2026年7月11日土曜日

2026.07.11 ミミックを使わなくなったことへの言い訳

● ミミックの “エボナイト ショート”。ミミックを使うことはあまりないのだが,最も手が伸びるのは “ナンテン”。地味目というか大人系の “エボナイト” や “テンピョウ” はずっと眠っている。
 眠らせたままにしておいてはいけない。使ってもらうために生まれてきたのだからな。しっかり使ってやらんと。

● 鉛筆を万年筆に “擬態” させるのがミミックだとすれば,最もその効果が大きいのは “エボナイト” でしょ,やっぱり。
 鉛筆が鉛筆であることを恥じるってのは,しかし,よろしくないので,ミミックを使うのは補助軸なしでは使えないくらいに短くなってから。3分の1も使えばミミックに装着できるんだけれども,それはしないぞと依怙地になっている。

● ぼくはチープとか安っぽいというのが気にならないタイプだ。そんなのを気にしてもしょうがない年齢になったってのもあるんだけれども,若い頃からそうだったと思う。
 なら,なぜミミックなんか買ったのだと言われるかもしれないが,熱に浮かされたということで収めていただきたい。ミミックの存在を知って,これいいなと思ってしまったのだ。

● 値段が値段なのでしばらく逡巡していたのだが,買ってしまったのだな。最初に買ったのは “ナンテン” と “ペンギン”。
 で,そこからは速かった。結局,8本ほど買ってしまっていた。さすがにこれ以上は増えないと思う。が,熱病が去るとほぼほぼ使わなくなったということね。

● だってね,安くて使い勝手のいい補助軸がいくつもありますからね。まず,どの文具店の学用品売場にあるクツワ。機能的にはまことに秀逸。
 次に,ポイントコーポレーションの真鍮無垢の補助軸。置いてある文具店は多くはないが,Amazon で入手可能。デビカの補助軸も持っているが,こちらは真鍮にクロームメッキを施しているので,グリップが滑りやすいのが難。もっぱらポイントを使っている。

● 他にも,たんぽぽ,伊東屋などの補助軸が手元にある。結局,これらを使うことが多い。重量が欲しい気分のときは STAEDTLER の補助軸を使えばいい。
 安いものを好む性癖があるんでしょうかねぇ。高価なものだと落ち着かないのか,オレよ。

● 自分にとって程がいいのは,クツワかなぁと思っているところもあります。そんなに大層なことを書いてるわけじゃないからね。
 なのに,筆記具だけ高価ってのは,近くのスーパーに買物に行くのにジェット機を用意するようなバカバカしさがある。

● なんだけれども。三菱鉛筆のユニペンシルホルダー UPH-8000 がメルカリに出たりするわけですよ。
 uni 発売50周年記念の限定品ですな。2008年になりますか。限定8000本だか5000本だかの発売だった。当時は消費税が5%だったんですかね,8,400円で販売された。
 それがメルカリで30,000円で出ているんですよね。これ,いいなぁ,欲しいなぁ,と思ってるわけですよ。

● 何ですかね,この矛盾は。たぶん,ミミックもそんな感じで,いいなぁ,欲しいなぁ,と思ったんでしょうね。で,買ってしまった,と。
 買ったらそんなに使わず,自分には安物が相応しいとかホザいているんだな。

2026年7月8日水曜日

2026.07.08 鉛筆でカッコつける

● 今どき鉛筆を使ってる人がいるのか,という声をネットでも聞くことがある。安っぽい,子供っぽいというイメージがあるんだろうかね。
 実際に安いんだから,安っぽいと思われるのは心外でも何でもないんだけどね。

● ミミックを使わなくなった。鉛筆を万年筆に “擬態” させようとは,心映えがあまりよろしくないと思って,意識的に使わなくなったのではない。何となく,遠ざかってしまった。
 粋じゃないという気はする。昔の大工さんは,鉛筆を耳に挟んで現場で墨付けをしていた。あれは文句なしに粋だったと思う。今でも同じようにやってるんだろうか。

● 鉛筆でカッコつけたいなら,鉛筆であることを隠してしまってはいけないでしょ。右の写真あたりが程がいいんじゃないかと思う。
 鉛筆でカッコつけるというのは,鉛筆にカッコをつけるんじゃなくて,鉛筆を使ってる自分にカッコをつけることだ。鉛筆に気が行っちゃってると,そもそもがその人はあんまりカッコよくないのだよね。

● 鉛筆でカッコつけるとかつけないとか,そんなところは突き抜けて,ごくごく普通の鉛筆,たとえば三菱9800やトンボ8900,2558を使って,やるべき作業に集中するというのが至高の境地なのだろうけど,鉛筆好きにはこれが難しい。
 鉛筆じたいに興味を向けちゃうからねぇ。鉛筆にとどまらない。補助軸や鉛筆キャップにも及ぶ。その興味のベクトルは,たぶん,作業に集中することを妨げることになるだろう。

