2026年6月16日火曜日

2026.06.16 アメリカンな黄色いゴム付き鉛筆

● 色鉛筆は別として,普通の鉛筆=黒鉛の鉛筆=グラファイトペンシルにおいては,日本製の鉛筆が世界でも抜きん出ていると思う。戦後しばらくはドイツ製に比べると品質粗悪と言われて(実際にそうだったのだろうが),鉛筆も舶来品が珍重された。彼此の価格差も結構あったに違いない。
 日本製がドイツに追いついたのは1966年の Hi-uni によってか,1958年の uni によってか,1952年の HOMO No.4612 によってか,そのあたりは知らないけれども,少なくとも Hi-uni の後の60年間は,日本の鉛筆界に画期となる製品は出ていない。現在でも Hi-uni が国産鉛筆の最高峰と言っていいだろう。

● ということは,1966年には追いついたのではなくて,世界を抜き去ったのだ。この60年間,鉛筆界に画期がなかったのは日本だけではなくて,世界がそうだったのだ。
 であるのなら,ぼくらは黙って Hi-uni を使っていればよろしいのだ。せっかく日本に生まれたのだから,そうするのが正しいのだ。

● が,鉛筆バカはそうはいかない。いろんな鉛筆を使ってみたいのだ。ちょっと使ってみれば気がすむのだけど。
 というわけで,今回はアメリカの黄色い消しゴム付きの鉛筆を使ってみることにする。黄色のゴム付き鉛筆というのは,まさにアメリカ鉛筆を象徴するものだ。アメリカンな鉛筆といえば黄色の鉛筆,しかもゴム付き。

● それが事実に基づいているのか,こっちが勝手に作ったイメージなのか。おそらく前者だと思うのだが,なにゆえ黄色のゴム付きなのか。キャロライン・ウィーヴァー(片桐晶訳)『ザ・ペンシル・パーフェクト』にも詳しい記述はなかったと記憶している。
 しかし,それが各国に影響を与えていることは間違いない。日本でもトンボ2558や三菱9852を始め,今は消え去ったメーカーの多くが黄色のゴム付き鉛筆を手がけている。中華の世界でも結構な種類が出ている。

● が,ぼくが持っているアメリカンな黄色のゴム付き鉛筆は次の3種のみ。
 ひとつは MUSGRVE の 909 CERES の六角軸。ANGERS の丸の内店で買ったもの。

● この鉛筆の特徴は軸が太いこと。国内鉛筆用のキャップは入らない。BLACKWING の “ポイントガード” もダメ。BLACKWING は日本のメーカーが製造しているもの
で,軸の太さも国産鉛筆と同じだから。
 鉛筆削りは問題なく使える。ハンドル式も携帯用の手回し式も。補助軸はクツワのノック式とポイント補助軸は使えたが,クツワの締め込み式と STAEDTLER の補助軸には入らなかった。

● もうひとつの特徴は,六角の角が角々しいところだ。塗装が薄いためと思われる。
 日本でも昔の鉛筆はそうだ。塗装が薄いから角のエッジが立っている。ぼくはその感じが嫌いではないのだが,アメリカ鉛筆を使えば現行品でもそれを味わうことができる。
 軸木の表面がめくれてしまってる箇所がある。消しゴムを取り付けるときにできてしまったものだろう。ご愛嬌と言うべきでありましょう。

● 硬度は表記されていない。いや,「2」というのがアメリカ規格の表示であるらしく,“日本のJIS規格におけるHBに相当” するようなのだが,体感だとBだ。
 充分に濃く,大変滑らかだ。北星の9606に近いというか。いや,三菱の Hi-uni に近いか。芯は日本産のものを使っているのかと思うほどだ。ただし,価格は120円くらいだったかな。

● Dixon Ticonderoga 1388-2。“-2” は硬度を表す。しかし,“SOFT” と表記してあるのだから,“-2” はなくてもいいような気がする。
 “SOFT” といっても BLACKWING の “SOFT” とは違っていて,HBの感じ。体感では三菱9800のHBを使っているのとほぼ同じ。
 メルカリでポチったものだが,出品者様によれば '90年代のUSA製とのこと。

