2026年7月8日水曜日

2026.07.08 鉛筆でカッコつける

● 今どき鉛筆を使ってる人がいるのか,という声をネットでも聞くことがある。安っぽい,子供っぽいというイメージがあるんだろうかね。
 実際に安いんだから,安っぽいと思われるのは心外でも何でもないんだけどね。

● ミミックを使わなくなった。鉛筆を万年筆に “擬態” させようとは,心映えがあまりよろしくないと思って,意識的に使わなくなったのではない。何となく,遠ざかってしまった。
 粋じゃないという気はする。昔の大工さんは,鉛筆を耳に挟んで現場で墨付けをしていた。あれは文句なしに粋だったと思う。今でも同じようにやってるんだろうか。

● 鉛筆でカッコつけたいなら,鉛筆であることを隠してしまってはいけないでしょ。右の写真あたりが程がいいんじゃないかと思う。
 鉛筆でカッコつけるというのは,鉛筆にカッコをつけるんじゃなくて,鉛筆を使ってる自分にカッコをつけることだ。鉛筆に気が行っちゃってると,そもそもがその人はあんまりカッコよくないのだよね。

● 鉛筆でカッコつけるとかつけないとか,そんなところは突き抜けて,ごくごく普通の鉛筆,たとえば三菱9800やトンボ8900,2558を使って,やるべき作業に集中するというのが至高の境地なのだろうけど,鉛筆好きにはこれが難しい。
 鉛筆じたいに興味を向けちゃうからねぇ。鉛筆にとどまらない。補助軸や鉛筆キャップにも及ぶ。その興味のベクトルは,たぶん,作業に集中することを妨げることになるだろう。

● 2年前だったか,車検を受けるためにディーラーに車を持って行ったのだが,ディーラーの社員がトンボ2558を使って書類に何か書いていた。
 その様子がかっこよくて,ずっと見ていたいと思ったものだった。あれがぼくの中での “鉛筆でカッコつける” の理想の映像になっている。
 結局,カッコよさというのは自力で作り出すものではなくて,環境との相互作用なんだろうな。
 
● でも,久しぶりにミミックを引っぱり出した。使ってみれば,ミミックは非常によくできた補助軸なのだ。
 全部で8本ほど所持している。使わないともったいないのだ。

2026年7月7日火曜日

2026.07.07 フエキの建築用鉛筆は北星クラフツマンの代わりになる

● フエキの建築用鉛筆とシャープペン(2㎜芯)。Amazon でそれぞれ,539円と444円。
 フエキが筆記具の自社工場を持っているわけではないだろうから,どちらも委託生産のはず。Amazon の写真を見ていると,北星がまとめて面倒みてるのかと思える。届いたのを触ってみると,北星ではないかもな,と。

● シャープペンには首からさげられるように紐通しの突起があるのだが,これが転がりを完全に防ぐ。
 野外で使うのを前提に設計されたものは,机上で使っても使いやすい。

● 鉛筆はHB。書いてみるとBに近いか,Bそのものかと思うほどに軟らかい。このあたりは北星テイストなんだけれども,ここがひとり北星のみかと言うと,そうでもなくて,たとえばアイボールも軟らかめだ。
 1本100円ほどになるんだけれども,値段だけのことはある。

● 書き味は北星クラフツマンに似ている。クラフツマンは Standard Products でしか扱っておらず,しかもHBだけの6本箱入りは事実上入手不可能だから,代わりにフエキ建築用鉛筆を使うのはアリだ。
 こちらは Amazon でポチればすむわけだから,入手難易度が下がる。というか,難易度はゼロだ。

● というわけなので,建築用鉛筆はたぶん北星じゃないかと思う。だから何って話ではあるが。
 北星であろうとあるまいと,フエキの建築用鉛筆は普通に一般筆記に使っても,非常に使いやすい鉛筆だということ。

● ここまで言っておいて何なのだが,建築用鉛筆とクラフツマンの書き味は似ている(ほぼ同じ)のだが,建築用鉛筆=クラフツマン ではない。建築用鉛筆の方が滑りがいい。
 それを好むかどうかは人によると思うが,ぼくは好む方だ。

2026.07.06 ソビエト連邦(USSR)の鉛筆

● ソビエト連邦(USSR)の鉛筆セット。メルカリで1,500円で購入。
 セットというのは硬度が2Tから2Mまで揃っているからで,「製図用鉛筆のセットです」とは出品者様のご説明。現在のウクライナで製造された由。
 軸にはシベリアの白樺を使ってたりするんだろうか。白樺は鉛筆の木軸には向かないか。

● キリル文字の “ЧЕРТЕЖНИК” が製品名なのだろうが,ЧЕРТЕЖНИК は製図技師,ドラフトマンのこと。ソ連亡き後もブランドとして残っているらしい。
 非ロシア語圏では,TがH,MがBになる。2Tが最も硬く,2Mが最も柔らかい。

● 1920年代にアメリカの実業家 Armand Hammer が,ウクライナのオデッサに巨大な鉛筆工場を設立し,ソ連全土鉛筆を供給したとは,AI先生の教示による(その後,Hammer の流れを汲む サコ・ヴァンゼッティ:Сакко и Ванцетти,クラスィン記念工場:Фабрика им. Красина,トムスク鉛筆工場:Томская карандашная фабрика,スラヴャンスク鉛筆工場:Славянский карандашный комбинат の4つに整えられていく)。
 今のロシアも一所集中が好きで,ウクライナに何度痛い目に遭わされても反省する気配がないけどねぇ。