● 2年前だったか,車検を受けるためにディーラーに車を持って行ったのだが,ディーラーの社員がトンボ2558を使って書類に何か書いていた。
 その様子がかっこよくて,ずっと見ていたいと思ったものだった。あれがぼくの中での “鉛筆でカッコつける” の理想の映像になっている。
 結局,カッコよさというのは自力で作り出すものではなくて,環境との相互作用なんだろうな。
 
● でも,久しぶりにミミックを引っぱり出した。使ってみれば,ミミックは非常によくできた補助軸なのだ。
 全部で8本ほど所持している。使わないともったいないのだ。

2026年7月7日火曜日

2026.07.07 フエキの建築用鉛筆は北星クラフツマンの代わりになる

● フエキの建築用鉛筆とシャープペン(2㎜芯)。Amazon でそれぞれ,539円と444円。
 フエキが筆記具の自社工場を持っているわけではないだろうから,どちらも委託生産のはず。Amazon の写真を見ていると,北星がまとめて面倒みてるのかと思える。届いたのを触ってみると,北星ではないかもな,と。

● シャープペンには首からさげられるように紐通しの突起があるのだが,これが転がりを完全に防ぐ。
 野外で使うのを前提に設計されたものは,机上で使っても使いやすい。

● 鉛筆はHB。書いてみるとBに近いか,Bそのものかと思うほどに軟らかい。このあたりは北星テイストなんだけれども,ここがひとり北星のみかと言うと,そうでもなくて,たとえばアイボールも軟らかめだ。
 1本100円ほどになるんだけれども,値段だけのことはある。

● 書き味は北星クラフツマンに似ている。クラフツマンは Standard Products でしか扱っておらず,しかもHBだけの6本箱入りは事実上入手不可能だから,代わりにフエキ建築用鉛筆を使うのはアリだ。
 こちらは Amazon でポチればすむわけだから,入手難易度が下がる。というか,難易度はゼロだ。

● というわけなので,建築用鉛筆はたぶん北星じゃないかと思う。だから何って話ではあるが。
 北星であろうとあるまいと,フエキの建築用鉛筆は普通に一般筆記に使っても,非常に使いやすい鉛筆だということ。

● ここまで言っておいて何なのだが,建築用鉛筆とクラフツマンの書き味は似ている(ほぼ同じ)のだが,建築用鉛筆=クラフツマン ではない。建築用鉛筆の方が滑りがいい。
 それを好むかどうかは人によると思うが,ぼくは好む方だ。

2026.07.06 American な黄色いゴム付き鉛筆のプライベートブランド

● ひとつめは Office Depot。Office Depot は,「アメリカ・フロリダ州に本社を置く,世界最大級のオフィス用品・文具の小売チェーン店」であるらしい。当然,自社工場を持っているわけではないだろう。
 プライベートブランドのこの鉛筆は MADE IN VIETNAM。ひょっとしてトンボが製造しているのか。

● んなわけはない。トンボ2558より軸が太め。芯質には大差がある。
 硬度は #2/HB だが,Musgrave よりやや硬め。

● ふたつめは Simply Done。Simply Done は,「米国の流通業者である Topco Associates が展開するプライベートブランド」であるらしい。家庭用消耗品が中心。
 ので,この鉛筆も委託生産のはずだが,詳細は不明。印字されている文字は写真がすべて。

● こちらの書き味はかなりいい。滑らかで日本人好みだと思う。日本人好みと言うと少々以上にザックリとまとめ過ぎかもしれないのだが,自分を日本人代表にしているので,そうした印象になる。
 uni が確立した芯の路線がこれだ。いや,まだ確立してはおらず,先があるのかもしれないが,多くの日本人がそれを支持しているように思われる。

● 以上の2種は,日本で言えばイオンのトップバリュ鉛筆のようなものだと思うのだが(トップバリュも MADE IN VIETNAM だったと思う),アメリカでもメーカー品より安く売られているんだろうか。売られているんだろうね。

● ぼくのような鉛筆党の党員はいろんなメーカーのものを使い比べたり,大昔の鉛筆にこだわってみたり,こうして外国の鉛筆にも手を出してみたりするわけだが,多くの人は鉛筆にそんな興味を示すことはない。アメリカでも鉛筆を使うのは小学生がメインで,大人の鉛筆ユーザーはそんなにいないだろう。
 鉛筆なんてどれでも同じ,安い方がいいんじゃないかとする潮流(?)はあるのだろうと推測する。

● あからさまに安かろう悪かろうでは受け入れられない。が,日本の百円ショップで10本110円で売られている中華鉛筆だって,それなりの性能は備えている。
 鉛筆に関しては底辺のレベルが切り上がっていて,実用性を満たさないほどに安かろう悪かろうという製品はなくなっているように思われる。アメリカでも事情は同じだろう。

