2021年6月23日水曜日

2021.06.23 丸善丸の内本店でトラベラーズノートを見る

● 東京駅に来てみた。格別,東京ステーションギャラリーで「“コレクター福富太郎の眼” 展」をやっているので,見に来てみたのだが,事前にローソンでチケットを買っておけということになっていた。
 空きがあれば当日券も出るらしかったが,出直すことにした。

● で,時間が空いてしまったので,それを丸善の丸の内本店で埋めることにした。こちらが勝手に埋めることにしたのだが,丸善にしてみれば埋めてもらわなくてもいいよ,おまえは来るなよ,と言いたいかもしれないな。
 というのも,まっすぐ文具売場(4階)に向かうわけだけども,欲しいものはないのでね。当然,何も買うつもりはない。そういう構えは店員にも通じてしまうものだろう。

● トラベラーズノートをあらためて眺めてみた。ユニーク度は数あるノートの中でもナンバーワン。“旅するように日々を過ごすために” というコンセプトも秀逸で,訴求度が高い。
 ユニークな分,広がるのは難しいかもしれないけれども,刺さる人には深く刺さるだろう。
 ユーザーにとっては中目黒のトラベラーズファクトリーは聖地だろう。その聖地に足を踏み込む勇気はさすがにない。ユーザーでもない者が立ち入ってはいけないと自制している。

● 本体の革カバーの他に,リフィル(こちらが本体か),保存用バインダー,ペン,ペンホルダー,ページクリップなど,ありとあらゆる付属品が純正で出ている。
 しっかり刺さったユーザーを完全に囲い込んで,しっかり吸いあげるぞという態で,まったく抜かりはない。そのいずれもがいいお値段だ。値段に見合った品質ではあるのだろうが。

● 特に惹かれるのは,万年筆用のカートリッジが使える,ブラス ローラーボールペンだ。ブラス,つまり真鍮ね。黄銅のこと。銅と亜鉛の合金で,亜鉛が20%以上のもの。
 無垢の真鍮は黄金色で持ち重りもするでしょ。それが経年変化で味わいを変えていく。

● トラベラーズノートの最大のライバルは,同じデザインフィルのシステム手帳プロッターだと思うのだが,そのプロッターが出しているボールペンを昨年8月に買った
 やはり真鍮製のカッコいいやつだ。まだ一度も使っていないが。

● それとブラスペンシルも魅力的な製品だ。2,000円。ファーバーカステルのパーフェクトペンシル(の伯爵コレクション)などよりずっと品がいいような気がする。
 まぁ,ぼくは買わないけどね。カッコいいなぁとは思うよね。

● そうした惹かれる製品はあるんだけれども,かつ,トラベラーズノートの自由な感じというのには憧れもするんだけれども,そうした製品群に囲い込まれるのがちょっとな,と。
 “旅するように日々を過ごす” というキャッチコピーには両手をあげて賛成するけれども,そのコンセプトを実行するのに,トラベラーズノートは必須ではない。

● スマホでいうとiPhoneなんだよね。iPhoneは安価版の5Cを使ってみたことがある。アップルに囲われている感がどうにも鬱陶しくて,我慢が効いたのは2ヶ月だった。閉塞感を感じるのだ。
 たしかに囲われた世界の中では快適だし,安心だし,アップルの言うとおりにしていればいいんだけども,その外に出ようとすると,とたんにベルリンの壁が出現する。Androidの方が世界が広いように感じる。危険(?)もあるけれども,自由度が高いというか。
 アナログのトラベラーズノートにはそこまでの壁はあるはずもない。が,水も漏らさぬ囲い込みの製品群に取り込まれるのは,少ぉし鬱陶しさを感じる。


(追記 2021.06.25)

 上野駅構内の「ANGERS」。路面に向けたトラベラーズノートのディスプレイ。
 トラベラーズノートに見事な水彩画。普通はスマホで写真を撮ってすませてしまうところだけど,こうやって絵を描くってのは人柄に奥行きと余裕を感じさせる。
 トラベラーズノートに絵を描くのは,文字どおり絵になる。絵を描くという手間をかけると,絵になるものができる。
 飯島と落款がある。㈱デザインフィルのトラベラーズ事業部長の飯島淳彦さんその人でしょうね。

0 件のコメント:

コメントを投稿