2015年12月9日水曜日

2015.12.09 Preppyに30本目のカートリッジを装着

● Preppyを使い始めて1年と9ヶ月。30本目になるカートリッジを装着した。1本の万年筆をここまで使ったのはたぶん初めてのことだ。
 つまり,ぼくは万年筆運があまり良いほうではなかった。

● ここまで使えばもういいということではなく,Preppyがもう勘弁してと言うまでは(つまり壊れるまでは),ぼくのほうからPreppyの使用をやめることはない。
 一時的に他のペンを使ってみることはあるけれど,必ずPreppyに戻ってくるだろう。

● で,Preppy,まだまだ壊れる気配はない。200円の万年筆がここまで使えるものだというのは驚異だ。
 さて,あとどのくらい使えるのか。壊れるのを楽しみにしているのではないのだが。

● Preppyはすべて機械による大量生産のはずだ。ペン先にイリジウムが付いているといっても,イリジウムもピンキリだ。Preppyで使われているのはもちろん,キリの最たるもののはずだ。
 ともかく,機械だけでここまで作れる。その機械だけで作れる200円のPreppyと,1万円,3万円,5万円,10万円の万年筆とでは,何が違うのか。
 書き味だってぜんぜん悪くない。夏目漱石に使わせたかったと思うね。

● メーカーはPreppyを入門用と位置づけているのか。Preppyで入門した人が別の万年筆に移ってくれればいい,と。
 が,ぼくのようにPreppyで出門まで行こうとする人もいるだろうな。

● 30本のカートリッジになるということは,200円のPreppyで1,200円分のカートリッジを消費したってこと。それもプラチナの狙いかもしれないね。

● 昔は万年筆はお金持ちしか持てなかったんでしょ。万年筆1本の値段が月給より高いとあってはね。万年筆が高すぎたのか人の値段が安すぎたのか。
 それが200円で買えるところまで下がってきた。技術革新のおかげだ。機能だけを考えれば,200円のPreppyは万年筆として欠けるところはない。それが月給どころか最低賃金の時給の何分の一かになった。

● 技術革新ってすごいな。パソコンもそうだったなぁ。個人がコンピュータを持てるなんてと思ったけど,昔は100万円超のノートパソコンがあったよ。Macなんか一式揃えると乗用車1台分の値段になったり。
 それがどんどん安くなって,今は一桁の万円で買えるようになった。
 自転車もそうだ。自動車もそうだ。工業化,量産化に乗せられれば,モノは見る間に安くなっていく。

● 問題はたったひとつ。そうなったあとの万年筆なりパソコンなり自動車は,そうなる以前の同等品より色褪せてしまっていること。稀少性が失われてしまうんだからね。
 でもさ,稀少性はなくなっても,そのモノがもたらしてくれる利便性は変わらないわけだからね。Preppyは,明治の人が憧れながらも持つことが叶わなかったマンネンフデ以上の機能と使いやすさを備えているわけでね。

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