発行所 プレジデント社
発行年月日 2015.11.24
価格(税別) 694円
● 「プレジデント」の手帳特集。その特集だけを斜めに読んだ。
● まず,どんな手帳が売れているのか,が紹介されている。丸善丸の内店,紀伊國屋書店新宿本店,渋谷ロフト,アマゾンでの売れ筋。
丸善丸の内店では能率手帳ゴールドが,渋谷ロフトではほぼ日手帳オリジナルが1位。店によって違いがあるのは当然だと思うものの,こうまで違いが出るものなのかと思った。
● 糸井重里さんのインタビュー。
愛用品については,皆さん意外と保守的ですよね。世の中のことは「何か変えなきゃ」と多くの人が思っているけど,自分のものは「変えないで」と願う。ところが,そこを変えて一年も経つと,今度は変更したところを「変えないで」と思う。人間って面白い。(p36)
手書きのよさというのもあります。ペンを持って書いたものは,手指を動かして残った体の運動の軌跡です。墨書に書家の心が表れるように,手書きの記述にその人の人柄や物語が浮き出してくるんだと思います。(p39)● 年収の多寡によって手帳の使い方が違うことを強調する記事がメインになっている。次のごとくだ。
そもそもどれほどの人が「手書き」の手帳を使っているのか。調べてみると,年収によって大きな開きが出た。年収が高いほうが明らかに「手書き」の手帳を使っているのだ。(p41)本当かね。まず,そういう結論を載せるという方針が先にあって,それに合うようなデータを集めただけなのじゃないのか。
年収が高いほど週間手帳を好み,年収が低い人ほど月間手帳を好む傾向にある。(p44)これもな。バカバカしいほどの単純化だ。
わざわざ手書きをするのに「スケジュール管理機能」のみを求める人は少ない。それ以外の用途を見ていくと,特に年収二〇〇〇万円の人は,「長いスパンでの目標管理」や「メモ・備忘録」としての使用が多いようだ。(p42)
年収二〇〇万円の人には「(達成するための時間も自信もないから)夢や目標を直視したくない」「(夢を)書くのは恥ずかしい」と感じている人が多かった。(p45)笑うしかないという感じですか。「メモ・備忘録」として手帳を使うのは,年収の多寡にかかわらず普通のことのように思うが。
● このあと,経営者やサラリーマン・OLに手帳をどう使っているかのインタビューが載っている。これはほぼスルー。
最後に百均手帳が紹介されている。大槻達也さんの発言からいくつか転載。
モレスキンに比べて(ダイスキンの)装丁や綴じが劣っているところはないし,使い勝手や見た目はほぼ同等です。
先日,台湾の友人に白い“ダイスキン”のノートを渡したら,「これで一〇〇円なのか,ジャパンクオリティーだ,ありがとう」と泣かんばかりでした。
商品のクオリティー向上のため,一〇〇円の限界に挑戦する日本のものづくり力のすごさが伝わってくる。泣かんばかりというのは大げさにしても,ダイスキンの装丁や綴じがモレスキンに劣るところはないというのは,両方を使ってみてのぼくの体感にも合致している。
● 「アイデアを思いついたら,ICレコーダーに録音する方法も試したが,機械に依存するとどうもうまくいかない」(p43)というのは,さもありなんと思った。
ぼくは試したことすらないんだけど,入力方法としては弱すぎるだろな。キーボードで入力すると,手書きよりも書いた感が薄くなる。音声入力だとさらに薄くなるんじゃないか。録音したあとの取り回しも面倒そうだ。
最近は,音声をテキスト化してくれるソフトもあるようだけど,これを使って元が取れるのは,ごく限られた範囲の人ではあるまいか。
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