2026年6月11日木曜日

2026.06.11 北星鉛筆の9606

● 日光に来た。この先,ちょっと行くと,旧栗山村に入る。
 天気が変わりやすい。晴れてたと思ったら雲に覆われて雨になる。が,すぐに晴れ間が顔を出す。晴れ間なのに雨も降ってたりする。

● 筆箱には北星9606を入れてきた。9500の後の持ち出し用鉛筆に任命した。
 トンボ2558と並ぶ,国産ゴム付き鉛筆の雄。鉛筆党の党員で知らない人はいないはず。

● 9606は今回初めて使うわけではない。今までもチョコチョコと使ってきている。したがって,書き味はわかっている。
 Hi-uni に迫るという人もいるが,Hi-uni は Hi-uni であって,9606は9606。あたりまえだけれども,別のものだ。そこに各々の良さを見出すか,どちらかに偏るかは人による。

● 前言を翻すようだが,ちょっと試し書きをした程度でわかるもんじゃないってのは,万年筆に限らない。鉛筆だってある程度は使い込んでみないと,素性のすべてをさらけ出してはくれない。
 9606に関しては,使い込んだという程度には使っていると思うが,使うたびに(書き始めてしばらく時間が経った後に)これが9606だという感覚が甦ってくる。

● 適度な軟らかさ。それは適度な硬さでもある。紙が押し返してくる硬さ。これが過ぎると疲れることになる。いかに筆圧をかけずにいても硬さが過ぎると疲れる。
 滑らかさ。9500には芯に粒子感を感じさせるところがある。それが悪いというのでは全然ないし,9500も充分に滑らかなのだが,9606になると粒子感は
ほぼ感じない。

● 粒子感を感じさせない=上質,と言っていいのか。滑らかでさえあればいいのか。多少のザラつきはむしろあった方がいいのではないか。
 このあたりは最後の最後は好みで決まる問題ではあるのだが,ぼくは滑らかであればいい鉛筆の条件の9割を満たせていると考える。9606は文句なしに上質感を感じさせる。これはいい鉛筆だ,と。

● ぼくは,今のところは,濃いめの鉛筆を好む。同じHBでも北星は他社より濃い。今後はHBしか使ってはいけないと言われれば,北星にするしかない。
 正直,9500でも9606でもクラフツマンでも9900でもかまわないと思ってるが,9606は北星製品群の中でも最もコスパがいい鉛筆かもしれなあ。性能−価格比が一番いいかも。

● 北星には9900が3種ある。ひとつは,すでに生産をやめているHIT。もうひとつはアートセットの9900。3番目がダイソーで3本セットで販売されている “かきかたえんぴつ”(4Bと6B)。
 アートセットは12硬度で1,100円。9606は1本77円。9606の方が安いのだが,アートセットのHBより9606推し。描くのではなく,書いてる分には9606の方が高額なんじゃないかと感じることがある。

● 9606は(OEMを除けば)北星では唯一の消しゴム付き鉛筆だ。ぼくは鉛筆に付いている消しゴムは使わないのだが,消しゴムなしの9606を出してくれとリクエストするつもりはない。それはないんだな。
 消しゴムなしなら9500で充分だし,クラフツマンも充分な量を確保しているから,それらを使えばいい。9606は消しゴム付きでけっこう。消しゴムは使わないままで,1本の9606を使い切ってみたい。というわけなので,当分,旅先では9606にお世話になる。

● ともかく,HBしか使ってはいけないと言われれば,北星から選ぶことになる。が,実際にはBや2Bもあるわけで,三菱やトンボのBと北星のHBを比べた場合,常に必ず北星のHBが勝るとは限らない。
 昭和30年代の鉛筆だと,HBで受け入れられるものはあまりないが(uni や MONO は別),Bや2Bなら昭和30年代のものでも全然OKだ。濃いめ軟らかめが好きだと,そういうことになる。
 HBで比較するなら2558より9606かなと思っているが,2558にはBもある。この2558Bが絶佳なので,いずれ持ち出し用に任命する予定。

