2024年6月29日土曜日

2024.06.29 純正鉛筆族はどうして生まれるのか

● 3月から鉛筆をメインの筆記具にしているのだけれども,なぜ鉛筆になったのかというと,再生紙野帳(セ-21N)を使うことになったからだ。

 万年筆だと(プラチナのブルーブラックでも)裏抜けすることがあるので,絶対に抜けない鉛筆を使ってみるか,と。


● が,再生紙野鳥にも個体差があって,万年筆でも裏に抜けないものもある。そういう場合は,鉛筆よりも万年筆がいいような気もしたが(文字を書くだけなのでね),基本的には鉛筆を使い続けている。

 再生紙野鳥は鉛筆で通してみようと決めたからでもある。が,それだけではなくて,鉛筆を使い始めてそれなりの期間が経ってみると,やっぱり鉛筆っていいよね,となってきているわけだ。


● となると,鉛筆以外の万年筆やボールペンも山ほど買ってしまっているので,それも誰かもらってくれる人がいないかなぁ,となるのだけれども,いないよねぇ。

 よほど高価なものなら格別,ぼくが持っているのは4桁止まりだからな。


● ま,それはそれとして,鉛筆のこの快適さは何なんだろう。この快適さを小学生のうちから感得していれば,シャープペンに移行することもなく,そのまま一生,鉛筆を使い続けることになったかもしれない。

 筆圧をかけないで人差し指で滑らせれば,ほどよい抵抗感を残しつつ,文字が紙の上に残っていく。


● 筆圧をかけないというのが,小学生のときにはできなかった。ぼくが小学生だったのははるかな昔だが,Hとか2Hの鉛筆でガチガチに筆圧をかけて書くのが流行っていたような記憶もある。

 俺なんか4Hだぜ,みたいな自慢をしてみせていたんじゃなかったか。ずっとそういうふうだったということではないが,鉛筆とは筆圧の代名詞だった。


● 筆圧は要らないのだと体得できていればずっと鉛筆を使い続けたもしれないというのは,しかし,成り立たないだろうね。シャープペンと万年筆への関心は抑えることができなかったと思う。

 メカニカルなものに少年は憧れるものだし,削る必要がないところにも惹かれたはずだ。


● ぼくが子供だった頃は,中学の入学祝いは万年筆が定番だった時代だ。元服のお祝いは,当時の価格で2千円か3千円の万年筆。パイロットのエリートSが売れていた時代だ。大橋巨泉のハッパフミフミの台詞の全部を,ぼくは今でも諳んじている。

 大人になりたくてしょうがない年齢だから,おとなしく鉛筆だけを使っていたとは思えない。


● が,中にはそういう人がいるわけで,どういう理由でそういう人が生まれるのか。メカニックや大人の象徴の誘惑に乗らずにいられたのか。あるいは,乗ってはみたものの,ごく短期間で見切ることができたのか。

 だとすれば,いかなる理由でそれができたのか。その年齢で鉛筆の快を知るところまで行っていたんだろうかね。

 だとしたら大したものだな。少数派の栄冠を獲得できた人だよ。


● ここから別の話。

 ぼくもこの齢になって,鉛筆の良さを半分くらいはわかってきた気がする。わかってしまった以上は鉛筆を使い続けることになるわけだが,万年筆やボールペンたちよ,汝を如何せん,という問題が発生しちゃうわけだよね。

 鉛筆だって三度生まれ変わっても使い切れない本数があるので,鉛筆のほとんども汝を如何せんなのだが。


● 根っからの貧乏性のせいだと思うのだが,文房具というものに使用価値以外の価値を見出だせないでいる。

 これまで夜に出た文房具の中にはニューヨーク近代美術館で保管・展示されるようなものもあるんだろうけども,そうしたものには興味を持てない。

 これは,たとえば茶道具や磁器陶器に興味を持てないことにも通じるのだろう。形やたたずまいに対する美感が決定的に欠けている。


● 戦後に限っても,国産鉛筆は(海外製も同じかもしれないが)ブランドは同じでも,小さな変化を数限りなく刻んできている。たとえば,トンボ8900は世に出てからそろそろ80年になるのだが,当初の8900のまま今に至っているはずがない。

 ダース箱の変化など,外からわかることだけでなく,芯質や木軸の使用材も変わっているはずだ。それも一度や二度ではないだろう。


● そうした変遷を辿ってみよう(当初の8900から現行品に至る過程の中のいくつかを並べて,どこがどう変わったのかを実地に確認し,味わってみよう)とはサラサラ思わない。そういう系統を詳らかにすることに興味はない。

 貧乏性とは何かというと,腹の足しにならないことには興味を持てないことを指すようなのだ。

2029.06.29 立派でもなく,高尚でもなく

● 5日間ほど東北をフラフラしてきた。今までは一箇所滞在型というか,同じホテルにずっと泊まって,あまりホテルから出ないパターン。
 だから,いつも家でやっていることをホテルでやることができた。測量野帳に鉛筆で何かを書くのも継続できた。で,それがけっこう快だったんだよね。

● 周遊型になるとそんなことはしていられない。野帳と鉛筆は持って行ったんだけども,一度も野帳を開くことはなかった。
 で,それで困ることなんか何もないわけですよ。

● 月に3冊の野帳を使うほど何かを書いているんだけど,そんなことしなくたって全然いいわけね。ムダなことをしているわけですよ。
 結局,これは暇潰しのためだったんだな,と。他に潰せる手段があるなら,必要ないものだ。

● ま,大抵のことはそうでしょうけどね。仕事だってそうかもしれん。
 人生は死ぬときまでの暇潰し,とはよく言ったものですよ。

● 帰ってきたら,いそいそと野帳を開いているんで,この先も続けることになる。
 けれども,これって立派なことでも高尚なことでもないという,当たり前すぎることをあらためて思ったんでした。たったそれだけの話です。

● 以下,別の話。
 滞在型なら荷物はホテルに置いて身軽に動けるけれども,周遊型だと常に荷物を抱えての移動になる。古今の旅行心得集ができるだけ荷物を少なくしろと言っているのは,まことに理由がある。
 ぼくの場合,周遊型で最も厄介なのは手帳だ。今年からA5サイズのシステム手帳に替えたのだけども,これを持って出る気にはならない。だから,置いて行った。

