● 鉛筆は文字を書くには向かない筆記具だ。軸が細すぎるからだ。小学生の小さな手にも細すぎると思う。勉強嫌いの小学生が出てしまう理由の一端は,彼らに鉛筆を使わせていることにある。
“正しい持ち方” ができていないからではない。それ以前の問題だ(鉛筆くらい好きなように持たせてやれ)。
● 一方で,鉛筆ならではの良さがあることには同意する。しかし,そのためにも,鉛筆はデフォルトで使ってはいけないことを周知徹底すべきがメーカーの役割だと思う。
補装具が必要になる。色々と製品化されているのは知っている。が,せっかくの製品があまり使われていないようだ。あたりまえのようにデフォルトで使われている。
● 短くなった鉛筆には補助軸を装着できる。補助軸は長さよりも太さを補えることが眼目だ。短くなって,鉛筆は初めて一人前になる。
長いうちから装着できる貫通式の補助軸が欲しい。一部にはあるが,大人の一部の好事家しか買わない(買えない)ものではなく(どうせ彼らは大したことには使っちゃいないのだ),小学生でも買える価格のもの。
素材なんか樹脂でいいのだ。いや,樹脂が最善。鉛筆を重くしないから。
補装具を装着すると,削るたびに着脱が必要になるから面倒は面倒だけれども,デフォルトで使うよりはるかに優る。
● そうして最低でも1ダースの鉛筆を用意して次々に使っていく。そうすれば削るのは1日に1回ですむ。鉛筆を使うとはそういうことだろう。
しかし。もっといい補装具はないのか。パーフェクトペンシルなどという虚仮威しの商品ではなく,文字どおりにパーフェクトに鉛筆を使える補装具。
● 現状では,中学生になったら鉛筆を捨ててシャープペンに移行するのはあたりまえだ。旧態依然を続ける鉛筆に対して,シャープペンの進化は際立っている。
このまま推移すると,鉛筆にできる社会貢献はただひとつ,この世から消えてなくなることだ,と言われかねない。
● 三菱にしてもトンボにしても,収益源は鉛筆ではないだろうから,そうなってもさほどに困らないだろうけれども,これほどの高品質の国産鉛筆(品質は世界でも抜きんでている)が使われないのは,ひとえに軸が細くて使いづらいことにある。
この細さが長く放置されてきた。そこを変えられないのであれば,良い補装具で補うしかない。
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