● MUSGRVE の 909 CERES とは真逆で角が丸い。軸も細め。ドイツ製とほぼ同じ。
 クツワノック式補助軸ではホールドできない。それ以外はOK。

● Berol Eagle 224。勝手なイメージだが,大らかなアメリカンという感じ。こちらも軸の太さはドイツ製と同じ。
 硬度は「HB」「2」。しかし,国産鉛筆で言うとHか2Hになる。アメリカ鉛筆の硬度もドイツ基準と同じと考えていいんだろうか。が,ザラつきは感じない。いい芯を使っていると思う。

● 鉛筆に付いている消しゴムは,3つとも使いものにならない。Ticonderoga だけは使って使えなくはないが,使わない方がよいと思う。
 製造後だいぶ経っていてゴムが硬化してしまっているから,というのではない。最初から使いものにならない。
 消しゴムは実用のために付けたのではなくて,オブジェのようなものなのだろう。そう割り切って,アメリカンとつきあうべし。

● これを使っていたヤンキー少年も今はジジイかオヤジになっていることだろう(そんなに古くはないのか)。
 いやさ,アメリカのご同輩,時間の経過は容赦のないものだねぇ。

● アメリカンな鉛筆を使っても,アメリカの風を感じるなんてことはない。だいたい,ぼくはアメリカ本土に行ったことがないので,アメリカの風なんて知らない。
 1本の鉛筆という物体以上にはならない。その物体がアメリカで製造されたものというだけのことだ。
 そこからいかに想像を飛ばせるか。その人の知識や体験によるのだろうが(特に知識を侮ってはいけないと思う),ぼくがアメリカについて知るところはあまりに少ない。

2026.06.16 久方ぶりにジョイフル本田の文具売場へ

● 宇都宮(正確には上三川)のジョイフル本田に来ましたよ。2階にはダイソーが入っていて(しかも,かなりの売場面積),その分ペットショップとかリフォーム屋とかが縮小していた。
 困ったときのダイソー頼みってあるんですかねぇ。ダイソーならテナント料を払ってもやっていける?

● Campus-Rollbahn のコラボ製品。ここにはまだ潤沢に残っている。測量野帳も「黒板」と「飛行場」が残っとります。
 メルカリにけっこうな値段で出ているけれども,慌てて買うことはありませんや。そのうち,メルカリの方も値崩れして,まともな値段になりますよ。

● Campus がこれでもかというほど。いいね,いいね。しっかり勉強なさいよ,中高生諸君。
 いや,大人だって Campus を使って悪いことなんか何もないんですよ。Campus という名前に臆することはありませんよ。使い倒してやってくださいよ。

● 逆に,Campus は未成年が使うものだなんてナメないでくださいね。ノートの中で Campus がガリバー的に売れているのはご存知のとおりですが,売れるには理由があるんですよ。
 その理由は使えばわかるというものです。ご自身も Campus 使って大きくなったのかもしれませんが、大人目線でもう一度 Campus を評価してみてくださいよ。

● 文具関連の書籍やムックも置いてある。こんなのを買いました。
 トラベラーズノートの “旅するように日常を生きる” には抗し難い。けど,トラベラーズノートは使っていない。お高いのと,筆記具から保存用バインダーまで用意して,顧客を囲い込もうとしているのが気に入らないからだ。
 でも,“トラベラーズノート” と銘打たれた書籍はだいたい買っている。隠れトラベラーズノートファンなんですわ。

● が,これはトラベラーズノートの関連本じゃなかった。買う必要のないものだった。もっと言うと,買ってはいけないものだった。
 よく見るよろし。

● そんなわけで,ここは学用品を中心に安価な売れ筋商品が置いてある。と思いきや,システム手帳もあるし,高級万年筆がガラスケースに鎮座ましましていたりもする。修理も受け付けているようだ。
 月光荘の商品を見かけたこともある。当然,期間限定だった。

