2020年5月14日木曜日

2020.05.14 伊藤精哉 『振り返り手帳術』

書名 振り返り手帳術
著者 伊藤精哉
発行所 新泉社
発行年月日 2018.10.15
価格(税別) 1,600円

● 「その日の出来事を「マイニュース」として1行に要約して振り返ること」。類書にはない本書のオリジナリティー(?)はこの一点かと思う。
 この手の本を読むのを趣味にしている人は(ぼくがそうなのだが),4頁に及ぶ「はじめに」を書店で立ち読みすれば,本書を読んだことになるのじゃないか。

● 要するに,新味はほぼないわけでね。すでにどこかで読んだことがあることばかりなんですよ。文章から察するに,書いている本人は誠実そうな人だと思う。自分の経験や知見を役に立てて欲しいという一念で,この本を出版した。
 が,これって,すでに誰かが書いていることだよね,っていうね。「マイニュース」もネーミングは初出かもしれないけれども,内実にオリジナリティーがあるかというと,どうもそうは考えにくい。

● ということは,同じようなものが,手を変え品を変えて,何度も何度も出てきているということ。つまり,普及しない。なぜ普及しなかといえば,おそらく効果がないからなんだよね。
 自分の手法は自分で編み出さなければいけない。そして,それは自分にはあてはまっても,他人にもいいとは限らないということ。
 ま,それでも普遍性があると思いたくなるものかもしれないけれど。つまり,人に知らせたくなるものなんだろうけれど。

● 以下にいくつか転載するが,目標を立てるとか,それを達成できたかどうか振り返ることをやっているようでは,良くて二流の上ではないか。一流の人というのはごく少数だろうけれども,おそらく,目標だのToDoだのは考えていないのではないかと思う。
 ポイントは,その日の出来事を「マイニュース」として1行に要約して振り返ることと,最も需要な目標にフォーカスした予定を立てることの2点です。(中略)一見マイナスな出来事ばかりと感じた日だったとしても,その中からプラス面を探し出し,「グッドニュース」に転換して書くのがコツです。(p3)
 手帳には予定を書くものとの意識が染みついている人にとってはピンとこないかもしれません。振り返りがすべてを制すると言っていいほど,手帳を活用して目標達成を目指すうえで最も重要な行為なのです。(p18)
 振り返りは反省ではありません。(中略)反省では,マイナス面ばかりに意識が向いてしまう懸念があると考えています。(p19)
 夢や願望の「いつか」は永遠に来ません。実現したいことがあるのなら「今すぐ」取り掛かってください。手帳をうまく使えば,時間はいくらでも生み出せます。目標は達成機嫌を決めると強いモチベーションが維持できます。(p22)
 物事には何でも二面性があると考えています。良い面もあれば悪い面もあります。表があれば裏もあるのです。どんなことがあっても,肯定的な側面から解釈するくせが付けば,自信にもつながります。(中略)最も重要なリールは,否定的な言葉は使わないよう思考転換すること。この点を忘れないでください。(p28)
 手帳を使っていても充実感を感じていない人は,他人に合わせた「予定」しか書いていないのではないでしょうか? 本当にやりたい目標達成を最優先し,自分の時間として手帳にアポイントを入れることができたら,1日の充実感,満足感は非常に高いものになるに違いありません。(p30)
 頭に思い浮かんだ「やりたいこと」「叶えたいこと」「ありたい姿」を片っ端から手帳やノートに書いていけばいいのです。100個の書き出しを目安にしてください。(中略)100リストを書くに当たり,次のルールを守ってください。 1 自分に不可能なことはないと思う 2 大きな夢も小さな夢も書く 3 できるだけ具体的に書く(中略)なぜ,たくさん書いたほうがいいかと言えば,「これ以上は書けない」と思った後から,普段は意識していない願望が出てくる可能性があるからです。(p32)
 発想をポジティブにするのに効果的なのは人をほめることです。(p61)
 ポジティブな言葉の貯金があれば,そのようなマイナス感情に陥りがちな場面でも,ただちに気持ちを切り替えることができます。(p74)
 「仕事の量は,完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という法則があります。(中略)人は与えられた時間を目いっぱい使ってしまうというのです。(p138)
 メモの書き方にもマイルールを設け,徹底することに尽きます。(中略)特に大事な次の3点を実行してください。 1 メモを書く場所を決める 2 メモに目次を付ける 3 メモの日付とタイトルを書く位置を決める(中略)メモ帳の1枚目を目次ページとして,最初に全ページに番号を振ります。(中略)メモを書いたら,その都度,目次の戻ってタイトルとページ数を「後書き」して行きます。(p161)
 スーツのポケットに入る小型メモ帳を補助的に使っています。(中略)とっさの場合に書くものがないとやはり困るわけです。(中略)忘れないうちに,メインのメモ帳に必要事項を書き込み,情報の一元化を図ります。手帳と情報は見返してこそ価値があります。(p162)
 私が携帯用で愛用しているのは,(中略)「LAMY2000」。(中略)ただし,粘着性のある書き味は私の好みではないため,中の芯はジェットストリームなど他のメーカーのものと入れ替えています。同じ「4C規格」と呼ばれる替え芯ならメーカーが違っていても互換性があるのです。(p172)

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