● 問題は,この濃いめ軟らかめ好きがいつまで続くかだ。ずっと続くかもしれないのだが,書き味や滑り具合いだけでなく,黒の品位も問題になる。
 今はどうか知らないが,昔の墨汁の黒はイヤな黒だった。ああいう黒は見せられたくない。
 黒鉛の黒は,4Bであっても6Bであっても,墨汁の黒のようにはならないだろうと思っているが,このあたりで自分の好みがどう転ぶかわからない。

2026.06.11 筆箱紹介

 ● 筆箱の中身,メインは鉛筆だ。が,シャープペンに変えたり,また鉛筆に戻したりした。
 筆箱自体もトンボ8900の70周年記念の缶ペンケース から始まって,樹脂製の筆箱にして,ペコちゃんの大きめの缶ペンケースに変えた。どれだけの収納力が必要かは当然,何を入れるのかによって変わってくる。

● やっと変遷が終わって安定しそうな気配があるので,あらためてここで “筆箱紹介” をしておくことにする。人様に紹介するというよりも,自分のために現時点での記録を残しておくという意味合いが強い。
 前提として,筆箱は旅行の際に持って行くものだということ。宿泊を伴う外出の場合にしか持ち出さない。

● まず,鉛筆を3本入れている。今は北星の9606(HB)だが,これを使い終えたら別のにしようと思っている。使ってみたい鉛筆はたくさんあるわけで。
 次はイートンペンシルか,北星クラフツマンか,トンボ8900のBになりそうだ。

● 鉛筆を持ち歩く以上,消しゴムと鉛筆削りもセットになる。消しゴムはメルカリでポチった “鉛筆まとめ売り” に入っていたものだ。中華製。3個か4個のセットで百均で売られているのを見たことがある。
 要するに,これ以上はないという安物なのだが,機能的には問題ない。MONO消しゴムと変わらない。消しゴムに高級感を求める人はあまりいないと思う。だから,これで良し。鉛筆党の党員になるということは,高級筆記具路線は卒業したぞ(もしくは,諦めたぞ)と宣言することに他ならない。

● 鉛筆削りは可能なら家で使っているカールのエンゼル5ロイヤルを持ち出したい。それができれば,すべての問題が解決する。が,そんなことのできるはずもなく。
 携帯用の鉛筆削りに求める1番目の条件は,削りカスを溜めておけるタイプであることだ。ティッシュを広げて削らなくてはならないのは不可。それを捨てることができる場所で削れるとは限らないし,エアコンの風があたって芯粉が飛ばされることだってある。

● 条件の2番目が容積が小さいこと。3番目が削り味と削った後の芯の形がどうなるか。
 2番目と3番目がわりとトレードオフになる。2番目を見事に満たすのがクツワの BABY-K なのだが,BABY-K は3番目に不満がある。
 結局,三菱鉛筆の uni Palette を持ち歩いている。今は無印版を使用。uni Palette は厚みがあるので,それを収納できる筆箱は大きめなものにならざるを得ない。

● あと,クツワのプニュグリップ。鉛筆は少々細すぎる。太さを補ってやる必要がある。そのための最も手軽で効果的な手段がプニュグリップ。
 補助軸を使える程度に短くなれば,補助軸が長さの他に太さも補ったくれるから,プニュグリップの出番はなくなる。
 ただ,たいていのことには人は慣れるもので,鉛筆をデフォルトで持つことにもだいぶ慣れてきた。違和感がだいぶ減った。もう少しすると,太さを補うための補装具は不要になるかもしれない。

● こちらは手帳用。定規は線を引くためにしか使わない。文字列を四角で囲むとか。長さを測ることはない。
 なので透明でないと困るが,透明であれば何でもいい。いきおい,樹脂製になる。安物でけっこう。写真の定規は今年の5月9日にモアーズ川崎に入っているダイソーで買ったもの。