2026年6月11日木曜日

2026.06.11 北星鉛筆の9606

● 日光に来た。この先,ちょっと行くと,旧栗山村に入る。
 天気が変わりやすい。晴れてたと思ったら雲に覆われて雨になる。が,すぐに晴れ間が顔を出す。晴れ間なのに雨も降ってたりする。

● 筆箱には北星9606を入れてきた。9500の後の持ち出し用鉛筆に任命した。
 トンボ2558と並ぶ,国産ゴム付き鉛筆の雄。鉛筆党の党員で知らない人はいないはず。

● 9606は今回初めて使うわけではない。今までもチョコチョコと使ってきている。したがって,書き味はわかっている。
 Hi-uni に迫るという人もいるが,Hi-uni は Hi-uni であって,9606は9606。あたりまえだけれども,別のものだ。そこに各々の良さを見出すか,どちらかに偏るかは人による。

● 前言を翻すようだが,ちょっと試し書きをした程度でわかるもんじゃないってのは,万年筆に限らない。鉛筆だってある程度は使い込んでみないと,素性のすべてをさらけ出してはくれない。
 9606に関しては,使い込んだという程度には使っていると思うが,使うたびに(書き始めてしばらく時間が経った後に)これが9606だという感覚が甦ってくる。

● 適度な軟らかさ。それは適度な硬さでもある。紙が押し返してくる硬さ。これが過ぎると疲れることになる。いかに筆圧をかけずにいても硬さが過ぎると疲れる。
 滑らかさ。9500には芯に粒子感を感じさせるところがある。それが悪いというのでは全然ないし,9500も充分に滑らかなのだが,9606になると粒子感は
ほぼ感じない。

● 粒子感を感じさせない=上質,と言っていいのか。滑らかでさえあればいいのか。多少のザラつきはむしろあった方がいいのではないか。
 このあたりは最後の最後は好みで決まる問題ではあるのだが,ぼくは滑らかであればいい鉛筆の条件の9割を満たせていると考える。9606は文句なしに上質感を感じさせる。これはいい鉛筆だ,と。

● ぼくは,今のところは,濃いめの鉛筆を好む。同じHBでも北星は他社より濃い。今後はHBしか使ってはいけないと言われれば,北星にするしかない。
 正直,9500でも9606でもクラフツマンでも9900でもかまわないと思ってるが,9606は北星製品群の中でも最もコスパがいい鉛筆かもしれなあ。性能−価格比が一番いいかも。

● 北星には9900が3種ある。ひとつは,すでに生産をやめているHIT。もうひとつはアートセットの9900。3番目がダイソーで3本セットで販売されている “かきかたえんぴつ”(4Bと6B)。
 アートセットは12硬度で1,100円。9606は1本77円。9606の方が安いのだが,アートセットのHBより9606推し。描くのではなく,書いてる分には9606の方が高額なんじゃないかと感じることがある。

● 9606は(OEMを除けば)北星では唯一の消しゴム付き鉛筆だ。ぼくは鉛筆に付いている消しゴムは使わないのだが,消しゴムなしの9606を出してくれとリクエストするつもりはない。それはないんだな。
 消しゴムなしなら9500で充分だし,クラフツマンも充分な量を確保しているから,それらを使えばいい。9606は消しゴム付きでけっこう。消しゴムは使わないままで,1本の9606を使い切ってみたい。というわけなので,当分,旅先では9606にお世話になる。

● ともかく,HBしか使ってはいけないと言われれば,北星から選ぶことになる。が,実際にはBや2Bもあるわけで,三菱やトンボのBと北星のHBを比べた場合,常に必ず北星のHBが勝るとは限らない。
 昭和30年代の鉛筆だと,HBで受け入れられるものはあまりないが(uni や MONO は別),Bや2Bなら昭和30年代のものでも全然OKだ。濃いめ軟らかめが好きだと,そういうことになる。
 HBで比較するなら2558より9606かなと思っているが,2558にはBもある。この2558Bが絶佳なので,いずれ持ち出し用に任命する予定。

