● メモなんかとらなくても憶えていることが自分にとって重要なことなのだ,忘れるのは忘れてもさしつかえないから忘れるのだ,という意見がある。間然したところがない。潔さも感じる。スマートだ。なるほどと思う。
若いときはそうでも,年をとるとそうはいかなくなるよ,という話も聞く。年をとると書いとかないとダメだね,と。
● ぼく,まだ記憶力が衰えたとは感じていない。もとから衰えていたからかもしれないんだけど。
ただ,ぼくの経験則によれば,メモはとった方がいいと思う。備忘のためだけでなく,頭を空っぽにしておくためだ。憶えておくべきことの断片を頭においておかないためだ。
そういうことをしなければならないことを,記憶力が衰えたというのかもしれないですな。
● そうだとすると,40歳を過ぎても上のような意見を持っている人は,よほど凄い人か,相当な大馬鹿かどちらかだ。
よほど凄い人というのはめったにいないものだから,たいていの場合は後者だろう。
● その大馬鹿が上司であれ先輩であれ,そこまでの馬鹿にかかずらっていられるほど,君の人生,長くはないはずだ。
ここが大事なところだ。馬鹿は治らないのだ。馬鹿には関わらないことが肝心だ。
● 君のメモの仕方は上手だとは思えない。あるいはスマートではない。ではどうしたら上手にメモをとれるようになるか。
メモをたくさんとること以外に方法はない。方法論から入ってはいけない。万人に有効な方法論などないと思っていた方がいい。
● 実地にメモをとることの中からしか,方法論は浮きでてこない。最初から人に訊いたり,“上手なメモのとり方”といった本を読んでもダメだ。書き手の方法論に自分を適応させようとしてしまいがちになるからだ。
同時にメタ認知というか,自分のメモのとり方を点検する姿勢を持っていないといけない。その過程でハウツー本を読むのはいいだろう。その書き手のやり方に自分を適応させようという姿勢一辺倒にならずにすむだろうから。
● そうしたことをしながら,とにかくメモを続けること。そうすると,だんだん上手くスマートになっていくだろう。君自身の方法が洗練されていくだろう。
せっかくメモをとるという習慣を持っているのだから,それを捨ててしまうのはもったいないと思う。
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