書名 メモ活
著者 上阪 徹
発行所 学研プラス
発行年月日 2020.10.27
価格(税別) 1,400円
● いつでもどこでもメモするというスタイルにずっと憧れていた。そのためにはどうすればいいかといえば,メモ帳とペンを肌身離さず持っていることが第一歩だ。メモ帳やノートを鞄に入れてしまったのでは,その時点でアウトだ。鞄から取りだすという手間が「いつでもどこでもメモ」にとっての高い障壁になる。
春夏秋冬,上着を着ているわけではない。夏はシャツだけになる。ので,シャツのポケットに入る小さなノートでなければならない。ダイゴーのJet-aceかロディアのNo.11あたりをポケットに入れておくか。
でも,本書ではそういうときのためにスマホがあるという。言われてみれば納得。必ず持っているものだからだ。シャツのポケットには入らないけど。
● そうして,ノートや手帳は大判の方がいいと言う。たくさん書ける。一覧性が高まる。長く使える。そういうメリットがあると言う。
● 以下に転載。
とにかくメモする。いつでもどこでもメモする。なんでもメモするのです。(中略)それこそ,プライベートな用件もそう。(中略)こういうことも,ぜんぶメモします。なぜなら,間違いなく忘れてしまうから。うっかり,というのは防ぎようがないのです。(p3)
頭の中のものは,どんどんメモして,外部に出力してしまっているのです。もやもやと考えることもない。(p7)
アイデアはそうそう簡単には出てきてくれません。(中略)プロはそれがわかっているので,時間をかけてアイデアを考えます。何かまったく別のことをしているときに,アイデアが出てきたりするのです。それを,忘れないようメモしておく。こうして何日もかけて,たくさんアイデアを出していきます。(中略)そうしてたくさんのメモから,最終的に価値の高いアイデアが生まれます。(p24)
思いついたことや頭にあることを,とにかく外に出してみる。言葉にしてメモにしてみる。ふと書いたメモが別のアイデアを浮かび上がらせることがあります。(p24)
「なんでもメモ」をするときに使うのは,基本的にスケジュール帳とノートです(正確にはここにスマホが加わります)。双方ともに,大きいほうがいい,というのが私の考え方です。(中略)メモは,図や表,グラフなども使って,ビジュアルの情報が豊富なもののほうが役に立ちます。ノートが大きいと図も書きやすく,いろんなビジュアルを書くことができます。推奨するのは,スケジュール帳もノートもA4サイズです。(p26)
人間は忘れる生き物です。そうプログラムされているのです。しっかりメモをとっておけば,素直にこのプログラムにしたがえるということです。本能にしたがってすっきりと忘れられる。これが心地よくないはずがありません。(p31)
何かが思い浮かんで,さあメモしようと思ったら,ペンが見あたらない。これは,なんとも避けたい残念な事態です。(中略)なので,私は常時,最低3本はバッグにペンを入れています。(p34)
A4サイズのスケジュール帳を私がすすめる理由は,何よりたくさん書ける,ということです。スケジュールというのは本来,意外にたくさんの情報が必要だったりするものです。(中略)できるだけ,情報がある場所は集約させたほうがいい。それが手間を防ぎ,無駄を省いてくれるのです。(p47)
考え込むものは,デスクではやらない。それは時間が奪われるだけだから。(p57)
私は,仕事力とは見積もり力だと思っています。(中略)きちんと過去の経験を記録できていれば,見積もり力がアップすることは言うまでもありません。(p60)
アポイントのときは,必ず「準備メモ」をつくるようにしているのです。打ち合わせなり,会議なりで,聞いておかなければいけないこと,お願いしておかなければいけないこと,確認しておきたいことなどを一覧にして,メモにしておくのです。(中略)何日も前から少しずつつくり始め,当日までに仕上げていくといいでしょう。長いメモにする必要はありません。(p70)
注意しなければならないのは,やらなければいけないことを漏れなく洗い出すのは,実は簡単ではない,ということです。(中略)そこで大切なのは,時間をかけてつくっていく,ということです。(p74)
すばやくメモをとるためには何が必要なのか。(中略)ノートを贅沢に使う,ということです。(中略)2,3行おきに書くくらいのつもり,左右も思い切り空けるつもりで,大胆に余白を使って書いていくほうが,すばやくメモが書けて効率的であることに,私は次第に気づいていったのでした。(p114)
どういうときに,脳が考えてくれていたことが外に出てくるのか。それは,脳が油断したとき,なのです。(p148)
一度にすべてを考えようとしない,ということも大切です。いきなりとんでもないアイデアが出てくるはずがありません。出てきたアイデアをメモしておいて,さらに考え続けるのです。(p149)
ほとんどの人が,スマホを肌身離さず持っているはずなのです。これ以上,メモに適したツールはありません。だから,スマホにメモをする。あ,浮かんだ,と思ったら,すばやくメモする。そうしなければ,絶対に忘れてしまいます。(p152)
脳に刺激を与えることでトリガーをつくれるのではないか,と私は解釈しました。(中略)とくに難しいことではありません。よくよく考えてみると,世の中は刺激だらけです。(中略)デスクではまず考えません。デスクで考えても,刺激がないから。トリガーがないからです。だから,あえて外に出たときに考える。多くは移動中です。(p155)