● 問題は,この濃いめ軟らかめ好きがいつまで続くかだ。ずっと続くかもしれないのだが,書き味や滑り具合いだけでなく,黒の品位も問題になる。
 今はどうか知らないが,昔の墨汁の黒はイヤな黒だった。ああいう黒は見せられたくない。
 黒鉛の黒は,4Bであっても6Bであっても,墨汁の黒のようにはならないだろうと思っているが,このあたりで自分の好みがどう転ぶかわからない。

2026.06.11 筆箱紹介

 ● 筆箱の中身,メインは鉛筆だ。が,シャープペンに変えたり,また鉛筆に戻したりした。
 筆箱自体もトンボ8900の70周年記念の缶ペンケース から始まって,樹脂製の筆箱にして,ペコちゃんの大きめの缶ペンケースに変えた。どれだけの収納力が必要かは当然,何を入れるのかによって変わってくる。

● やっと変遷が終わって安定しそうな気配があるので,あらためてここで “筆箱紹介” をしておくことにする。人様に紹介するというよりも,自分のために現時点での記録を残しておくという意味合いが強い。
 前提として,筆箱は旅行の際に持って行くものだということ。宿泊を伴う外出の場合にしか持ち出さない。

● まず,鉛筆を3本入れている。今は北星の9606(HB)だが,これを使い終えたら別のにしようと思っている。使ってみたい鉛筆はたくさんあるわけで。
 次はイートンペンシルか,北星クラフツマンか,トンボ8900のBになりそうだ。

● 鉛筆を持ち歩く以上,消しゴムと鉛筆削りもセットになる。消しゴムはメルカリでポチった “鉛筆まとめ売り” に入っていたものだ。中華製。3個か4個のセットで百均で売られているのを見たことがある。
 要するに,これ以上はないという安物なのだが,機能的には問題ない。MONO消しゴムと変わらない。消しゴムに高級感を求める人はあまりいないと思う。だから,これで良し。鉛筆党の党員になるということは,高級筆記具路線は卒業したぞ(もしくは,諦めたぞ)と宣言することに他ならない。

● 鉛筆削りは可能なら家で使っているカールのエンゼル5ロイヤルを持ち出したい。それができれば,すべての問題が解決する。が,そんなことのできるはずもなく。
 携帯用の鉛筆削りに求める1番目の条件は,削りカスを溜めておけるタイプであることだ。ティッシュを広げて削らなくてはならないのは不可。それを捨てることができる場所で削れるとは限らないし,エアコンの風があたって芯粉が飛ばされることだってある。

● 条件の2番目が容積が小さいこと。3番目が削り味と削った後の芯の形がどうなるか。
 2番目と3番目がわりとトレードオフになる。2番目を見事に満たすのがクツワの BABY-K なのだが,BABY-K は3番目に不満がある。
 結局,三菱鉛筆の uni Palette を持ち歩いている。今は無印版を使用。uni Palette は厚みがあるので,それを収納できる筆箱は大きめなものにならざるを得ない。

● あと,クツワのプニュグリップ。鉛筆は少々細すぎる。太さを補ってやる必要がある。そのための最も手軽で効果的な手段がプニュグリップ。
 補助軸を使える程度に短くなれば,補助軸が長さの他に太さも補ったくれるから,プニュグリップの出番はなくなる。
 ただ,たいていのことには人は慣れるもので,鉛筆をデフォルトで持つことにもだいぶ慣れてきた。違和感がだいぶ減った。もう少しすると,太さを補うための補装具は不要になるかもしれない。

● こちらは手帳用。定規は線を引くためにしか使わない。文字列を四角で囲むとか。長さを測ることはない。
 なので透明でないと困るが,透明であれば何でもいい。いきおい,樹脂製になる。安物でけっこう。写真の定規は今年の5月9日にモアーズ川崎に入っているダイソーで買ったもの。