● 旅行中のチケットや包装紙なんかを手帳に貼ってアルバム様にしていくのが好きで(そのためにはある程度大きさがあった方がいい。それがA5に替えた理由のひとつ),手帳とハサミと両面テープは必須。
 ところが,手帳を持っていかないのだからハサミと両面テープも不要。その代わり,保存用のクリアファイルをひとつ持っていった。

● 手帳に貼る作業は帰宅後にしたんだけれども,こういうものは現地処理の方が何かと都合がいい。
 そのために,大型手帳をを持ち歩くべきか。少々悩ましいところだ。

● そういうときのために,測量野帳やトラベラーズノートがあるんじゃないかという意見もあると思うが,こういうものは手帳の方が向いているのだ。時系列で日常と一緒に綴じ込むのがいい。
 そのためにシステム手帳を使っている。

2024年6月28日金曜日

2024.06.28 青森市で文具店巡り

● 青森駅ビル(&LOVINA)にもスタンダードプロダクツがある。いつできたのか知らないけれど,青森市民も北星のクラフツマンが買えるわけだ。

 青森にあるんだから宇都宮にあってもおかしくはないな。宇都宮には5月10日にオープンしている。


● 首都圏にしかなかった時期が続いたけれども,その時期は意外に短かかった。全国展開は終了したんだろうか。

 駅ビルや百貨店,ショッピングモールは入替えが日常的にあるから,出店先を見つける苦労はさほどになかったのじゃないかと思う。むしろ,請われての出店ではないか。


● クラフツマンは同価格帯(110円)の鉛筆の中では最もコストパフォーマンスに優れるとぼくは思っている。鉛筆のヘビーユーザーは小学生(しかも低学年)だが,クラフツマンに関してはそうではないだろう。アート用かとも思うが,用途を区分けしても仕方がない。文字を書くにもいい鉛筆だ。

 青森の店では2Bの半ダース箱は欠品中。売筋の欠品を作ってはいかんだろ。


● 小学校で児童に使わせる鉛筆がHBから2Bに移って久しいのだが,益体もない理由でこれをあげつらうロートルが未だにいる。自分の経験をなぜ簡単に是としてしまうのかわからん。バカとは不思議なものだ。

 また,メーカーはユーザーの求めに応えるのが本義であって,これに棹さすのは余計なことだ。そんなメーカーはないと思うけど。


● 青森市新町通りの成田本店の入口にある広告。


 文字に託して,過ぎ去った日々を綴ろうか,

 果てしない未来を夢みようか。


 そうなんだよね。ノートとペンがあれば,ひとり遊びができるんですよ。万年筆じゃなくてもね,1本の鉛筆があれば。


● しかも,このひとり遊びはすこぶる安上がりときている。安上がりですむものは飽きないで続けられる。

 ここがポイントだ。大金とは行かなくても,中金を注ぎ込んでする遊びは必ず飽きる。


● さわや書店ラビナ店(駅ビル)の文具売場。三菱uniが “日本製” と。

 国内の鉛筆メーカーはいくつかあるが,通常販路は三菱とトンボが押さえている。トンボはベトナムに生産拠点を移転した。“日本製” と謳うことはできない。

 鉛筆に関しては三菱一強の時代が来るかもしれない。というか,とっくに来ているのか。

2024年6月27日木曜日

2024.06.27 メモ魔は偉い,尊敬する

● メモする人,特に自分の内部からやってくるものをキチッと言語化して残せる人は,どんな分野に進んでも必ずひと角の人物になると思う。
 アイディアというほど大袈裟なものてはなくても,ふと浮かんできたこと,思いついたこと,「そうだ,あれをやらなきゃ」というようなことでも,サッとメモする習慣を身に着けた人は,大きな伸びしろを得た人だと思う。

● たとえば,RHODIA No11 をいつも忍ばせておいて,メモをとる人。メモ魔に徹しきれる人。
 尊敬しますよ。ぼくはダメだったが。

● そういう人への憧れ,自分もそうなりたいと思っていたことはあって,そのための道具はいくつも買っている。
 RHODIA No11 とそのケースはもちろん,名刺型と5×3カード用のジョッター,ダイゴーのジェットエースなど,名の知られたモノは買った。

● 買うだけなら誰でもできる。問題はそれを使うかどうか。東大の赤本を買うのは誰でもできるが,それを使って東大に合格できる人はそんなにいない。
 それと同じことね。ぼくは買うだけの人だった。

● RHODIA やジョッターをサッと出して,ササッとメモするというシーンに自分を置いて,その自分に憧れるといった態だったのかもしれない。
 そういう自分が自分のアイドル? 何だかねぇ。

● 結局,それらを持ち歩いた日数の合計は10日に満たないと思う。メモする以前に,そのための道具を持ち歩くことができなかった。
 それはなぜかというと,持ち歩いている日に,何もメモすることが浮かばなかったからだ。何だかねぇ。

● それやこれやなので,小さなメモ帳を持ち歩いて,メモ魔を貫けている人には,心からなる敬意を評するにやぶさかではないのだ。

2024年6月26日水曜日

2024.06.26 仙台 LoFt で鉛筆を買った

● 東北を経巡っている。経巡ってるだけね。
 で,今日は仙台に来た。駅前に威容を誇る仙台 LoFt。

● 例によって,学用品売場に直行。デザインノートだの革小物だのは,ぼくごときが近づくところではない。
 あと,画材コーナーも見るのが好きだ。絵はまったく描かない(描けない)くせに画材を見るのが好きとは,これいかに。
 楽器はまるで弾けないくせに,音楽を聴くのは好きといったようなものですか。

● 画材コーナーにいる若者たち(今回だと,東北生活文化大学美術学部か美術予備校の学生だと思うのだが)の話が聞こえてくるのも面白かったりする。
 画材コーナーにある鉛筆を買ってみた。クツワのホクサインは置いてない。STAEDTLER の Mars Lumograph black とFABER-CASTELL 9000 Jumbo の4B。

● STAEDTLER も FABER-CASTELL も,ぼくには無用のもの。しょうがないね,こんな無駄遣いをしてたんじゃね。
 あと,学用品売場にあった消しゴム付き鉛筆を2種。三菱の 9852EW とトンボの木物語。9852EW は 9800EW に消しゴムを付けたもの? どちらもHBしかなかった。

● カステルJumboは芯を削った状態で販売されている。レジで折れないように芯を覆って渡してくれるんだけども,こうするのは日本だけだろって気もするし,ドイツでもやってそうな気もするし。

