2023年12月11日月曜日

2023.12. 11 マイスターシュテュックでもできないこと

● 品川に来たので,コクヨの品川キャンパスで測量野帳を広げてみた。観光客の気分作りね。3行ほど書いて帰ってきた。
 言っちゃ何だが,測量野帳に万年筆で文字を書き連ねるのはなかなかに気分がいい。

● 199円の中華製ダミーサファリでも,440円のプラチナPreppyでも,Amazon で2,960円のラミーサファリでも,15万円のモンブラン マイスターシュテュック149でも,気分の良さはあまり違わない。

● 高価な万年筆で書けば次々に文章が溢れてくるなら苦労はないが,文章は書き手の頭脳と体化された経験等に依存するものだから,そういうわけには行かない。
 マイスターシュテュックもバカの補正はできない。

● しかし,ペンを使いたくて,そのために書くという趣味人が,この世にはあまた存在するだろう。
 自分の時間とお金を何に使おうと,その人の勝手だ。“何人の容喙をも許さず” でいいのだ。

● が,自分にピッタリの1本を探す旅は,自分探しと同じで,ないものを求める不毛な作業だ。
 自分とは時間の関数でもあって,一定不変の自分など存在しないからだ。今日はピッタリの1本が明日もそうである保証はない。こちらが変わってしまうんだから。

● いったん始めると死ぬまで続けるほかはない。それが嫌なら,どこかで見切りをつけないといけない。
 その見切りは早ければ早いほどいい,とぼくは思う。その上で “何人の容喙をも許さず” を続けるのは,どうぞご勝手に,という話だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