● パイロットの HI-TEC-C COLETO Lumio。リフィルは0.3㎜の緑,赤,青,黒の4色。15年くらい使っている。現在ではもっと多くの多機能ボールペンがあるのだ思うが,変える必要を感じない。
 HI-TEC-C の弱点は水に弱いこと。間違って水滴を落としてしまうと速攻で滲んで読めなくなる。が,そんなチョンボをすることは滅多にない。
 ノートもそうだが,手帳も百年も千年も保ってくれなくていいのだ。書き手のぼくが死ねばゴミになるものだから,紙もインクもそんなに強靭なものである必要はないのだ。

● 極小型の修正テープ。PLUS のもの。MADE IN VIETNAM。アトレ川崎のハンズで買った。修正テープはそんなに使うことがないので,けっこう保っている。まだまだ保ちそうだ。
 携帯用のハサミ。手帳にいろんなものを貼るので,ハサミも必須。このハサミも Seria だったか,百均で買ったものだと思う。切り絵のようなことをするのではないから,これまた百均で充分だ。

● ハサミに限らず,百均のものはすぐにダメになると言われることがあるが,その情報の出処はどこか。そういうことにしておいた方が都合のいい人たちが故意に流したとまで言うつもりはないが,情報の真偽を判断する術のひとつは,その情報が流布することによって得をするのは誰かと考えてみることだと思う。
 そんなに長く保ってくれる必要もないのだが,今のところ,普通に役に立ってくれている。

● 切ったものを貼るための接着剤だが,これはダイソーの両面テープを使っている。もう40年以上は両面テープを使い続けている。
 で,これだけは筆箱に入らないので,他のものと一緒に別のポーチに入れる。テープ糊に替えるなどして筆箱に収まる工夫をした方がいいのかもしれないが,両面テープの接着力と扱いの簡便さゆえ,このスタイルに甘んじている。

● とっくに生産終了したゼブラのミリペン。黒はすべて使い切れているのだが,赤は何本か残っている。
 捨てるしかないかと思っていたのだが,ノートに日付けを書くときに使うことにした。つまり,日付けだけは赤で書くことにしたわけだ。
 それに何か意味があるのかといえば,後から見返すときに日付けが目立つようになる。これはバカにできないメリットだ。
 が,赤のミリペンを使うために日付けを赤で書くことにしたというのが,実際のところ。赤のミリペンに使い途を与えてやることができて,ちょっと嬉しい。

● 使わないけれども,筆箱に入っているものがある。ひとつは,ほぼ日の “おちつけ” のバッジ。買ったときはピンバッジだったが,ピンが取れてしまった。ピンは棄てたけれども,本体の方は棄てられずに筆箱に入れている。
 MONOのブックマーカー。こういうのは使わない。使わないんだけれども手元にある。棄てるのも忍びなくて,筆箱のアクセサリーになっている。
 青森のダイソーで買った50㎝のスマホの充電ケーブル。50㎝じゃ短すぎる。ので,緊急用にというわけで筆箱に入れている。稀に使うことがある。

● 理想の筆箱は小学校低学年の児童のそれだ。が,理想を実現するのはなかなか難しい。
 筆箱はペコちゃんの絵柄の缶ペンケースを使っている。メルカリで300円で買った。今どき,こういうのは小学生でも使わないだろうが,大ぶりでタップリ入るところだけは小学生の筆箱と共通する。
 鉛筆キャップを “鬼滅の刃” にしているのも,小学生に近づきたいからだが,こちらのイメージと小学生の実態はだいぶ違っているものだろう。ま,よろしいのだ。

● 中身の多彩さでは小学生に負ける。大人は小学生ほど多種類の文具を必要としない。
 小学生は文具使いのプロフェッショナルであって,しかも使い方も荒いであろうから,それに耐えうるように設計された学用品なら大人が使っても間違いがない。