● パイロットの HI-TEC-C COLETO Lumio。リフィルは0.3㎜の緑,赤,青,黒の4色。15年くらい使っている。現在ではもっと多くの多機能ボールペンがあるのだ思うが,変える必要を感じない。
 HI-TEC-C の弱点は水に弱いこと。間違って水滴を落としてしまうと速攻で滲んで読めなくなる。が,そんなチョンボをすることは滅多にない。
 ノートもそうだが,手帳も百年も千年も保ってくれなくていいのだ。書き手のぼくが死ねばゴミになるものだから,紙もインクもそんなに強靭なものである必要はないのだ。

● 極小型の修正テープ。PLUS のもの。MADE IN VIETNAM。アトレ川崎のハンズで買った。修正テープはそんなに使うことがないので,けっこう保っている。まだまだ保ちそうだ。
 携帯用のハサミ。手帳にいろんなものを貼るので,ハサミも必須。このハサミも Seria だったか,百均で買ったものだと思う。切り絵のようなことをするのではないから,これまた百均で充分だ。

● ハサミに限らず,百均のものはすぐにダメになると言われることがあるが,その情報の出処はどこか。そういうことにしておいた方が都合のいい人たちが故意に流したとまで言うつもりはないが,情報の真偽を判断する術のひとつは,その情報が流布することによって得をするのは誰かと考えてみることだと思う。
 そんなに長く保ってくれる必要もないのだが,今のところ,普通に役に立ってくれている。

● 切ったものを貼るための接着剤だが,これはダイソーの両面テープを使っている。もう40年以上は両面テープを使い続けている。
 で,これだけは筆箱に入らないので,他のものと一緒に別のポーチに入れる。テープ糊に替えるなどして筆箱に収まる工夫をした方がいいのかもしれないが,両面テープの接着力と扱いの簡便さゆえ,このスタイルに甘んじている。

● とっくに生産終了したゼブラのミリペン。黒はすべて使い切れているのだが,赤は何本か残っている。
 捨てるしかないかと思っていたのだが,ノートに日付けを書くときに使うことにした。つまり,日付けだけは赤で書くことにしたわけだ。
 それに何か意味があるのかといえば,後から見返すときに日付けが目立つようになる。これはバカにできないメリットだ。
 が,赤のミリペンを使うために日付けを赤で書くことにしたというのが,実際のところ。赤のミリペンに使い途を与えてやることができて,ちょっと嬉しい。

● 使わないけれども,筆箱に入っているものがある。ひとつは,ほぼ日の “おちつけ” のバッジ。買ったときはピンバッジだったが,ピンが取れてしまった。ピンは棄てたけれども,本体の方は棄てられずに筆箱に入れている。
 MONOのブックマーカー。こういうのは使わない。使わないんだけれども手元にある。棄てるのも忍びなくて,筆箱のアクセサリーになっている。
 青森のダイソーで買った50㎝のスマホの充電ケーブル。50㎝じゃ短すぎる。ので,緊急用にというわけで筆箱に入れている。稀に使うことがある。

● 理想の筆箱は小学校低学年の児童のそれだ。が,理想を実現するのはなかなか難しい。
 筆箱はペコちゃんの絵柄の缶ペンケースを使っている。メルカリで300円で買った。今どき,こういうのは小学生でも使わないだろうが,大ぶりでタップリ入るところだけは小学生の筆箱と共通する。
 鉛筆キャップを “鬼滅の刃” にしているのも,小学生に近づきたいからだが,こちらのイメージと小学生の実態はだいぶ違っているものだろう。ま,よろしいのだ。

● 中身の多彩さでは小学生に負ける。大人は小学生ほど多種類の文具を必要としない。
 小学生は文具使いのプロフェッショナルであって,しかも使い方も荒いであろうから,それに耐えうるように設計された学用品なら大人が使っても間違いがない。

