2024年4月18日木曜日

2024.04.18 バレットキャップ

● このバレットキャップ(右の写真)を知ったのは,宝島社の『トンボ鉛筆8900ペンケースBOOK』で,土橋正さんが8900に付けているのを見たこと。
 カッコいいじゃん。8900のオリーブグリーンとキャップのゴールドがピッタリじゃないか。鉛筆キャップはこのくらい控えめな方がいいね,とも思った。
 存在を知ると実物が目につくようになる。ANGERS にもあったが,渋谷LoFtで買った。

● 「ドイツの小さな文具メーカーで昔から販売されている鉛筆キャップ」らしいのだが,ブンドキの通販サイトには「国産鉛筆や塗装の分厚い鉛筆,太軸鉛筆,三角軸鉛筆などにはご利用いただけません」とある。
 ドイツで製造されているんだから,当然そういうことになる。が,気にせず使用中。

● ただし,北星の Pencil Guard を知るに及んで,国産鉛筆については Pencil Guard に置き換える方針。ではあるのだが,このバレットキャップの味わいも捨て難い。ので,欧州産鉛筆には引き続き使っていく。
 国産鉛筆でも若干軸径が細い北星クラフツマンには無理なく(いや,多少の無理はあるが)装着できる。が,クラフツマンにだけ Pencil Guard を充てがわないのは仁義に反するでしょ。国産鉛筆にはすべて Pencil Guard。

● 鉛筆キャップ問題の最大の難所は,しかし,どのキャップを選ぶかではないんですよ。鉛筆の軸の細さにどうしても耐えられなくて,こんなのを付けてグリップに太さを補うわけですよ。
 が,これをやると鉛筆のルックスが台なしになる。鉛筆のフォルムの美しさを壊してしまう。バレットキャップも Pencil Guard も関係なくなってしまうんですよ。

● 人前で使うことなんてないので,見てるのは自分だけなんだけども,気分がダダ下がりになる。それでもデフォルトの細さに耐える気にはならない。
 フォルムの美しさも軸の細さに負っているところ大なんだけどねぇ。欧州産のJUMBO鉛筆はまったく美しくないから。

2024年4月11日木曜日

2024.04.11 鉛筆の芯はなかなか減らない

● 先月からメイン筆記具を鉛筆に変えた。まずは使いかけの鉛筆から使っていこう(使い始めたのは30年前か40年前かわからないが),とりあえずBから,というわけで,Bの7本体制で出発。
 が,もう1本出てきたので,8本体制になった。

● しかし,鉛筆の芯って減らないな。もっと小気味よく減ってくれんかな。
 使いかけ鉛筆はまだまだあって,次は2B,HB,と使っていく予定なんだが,使いかけ鉛筆だけでぼくの人生は終わりそうだぞ。

● 測量野帳(LEVEL BOOK)を,びっしりと文字列を書きこむという使い方で(頁は両面使用),10日で1冊使うんだからけっこうなヘビーユーザーでしょ。受験生には負けるけど。
 それでも鉛筆ってなかなか減ってくれないねぇ。児童生徒は途中で鉛筆を失くしたりもできるんだろうけど,年寄りにはそれもできない。

● 鉛筆を使うようになって感じること,もう一点。
 文字を “書く” だけなら,鉛筆は小学校低学年用の “かきかた鉛筆” で充分だ。トンボ8900や三菱9800なら何の不足もない。その状況で,Hi-uni や MONO100 に誘導するのは難しかろう。
 普及品の硬度の幅を狭めて,Hi-uni や MONO100 に行かざるを得ないようにする方策が有効なのは,“描く” ために鉛筆を使っている人に対する場合だ。

● メーカーも販売店も,“書く” 人よりも “描く” 人が増えてくれた方が,ありがたいはずだが,鉛筆の使われ方はすでに “描く” がメインストリームになっているなのだろうな。
 伊東屋が鉛筆はすべて7Fの画材フロアに集めているが,それで正解なのだろう。

● となれば,業界としては,画才のないヤツをいかにその気にさせるかが重要課題となる。メーカーはとっくに色々やってますわね。そのための努力をしている。
 才能がないのにその気になっちゃってるのも,佃煮にするほどいると思う。その佃煮たちがメーカーや販売店の社員を養っている。

● この構造はジャンルを問わず同じ。裾野を広げるとはそういうことで,佃煮たちがいてくれないと,世界が干上がってしまう。
 佃煮たちもけっこう楽しんでいるんだから,この世は調和に満ちているのだ。