2026年6月10日水曜日

2026.06.10 Bun2 2026-6月号

● 昨日,宇都宮東武百貨店5Fの落合書店の文具売場でもらってきた。「手書きライフをより豊かに!」。
 手書きなんて鉛筆1本と Campus ノートがあればいいんじゃね,と思うんだが。手書き自体がライフに豊かさを作ってくれるかもしれないし,作ってくれないかもしれないけれども,直截に豊かさを求めるのは拙策というもの。

● ただし,「Bun2」はコマーシャルペーパーだからね。まぁ,手書きライフをより豊かに,と付けたくなるのはわかりますよ。
 まずは,シャープペンのPR。すでに発売からけっこう経ってるものもある。

● 三菱鉛筆の「LAMY safari KURUTOGA inside」。「ラミーサファリの三角グリップは,(中略)持ち替えにくいので,芯が回ってトガるクルトガは相性がいいと思います」(p6)とは,ごもっともな指摘。万年筆やボールペンならいいけれども,シャープペンはどうなのよとはたいていの人が思うことでしょ。
 「消しゴムキャップは面取りしてるので,ノックする際に指が痛くならない」。このあたりは日本のメーカーなら当然のこととして対応してるんでしょ。凄いぞ,日本。

● 他に,パイロット「エアステップ」,トンボ「FUMI」,サクラクレパス「インタリオシャープ」,サンスター「シンドバット」,KAYOU+「ORVO」が紹介されている。
 ボールペンではゼブラ「THE ZEBRA HAMON」。これはぼくには縁のありようのない筆記具だけれども,端から見てると機能を追求しすぎた結果,高級感を損ねているようにも思える。
 しかし,従来の “高級” とは違うものを目指しているようだ。“高級” を再定義するというかね。初回出荷分はすべて捌けたようだから,滑り出しは上々だった。

● 外海君子さんの連載「ニューヨーク文具レポート」。
 アメリカでは2010年に学校教育の必須科目から筆記体が外されたため,タイプ入力を優先して筆記体をカリキュラムから外した学校が多かった。おかげで「手書きの文字が読めない」「歴史的な文書が読めない」子どもたちが増え,筆記体を復活させる運動が出始め,10年前はわずか14州しか筆記体を必須科目に挙げていなかったのに,今では27州,すなわち過半数の州が必須にしている。(p17)
 アメリカではそんなこともあったのか。歴史的な文書が読めないのは日本の子どもたちも同じ。というか,大人だって読めない。漢文で書かれた古文書を読めないといけないんだもんな。ほとんど外国語だ。
 アメリカと日本では歴史の堆積が違うし,アルファベットと漢字という違いもある。

2026年6月8日月曜日

2026.06.08 百均中華をナメるなよ

● 上の2本は Seria で10本110円で販売している中華鉛筆。下のもかつて百均で販売されていたものだと思う。  
 上のは軸が細すぎて合うキャップがないが,下のはバレットキャップがぴったりハマる。ドイツ製と同じ太さ。

● しかも何ですねぇ,バレットキャップがこの百均中華によく似合う。木肌とピンクゴールドの相性がいいんですかねぇ。
 STAEDTLER の Mars Lumograph のブルーや tradition の赤,FABER-CASTELL 9000番の緑より,百均中華の木肌の方が映える。

● ちなみに,このバレットキャップはドイツ製より太軸の国産鉛筆には使えない。
 国産鉛筆の中でも細軸の北星鉛筆なら何とか使えなくもないのだが(が,使わない方がいい),三菱やトンボでは無理。無理やりハメればハマらなくはないが,塗装を削ってしまう。
 
● 下の2Bより上のBの方が濃い。下の2Bには,HBなのか君は,と言いたい。
 が,そんなに悪くはない。HBの鉛筆だと思えば充分に滑らかで書き心地も良好だ。

● 別なのを使ってみると,もうちょっと濃かったりもするんだけど,この個体差って国産にもある。わりと鉛筆にはあるものですかねぇ。
 なぜ個体差が発生するのかはよくわからない。芯にムラがある? ムラではないからね。硬度がひとつ違うんじゃないかと思うくらいの差があるんだから。