2024年6月23日日曜日

2024.06.23 旅行などに備えて,鉛筆主体の筆箱を作るべきか

● 普段は鉛筆を使っている。家では鉛筆だろうが万年筆だろうが使いたいモノを使うことに何の不便もない。
 問題は泊まりの外出の場合だ。万年筆ならその万年筆を胸ポケットにでも挿して出かければいいが,鉛筆の場合は鉛筆だけを持って出るわけには行かない。

● 消しゴムはもちろん,鉛筆キャップや補助軸,字消し板といった,鉛筆一族を連れていかなければならない。これは少々面倒だ。
 鉛筆代わりにコクヨの Campus Junior Pencil を1本持って出ればいい。あとは消しゴムくらいですむ。

● ところが,実際に出かけるとなったときは,やっぱり普段の鉛筆を使いたいよ,と思うんでありました。
 ならば,外出用の筆箱を用意すればいい。トンボ100周年記念の復刻鉛筆が入っていた缶ペンケースに,チビた鉛筆と消しゴムを放り込むだけの話だ。難なく収まる。

● が,結局,却下。これくらいだったら,いつものペンケースに入るんでした。ことさらに旅行用筆箱なんぞを作ることもなかったんでした。
 筆箱を2つに分けるまでもない。パソコンをメインとモバイル用に2つ持って,上手く行った試しがない。筆箱も同じだろう。

● が,今まで使ってきたペンケースに鉛筆を入れることには,少々の抵抗がある。少なくとも,キャップを付けずに芯が出たままの鉛筆を入れたくはない。
 かと言って,チビてしまった鉛筆にキャップを付けるのは無理だ。キャップの中に鉛筆全体が潜り込んでしまう。

● では,外出するときにはチビていない鉛筆を持ち出すか。
 それでは普段と違ってしまう。それくらいだったら,Campus Junior Pencil を持って出た方がよほとスッキリする。

● というわけで,この問題にはまだ結論が出ていない。しばらく,捏ねくってみたい。捏ねくるのが愉しそうだから。

2024.06.23 かきかた鉛筆

● 小山駅ロブレ2階のTSUTAYA。書籍,文具も扱っている。
 学童文具コーナーにある鉛筆は かきかた鉛筆 のみ。普通の鉛筆は他のところにある。

● かきかた鉛筆はぼくが子供の頃からあったが,かきかた鉛筆の意味合いが違ってきてますかね。
 昔は,かきかた鉛筆というのは普段の授業には使わないものだった。普段使いはHB,かきかた鉛筆はBだったな。

● かきかた鉛筆って軟らかくて濃いんだな,なるほどこれでは普段は使えないな,などと思っていたものだ。
 なぜって,かきかた鉛筆で書いた字をこすってしまうことがあると,ノートも手も汚れ方が違ったからね。

● 今の硬筆書写用鉛筆が昔のかきかた鉛筆に当たると考えればいい?
 今のはこすってもこんなに汚れないようになってるんだろうかな。なってるような気もするが。

● でもさ,硬筆書写用鉛筆というのもよくわからんよ。トメ ハネ ハライ のために特別な鉛筆が必要かね。
 今の小学生はBや2Bが普段使いになっていると聞く。である以上,かきかた鉛筆は消えてもいいものじゃないか。
 かきかた鉛筆にしろ,硬筆書写用鉛筆にしろ,特定用途のための鉛筆が必要なのかってことね。

2024年6月22日土曜日

2024.06.22 BLACKWING の問題点

● ぼくが子供だった頃にも消しゴム付き鉛筆はあった。が,その消しゴムを消しゴムとして使えると思ってはいけなかった。消しゴムは単体で持たなければいけないものだと実地で体得することになる。
 それでも,消しゴム付きの鉛筆を欲しがったのは,形がカッコよかったからかなぁ。

● ところが,これが長足の進歩を遂げていることを知ったのは,比較的最近のこと。
 黄色の消しゴム付き鉛筆を並べてみた。トンボ2558,三菱9852,コーリン710。
 前二者はほんとによく消える。コーリンは大昔の子供時代を彷彿させてくれた。経年劣化によるものだろうが,昔は新品でもこうだったんだよ。

● コーリンのロゴの月顔が左向きになったのは昭和57年(1982年)2月らしい。この頃にはちゃんと消えるようになっていたんでしょうね。
 鉛筆とは無縁の時期がぼくの人生の大半だから,鉛筆経験の絶対量が足りない。わからないことがずいぶんある。わからなくても,人間やってく上で支障はないんだけども。

● 黄色以外の消しゴム付き鉛筆となると,三菱9850の他には,写真の3種しか持っていない。
 BLACKWING 55,北星9606,ダイソーで4本110円のアイボール製。

● BLACKWINGはこの1本のみ。1本500円という価格は問題ではない。
 ぼくは文字しか書かないので,どんなに頑張っても鉛筆は月に1本しか消費できない。その1本が500円だろうと50円だろうと,違いのうちに入らない。ほとんど誤差の範囲といえる。

● 個人の場合なら,あらかたの人に妥当するだろう。1日1箱喫煙する人は毎日600円を煙にしてるのだ。缶コーヒーを毎日1本飲めば,月に月4千円を超える。月の鉛筆代が500円はタダみたいなものだ。
 ただし,使わないけれども買うという人に関しては,この限りではない。

● BLACKWINGの問題は,そこではなく,市販の補助軸が使えないことだ。これはかなり困る。
 冗談を形にしたとしか思えない,あの専用エクステンダーを使うしかない。頭が重くなって使えたものではないと思う。

● それを避けようとすれば,親指と人差し指の縁で重量を受けとめるしかないが,そのためにはかなり短くなるまで補助軸なしで使わなくてはならない。できないことではないが,何が悲しくてそんなことをせにゃならんのか。
 それに専用エクステンダーでは太さを付加することができない。

● というわけなので,北星9606が最も上質な消しゴム付き鉛筆になると思うのだが,9606はHBしかない。
 文字しか書かないなら,それで無問題ではあるが。

2024.06.21 補助軸について

● 補助軸の肝は2つあって,第1は鉛筆をしっかりホールドすること。
 鉛筆らしさのひとつは,芯と軸の完璧な一体感。補助軸がしっかりホールドして,補助軸と鉛筆を一体のものにしてくれないと,鉛筆が死ぬことになる。

