● ひとつめは Office Depot。Office Depot は,「アメリカ・フロリダ州に本社を置く,世界最大級のオフィス用品・文具の小売チェーン店」であるらしい。当然,自社工場を持っているわけではないだろう。
プライベートブランドのこの鉛筆は MADE IN VIETNAM。ひょっとしてトンボが製造しているのか。
● んなわけはない。トンボ2558より軸が太め。芯質には大差がある。
硬度は #2/HB だが,Musgrave よりやや硬め。
● ふたつめは Simply Done。Simply Done は,「米国の流通業者である Topco Associates が展開するプライベートブランド」であるらしい。家庭用消耗品が中心。
ので,この鉛筆も委託生産のはずだが,詳細は不明。印字されている文字は写真がすべて。
● こちらの書き味はかなりいい。滑らかで日本人好みだと思う。日本人好みと言うと少々以上にザックリとまとめ過ぎかもしれないのだが,自分を日本人代表にしているので,そうした印象になる。
uni が確立した芯の路線がこれだ。いや,まだ確立してはおらず,先があるのかもしれないが,多くの日本人がそれを支持しているように思われる。
● 以上の2種は,日本で言えばイオンのトップバリュ鉛筆のようなものだと思うのだが(トップバリュも MADE IN VIETNAM だったと思う),アメリカでもメーカー品より安く売られているんだろうか。売られているんだろうね。
● ぼくのような鉛筆党の党員はいろんなメーカーのものを使い比べたり,大昔の鉛筆にこだわってみたり,こうして外国の鉛筆にも手を出してみたりするわけだが,多くの人は鉛筆にそんな興味を示すことはない。アメリカでも鉛筆を使うのは小学生がメインで,大人の鉛筆ユーザーはそんなにいないだろう。
鉛筆なんてどれでも同じ,安い方がいいんじゃないかとする潮流(?)はあるのだろうと推測する。
● あからさまに安かろう悪かろうでは受け入れられない。が,日本の百円ショップで10本110円で売られている中華鉛筆だって,それなりの性能は備えている。
鉛筆に関しては底辺のレベルが切り上がっていて,実用性を満たさないほどに安かろう悪かろうという製品はなくなっているように思われる。アメリカでも事情は同じだろう。
(追記 2026.07.14)
● Paper Mate CLASSIC。1本だけ書体の違うのが混じっている。
AI先生によると,「アメリカでは誰もが知っていると言えるほど超定番の,どこかノスタルジックな木軸鉛筆」で,村上春樹氏が愛用しているらしい。「村上春樹氏は,ゲラ刷りに手を入れて修正する際,このペーパーメイトの黄色い鉛筆(硬度#2)を長年愛用しています」って,本当なのかい。
● 「良くも悪くもアメリカン・クオリティ」で,「全体的にどこか大雑把でラフな作りをしています。しかし,この「きっちりしすぎていない,チープで道具感のある佇まい」こそが,クラシック鉛筆の最大の魅力であり,愛される理由でもあります」。
ものは言い様だと思わせるが,この程度の塗装の浮きやフェルールが塗装を削り取ってる様子はむしろ愛らしいとも思う。
● Paper Mate が鉛筆の自社工場を持っているのかどうかは知らない。元々はボールペンを扱っていたところらしいのだが,鉛筆工場は持っていないのではないかと思う。
ので,日本の言葉で言えば,販売元というこのになるのではないかと思っているのだが。
● 使ってみた。HBにしてはやや硬め。「Office Depot」に近い感じ。AI先生は「高い品質と滑らかな書き心地で知られています」と言うのだが,正直,それほどのものとは思わなかった。
村上春樹さんはゲラを直すのに本当にこの鉛筆を使っているんだろうか。そうだとすると,鉛筆にあまりこだわらない人なのか,あるいはトンボ MONO 的な硬さを好む人なのか。
● Paper Mate は,Newell Brands の傘下にあるらしい。資本関係がどうなっているのかはよくわからない(買収されたらしい)。身売りや合併,離合集散に関しては,アメリカは日本以上にダイナミックというか流動性が高いというか。
ブランドはそのまま残ることが多いので,ホテルと同じで,こんがらがってくる。リッツカールトンがマリオットの傘下だと言われても,部外者が見ればリッツカールトンとマリオットは並立しているわけでね。