2020年11月29日日曜日

2020.11.29 小西利行 『すごいメモ。』

書名 すごいメモ。
著者 小西利行
発行所 かんき出版
発行年月日 2016.01.18
価格(税別) 1,400円

● 読み始めはあまり面白くないかもしれない。類書の上澄みを集めたものかと思うかも。そこを我慢して読み進めていくと,スイスイ読んで行けるようになる。
 自身の体験から導き出した,ひょっとすると適用範囲は狭いかもしれないけれども,手間ひまのかかった方法論が説かれていることがわかってくる。
 だからそれが何なのだ,自分の役に立つのか,と言われると困るのだが。

● メモの録り方を説いた本であれ,金儲けについて書いた本であれ,読みものとして面白ければそれでいいのだし,読みものとしてつまらなければ,それはダメな本なのだ。
 数時間を面白いと思って読んでいける本ならばそれでいいのだ。読書にそれ以上の効用を求めるべきではないような気がする。

● 以下に転載。
 メモには鮮度があり,フルーツや魚のように,時間がたつと腐るのです。(中略)だからこそ,記憶力に頼らず,時間がたっても腐らないメモを書く技術が必要です。(p11)
 メモの本当の効用とは何か? それは「考えるきっかけ」をつくることです。(中略)そのためにも,まずはメモを見返している自分を想像し,「未来の自分」に教えるようにメモを取ってください。(p28)
 情報はまとまると「武器」。まとめないと「ゴミ」(p46)
 人は,順番通りだとホッとします。(中略)それは,順序が秩序を生み,頭が整理されるから。(p65)
 メモに記号を書き込み,そのときの自分の気持ちを残しておくと,未来の自分がアイデアを生むときにとても大切なチカラになります。(p73)
 タグ付けで大切なのはとにかく「細かい言葉だけでタグ付けしない」ことです。タグ付けし始めると,より細かい言葉で,より正確にタグ付けしたくなりますが,それはご法度。細かいタグ付けだとミライオ自分は確実に忘れているので,タグの意味がなくなります。(p97)
 タイトルが決まると,中身がすごく書きやすくなる。それは,小説や書籍の世界でよく言われていることです。(中略)ルールがあると,人は考えやすくなります。(p103)
 脳には,単体の情報は忘れやすくストーリーは覚えやすいというクセがあります。(中略)その理由は,脳が楽しんでいるから。(p122)
 いっぱいアイデアを生み出してから,初めてそこで,「実現できるか・実現できないか」を探るのです。最初から実現できる範疇でしか考えないと,小さくまとまった,ありきたりなアイデアしか生まれません。(p156)
 そもそも「アイデアを考えること」は楽しくなくちゃいけない。しかめっ面でウンウンと悩んでいても,いいアイデアは出ません。考えるのは苦しいけれど,とにかく楽しむ。そういう気持ちこそが,画期的なブレイクスルーを生むからです。(p163)
 いま流行っているものは,もうすぐ流行りではなくなる。(中略)だから「後乗り」をしても,そんなに流行もしないわけです。そこで必要なのが「あまのじゃく」な発想。(p179)
 みなさんは普段から,まっすぐ考えるクセがついているので,頭の中だけではなかなか「あまのじゃく」になれません。だからこそ,メモを見ながら,少しずつ「あまのじゃく」になるわけです。(p185)
 「伝える」という姿勢だと,話し手や書き手の一方的な「情報の押し付け」になることが多いのです。(中略)それに対し,相手のことを知り,その人たちがどうすればよく理解できるかを考え,言葉を選び,図や絵を使い,丁寧に届けた情報は「伝わる」のです。(p188)
 「見出し」を付けるだけでも,メモが楽しくなるし,いろんなことが思い出せるようになり,仕事のアイデアもグンと考えやすくなります。(p197)
 9割くらいのアイデアが歩いているときにいろいろつながっているんですよ。音楽を聴いて歩いているときに,あぁこれ,この場面はこうしようって閃くんです。(中略)大事なのは,メモを取ったうえで歩いていることなんですよ(伊坂幸太郎 p242)
 手を動かすことは考えるためには大事なんですよね。パソコンでもよさそうだけど,メモするんだったら,手書きじゃないとダメって思ってます。(中略)脳がどう働くのかはわからないですけど,手で書いてるときは書いてるリズムで,歩いているときは歩いているリズムで思い浮かぶ。(伊坂 p242)
 僕はタイトルが思いつかないと書けないんで。(中略)基本的には書き始めのときにないと,書く気が起きないです。(伊坂 p244)
 僕は覚えているためにメモするわけじゃなくて,アイデアを生むためだから,そのときに何かイメージできればいい。だから言葉で「エレベーター」って書くよりは,こうして「エレベーターがさあ」と言いながら絵を描いたほうがどんどんイメージを進めていけるんです。(伊坂 p246)
 たとえどんなときも,結局は逃げられない。なんとかして,結果を残さなければいけない。そんな辛い思いをしながら日々暮らしていくわけです。プロとはそういうもので,ビジネスとはそういうもの。お金をもらうとは,きっとそういうもの。(中略)でも私はいつも,本当に思っているんです。メモが仕事を救ってくれると。(p250)

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