● ぷにゅグリップやキュポットグリップに違和感を覚えるようになったのも,それらと鉛筆の間に隙間ができてしまうからだ。

● 第2は重すぎないこと。鉛筆の軽さを損ねるほどに重くては,使えたものではない。補助軸の中にはそういうものもある。

● これは好みの問題になるだろうが,存在感が大きすぎる補助軸も困る。鉛筆を押しのけて自分が主役になるような補助軸は願い下げだ。
 補助軸は鉛筆の補装具にすぎない。補装具の過剰な存在感はしばしば下品に通じる。

● いわゆる工房系の補助軸は,だいたいがこれに当たる。
 存在感があるのにさり気なさを保っているのは,ぼくの知る限り,ミミックを以て唯一の例外とする。

2024.06.21 鉛筆使用時のジレンマ

● 鉛筆の最大の弱点は細すぎることだと思っているが,その細さが以前ほど気にならなくなってきた。
 正確に言うと,太さを付加するための ぷにゅグリップ や キュポットグリップ が使いづらいと感じるようになってきた。

● 太さを加えるには補助軸が一番。補助軸を使える短さになって,鉛筆は一人前。
 補助軸に装着して使う方が,鉛筆だけの状態よりも,使い勝手ははるかに勝る。

● だったら,最初から貫通式の補助軸を使えばいいじゃん。ところが,半人前の長い鉛筆にも取り柄はあって,それはフォルムが美しいことだ。鉛筆の形は美しい。
 貫通式はそのフォルムを隠してしまう。悩みどころだ。細さが以前ほどは気にならなくなってきたので,なおさらね。

● でね。両方試してみた結果,貫通式補助軸を使う方に軍配が上がりました。
 使い勝手が少しでも良くなるなら,フォルムを愛でるなんていう軟弱なことは後回しになるんでした。

2024年6月21日金曜日

2024.06.21 ルーズリーフ手帳もいいかなと思った

● コクヨのルーズリーフ専用ケースを買ってみた。B5のルーズリーフを使っていたのは20代まで。
 これは,基本,お勉強用という気がする。これから勉強する予定があるのか。もちろん,ない。

● 勉強はしないけれども,ルーズリーフを使うこと自体はあるかもしれない。つまり,手帳に。
 今年,バイブルウィークリーからA5マンスリーに手帳を変えた。システム手帳を長く使ってきたのだが,システム手帳の6穴って不自然だなと思っていてさ。

● 普通のルーズリーフバインダーの方がめくりやすいという単純な理由。わざわざ6穴のバインダーを使うこともあるまいよ,と思うことは何度かあった。
 システム手帳の代表であるバイブルサイズ(最近はミニ6とかマイクロ5の小さいのが人気のようだが)は,対応するルーズリーフもバインダーもない(と思う)から,専用バインダーを使わざるを得ないとしても,A5ならそんなのに縛られる必要もないんじゃないか。

● マルマンが手帳用のリーフを製品化している。そっちにすることがありそうだ。それに備えてと,理屈をつけて買ってみたんですけどね。
 マルマンの製品はA5とB5。A5でいいかもしれないのだが。

● 宝島社のこれなんか,なかなか魅力的ですよ。書店の店頭からは消えたが,今でもネットで買える。
 A5にも備えておきますか。って,これは買わないと思いますけどね。

● Bサイズってのは日本独自の仕様で,昭和60年頃でしたか,役所や企業でもBサイズからAサイズに移行した。山根一眞さんなんかがそれを大きな進歩だと好意的に評価していた記憶がある。
 それを機にぼくもAサイズ野郎になって,現在に至る。Bサイズを使うことは絶えてなくなった。

● ルーズリーフ手帳に移るとしたら,B5になりますかね。昔帰りというか,Bサイズって手に馴染むといいますかね。
 あと,マンスリーでログを残すなら,B5くらいの大きさがあってもいいかなと思うし。

2024.06.20 鉛筆購入熱病の嵐が去って

● ノベルティの鉛筆。K.B.P とあるんだけど,これはどこのメーカー? まさか,キタ ボシ エンピツ ではあるまいよ。

● この鉛筆のほかに,三菱3900,ユニスター,トンボのかきかた鉛筆,合格祈念鉛筆など,74本のまとめ売りがメルカリに300円で出てたんで,ポチってしまったわけですよ。
 主には,三菱9800とトンボ8900のノベルティが多かったのだけど(共同募金のノベルティ鉛筆も),それでも1本4円ですからね。

● ちなみに,こちら(左の写真)がパステルカラーのトンボかきかた鉛筆。〄があるから1998年以前。
 その頃もパステルカラーっていう言葉があったんですかね。って,あったに決まってますな。言葉はともかく,こういう色味の製品はけっこうありましたよ。

● 女児に好まれていたんでしょ。今はオバサンまで女児の嗜好になってるってことですよ。
 少しも悪いことじゃありません。けっこうなことです。ぼくもピンクが好きなピンクオヤジですのでね。

● こちら(右の写真)が三菱鉛筆の3900。中部電力のノベルティ。
 
● 送料やメルカリに支払う手数料を考えると,出品者様はコストをかけて不用品を整理したんでしょ。ゴミに出してしまった方が早いけれども,使ってもらえるならその方がいい,と。
 ところが,ポチったのがぼくと来たもんだ。出品者様の意図は虚しかったといえる。

● というのは,ぼくの手持の鉛筆がたぶん7グロスくらいあるんですよ。3回生まれ変わっても,すべて使うのは不可能ですよ。
 1日24時間,1年365日,ずっと鉛筆で何かを書き続けたとしても,とても使い切ることはできない。
 つまり,出品者様が「使ってもらえるなら」と思って出品したのだとすると,そのご期待に添えそうにない人間がポチッちゃったってことなんですよ。

● ぼく以上にお持ちの方もあまたおられるだろうけれども,どうすんだよ,こんなに,と自分にツッコミを入れるくらいじゃ追っつかない。
 鉛筆には使用価値以外の価値は認めていないんですよ。眺めて愉しむなら,もっといいものがいくらでもある。鉛筆は使わなきゃ話にならない。

● それなのに,あぁそれなのにねぇ。
 使い切るのは無理としても,せめて1本を1週間で使う方法はないでしょうか。鉛筆画を描け,ですか。それしかないですかねぇ。

● 今月の14日から怒涛のごとくメルカリの鉛筆の出物をポチりまくるという,鉛筆購入熱病の第三波に襲われていた。この74本を購入して,その熱病も去ったのだけど,嵐の後の何とも言えない虚しさを味わっておりますよ。
 こうなってしまったのも,鉛筆が安すぎるからだ。って,外部要因に責任転嫁してはいけませんな。