2026年6月10日水曜日

2026.06.10 Bun2 2026-6月号

● 昨日,宇都宮東武百貨店5Fの落合書店の文具売場でもらってきた。「手書きライフをより豊かに!」。
 手書きなんて鉛筆1本と Campus ノートがあればいいんじゃね,と思うんだが。手書き自体がライフに豊かさを作ってくれるかもしれないし,作ってくれないかもしれないけれども,直截に豊かさを求めるのは拙策というもの。

● ただし,「Bun2」はコマーシャルペーパーだからね。まぁ,手書きライフをより豊かに,と付けたくなるのはわかりますよ。
 まずは,シャープペンのPR。すでに発売からけっこう経ってるものもある。

● 三菱鉛筆の「LAMY safari KURUTOGA inside」。「ラミーサファリの三角グリップは,(中略)持ち替えにくいので,芯が回ってトガるクルトガは相性がいいと思います」(p6)とは,ごもっともな指摘。万年筆やボールペンならいいけれども,シャープペンはどうなのよとはたいていの人が思うことでしょ。
 「消しゴムキャップは面取りしてるので,ノックする際に指が痛くならない」。このあたりは日本のメーカーなら当然のこととして対応してるんでしょ。凄いぞ,日本。

● 他に,パイロット「エアステップ」,トンボ「FUMI」,サクラクレパス「インタリオシャープ」,サンスター「シンドバット」,KAYOU+「ORVO」が紹介されている。
 ボールペンではゼブラ「THE ZEBRA HAMON」。これはぼくには縁のありようのない筆記具だけれども,端から見てると機能を追求しすぎた結果,高級感を損ねているようにも思える。
 しかし,従来の “高級” とは違うものを目指しているようだ。“高級” を再定義するというかね。初回出荷分はすべて捌けたようだから,滑り出しは上々だった。

● 外海君子さんの連載「ニューヨーク文具レポート」。
 アメリカでは2010年に学校教育の必須科目から筆記体が外されたため,タイプ入力を優先して筆記体をカリキュラムから外した学校が多かった。おかげで「手書きの文字が読めない」「歴史的な文書が読めない」子どもたちが増え,筆記体を復活させる運動が出始め,10年前はわずか14州しか筆記体を必須科目に挙げていなかったのに,今では27州,すなわち過半数の州が必須にしている。(p17)
 アメリカではそんなこともあったのか。歴史的な文書が読めないのは日本の子どもたちも同じ。というか,大人だって読めない。漢文で書かれた古文書を読めないといけないんだもんな。ほとんど外国語だ。
 アメリカと日本では歴史の堆積が違うし,アルファベットと漢字という違いもある。

2026年6月8日月曜日

2026.06.08 百均中華をナメるなよ

● 上の2本は Seria で10本110円で販売している中華鉛筆。下のもかつて百均で販売されていたものだと思う。  
 上のは軸が細すぎて合うキャップがないが,下のはバレットキャップがぴったりハマる。ドイツ製と同じ太さ。

● しかも何ですねぇ,バレットキャップがこの百均中華によく似合う。木肌とピンクゴールドの相性がいいんですかねぇ。
 STAEDTLER の Mars Lumograph のブルーや tradition の赤,FABER-CASTELL 9000番の緑より,百均中華の木肌の方が映える。

● ちなみに,このバレットキャップはドイツ製より太軸の国産鉛筆には使えない。
 国産鉛筆の中でも細軸の北星鉛筆なら何とか使えなくもないのだが(が,使わない方がいい),三菱やトンボでは無理。無理やりハメればハマらなくはないが,塗装を削ってしまう。
 
● 下の2Bより上のBの方が濃い。下の2Bには,HBなのか君は,と言いたい。
 が,そんなに悪くはない。HBの鉛筆だと思えば充分に滑らかで書き心地も良好だ。

● 別なのを使ってみると,もうちょっと濃かったりもするんだけど,この個体差って国産にもある。わりと鉛筆にはあるものですかねぇ。
 なぜ個体差が発生するのかはよくわからない。芯にムラがある? ムラではないからね。硬度がひとつ違うんじゃないかと思うくらいの差があるんだから。