アイデアはゼロからつくるものではなく,別々のアイデアを組み合わせたものであることも多いのです。すでに出したアイデアは,そのきっかけにできるのです。(p165)
多くの人は,企画を考えることそのものが仕事になってしまっているのです。(中略)そもそも企画の目的は,企画をすることではないのです。(中略)その企画を使って,なにかしらの課題を解決すること,だと私は考えています。(中略)もし,アイデアや企画を求められることになったら,「課題」にこそ目を向けてみるべきです(中略)そして,その解決法こそが企画になるのです。(p170)
短い日記を書くにしても,その「素材」は必要になります。それこそが,メモです。日記を書くことの効用は,日記には「素材」が必要になるので,メモに意識が向かうことなのです。(p181)
ネガティブな感情は,そこから背を向けたり,それを追い出そうとしたりすればするほど,逆に強固になってしまうというのです。不安をもたらしている原因についても聞きました。それは,「ぼんやりとしているから」。はっきりとしていないモヤモヤが,不安や悩みになるのです。(中略)やるべきは,不安や悩みと真正面から向き合うことです。(中略)そこで,ぼんやりさせないための有効な方法があります。それが,文字にしてしまうこと,なのです。不安を「見える化」してしまうのです。(p184)
夢や目標は,実は知識だ,というのです。(中略)人は,自分が身を置いているレベルのことには詳しいのです。しかし,ちょっとでも上を向いたなら,もう真っ白になってしまう。知識がないからです。(p189)
もっともやってはいけないのは,ぼんやりと幸せや成功を求めてしまうことです。なんとなくの幸せ,なんとなくの成功。実は,そんなものは世の中にはないのです。(中略)幸せになるには技術が必要になるのです。それは何かといえば,自分の幸せとは何か,を定義することです。(p194)
なぜ,やるべきことができないのか。やるべきことが,ちゃんと見える化されていないからです。リストになっていないからです。この週末にはこれをやろう,とリスト化することです。(中略)休みの日までメモのリストに追われなくても,と思われるかもしれませんが,リストがあったほうがラクチンなのです。考えなくていいから。(p198)
「素材」があれば,読み手に必要なことは十分に伝わる,ということです。うまく表現しようとしたり,慣れない言葉を使おうとしたり,そんなことはしなくていい。「素材」を並べるだけで,十分に文章になってしまうということです。そして文章の「素材」とは,事実,数字,エピソード(コメント=会話文)だということに気づきました。(p206)
形容詞を使わないようにする。形容詞を使わない,と決めると,「素材」=事実,数字,エピソードに意識が向かうようになるのです。(p210)
長い文章と短い文章の違いは何かというと,端的に「素材」の量の違い,なのです。「素材」が足りなければ,文章のボリュームは増えていきません。(p216)
自分の頭の中にあるものから文章を作っていくとき,ある程度の「素材」を出すには,時間がかかるのです。それを理解していれば,早くから準備をすることになります。(p219)
感想文というと,感想だけを書くものだと考えてしまう人がいます。(中略)実は読書感想文も,「読み手」のことを頭に描くと何を書けばいいのかが見えてきます。感想文を読むのは先生。しかし,先生がその本の内容について詳しく知っているとは限りません。(中略)読書感想文では,本がどんな内容だったかを書くことも必要です。(p220)
構成するときも,とてもシンプルな考え方をしています。しゃべるつもりで考えればいい,ということです。(中略)ちなみに「起承転結」なんて考えません。(p232)
長文では,書く段階ですべての「素材」が揃っていない場合もありえます。(中略)この場合でも,ストーリーをざっくり先につくっておくと,どの「素材」が足りないのかが見えてくるのです。(p235)
やってはいけないスライドのつくり方があることに気づきました。それは,いきなりスライドを作成しようとしてしまうことです。(中略)全体像が見えないままでは,手が止まってしまうのです。逆に,「素材」をしっかり揃え,メモに大きな枠組みの「下書き」を書いてみたら,あっという間にできてしまったのでした。(p236)
(SNSやブログを書く際に)何より注意しなければいけないことは,評価をするのは,あくまで「読み手」だということです。そして,すべての読者に「面白い」と思ってもらうことは,至難の業だということ。そこで,何が必要になるのかというと,「読み手」を意識すること,なのです。どんな人に読んでもらいたいのか,です。特定の誰かに強く突き刺さるものを考えてみる。(中略)投稿ごと,ブログごとに,「読み手」は変わっていいと思います。(p248)
世の中は,書き手にとって,まさにネタの宝庫だ(けれども)(中略)何もしなければ,「面白い」ことがあったとしても,素通りしてしまいます。脳は反応しないから。(中略)「ネタ」を探すことを意識していると,自然に気づきのスイッチはオンになり,「面白い」ものを探してくれるようになります。あとは,すかさずメモしていくだけです。(p249)
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