● 古鉛筆に注目する人が増えていて,古鉛筆の価格がかなり上昇しているようでもあるんだけれども,コレクターが注目するようなモノは,ぼくが所持している7グロスの中にはほぼないと思う。
 その点で,コレクター(及びその予備軍)の皆様には迷惑はかけていないと思うのだが。

2024年6月20日木曜日

2024.06.20 いくつかの鉛筆

● ユニ(に似た)色のトンボ。ぼくの手元にあるのは,いずれもノベルティに使われているもの。
 頭は丸まっている。塗装はユニに劣る。軸も少し細め。

● 写真の左側がトンボで右がユニ。素人写真だとわかりづらいけど。
 実際に使うのは,2,3年先になってしまう。

● これはわからない。LONDというブランド。
 名前を書くために木軸の上部を削っているのだが,そこに再度塗装している(個人がやったんだろうか)。許可番号なんてのも印字されている。
 戦後のドサクサ期にしては,何となくモダン。〄もあるので,もっと後でしょ。

● 三菱9800の5B。現在は販売されていない。
 大人の皆様は3B以上はユニを買ってくださいよ,オネゲーしますよ,というメーカーからのメッセージだと思っている。

● 昔は,何かあると鉛筆に印字して記念品として関係者に配った。当然,学校関係が多かったろう。
 これらの鉛筆のうち,実際に使われたものはどのくらいありますかねぇ。2割くらいですか。大半は使われずに捨てられたんじゃないか。
 昭和30〜40年代,日本が貧しかった頃にはそうでもなかったのかもしれないけど。

● こんな色と印字の三菱鉛筆があったのか。と思ったら,「愛の光」のノベルティだったようだ。
 「家の光」という雑誌なら大昔にあった。農協系だったっけ? 「愛の光」とは何ぞ? 宗教か。どこぞの幼稚園か福祉施設の法人名か。こんな名前をつけるようでは,ロクでもないとこだろうけどな。

● ちょっとお待ち。ドイツ原料芯って何だよ? 黒鉛か粘土のどちらか(たぶん,粘土の方)をドイツから輸入してるってことか。インセンス材使用?
 不当表示では全くないが,要するに普通の鉛筆ってことだよね。消費者の無知に突け込んでる感が不快っちゃ不快。
 今ならあり得ないね。ダメな時代だったね,あの頃は。

2024.06.20 共同募金のノベルティ鉛筆から

● 赤い羽根共同募金のノベルティ鉛筆。何だかねぇ,今でこそ,何もしないで年額1千万円超の報酬を受け取っている官僚あがりがいることだとか,中抜きの実態が少しずつ明るみに出てますけどね。
 最もこ汚い連中が棲んでる組織体だよねぇ。

● そのこ汚い連中が自分たちの安寧の永続化のために色んなことをやっている。特に標的にされるのが学校なんだけど,何とかならんかね。
 官庁や業界団体が,小中学生にポスターや作文を書かせたり,標語を作らせるのも,原則禁止にできんかね。自分たちの業界振興のために小中学生を食い物にするって,どうなのよ。
 それが学校教育をスポイルしている実態を語る人が,そろそろ出てもいいんじゃないか。

● 赤い羽根をスーツの襟に挿して,私は良識ある市民でございってやるのも,どうなのよ。気持ち悪くないか。国会議員からやめてもらいたいぞ。

● 大衆の善意を食い物にするのは,ひとりアグネス・チャンに限らないわけだよね。募金だとか福祉だとかに潜む胡散臭さのあぶり出しは,全く不充分だと思う。
 誰とは言わないけど,いかにも詐欺師然とした自称児童福祉事業家もいるしさ。

● ついでに言うと,音楽の演奏会に出かけて行くと,来場者に募金を呼びかけている低能楽団がいまだにあるんだよ。良いことしてる気分に溺れているのかね。
 自分が中抜き団体に募金するのは勝手だけれども,自己満足は自分たちだけにとどめてくれ。

● たとえば能登震災なら,返礼なしのふるさと納税で対応してるんでね。
 アンタらより世間の人は賢いんだよ。いい加減,気づいてくれよ。

2024.06.20 合格祈願鉛筆

● 受験生宛ての合格祈願鉛筆。見づらいけど,“がんばろう 努力 根性 ど根性” と書いてある。
 「巨人の星」の時代ですかね。ありましたよね,これが至上価値だった時代が。息苦しかったですな。

● 努力を否定するつもりはないですよ,もちろん。どの分野であろうとひと角の人物になるには,人知れずの努力が必要でしょうよ。
 だた,努力と思ってする努力をいくら重ねたたところで,効果は限定的なような気がする。もっと言うと,意味がないんじゃないかと思う。

● 努力と思わないでやってる状態にならないと。ということはつまり,好きなことで勝負するんじゃないと,なかなかひと角の人物のラベルに到達できないのじゃないか。
 ついにひと角の人物にはなれなかった,ぼくのような人間が言ってはいけないんだけどさ。

● 好きなことを仕事にするとかえって苦しい,好きが好きじゃなくなる,という人もいる。そうかもなぁとも思うんですよね。
 そもそも,好きなことを仕事にできる人はそんなにはいないはずだ。

● そうであっても,努力を努力と思わないで継続できることを仕事にできれば,天下無敵だろうよ。息苦しさも感じないですむ。
 “好き” があるかどうか,見つかるかどうか。それが関門でもある。若い頃から色々やってみなはれ,と言うのは簡単だけど,好きが見つかるだけでラッキーなのかもしれないね。

● サンスターが50円で市販してたんですね。製品名は「みちざねくん」。サンスターなら,これくらいのことはやるかなぁ。
 50円ってことなると,「巨人の星」よりだいぶ後になりますわね。湯島天神だの太宰府天満宮だのも,すでに合格鉛筆は販売してたでしょうね。

2024年6月19日水曜日

2024.06.19 アイボールの Hi-new はいい鉛筆だと思います

● いいなと思っている鉛筆のひとつに,アイボールの Hi-new があるんですけどね。地味に書きやすい。地味に。
 ここが大事なところ。抜群に書きやすい必要はないと思ってるんですよ。
 そういう鉛筆,アイボールの Hi-new 以外にも,太陽鉛筆や地球鉛筆からも出ていると思うんですけどね。