● しかし,芯質に問題はない。中華の芯はかなり良くなっているんじゃないか。
 少なくとも,自分が子供の頃に使っていた国産鉛筆の普及品よりは,今の百均中華の方がずっといい。ともあれ,百均中華をナメるなよ。

2026年6月6日土曜日

2026.06.06 バカの草刈り場

● ショートサイズの「大人の鉛筆」。川崎のヨドバシで買ったもの。
 自分にはこちらの方が合うはずと思ってたが,長いタイプを使うことの方が多いかもしれない。

● 書いてるときにはクリップはない方がいい問題。若干頭重めにもなるが,そこは無問題だし,ルックス的にはクリップは必須。このアンビバレンツ。
 これを胸ポケットに挿して出かけることはないんだけどね。クリップに実用性は求めてない。

● ただ,これがあると鉛筆要らないよね。三生分か四生分の鉛筆の処分を大幅に前倒ししなきゃいけない。だって,場所を取るだけになった鉛筆群なんて邪魔なだけだからさ。
 「大人の鉛筆」よりも「鉛筆屋のシャープペン」の方が鉛筆の天敵かな。削る手間が要らないのは,特に旅先においては大きなメリットだ。
 が,旅先に限らず,ハンドル式の鉛筆削りが手元にある自宅においても,鉛筆から「鉛筆屋のシャープペン」 にすぐさま乗り換える事ができるわけだ。それで何かデメリットがあるかといえば,そんなものは何もないと断言できる。
 「大人の鉛筆」もそうだが,「鉛筆屋のシャープペン」 も鉛筆の風合いが移植されている。木軸シャープなんてこれで充分だろうよ。

● さて,ここからが本番なのだが。
 しーさー氏が有名にした,野原工芸に代表される木軸ブームがまだ続いているようだけども,言葉を選ばずに言ってしまうぞ。あそこはバカの草刈り場だ。
 それを端的に示すのが転売問題だ。転売ヤーのことではない。こういうもので小銭を稼ごうとするのは暇な貧乏人に違いないけれども,それ以上に転売ヤーを詰る側が本当にバカっぽいのだ。ぽい んじゃんくて,正真正銘のバカなのだ。

● 自分たちが転売ヤーを生んでいるという自覚がない。そもそも世間の潮流に群がること自体が馬鹿の証明であるわけだ。この状況下で木軸ペンに走っていて恥ずかしくないのか。
 今までも誰かのカモになって生きてきたのだろうが,これからカモであり続けるのだろう。カモりたい側は「推し」「推し活」などという言葉を編み出して,いっそうカモろうとしているようだが,バカは常に必ず搾取される側にいる。にもかかわらず,あまり世の同情を引かないのは,あまりといえばあまりにバカだからだ。

● 少しは考えろと言いたいが,そんなことができるくらいなら,その時点でバカではない。バカにつける薬はない,バカは死ななきゃ治らない,と昔の人は言ったが,まったくそのとおり。バカがバカを治すのは生まれた時点で手遅れだ。
 かつ,バカが自分の頭で考えてしまうのは,最悪の結果を招く。バカが自分の頭で結論を出すのだから,間違えるに決まっているからだ。賢人の意見を訊いて,それに従った方がいい。

● 書物でそれをするのを勉強というのだが,バカはその勉強を億劫がる。自分のスカスカの頭とごくわずかな経験だけで辻褄を合わせようとする。その方が楽だからだ。
 そういうバカが木軸ペン界隈に蝟集していると,ぼくには見える。バカに交わるとバカが伝染る。近づかぬが吉と思う。

● 自分の頭で考えていい人など,そうそういるものではない。たぶん,それが冷徹な真理というものだろう。
 当然,ぼくも自分の頭で考えてはいけない側の人間だ。そのことはわかっているから,できるだけ自分の頭では考えないようにしている。
 ソクラテスが言ったとされる “無知の知” とは,案外,こうしたことを指すのではないか。自分はバカだから自分の頭で考えてはいけない人間だ,ということを悟るのが “無知の知”。