● しかし,芯質に問題はない。中華の芯はかなり良くなっているんじゃないか。
 少なくとも,自分が子供の頃に使っていた国産鉛筆の普及品よりは,今の百均中華の方がずっといい。ともあれ,百均中華をナメるなよ。

2026年6月6日土曜日

2026.06.06 バカの草刈り場

● ショートサイズの「大人の鉛筆」。川崎のヨドバシで買ったもの。
 自分にはこちらの方が合うはずと思ってたが,長いタイプを使うことの方が多いかもしれない。

● 書いてるときにはクリップはない方がいい問題。若干頭重めにもなるが,そこは無問題だし,ルックス的にはクリップは必須。このアンビバレンツ。
 これを胸ポケットに挿して出かけることはないんだけどね。クリップに実用性は求めてない。

● ただ,これがあると鉛筆要らないよね。三生分か四生分の鉛筆の処分を大幅に前倒ししなきゃいけない。だって,場所を取るだけになった鉛筆群なんて邪魔なだけだからさ。
 「大人の鉛筆」よりも「鉛筆屋のシャープペン」の方が鉛筆の天敵かな。削る手間が要らないのは,特に旅先においては大きなメリットだ。
 が,旅先に限らず,ハンドル式の鉛筆削りが手元にある自宅においても,鉛筆から「鉛筆屋のシャープペン」 にすぐさま乗り換える事ができるわけだ。それで何かデメリットがあるかといえば,そんなものは何もないと断言できる。
 「大人の鉛筆」もそうだが,「鉛筆屋のシャープペン」 も鉛筆の風合いが移植されている。木軸シャープなんてこれで充分だろうよ。

● さて,ここからが本番なのだが。
 しーさー氏が有名にした,野原工芸に代表される木軸ブームがまだ続いているようだけども,言葉を選ばずに言ってしまうぞ。あそこはバカの草刈り場だ。
 それを端的に示すのが転売問題だ。転売ヤーのことではない。こういうもので小銭を稼ごうとするのは暇な貧乏人に違いないけれども,それ以上に転売ヤーを詰る側が本当にバカっぽいのだ。ぽい んじゃんくて,正真正銘のバカなのだ。

● 自分たちが転売ヤーを生んでいるという自覚がない。そもそも世間の潮流に群がること自体が馬鹿の証明であるわけだ。この状況下で木軸ペンに走っていて恥ずかしくないのか。
 今までも誰かのカモになって生きてきたのだろうが,これからカモであり続けるのだろう。カモりたい側は「推し」「推し活」などという言葉を編み出して,いっそうカモろうとしているようだが,バカは常に必ず搾取される側にいる。にもかかわらず,あまり世の同情を引かないのは,あまりといえばあまりにバカだからだ。

● 少しは考えろと言いたいが,そんなことができるくらいなら,その時点でバカではない。バカにつける薬はない,バカは死ななきゃ治らない,と昔の人は言ったが,まったくそのとおり。バカがバカを治すのは生まれた時点で手遅れだ。
 かつ,バカが自分の頭で考えてしまうのは,最悪の結果を招く。バカが自分の頭で結論を出すのだから,間違えるに決まっているからだ。賢人の意見を訊いて,それに従った方がいい。

● 書物でそれをするのを勉強というのだが,バカはその勉強を億劫がる。自分のスカスカの頭とごくわずかな経験だけで辻褄を合わせようとする。その方が楽だからだ。
 そういうバカが木軸ペン界隈に蝟集していると,ぼくには見える。バカに交わるとバカが伝染る。近づかぬが吉と思う。

● 自分の頭で考えていい人など,そうそういるものではない。たぶん,それが冷徹な真理というものだろう。
 当然,ぼくも自分の頭で考えてはいけない側の人間だ。そのことはわかっているから,できるだけ自分の頭では考えないようにしている。
 ソクラテスが言ったとされる “無知の知” とは,案外,こうしたことを指すのではないか。自分はバカだから自分の頭で考えてはいけない人間だ,ということを悟るのが “無知の知”。