● ぼくなんか,文字しか書かないんだから,筆記具にこだわる理由なんかないようなものなんですよ。書けりゃ何だっていいはずなんです。
 それなのに,阿呆なものだから,文具メーカーやメーカーのコバンザメであるところの文具評論家などという,わけのわからない,胡散臭さ満点の連中が言ったり書いたりすることを真に受けて,あれこれ手を出してしまった。
 文具だからお金は大したことはないけれども,ずいぶんと時間をムダにしたなとは思う。

● で,そのムダ修行はまだ続いてましてですね。Hi-new なんてのを知ることになったのが,さもそも修行の結果であるわけですよ。
 すでに廃番になって久しい鉛筆ですよ。知らなくたって,ぼくの人生(誰の人生も)ビクともしませんよ。

● ところで,この Hi-new,メルカリで399円という破格値で出ていたものだから(ただし,1ダースではなく8本),考えずにポチっちゃいました。
 それが今日届いた。軸には HIGH-CLASS とある。名を変えたようなんだけど,ダース箱のラベルは Hi-new のままでやんした。細かいところにはこだわらないんです。それでいいんです。

● Hi-new GOLD とあるが,GOLD が付いたのは HIGH-CLASS になってからなのか,その前からそうだったのか。
 たぶん,前からそうだったのだと思うのだが,そういうことを本気で調べる気にはなれない。ぼくは探求者にはなれないタイプね

● 他にもバラで10本ほど持っているのだが,持ち過ぎだね。とにかく,鉛筆って安いからこういうことになってしまう。
 メーカーがしっかり談合して,鉛筆価格を一気に10倍に値上げしてくれると,必要以上には買わなくなるし,使われずに捨てられる鉛筆が大きく減ると思うな。
 安いのは基本いいことなんだけど,どうしても資源の浪費につながってしまうんだよね。

● ところで。Hi-new のパッケージに JANOME とあるのは,何なのだ? アイボールの鉛筆のブランド名なのか。
 アイボールはかつて JANOME という会社だったのか。あるいは, JANOME というメーカーと対等合併に近い形で統合したんだろうか。なので,その名前をどこかに残そうとしている,と。

● それはたぶんないと思うんだが。この JANOME がわからず,何だか落ち着かない気分でいる。
 知ってる人はいないだろうか。

2024.06.19 コクヨも凄いが,ユーザーも凄い

● 近所で小規模な測量をやっている現場に出くわした。測量野帳なんか使ってないよね。この測量では記録用紙は不要。

● 測量野帳3種の中で,測量現場で使われてるのは LEVEL BOOK だけだと思うんだけども,水準測量にしても平板測量なんて精度の粗い測量はやらなくなったもんね。
 記録の仕方も60年前と同じはずがない。

● コクヨもそんなことは百も承知,二百も合点。が,需要がゼロというわけではない。
 その少い需要のために供給を継続する。さすがコクヨ。

● SKETCH BOOK は元々,測量とは無関係。LEVEL BOOK も一般用途への転用は容易。
 しかし,TRANSIT BOOK だけは TRANSIT 測量の結果記録以外の用途に使うのは難しかろう。その測量現場で TRANSIT BOOK が使われることがなくなって久しい。
 にもかかわらず,TRANSIT BOOK の供給を継続してるのがコクヨの凄いところ。

● もっと凄いのは,TRANSIT BOOK を本来の用途ではない使い方で使っているユーザーだよ。それだけで,自らのクリエイティビティを誇っていいと思いますよ。
 ぼくだと,縦線を徹底的に無視して,A罫ノートとして使う以外の使い方は思いつかない。でも,それなら Campus のA罫ノート買っとけよ,ってことになるもんねぇ。

2024年6月18日火曜日

2024.06.18 トートバッグにユニのガシャポンを

● トートバッグにガシャポンのこれを付けて持ち歩いていた。
 早い時期に8900が折れた。さらにもう一回折れて,この状態。さすがに,これ以上はアカンやろ。

● というわけで,今度はこれを付けることにした。トンボから三菱へ。8900から uni へ。
 発売元はバンダイ。製造は中国。
 測量野帳トートに付けたいと思いまっす。けど,uni もすぐに折れると思うな。

● こんな感じッス。正直に言う。パッとしませんね。トンボ8900の方がずっと華がある。
 本物の鉛筆のことではなくて,ガシャポンのミニチュアのことですからね。細かいディテールは見えなくなった状態の話ですよ。

● でも,それでも,8900のパッケージデザインは秀逸なんですなぁ。これあるがゆえに8900を使うという人もいるかもしれません。
 つーか,いるに決まってるだろ,と思いますわ。品質にさほどの差はないわけだから,こういうところが購入の動機になることに不思議はない。

● ところで。このガシャポンを付けるのに,かなり苦労した。
 いや,難しいことはないわけなんですよ。猿より不器用なぼくでも取扱いは容易なはず。
 何だけど,見えないんですわ,小さくて。老眼ですな。近視,乱視も進んじゃってると思いましたわ。

2024年6月17日月曜日

2024.06.17 ヨット鉛筆から

● ヨット鉛筆は5000番台が多い?
 この会社は労働争議で潰れたんじゃなかったっけ。金の卵を手に入れようとして鶏を殺したようなものだから,当時の時代背景を考慮しても(逆に考慮すればこそ)人間というのはトコトン愚かなものだ。

● JAL再建のときもこの愚かさが際立った。パイロットOBが癌だった。
 企業年金の減額に反対して,デモまでやった。状況が見えてないというか,損得の計算ができないというか。損得計算の時間レンジが狭すぎるんだな。目先しか見えてない。大損こくパターンなんだがな。

● 欲だけあって情報がないと起こることだから,会社としては,相手がわかろうがわかるまいが,経営情報をキチンと開示するのが大切ですわね。
 役員報酬はいの一番に開示すべきでしょ。今はどこの会社でもやってることだろうけど。

● メルカリで古鉛筆の出品を見ていると,こんなに古い鉛筆がよくもまぁ残っていたものだなと思う。使われないで溜め込まれていたものが大量にあるらしい。
 それらが再登場できる舞台が整ってきたんでしょうね。舞台が整うと,観客の目に触れる機会も増えるわけだから,自分も古い鉛筆を集めてみるかと考える人も増えるのが道理だ。

● 払底することはたぶんないだろうけれども,価格は上がるよ。すでにだいぶ高くなってきている。
 ヨットの他に,コーリンとかね。元々の母数が少ないから,ちょっと増えるだけで需給に影響することになる。
 ほとんどの人にとってはどうでもいいことでしょうけどね。ぼくも鉛筆を眺めて愛でる趣味はないので,けっこうどうでもいいと思っている。