2026年6月5日金曜日

2026.06.05 深緑色軸の鉛筆書き比べ

● 先日,トンボ8900に代表されるオリーブグリーン軸の書き比べをやってみた。黄色のゴム付き鉛筆の書き比べで終わりにしようと思ったのだけれども,悲しいくらいに暇な状況は続いているので,今度は三菱9800が代表する深緑色の書き比べてみようと思う。
 が,この色の鉛筆はあまり持っていない。ので,ちょっと細かく刻むことにした。

● 次の12本。
 ① 三菱9800の現行品 Matured
 ② 〄付きの時代の Matured
 ③ Patented(PAT.NO.217586)
 ④ もっと古い MASAKI YAMATO の印字がある Patented(PAT.NO.111938)
 ⑤ 北星9500の現行品
 ⑥ 〄付きの時代の北星9500
 ⑦ キリン9600(PAT.NO.403853)
 ⑧ トンボ9900
 ⑨ コロナ(ノベルティ(船橋市立小中学校 文化祭作品展 とある) のため番号不明だが,たぶん8000)
 ⑩ コーリン9900
 ⑪ 大學9000
 ⑫ プラトン750

● いずれもHB。こうして並べてみると,⑦は黒みが強くてほとんど黒と言っていい色だし,⑫はむしろオリーブグリーンに近いかもしれないのだが,オリーブグリーンに入れるには対抗がある。
 三菱9800についてはすでに検証しているのだけれども,今回あらためて,それも含めて書き比べてみた。

● この軸色の鉛筆では,ぼくの推しは決まっていて,⑤北星9500だ。国産HBの中では最も軟らかく最も濃い。そこが気に入っている。自分好みの軟らかさと濃さなのだ。
 結局,ぼくはBや2Bの軟らかい鉛筆が好きなのだ。ので,HBなら北星に限るということ。単純すぎて申しわけないほどのものだ。

● ので,書き比べて評価する基準はどれだけ⑤北星9500に近いかという観点になる。最も⑤に近いのは,⑦キリン9600だった。それから,③Patented。
 鉛筆じたいの優秀さというか,品質においては,⑦と③が基準の⑤を上回るかもしれないとも思ったが,③⑤⑦が横一線ということにしておきたい。

● 意外だったのが⑥で,〄が付いていた頃の9500は現行品とはまったくの別物。現行品と比べると硬くて薄い。硬度ひとつ分違うかもしれない。現行品の9500よりも前身の9800に近いんじゃないかと感じた。
 個体差の問題かもしれない。ぼくが使った鉛筆がたまたまそうだったのかもしれないのだが,個体差を持ち出したくなるほどに違っていたということでもある。

● 北星には北星らしさというのがあると思っている。他社より濃いめで軟らかめ。滑らか。
 それは三菱9800やトンボ8900と北星の9500の比較から,こちらが勝手に作ったイメージに過ぎないわけだが,北星鉛筆がそのイメージを被せられるようになったのは比較的最近なのかもしれない。

● ⑧トンボ9900はさすがの品質。軟らかいと濃いにこだわらなければ,これを推す人がいてもおかしくないかもしれないが,それでもぼくの感覚では③が上回っていると思う。
 ここで三菱9800について言及すると,③は素晴らしい。滑らかであることにおいて uni に引けを取ることはない。この時代の9800は天下無双だったのではないか。①と②の差はあまりないが,ともに③には及ばない。

●  ④になると,さすがに時代がかってしまう。ヴィンテージを好む人ならともかく,この鉛筆を常用するのは気が重いと感じてしまう。
 ただし,ダメかと言われると,そんなことはない。戦後の非常時継続期によくぞこれを出したものだと,素直に思うことは思う。

● ⑨⑩⑪は昭和30年代の感じ。⑩は幼少のみぎり,自分も使っていたはずだが,現代では通用すまい。現在のHBよりは薄い。コーリンの三角顔が右向きだった頃はだいたいこんな感じか。と言ってしまっては,括り方が大雑把すぎることになるんだろうけどね。
 しかし,ぼく自身がBや2Bじゃなきゃというところから,HBも許容範囲(北星以外でも) というところまで来ているので,以前ほどの違和感は感じなくなっている。

