現在でも文具のほとんどは実需を超えた量が生産されているだろう。それらが,ヤフオクやメルカリの登場とともに市場に出やすくなった。
● で,両者を比べたところ,ほとんど差はなかった。濃さ,硬さはほぼ同じ。
書き味は9800の方が気持ち滑らかに感じたんだけれども,気のせいかもしれない。違いがあるとしてもその程度のもの。目隠しして比べたら,たぶん当たらないと思う。
● 三菱,トンボ,北星を比べると,同じHBでも北星が最も濃く,トンボ,三菱の順番と思ってた。北星が最も濃く軟らかいのは訂正の必要がないんだけれども,三菱とトンボの間には順位は付かない。
なぜトンボの方が濃いと思ってしまったんだろう。9852と2558を比べたらそうだったのか。
● 三菱とトンボのどちらを支持するかは,成行きと偶然で決まるかも。
ぼくは,9800と8900ならどちらも支持。9852と2558ならトンボ支持。三菱の9800と9852は芯は同じであるように思う。トンボは8900と2852の芯を変えている。
● 9800も8900も,現在でも最も広く使われている鉛筆だろう。深緑色とオリーブグリーンの代表者でもある。
三菱からもトンボからも,それ以外のメーカーからも,9800や8900を凌ぐ鉛筆はいくつも出ている。それでも鉛筆の代名詞になっている製品はこの二つ。
● 鉛筆なんて安いんだから,9800や8900にこだわらないで,いい鉛筆を使えばいいのだ。それでもこの二つが選ばれる。
メーカー品の中では最も安価だからというのも理由だろうけれども,三菱やトンボの社員でも9800や8900を選ぶ人が多いんじゃないかと推測している。実用性において欠けるところはなく,戦後ずっと存在してきたという限りない安心感。
● 鉛筆のメインユーザーである小学生は,9800や8900を使っているんだろうか。三菱もトンボも,別なものを使わせようと誘導したがっているように見えるのだが。
彼らが大人になる頃には9800や8900はどうなっているだろうか。相変わらず生産が続けられて,最も選ばれる鉛筆であり続けているだろうか。
(追記 2025.05.28)
● 今日は9800より8900の方に滑らかさを感じた。滑らかさも互角。
この両者を使っているうちに,この程度の硬さの方がB罫ノートの両面使用には合うんじゃないかと思えてきた。
● 北星ならHB,三菱とトンボならBか2Bが自分の好みにフィットするんじゃないかと思っていたんだけれども,北星ならF,三菱とトンボならHB,といったあたりに好みの軸が動きそうな予感。
ちなみに,北星だと9606はHBしかなく,9500もHB〜2Bしかないっぽい。北星のFを使おうとするならクラフツマンを確保しておかないといけない。
● クラフツマンは高級ダイソーの Standard Products でしか取扱いがなく(Amazon にもない),その Standard Products でもHB〜2Bは入手困難な状態にある。補充もしない方針らしい。店頭からなくなったらそれまで。
が,幸いなことにFは残っている店舗が多い。少なくとも,宇都宮東武百貨店に入っている Standard Products にはけっこう残っている。押さえておくべきやいなや。
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