2023年7月30日日曜日

2023.07.30 来年の手帳について

● 渋谷 LoFt に来ている。一番面白い,というか,LoFt らしい LoFt はこの渋谷 LoFt ですかねぇ。
 お客さんがバラけている。夏休みのこととて,中学生や高校生の女の子が多い。LoFt はね,客層が若めなのが特徴ですよね。爺婆は丸善にでも行ってろってことですよ。扱っている商品はそんなには違わないと思うんだけどね。

● その渋谷 LoFt の手帳売場。まずは9月始まりの手帳が出て,まもなく来年の手帳が出揃う。コクヨのジブン手帳はもう出てたんですかね。
 手帳がこれほど愛好されるのは日本だけだと聞いたことがある。手帳を使うと自分の能力が拡大すると錯覚させる何物かを,手帳は持ってるんですかねぇ。

● 女性を中心にデコを愉しむための道具にもなっている。この流れは相当なもので,能率手帳ゴールドさえそのための道具にされてしまう。
 コロナでビジネス手帳の売上はかなり減ったらしいのだけど,これはメーカーと販売店の背中を押しているだろう。

● ぼくのような隠居者はビジネス手帳なんて関係ない。少なくとも必須ではない。
 しかし。定年退職して暇になった人ほど手帳を使えという意見の,ぼくは持ち主だ。なぜかといえば,暦と繋がっていられるからだ。
 世間とは畢竟,暦のことであって,暦の感覚を失わなければ,それはすなわち世間と繋がっているということだ。近所付き合いや自治会活動など,やらんでもいいのだ(やってもいいけど)。

● 高価な手帳である必要はないし,紙の手帳である必要もない。Googleカレンダーでもいいと思うけれども,ぼくは紙派。それもシステム手帳派。
 ずっと “バイブル+ウィクリー” でやってきたが,それは今年で止める。来年は “A5+マンスリー” にすると決めている。
 ダイソーのA5サイズのマンスリー手帳でいいかなぁと思っちゃってる。手帳で人生決まらんからね。百円ですむなら百円ですませればいい。

● 百円手帳を使うと自分の人生まで安っぽくなるように感じるのは,第1に知性の欠如により,第2に自信の欠如による。
 そして,第3には,たぶん,金銭の欠如による。百円手帳なんか使うと‥‥‥と発想しがちなのは,言葉を選ばずに言ってしまうと,貧乏だからだ。元々,安っぽいからだ。想像だけで言うのだが,富裕層はそういうことを考えないと思う(ま,わからんけどね)。

● だから,ぼくは堂々とダイソー手帳を使おうと思っている。たとえリアルでは貧乏であっても,心構えだけはそうではないと装おう,と。
 今のところは,ね。

2023年7月21日金曜日

2023.07.21 半世紀ぶりに便箋を買った

● もうかれこれ10数年になるだろうか。文具店の手紙関連製品の売場が拡張される動き。
 誰もがPCやスマホを持つようになり,連絡手段はメールやLINEになった。が,一方で手書きでメッセージを伝えたいという動きが,主には女性の間で胎動。インク沼とそれに伴うガラスペンブームが拍車をかけた。

● で,そうした売場を覗くと,“可愛い” 一筆箋や便箋,封筒が並んでいる。利幅も大きいのだろうと思う。
 が,紙製品ならコクヨというコクヨへのリスペクトが強いぼくには,“書翰箋” 以外の選択肢はない。事務用品然とした昭和レトロをと漂わすこの便箋を使うでしょ,当然。

● いうわけで,宇都宮駅ビルに入っている八重洲ブックセンターの文具売場にあったのを,買ってみたんだけどね。縦書きと横書きの両方。
 手紙を書くアテなんかないんだよね。手紙を出す相手なんかいない。どうしようかね。メモ用紙にするかね。

● 呉竹の LetterPen COCOIRO。数年前に宇都宮のヨドバシで買った。が,使う機会がないまま放置。
 その名のとおり,便箋などに大きめの字を書くのに向いているのは検証済み。これを使いたくて便箋を買ったのでもある。手紙ではなく,メモか落書きをするしかないんだけどさ。

● そうしたペンがそれ以外にもある。次々に使ってみたい。
 出番がなかったペンたちに所を得させる。そのために書くシーンを新たに作るのは本末転倒であろうけれども,目下のところ,それが趣味みたいなものだから。

2023年7月11日火曜日

2023.07.11 伊東屋の鉛筆ホルダーにピッタリのキャプが欲しいんだけど

● 伊東屋の鉛筆ホルダー。4月に店舗で2本買って,その後メルカリで4本買い足して,都合6本になった。概ね満足。
 お金に糸目をつけなければもっとカッコいいのかありそうだけど,ぼくは糸目をつけるタイプなので。てか,糸目をつけざるを得ないので。

● 願わくば,この補助軸にピッタリ合うキャップを作ってくれないだろうか。
 今のところは Seria で買った「えんぴつ用やわらかキャップ」で保護してるんだけど,こんなふうになっちゃうんだよ。

● まぁ,それでも別に困らないっちゃ困らないんだけどね。外見の問題でしかないんで。キャップの役割は果たしているのでね。
 でも,伊東屋の補助軸を買った理由のひとつは外見にあるのでねぇ。

● 出すのであればとっくに出しているだろうからねぇ。これからも出ることはないでしょうねぇ。
 Seria キャップでやっていくしかないでしょうね。外に持ち出すことはないと思うんで,まぁいっか。