2026.07.06 ソビエト連邦(USSR)の鉛筆

● ソビエト連邦(USSR)の鉛筆セット。メルカリで1,500円で購入。
 セットというのは硬度が2Tから2Mまで揃っているからで,「製図用鉛筆のセットです」とは出品者様のご説明。現在のウクライナで製造された由。
 軸にはシベリアの白樺を使ってたりするんだろうか。白樺は鉛筆の木軸には向かないか。

● キリル文字の “ЧЕРТЕЖНИК” が製品名なのだろうが,ЧЕРТЕЖНИК は製図技師,ドラフトマンのこと。ソ連亡き後もブランドとして残っているらしい。
 非ロシア語圏では,TがH,MがBになる。2Tが最も硬く,2Mが最も柔らかい。

● 1920年代にアメリカの実業家 Armand Hammer が,ウクライナのオデッサに巨大な鉛筆工場を設立し,ソ連全土鉛筆を供給したとは,AI先生の教示による(その後,Hammer の流れを汲む サコ・ヴァンゼッティ:Сакко и Ванцетти,クラスィン記念工場:Фабрика им. Красина,トムスク鉛筆工場:Томская карандашная фабрика,スラヴャンスク鉛筆工場:Славянский карандашный комбинат の4つに整えられていく)。
 今のロシアも一所集中が好きで,ウクライナに何度痛い目に遭わされても反省する気配がないけどねぇ。

● 軸に印字されている92は1992年製であることを意味するらしいのだが,ソ連邦は1991年12月25日のゴルバチョフ大統領の辞任,翌26日のソ連最高会議による「ソ連消滅宣言」をもって崩壊したわけだから,92年製はソ連崩壊の直前か直後に,ウクライナのドネツク州にあったスラヴャンスク鉛筆工場で生産されたものということになる。

● 以上,AI先生に教えてもらったことなのだが,AI先生は息をするように自然に嘘をつくことがしばしばあるから,本当かどうかはわからない。

● HBにあたるTMを使ってみたんですけどね。まず,軸が細い。FABER-CASTELL 9000番より細い。手のデカいやつほど細い鉛筆を使うのか。
 日本で市販されてる鉛筆キャップはどれも使えないと思う。補助軸もクツワやポイントではホールドできない。伊東屋とトーキンのクリップ付きで何とかなった。

● 肝心の書き味だが,やっぱり競争のない国はダメだねぇ,とまでは思わなかった。と言いたいのだが,残念ながらこれはダメだ。
 1992年でこれだとすると,戦後ずっとソ連の時間は止まっていたことになる。日本でこの書き味を求めようとすれば,戦前か戦後のドサクサ期に製造されたものの中にあるだろう。
 ソ連の時間は止まっていたと感じるのは,ぼくらが変化の激しい国の変化の激しい時代を生きてきたからで,ぼくらの方が世界の例外かもしれないと思ってもみるのだけれども,そんなことを思ってみたところで認識に1㎜の変化も与えるものではない。

● BにあたるMならどうか。ダメだ。話にならない。
 芯が芯として立てるギリギリの品質。けっこう偏芯もきつかったりする。1992年にこんなものを市場に出すメーカーは,日本やドイツにはなかったろう。

● 今のロシアの鉛筆がどんな状況なのかは知らないが,ソ連時代には1億4千万人のロシア人(ウクライナも入れると1億8千万)はずっとこんな鉛筆を使っていたのか。これが普通だと思って使っていたのか。
 鉛筆の品質とその国の成果物にはあまり相関関係はないだろうけれども,こんな鉛筆を使って図面を引いたり,計算をしていたソ連邦の人々に,心からなる尊崇の念を表明したい。

2026年7月1日水曜日

2026.07.01 消しゴム

● こんな消しゴムがあったのか。Seed Hyper Gold。豪華ですな。つっても660円。Amazon で買えますな。ポチってみますかな。
 いや,ポチることはありませんよ。普通の紙のスリーブの消しゴムでいいんでね。消しゴムもけっこう溜まってるしね。

● 「純金MONO消しゴム」というのもあったんですね。ヤマキンが3個作って,何かの景品として発送されたらしい。消しゴムとしては使えないんだから,消しゴムではないんだけど。
 10年前に120万円相当の金を使ったそうだから,今なら600万円になってますわ。すごいもんだな。

● 鉛筆党の党員になってまだ3年くらいか。そんなに大きな顔はできないのだが,鉛筆と消しゴムはセットという思い込みがまだある。
 消しゴムで消せるのが鉛筆のいいところじゃないか。間違いの痕跡を残さないですむ。