2024年4月9日火曜日

2024.04.09 エルメスのノートカバー

● 右の写真はエルメスのノートカバー。片側に物入れが付いている。かなり使いづらいと思う。カッチリとノートを使う人は,こういうものは買わない。
 そもそも,エルメスなんて金持ちに憧れる貧乏人が買うものだと思っている。ぼくも貧乏人だが,金持ちに憧れているわけではない。こういうものは正直,要らん。

● なのになぜこんなものを持っているのかというと,相方からのプレゼント。2月の末に使ってくれないかと渡されたのだけども,そういうわけだから,要らないよ,自分で使いな,と受領拒否。
 とはいえ,せっかく買ってくれたものを無碍に断ったのも何だかな。結局,使わせていただくことにしたわけだ。

● 買ったのはおそらく昨年のことだろう。“エルメスで何か買う” をしたかったのだと思う。
 フラッとエルメスの店に行っても,何も売ってもらえないという状態が,コロナ禍が収束してからしばらく続いた。それでフラストレーションを溜めていたのかもしれない。困ったもんだ。

● 使うとしても,測量野帳は僅かに大きくて入らない。エルメス純正など,バカバカしくて使う気にもならない。伊東屋にピッタリサイズのノートがありますよ,私もそれを使ってます,と店員が言っていたらしい。さて,どうしたものか。

● ちなみに,これを使うことがあるとして,筆記具はどうするか?
 今使っている鉛筆をそのまま使う。エルメスに合うものをなどと,貧乏ったらしいことは考えない。30円の鉛筆でよろしいと思う。
 そうじゃなければ,エルメスごときに負けたことになる。とは,逆に意識過剰かね。

● と書いてきて,少々恥ずかしのだけれども,じつはすでにエルメスのノートカバーをぼくは持っていた。自分で買ってしまったものだ。3,4年前だったと思う。
 アジェンダGM というやつだろうか。正確にいうと手帳カバーになるんだと思うんだけども,パスポートサイズのノートなら挟んで使える。
 とりあえず,山本紙業の蝋引きノートを入れているが,無印のパスポートメモやトラベラーズノートのパスポートサイズのリフィルが使えるはずだ。

● が,現在まで一度も使ったことがない。目下のところ,コクヨの測量野帳しか使っていないので,測量野帳に合わないカバーなど出番がない。
 とはいえ,今回のカバーはせっかくの御志しなので,使ってみることにしよう。これに合うサイズのノートの目星もついているのでね。

2024年4月8日月曜日

2024.04.08 書くという,極めて安価でできる趣味

● “お金を使ってする遊びは必ず飽きる。飽きないで続くのはタダでできる遊びに限られる”という意見がある。言われてみるとそうかもなと思ったものだ。
 典型的なのは,頑張った自分へのご褒美に週末は都内のシティホテルで過ごすというもの。こういうものは集中してやるとすぐに飽きる。飽きると泊まるホテルのグレードを上げることになるが,それもじき飽きる。

● ギャンブルは飽きないじゃないかと言われるかもしれないが,それは人間がたかだか数十年しか生きないからだ。200年や300年も生きるなら,必ず途中で飽きるはずのものだ。

● タダでできるを,“極めて安価でできる” まで拡大してもいいだろう。
 “紙に文字を書く” を遊びにできれば,こいつは飽きないですむ。ぼくは測量野帳を使っているが,カウネットで買えば1冊180円ですむ。鉛筆は1本30円だ。
 今のところ,飽きる気配はないぞ。

● 世の中はよくできている。遊び暮らすのに大金は必要ないようになっているのだから。
 ちなみに,お金を使ってする遊びを飽きないで続けたいなら,過度を避けることだ。やりすぎないこと。抑え気味にすることね。

● そんなことに気を遣っているほど人生は長くないと思っているなら,自分を相手にする遊びを見つけることだよね。これならお金は要らないし,飽きずに続けられるんだわ。

2024年4月5日金曜日

2024.04.05 ダイソーで手帳のリフィルに使えそうなノートを購入

● 昨日,トナリエ宇都宮に入っているダイソーで,こういうノートを発見。A5サイズの5㎜方眼。
 5㎜方眼というのはこの世で最も役立たずの罫線だと思っているのだが,このノートは縦に7つの大枠画が並んでいる。1頁1週間の手帳にできるんじゃないかと思ってね。

● 退職組の老人ほど手帳を使うべし。退職すると世間との繋がりはどうしたって減る。世間と完全に切れてしまうのはよろしくない。ただし,世間とは畢竟,暦のことであって,暦と繋がっていれば世間と繋がっていることになる,と思っているからなんだけどね。
 カレンダーに書き込むのでもいいんだけど,カレンダーは持ち歩きに不便だから,手帳がよろしかろう。
 ただし,高価な手帳は要らん。手帳ごときにお金をかけるこたぁないのよ。