● 鉛筆史は必要だ。詳細に記録を残しておいてもらいたいが,それは個人が片手間にできることじゃないからね。メーカーにお願いするしかない。
 しかし,メーカーも自社製品のすべてについて詳細を網羅できるかというと,そういうわけにはいかない。

● 典型的な例は,トンボ8900のダース箱と木軸に印刷されたトンボの羽の向きの変遷を,詳細に跡づけようとする一群のトンボ採集家たちの存在だ。
 トンボ鉛筆㈱も,そんなことまでと恐れ入っていることだろう。当然,記録は残していないと見る。
 一方で,採集家たちにとっては,この世の重要事であるから,自腹を切って現物を買い集め,ああでもあるかこうでもあるかと,考察に余念がない。

● こうした好事家たちによって,空白が埋められていく。謎が解き明かされるのだ。めでたし,めでたし。
 現行品についても,百年後には同様のことが起こっている可能性が高い。ならば,百年後の採集家たちのために,現行品の記録を詳細に残しておくベクトルが働いてもいいはずだと思うのだが,採集家の眼は過去を向くようなんだな。
 いや,中にはいるでしょうね。頭のいい好事家がね。

2024.06.17 コロナ鉛筆 2

● コロナ鉛筆。こちらは8000番ではなく,7000番台が多いんですかね。
 下から4本目の緑のやつはかなり見づらいけど,9000と読める。

● 下3本はノベルティ。一番下のは釧路郵便局ですよ。
 おそらく半世紀前に鉛筆として生まれて,それから幾星霜,流れ流れてぼくの手元にやってきた。

● 鉛筆はね,鉛筆として使われてナンボだからね,やっぱりさ。漂流したり,抽斗の中で冬眠を余儀なくされるのは,本意ではないでしょうよ。
 生き長らえてコレクションされても嬉しくも何ともないだろうよ。

● 釧路って行ったことがないんですよ。通過したことはあるけれども,下車したことはない。
 行ってみたいところのひとつ。釧路≒悲恋 っていうイメージがあるじゃないですか。昭和歌謡の影響ですか。

● 幣舞橋とか行ってみたいですな。行ってみれば,なぁんだと思うに決まっているんだけれども(新潟の万代橋もそうだったもん),それでも行ってみたい。
 この鉛筆を携えて,釧路に行ってみるか。

2024.06.17 8800 の鉛筆3種

● 右の写真はトンボの8800と三菱の8800。文具店で目にする機会はまずないけれとも,メルカリ界隈ではしばしば目にする。
 特に,後者はぼくもすでに10本程度は持っているかもしれない。メルカリで300円の “鉛筆まとめ売り” を買うと,何本か入っていることが多かった。

● 軸色が 8900−9800 と逆になっている。だから何? ってこともないんだけど。
 ただし,初期のトンボ8800は現在の8900に近い緑色だったらしい。軸色はたぶん複数回,変化したっぽい。

● 地球鉛筆の8800。鉛筆の製品番号で最も多く使われている数字は,8800と9000ですか?
 色はトンボ8900と同じオリーブグリーン。

● ユニのベンガラ色と8900のオリーブグリーンは,日本の鉛筆を代表する色でしょう。
 太陽,北星もこの色の鉛筆を出していたし,手元の鉛筆を探せば他にも出てくるだろう。トンボの選択は正着だったことになる。


(追記 2027.08.08)

● ヨット鉛筆の8800が出てきた。ただし,硬度はH。
他に,太陽の8800もあったような記憶があるが,すぐには出て来ない。
 これらの8800が使われていた時代というのは,日本の成長期,鉛筆の黄金期だった感があるなぁ。ぼくは,たぶん,使っていないと思うんだけど。

2024年6月16日日曜日

2024.06.16 女児用の学童鉛筆を手にして

● 小学校低学年の女児が持っていたのであろう,学用品の鉛筆を手にできるのも,メルカリのおかげであります。ありがとうございますです。
 ロリコン趣味というのは全然ないんだけども(ないつもりなんだけども),そういうモノは「これを買ってもらった女児は,今頃,どんな人生を送ってるんだろう」と,妄想を刺激してくれる。いっとき,空想に遊ぶことができる。

● 普通にオバサンしてるに違いないんですよ,それはね。メルカリに出したのが本人であれば,さほど賢くもなく,さほどリッチでもない,普通のオバサンになってるでしょ。
 本人の親御さんが出品したのであれば,本人は高校生か大学生ですかねぇ。どこにでもいるような,これといった取り柄もない,ルックスも十人並みの,普通のお嬢さんだろうなと思うんですよ。進学校に通って,東大を狙っているなんてことはないと思うんですよ。

● けれども,空想遊びはそんなものを悠々と跳び越えて,シンデレラ世界を描くわけですよ。現世は意外性に満ちているわけですからね。
 これを筆箱に入れて,さらに筆箱をランドセルに入れて毎日小学校に通っていた可愛らしい女の子が,さて今はどんな大人の女性になっているのか。

● これ(右の写真)は通常の鉛筆より短めのリボン鉛筆と,もっと短い占い(?)用の鉛筆。
 坂本文具㈱がリボン鉛筆を展開していたのはけっこう前になるのだろうから,その頃に小学生だったとすると,立派なオバサンにおなりだろうと,とりあえず考える。
 子育ての最中なのか,ご自身の趣味や嗜好を追求するのに余念がないのか。

● リボン鉛筆の絵柄を見ながらね,思うんですよ。
 こういう少女絵,鉛筆に描かれた自分と同年齢の少女の弾けるような表情,を毎日見ながら,彼女はいったいどんな夢を描いていたのだろう。

● 小学生になってしまうと,この世の苦界が始まる。彼女も例外ではなかったはずだ。
 どんな夢を描いて辛い渡世をうっちゃろうとしていたのだろうか。

2024年6月14日金曜日

2024.06.14  三菱鉛筆の 9800 が消えるという噂から

● 三菱鉛筆の 9800 が生産終了になるというこの記事は,まだ削除されていないんですね。
 しかも,検索エンジンは上位に表示するから,読まれている記事なんでしょうな。嘘とわかっていて,楽しんでる(?)人が多いんだろうか。

● 三菱鉛筆も取り合う気配はない。取り合う理由もないだろう。
 三菱鉛筆が何らかのコメントを出すような話ではない。生産終了などとはひと言も言ってないのに,勝手に都市伝説ができあがっているだけなのだから。