● けれども,テストの答案なら別だけれども,自分しか見ないノートだったら書き間違いをいちいち消しゴムで消す必要などないのだから,二重線で消し込むようにした方がいい。その方が集中を切らさずにすむ。
 誰に教えられずとも,中学生くらいになれば自分で気がつくものだろう。消しゴムはだんだん使わなくてなっていく。
 大人になって仕事で鉛筆を使う場合には,いっそうそうだ。消しゴムを使う局面は,ほぼほぼなくなるんじゃなかろうか。

● が,ぼくは小学校低学年の児童並みに消しゴムを使っている。集中だの効率だのを考える必要がないというのが一番目の理由。
 ゆっくりノンビリで全然かまわない。急いだからといってそんなに先に行けるわけでもないし,そもそも先を目指す理由がない。

● 消しゴムを使うと,同時に字消し版も使うことになる。そうしたことが楽しいと言うんじゃないけれども,左手で字消し版を押えて,右手で消しゴムを動かす作業がイヤじゃないっていうかね。
 その作業をするためにわざわざ間違えて書くことは,もちろんないけれども。


(追記 2026.07.05)

● Seed Hyper Gold,メルカリで500円で出てたんで,ポチってみましたよ。が,届いたのをよく見たら Seed SUPER Gold でした。
 Hyper の前身。何が違うかというと,SUPER は天然ゴム配合なのに対して,Hyper は合成ゴム。使い勝手は Hyper の方が良くなっているんでしょ。

● ま,そういうことはあまり気にしない。出品者様は伊東屋でお買いになったようだ。

2026年6月30日火曜日

2026.06.30 平山萬年堂,再訪

● 弘前に来た。青森から奥羽本線で片道720円。けっこう離れているんですよね。
 津軽の中心は青森ではなく弘前。たぶん,弘前市民は青森市を一格下に見ているんじゃないかと思うんですよ。人口や商業,交通,政治,行政機能の集積では青森市に大きく水をあけられていても,てやんでぇ,こちとら津軽様のご城下だぜ。青森市なんざ僻遠の漁村だったんだろうがよ。青森市民に言わせれば,殿様との距離の近さを優位性のモノサシにするしかないのかよ,と反論したいだろうけどね。
 が,貴族や華族というのは,煎じ詰めればそこだもんね。王様との血筋や距離が近いほど,ヒエラルキーの上位に位置することになる。

● 青森市も津軽には違いないんだろうけど,いくぶん南部が入るというかね。青森県イコール津軽藩ではないもんねぇ。
 八戸や三沢に住んでいる若者が弘前大学に通うのは無理。下宿するしかない。岩手大学なら余裕で通える。

● ともあれ,弘前。駅の構内に書斎として使えるところがある。ノートパソコンを開いてリモートワークする人もいるし,コーヒーを飲んだり休憩している人もいるし,“何もしない” をしている人もいる。
 無料で使えるこういうスペースがあると,ぼくなんかはホッとする。

● 平山萬年堂に行ってみることにする。昨年の11月28日に初めて行ったのだが,裏を返しておこう。
 こういうところで「裏を返す」と言うのが適当なのかどうか,われながら疑問に思うけどね。

● STAEDTLER の芯研器が自宅内行方不明になっている。uni の芯研器を緊急避難的に使っているのだが,慣れているせいか STAEDTLER の方が使いやすい。補充しておくことにした。
 605円のはずだが,税込み472円の値札が貼ってあった。ずいぶん長く店で眠っていたのだろう。2円オマケしてくれた。

● たぶん,先代の主人だと思うのだが,色々と世話を焼いてくれる。つまり,話しかけてくれる。
 小さな店だが,STAEDTLER の芯研器を置いてあるくらいなのだから,他にも面白いのがあるだろう。ちょっと見せてもらっていいですかと断って,店内の商品を見始めたのだが,どうも放っておいてもらえない。
 そういう流儀なのだろう。これでは長居はしずらい。3分後には店を出ていた。

● STAEDTLER Noris の三角軸(JUMBO じゃないやつ)がバラ売りされていた。HBだった。ドイツのHBは日本のよりだいぶ薄いんですよね,そうなんですか ,という会話はした。
 普段は誰とも言葉を交わさない。夫婦の会話は普通にあると思うけれども,隣近所を含めて普段は誰とも話をしない。ので,こうした短い会話がぼくには貴重だ。
 他者との会話はした方がいいですよね。対話とかディベートとかいう大袈裟なことではなく,他愛のない内容もない会話をね。
 だったらもっと先代主人と話をすればいいじゃないか,って? そうはいかない。短い会話でいいのだ。

● 弘前の目抜き通りに建つショッピングセンター。元々は百貨店だったんじゃないかと思う。1階に無印良品が,5階にくまざわ書店と Can Do が入っている。
 カルチャーとアミューズメントのセンターになる目論見だったのだろうが,平日の午後3時は閑散としていた。