が,この色の鉛筆はあまり持っていない。ので,ちょっと細かく刻むことにした。
① 三菱9800の現行品 Matured
② 〄付きの時代の Matured
③ Patented(PAT.NO.217586)
④ もっと古い MASAKI YAMATO の印字がある Patented(PAT.NO.111938)
⑤ 北星9500の現行品
⑥ 〄付きの時代の北星9500
⑦ キリン9600(PAT.NO.403853)
⑧ トンボ9900
⑨ コロナ(ノベルティ(船橋市立小中学校 文化祭作品展 とある) のため番号不明だが,たぶん7010)
⑩ コーリン9900
⑪ 大學9000
⑫ プラトン750
● いずれもHB。こうして並べてみると,⑦は黒みが強くてほとんど黒と言っていい色だし,⑫はむしろオリーブグリーンに近いかもしれないのだが,オリーブグリーンに入れるには対抗がある。
三菱9800についてはすでに検証しているのだけれども,今回あらためて,それも含めて書き比べてみた。
● この軸色の鉛筆では,ぼくの推しは決まっていて,⑤北星9500だ。国産HBの中では最も軟らかく最も濃い。そこが気に入っている。自分好みの軟らかさと濃さなのだ。
結局,ぼくはBや2Bの軟らかい鉛筆が好きなのだ。ので,HBなら北星に限るということ。単純すぎて申しわけないほどのものだ。
● ので,書き比べて評価する基準はどれだけ⑤北星9500に近いかという観点になる。最も⑤に近いのは,⑦キリン9600だった。それから,③Patented。
鉛筆じたいの優秀さというか,品質においては,⑦と③が基準の⑤を上回るかもしれないとも思ったが,③⑤⑦が横一線ということにしておきたい。
● 意外だったのが⑥で,〄が付いていた頃の9500は現行品とはまったくの別物。現行品と比べると硬くて薄い。硬度ひとつ分違うかもしれない。現行品の9500よりも前身の9800に近いんじゃないかと感じた。
個体差の問題かもしれない。ぼくが使った鉛筆がたまたまそうだったのかもしれないのだが,個体差を持ち出したくなるほどに違っていたということでもある。
● ⑧トンボ9900はさすがの品質。軟らかいと濃いにこだわらなければ,これを推す人がいてもおかしくないかもしれないが,それでもぼくの感覚では③が上回っていると思う。
ここで三菱9800について言及すると,③は素晴らしい。滑らかであることにおいて uni に引けを取ることはない。この時代の9800は天下無双だったのではないか。①と②の差はあまりないが,ともに③には及ばない。
● ④になると,さすがに時代がかってしまう。ヴィンテージを好む人ならともかく,この鉛筆を常用するのは気が重いと感じてしまう。
ただし,ダメかと言われると,そんなことはない。戦後の非常時継続期によくぞこれを出したものだと,素直に思うことは思う。
● ⑨⑩⑪は昭和30年代の感じ。⑩は幼少のみぎり,自分も使っていたはずだが,現代では通用すまい。現在のHBよりは薄い。コーリンの三角顔が右向きだった頃はだいたいこんな感じか。と言ってしまっては,括り方が大雑把すぎることになるんだろうけどね。
しかし,ぼく自身がBや2Bじゃなきゃというところから,HBも許容範囲(北星以外でも) というところまで来ているので,以前ほどの違和感は感じなくなっている。
● ⑨は⑩より良し。製造されていた時期も⑩よりも後なのかもしれない。このあたり,ぼくはまったく詳しくないので,よくわからないんだけれども。
⑪は氏素性も不明。古い鉛筆はネットにもあまり(というか,ほとんど)情報がないので,ググっても何も出て来ない。
⑫は論外。混乱期のシロモノで,何というのかな,消えるべくして消えたメーカーなのだと思う。
● と,色々と語ってしまったけれども,以上の鉛筆群の中で現在でも入手可能のは①と⑤だけだから,あまり意味もない。
が,③はメルカリなどにけっこう潤沢に出物がある。市価よりずっと安く手に入る。もし鉛筆に興味のある方がいらっしゃれば,大きなお世話と思いつつ, 手に入れて使ってみられよと云々。

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