書名 読書は1冊のノートにまとめなさい
著者 奥野宣之
発行所 ナナ・コーポレート・コミュニケーション
発行年月日 2008.12.16
価格(税別) 1,300円
● この本が出版された頃は「1冊のノートにまとめなさい」が流行っていて,この本もだいぶ読まれた。
要は,読書ノートを作れってこと。それだけのためにノートを用意するんじゃなくて,メモ帳や日記も含めてすべてを1冊にまとめろ,時系列で書いていけ,ってこと。
● そんな面倒なことやってられるかと思って,もちろん,読書ノートなんてのを作ることは考えなかったんだけど,こうしてブログで記録を残すことを始めている。
それが,この本を再読してみようと思った動機。
● 「読書ノートをベースにしても,外向けの文章を書くのはなかなか大変です。言い回しや構成を練るのはしんどい。思ったことを素直にブログに書いた方が,楽なことは確かでしょう。それでも,読書ノートを使って構成を練ってから書くと,アウトプットの質が上がり,より読まれる文になることは間違いありません」(p149)とある。
そうなんだろうなぁ。だけども,ぼくもそうだけれど,たいていの人は「思ったことを素直にブログに書い」てしまっているようだ。したがって,文章として読むに耐えるブログってあまり多くはない。
● ブログってのはそういうものだと誰もが思っていて,だからこそ,これだけブログが普及しても,単行本と競合することはまずないだろう。
ブログは,理屈としては世界に向けて情報を発信できるツールってことになるんだけど,実際には,書いている本人とごくわずかな仲間内しか読まない(ボログって呼ばれてる?)。あらたまって「外向けの文章を書く」場ではなくて,普段着でチョコチョコ動き回るところになっている。
● 本から抜き書きをする場合,ノートに手書きで写すよりも(その効用は認めるとしても),キーボードでパソコンに打ちこむ方がはるかに楽。
この一点だけでも,読書ノートを作るよりもブログをその代役に使った方が,長続きすることは間違いない。ブログだとわずかながら読んでくれる人がいるから,それが継続のモチベーションにもなるし,整理の手間が一切いらない。
読んでもらうためではなく,自分のためのブログ。それでいいんじゃないのかと今は思っている。