● ちなみに,お金に糸目をつけないとするなら,一番欲しい補助軸は何か?
 三菱鉛筆が2008年に5000本限定で販売した,ユニ生誕50周年記念のユニペンシルホルダーですかね。5000本も出したのなら,睡ってるのがけっこうあると思うんだけど,現時点でメルカリにも出ていない。

● それでも欲しがる人がいるんだろう。ありますよと誘惑している詐欺サイトがいくつもある。お金を振り込んだら,それっきりになるやつ。
 Google が警告するようになったのかな。それでも引っ掛かるヤツはいるんだろうけど,あまり効率のいいビジネスではないやねぇ。ベトナム人とかの外国人が懲りずにやってるっぽいけど。

2023.07.10 サファリもどきの万年筆

● 6月13日。Amazonを見てたら,こんなのが。ポチッておいた。
 メルカリにサファリの偽物が出回っているのは有名な話だが,おそらくこれだな。Amazonに出てるのはサファリだと偽って偽物を売ろうというのではなく,最初から偽物であることを明かしているわけで,胴軸にもLAMMYの刻印はない。
 が,これにその刻印を押し,胴軸と首軸の間に紙リングをかませてやれば,偽サファリの出来上がりとなるのだろう。

● これを2本セットで3,900円で売りまくっていたとすると,けっこうボロいよな。が,こうして堂々とAmazonに出てるんだから,彼(彼女かもしれんが)も商売がしづらくなるかも。
 次のネタを見つけなきゃ。といっても,ネタなどいくらでもあるんだろうけどさ。

● そのサファリもどきが,今日,中国から船便で届いた。コンバータも付属。本物のサファリでも使えるはずだ(たぶん)。Amazonのコメントにはラミーの純正カートリッジが使えたという報告があるので,逆も成り立つのだろうと思う。
 であれば,純正のコンバーターを買うより,こちらを買った方が安くつくことになる。
 これで送料込み199円ね。EFのはずが届いたのはF。ま,このあたりは大らかなもんだってことで。

右が本物
● 本物と比べると,赤は赤でも黒味がない明るい赤。身長は本物より半㎜ほど短い。キャップの天冠にプラスの刻印が入ってない。
 ニブも小さい。ハート穴が先端に近く,したがってスリットが短い。胴軸と首軸をつなぐリングも本物より薄い。このため,本物の本体は偽物のキャップにはまらない。
 軸もキャップも樹脂の厚さが違う。偽物は薄い。樹脂自体も同じものではないだろう。
 総じて,偽物はチャチっぽい。玩具感がある。本物のサファリを知っている人なら,ここからアレコレと本物に近づける化粧を施したとしても,ひと目でこれは偽物だと気づくだろう。その程度には違っていた。

● 本物と同じインクを入れて,実際に使ってみた。Fながら本物のEFと字幅はほぼ同じ。書き味は本物よりややザラつく。
 けれども,目隠しされてどちらが本物か当ててみろと言われたら,百発百中で当てられる自信はとてもない。書き味は本物のサファリ同様にかなりいいと,偽サファリを紹介している You Tube 動画などでも言われているが,ぼくの感想もそれに近い。

● そもそも,ザラつきがない方がいいということでもない。単純に滑らかなよりも,適度なザラつきがあって引っかかりを感じるくらいがいいという人もいるだろう。このあたりは個人の好みというやつがものを言う。
 以上を要するに,万年筆として常用するのに全く問題のない水準にある。堅牢性も普通の万年筆と同程度にはありそうだ。いや,サファリと同程度にはあるんじゃないか。軸の強度は劣るだろうけど。

● 知的財産法的な観点からこういう商品はいかがなものかという問題は当然あるが,ぼくは法律の執行者ではないし,個々の消費者の購買行動でこうした動線が変わることもない。
 この部分に関して敷衍すると,国内万年筆の3大メーカーの主要シリーズ(パイロットのカスタム,プラチナのセンチュリー,セーラーのプロフィット)はいずれも外見がモンブランのマイスターシュテュックに似すぎている(特にプロフィット)。モンブランをパクっていると言われても仕方がない。それが令和の御代に至るまで続いているのだ。

● 万年筆に限らない。自動車もそうだ。トヨタも日産も,現在の大を成すに至る過程では,欧州やアメリカの自動車のデザインをパクってきた。“みんな,パクって大きくなった” のだ。
 知的財産権を重視するようになった現代では,中華サファリの行き方は指弾されるものなのではあるけれども,それを本当に指弾できる資格を持っていうのはラミーのみだ。

● 中華サファリに感じる物足りなさは,大きくなろうという意思や意気込みが感じられないところにある。パクリを最終目的にしているようなムードを漂わすのだ。パクるためにパクっていて,その先を見ていないというか。目先の利益を取ればいいという近視眼。
 こちらの偏見なのかもしれないけれども,そういう印象を持ってしまう。中国の国内市場は我々が押さえるといった気概が伝わってこない。

● ここまでの偽物を造れるなら,サファリのコピーなどやめて,独自の格安万年筆として販売すればいいのにとも思うのだが,おそらく,それはもうやっているのだろう。
 それだけでは旨味がないので,サファリのイミテーションを造って儲けようということなのだろう。そうではあるのだろうけど・・・・・・。

● が,そういうことはどうであれ,これで199円なら,Preppy や Plaisir を買うよりは,こっちの方がいいという結論になる。
 予備にあと5本ほど買っておこうか。ま,買わないけどね。