● 今年からはダイソーのA5マンスリーをバラしてバインダーに挟んでなんちゃってシステム手帳に仕立てている。隠居組にはA5ならマンスリーで充分ではあるのだが,もそっと書き込みたいなら見開き2週間のウィークリーにすればよろしい。
 今年はこのまま行くけれども,ウィークリーにするなら,このノートをバラせばよかろう。暦に繋がってればいいんでね。

● で,2冊買った。3年分のリフィルになる計算。
 が,ダイソーのことだからいつまであるかわからないので,今日,さらに5冊ほど買い増しておいた。10年分の手帳リフィルになる。

● 最初の見開きは “年間計画表” にして(計画は立てないが,この見開きはあると役に立つ),あとは1頁1週間。
レイアウトも頭の中では完成している。
 時刻メモリは27時まで必要。なぜなら,ぼくは宵っ張りの朝寝坊だからだ。年寄りは早寝早起き,朝5時には目が醒めるなどと決めつけられては心外だぞ。

● ただぁし。A5でウィークリーだと,スペースがありすぎてスカスカになるなぁ。“手帳で時間をデザインする” なんてことは,まずもってやるわけないしね。

2024年3月31日日曜日

2024.03.31 ここまで鉛筆を使ってきて思っていること

● 芯を削って書き始めて,芯の尖りがとれて筆線が太くなってきてからが,鉛筆は面白い。軸を回して細く書けるところを探すのも面白いし,それも叶わなくなって,太めになった線で描き続けるのも意外に面白い。
 これがシャープペンと比べた場合の鉛筆の面白さかもしれないと思い始めている。ので,鉛筆を削る頻度が減った。

● とはいっても,もちろん,限度はある。デッサンするときのように芯を長く出して,丸くなった先端を当てて文字を書き続けるのは,特に日本語の場合は,少々無理筋。

● 筆線が細から太に変わっていく様を味わえるのは,鉛筆の醍醐味のひとつに数えていいかもしれない。鉛筆の面白さをひとつ発見したと心得てよろしいか。
 こういう面白さは,大人にならないとわからないものでしょうね。あるいは,鉛筆以外の筆記具を使ってきて,それらと比較できるようにならないと。

● 小学生の頃は,線が太くなった後もなかなか削らず(削れず),限度を超えてもそのまま書き続けていたから,鉛筆を好きになれなかったのかもなぁ(いや,理由は他にもあるんだけどさ)。
 軸から出ている芯がなくなって,芯を覆っている木を指の爪で引き剥がしたのを憶えている。あれは何だったんだろうね。当時の貧困がなさしめたんだろうかなぁ。

2024.03.31 淡交社編集局編 『京都 神と文具 ガイド&スクラップブック』

書名 京都 神と文具 ガイド&スクラップブック
編者 淡交社編集局
発行所 淡交社
発行年月日 2022.03.26
価格(税別) 1,400円

● 写真がメインで文章は従。文章はパスして,写真だけを見ていった。

● 第1章の「紙の手ざわりをたしかめて」に登場するのは,京都ならではの店ばかり。いや,奈良にも店舗を構えているところもあったか。
 いわゆる和っぽい紙製品が紹介されている。けっこうなマニアでなければ用がないところだとぼくなんぞは思ってしまうのだが,本書の読者はほとんど女性と思われるところ,その女性の中にはこの程度は守備範囲に入っている人がいるんだろうか。いるんだろうな。
 贈答文化というのは基本的に女性のもので,贈るのはモノに限らず,言葉(文字,文章)も含まれる。平安の御代から女性の守備範囲だ。

● 本書は京都のガイドブックでもある。顧客の多くは観光客なんだろうか。今だと外国人の女性が多いのだろうと推測する。
 これらの店は京都の観光資源でもあるだろう。銀座の伊東屋が東京の観光資源であるのと同じだ。伊東屋で日本の文具を見繕うために来日する外国人観光客がけっこうな数いるだろう,と思っている。

● 第2章は「お気に入り文具を探しに」。ここには,鳩居堂やANGERSのように東京などにも出店しているところ,丸善や伊東屋のように本店は東京にあるところも登場する。
 以上の4つは,東京に出た折りには,しばしば立ち寄るので馴染みがあるといえばあるのだが,京都の店舗には京都ならではの品揃えがあるのだろうな。

● 筆や硯を専ら扱っているところもある。日本の文化や伝統を体現しているという感じの,ぼくにはかなり敷居が高いと思わせるところ。ガサツな人間,立ち入るべからずというね。
 こうした本で見るだけにしておいた方が身のためだと思います。近寄りがたい世界というのがあった方がいいと思うしね。