● ⑨は⑩より良し。製造されていた時期も⑩よりも後なのかもしれない。このあたり,ぼくはまったく詳しくないので,よくわからないんだけれども。
 ⑪は氏素性も不明。古い鉛筆はネットにもあまり(というか,ほとんど)情報がないので,ググっても何も出て来ない。
 ⑫は論外。混乱期のシロモノで,何というのかな,消えるべくして消えたメーカーなのだと思う。

● と,色々と語ってしまったけれども,以上の鉛筆群の中で現在でも入手可能のは①と⑤だけだから,あまり意味もない。
 が,③はメルカリなどにけっこう潤沢に出物がある。市価よりずっと安く手に入る。もし鉛筆に興味のある方がいらっしゃれば,大きなお世話と思いつつ, 手に入れて使ってみられよと云々。

2026年6月4日木曜日

2026.06.04 白羊鉛筆がメルカリに出てたんだけど

● メルカリに白羊鉛筆9850のBが2ダース,オークション形式で出品されてましてね。
 W.S.P の鉛筆は何本か手元にあるけれども,自社名を表に出してるのは持ってない。

● 白羊鉛筆は社史も出してるんですよね。国立国会図書館の他に,神奈川県立川崎図書館にもあるらしい。
 読もうと思って行ってみたのだが,見つけることができなかった。ここにあるはずなのだがというその場所になかったんですよ。
 そんなこともあって,白羊鉛筆,気になってはいたんですよ。

● ので,昨夜,ポチったんだけども,高値更新されてた。ホッとした。買わずにすんだ。これ以上鉛筆を増やしてどうするとも思ってますんでね。
 鉛筆は集めるのも楽しいし,使ったことのない鉛筆を初めて使うときはワクワクもする。けど,そのワクワクは1回限りの瞬間的なもの。かつ,書き味や持ち味はだいたいは予測できる。
 その予測がハズレることはまずない。ある程度,鉛筆を使い続けていれば,誰でもそうなると思う。

● 鉛筆は使ってナンボの実用品。実用品を実用品としてではなく,別の楽しみ方をするのはまったく無問題で,自分もそれをやってきた。コレクターやマニアに比べれば,非常に浅いレベルでだが。でも,そろそろ終わりにしないとな,とも思ってましてね。
 鉛筆の学術的探求(?)は偉大な先達がすでにやっていて,そこに新たな情報を付け加えるのは生半なことではないこともわかってきたしね。

● ところが,あなた。競っちゃいましたよ。再び,吾輩が最高額入札者ですよ。頼む,誰か高値更新してくれ。
 はい。高値更新されました。やれやれ。鉛筆を増やさずにすんだ。ありがとうございます。これ以上は追わない。

● こういうときって,落札価格をつり上げてやれとチョッカイを出したくなるじゃないですか。で,買う気もないのにいたずら入札をする。
 それで痛い目にあったことが複数回ある。つまり,買うつもりがないのに落札者になっちゃって,買わざるを得なくなるというね。素直に降りることにしますわ。

● 結局,白羊鉛筆9850の2ダースは3,500円で落札された。入札者はぼくを含めて2人しかいなかった。
 白羊鉛筆は滅多に見ないものではあるのだが,そのくらいはするものなのか。それとも落札者は白羊鉛筆に思い入れがあって,どうしても手に入れたかったのだろうか。

● だったら,ぼくが持って死蔵するよりも,そういう人に持ってもらった方が,鉛筆も幸せというものだ。鉛筆は安いからつい安直に考えがちなのだけれども,鉛筆にも所を得させるべきだ。
 何でも自分のものにすればいいということではない。鉛筆に限らず,これは心得の基本に据えなければならないものだ。自分のものにすることが,そのモノにとって幸せだとは限らない。