● 三菱鉛筆は淡々と生産を継続し,市場に製品を供給し続けている。したがって,文具店に行けば今までと同じように 9800 が売場に並んでいる。
 メーカーとして,それ以上に何かする必要があるのか。

● ここから,ちょっと違った話になる。
 日本の鉛筆メーカーはラインナップが細かすぎるのではないかと思うことはある。三菱なら,uni 3種に 9800,9000。消しゴム付きの 9852,9850。かきかた鉛筆の Palette が2種。細かく数えれば他にもある。

● じつは三菱鉛筆も uni 3種に絞りたいのじゃないか。uni に誘導したい,9800 はそろそろ止めたい,というのが本音だろうなと推測する。
 せめて,社会人なら uni を買ってくれ,というのがメーカーの本音じゃないかなぁ,と。

● 鉛筆全体の需要がここまで落ちているのだ。いつまでも過剰サービスを続けるわけには行かない。
 というのは,実情を知らない者の的外れな想像で,実際はそんなものじゃないんだろうか。

● ちなみに,ぼく一個の感想を申しあげれば,9800 と Hi-uni があればよく,中間は要らないと思っている。需要を見込めるなら,9800 と Hi-uni のそれぞれに消しゴム付きを加えればいい(さほどの需要はあるまいと思うが)。
 と言っても,Palette をなくすわけにはいくまいが,ベースは 9800 と Hi-uni で良いのじゃないか。

● 企業なのだから,まず儲けなくてはいけない。利益をあげればこそ,学童向けに良い製品を開発して提供することもできる。
 ぼく一個は日本の文具メーカーはもっと悪どく儲けを追求していいんじゃないかと思っている。足りないのは悪どさではないか。


(追記 2024.06.16)

 今日現在で,上の記事は削除されている。忙しい人が書いているのかね。削除のタイミングがだいぶ遅かった。

2024年6月13日木曜日

2024.06.13 ミミックマジック

● ミミックに装着した鉛筆はミミックの下僕になり果ててしまうのか問題。
 ミミックは鉛筆の諸々の属性を吸い取って,鉛筆ではなくミミックを使っていると使い手に思わせるのか,という問題ね。

● ミミックに鉛筆を挿すと,鉛筆はそれまでの鉛筆であることをやめて,ミミックの一部になるような感覚。
 鉛筆は何でもいい。Hi-uni であろうが,昔のコーリンの普及品であろうが,そんなのはどうでもよくなって,要はミミックで書いているという感覚になる。

● その書き味はそんじょそこらの万年筆なんか,一昨日おいでと言いたくなるほどに,何だか素敵。
 いかなる理由によるものか。実感? 重量バランス? よくわからないのだが,ミミックマジックと名付けたくなる。

● で,次のようなメールを作った。

 名前 ****
 メールアドレス ****
 郵便番号 ****
 届け先住所 ****
 電話番号 ****

 2084 五十音ミミック(コーラル)1
 2576 〃(テンピョウ)1
 2584 〃(ドロップス)1
 2646 〃 ショート(エボナイト)ブラス1

 これをポチッと押しさえすれば,ぼくのマジックワールドは完成するぞ。

● しかし,押せるわけがない。代価のこともあるが,すでに3本,紙製のサイリンダーを含めれば4本,もあるのだ。もう充分なはずだ。
 貪ってはいかん。過ぎてはいかん。過ぎては全てを台なしにする。自重せよ。
 ミミックを大事にしたいなら,ここは抑えどころだぞ。大事なことだ,わかったか,俺よ。

2024.06.13 セーラーの muki 71050

● メルカリでもうひとつ。HBの鉛筆を24本,350円。
 上の2本はセーラー万年筆が発売していた muki 71050。パッケージ表記は「無木」。
 樹脂軸で木を使っていない事から無木というらしいのだが,そうなのか,この軸は樹脂なのか。

● あとは,三菱とトンボとその他。いすれも〄が入っているから,少なくとも30年程度は昔のもの。鉛筆界ではほとんど現代ですかね。

● “その他” の4本は四角軸,楕円軸,三角軸。前二者は普通に鉛筆削りで削れるが,三角軸は無理だ。
 公文に発する三角太軸は公文の工夫によるものだろうが,三角軸自体は昔からある。

● 特に,ノベルティに使われることが多かったんじゃないかと思うのだが,昔の人は手で削っていたのだろうな。
 今なら対応する削り器もあるから無問題ではある。が,こんなところで独自性を発揮しても仕方なかったろうにとは思う。
 今の三角太軸との差は僅かなのだが,その “僅か” を付加したことが公文の功績。

● 350円でここまで遊べるのは,鉛筆くらいのものだ。今どきは煙草一箱が600円もするんだから,安いにも程がある。
 こんなものに350円もかけてるのか,煙草の600円の方がよっぽど価値があるだろ,と言う人もいるかもしれん。いや,仰るとおりかもしれんのだがね。

2024.06.13 コロナ鉛筆

● 先達にはとうてい及ばぬが,千本に近い数百本の鉛筆が手元にある。が,ぼくはコレクターではない。
 ぼく程度の者がコレクターを名乗っては,世のコレクターを侮辱することになってしまう。その程度の自覚はある。

● 全部使うのは当然,無理だ。描くならともかく,文字しか書かないのであれば,かなり書く人であっても鉛筆の消費量は月1本だろう。
 1年間で1ダース。10年間使い続けても,わずか120本しか使えない。千本もあった日にはどうにもならん。

● そもそも,買ったモノをすべて使おうとは考えないのがコレクターというものだ。使用価値以外の価値をそこに見出すから,コレクションという行為が成立する。
 この点からしても,ぼくはコレクターてはあり得ない。

● それでも,メルカリで昔の鉛筆の出物を眺めていると飽きることがなく,面白いように時間が過ぎていく。
 コロナ鉛筆の7008がダース400円で出ていたので,ポチってしまった。いいんだか悪いんだか。

● そのコロナ鉛筆が今日,届いた。㈱千葉商店という会社のノベルティだった。
 それゆえ,製品情報は鉛筆本体には印刷されていないのだが,ダース箱が付いてきたので(中身がダース箱のとおりだとすればだが)製品情報も充分に附属している。

● 1本だけあった赤鉛筆のマークに既視感があった。子どもの頃,使ったことがあるかもしれない。
 が,既視感自体が脳が捏造したものかもしれず,使ったことはないかもしれない。