書名 弱い力でも使いやすい 頼もしい文具たち
著者 波子
発行所 小学館クリエイティブ
発行年月日 2022.10.30
価格(税別) 1,300円
その視点から文具を眺めると,どのような景色になっているのか。
● そのあたりを,高畑文具王がいくつか指摘している。
メーカーの開発者は身体的な不便を感じていない人が多く,自分が感じる使いにくさに対しては敏感でも,自分の感覚にはない不便や困りごとには,なかなか気づけなかったり。(中略)だから橋渡し役がいることで(龍略)リアリティのある気づきを与えてくれる。それに加えて波子さんが楽しそうに評価してくれているのがいいんです。(p96)
基本的に道具は「楽な方向」に進化していきます。新商品を作るときは子どもでも使えるように,なるべく力を使わなくてもよい方向に設計します。(p98)
ゼムクリップは完璧なデザインだと多くの人が評価していますが,それは見た目の美しさだったり,大量生産のしやすさという点なんですよ。でも道具として考えたとき,じつは全然完璧ではなかったということを波子さんの文章に気づかされて,ハッとするわけです。(p98)
波子さんのおかげで,僕のなかに文具をおもしろがるフィルターがひとつ増えました。自分にはできないし,ほかの文具ライターも気づけない。すごいし,悔しいですよね。(p100)
波子さんの話と文章には「文具に対する切実さ」があります。(中略)本来の文具には自分の身体を拡張してくれるツールとしての役割があります。(中略)波子さんの文章を読むと文具ってこんな風に人と関わっているんだなということを再認識させられます。(p101)
● 著者は「使いやすくて,かわいらしい。これってとても大事なことで,うれしいことだと思うんです。力が弱くても,かわいい文具を使いたいですものね」(p15)という。
かわいらしいというのは,そうか,それほどに大事なことなのか。このあたりが,昭和原人の男性であるぼくなんぞにはあまりピンと来ないところではあるんだけどね。
● 修正テープ型の両面テープがあることを初めて知った。コクヨの「ラクハリ」という製品。
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