● 軸に印字されている92は1992年製であることを意味するらしいのだが,ソ連邦は1991年12月25日のゴルバチョフ大統領の辞任,翌26日のソ連最高会議による「ソ連消滅宣言」をもって崩壊したわけだから,92年製はソ連崩壊の直前か直後に,ウクライナのドネツク州にあったスラヴャンスク鉛筆工場で生産されたものということになる。

● 以上,AI先生に教えてもらったことなのだが,AI先生は息をするように自然に嘘をつくことがしばしばあるから,本当かどうかはわからない。

● HBにあたるTMを使ってみたんですけどね。まず,軸が細い。FABER-CASTELL 9000番より細い。手のデカいやつほど細い鉛筆を使うのか。
 日本で市販されてる鉛筆キャップはどれも使えないと思う。補助軸もクツワやポイントではホールドできない。伊東屋とトーキンのクリップ付きで何とかなった。

● 肝心の書き味だが,やっぱり競争のない国はダメだねぇ,とまでは思わなかった。と言いたいのだが,残念ながらこれはダメだ。
 1992年でこれだとすると,戦後ずっとソ連の時間は止まっていたことになる。日本でこの書き味を求めようとすれば,戦前か戦後のドサクサ期に製造されたものの中にあるだろう。
 ソ連の時間は止まっていたと感じるのは,ぼくらが変化の激しい国の変化の激しい時代を生きてきたからで,ぼくらの方が世界の例外かもしれないと思ってもみるのだけれども,そんなことを思ってみたところで認識に1㎜の変化も与えるものではない。

● BにあたるMならどうか。ダメだ。話にならない。
 芯が芯として立てるギリギリの品質。けっこう偏芯もきつかったりする。1992年にこんなものを市場に出すメーカーは,日本やドイツにはなかったろう。

● 今のロシアの鉛筆がどんな状況なのかは知らないが,ソ連時代には1億4千万人のロシア人(ウクライナも入れると1億8千万)はずっとこんな鉛筆を使っていたのか。これが普通だと思って使っていたのか。
 鉛筆の品質とその国の成果物にはあまり相関関係はないだろうけれども,こんな鉛筆を使って図面を引いたり,計算をしていたソ連邦の人々に,心からなる尊崇の念を表明したい。

2026年7月1日水曜日

2026.07.01 消しゴム

● こんな消しゴムがあったのか。Seed Hyper Gold。豪華ですな。つっても660円。Amazon で買えますな。ポチってみますかな。
 いや,ポチることはありませんよ。普通の紙のスリーブの消しゴムでいいんでね。消しゴムもけっこう溜まってるしね。

● 「純金MONO消しゴム」というのもあったんですね。ヤマキンが3個作って,何かの景品として発送されたらしい。消しゴムとしては使えないんだから,消しゴムではないんだけど。
 10年前に120万円相当の金を使ったそうだから,今なら600万円になってますわ。すごいもんだな。

● 鉛筆党の党員になってまだ3年くらいか。そんなに大きな顔はできないのだが,鉛筆と消しゴムはセットという思い込みがまだある。
 消しゴムで消せるのが鉛筆のいいところじゃないか。間違いの痕跡を残さないですむ。

● けれども,テストの答案なら別だけれども,自分しか見ないノートだったら書き間違いをいちいち消しゴムで消す必要などないのだから,二重線で消し込むようにした方がいい。その方が集中を切らさずにすむ。
 誰に教えられずとも,中学生くらいになれば自分で気がつくものだろう。消しゴムはだんだん使わなくてなっていく。
 大人になって仕事で鉛筆を使う場合には,いっそうそうだ。消しゴムを使う局面は,ほぼほぼなくなるんじゃなかろうか。

● が,ぼくは小学校低学年の児童並みに消しゴムを使っている。集中だの効率だのを考える必要がないというのが一番目の理由。
 ゆっくりノンビリで全然かまわない。急いだからといってそんなに先に行けるわけでもないし,そもそも先を目指す理由がない。

● 消しゴムを使うと,同時に字消し版も使うことになる。そうしたことが楽しいと言うんじゃないけれども,左手で字消し版を押えて,右手で消しゴムを動かす作業がイヤじゃないっていうかね。
 その作業をするためにわざわざ間違えて書くことは,もちろんないけれども。


(追記 2026.07.05)

● Seed Hyper Gold,メルカリで500円で出てたんで,ポチってみましたよ。が,届いたのをよく見たら Seed SUPER Gold でした。
 Hyper の前身。何が違うかというと,SUPER は天然ゴム配合なのに対して,Hyper は合成ゴム。使い勝手は Hyper の方が良くなっているんでしょ。

● ま,そういうことはあまり気にしない。出品者様は伊東屋でお買いになったようだ。

2026年6月30日火曜日

2026.06.30 平山萬年堂,再訪

● 弘前に来た。青森から奥羽本線で片道720円。けっこう離れているんですよね。
 津軽の中心は青森ではなく弘前。たぶん,弘前市民は青森市を一格下に見ているんじゃないかと思うんですよ。人口や商業,交通,政治,行政機能の集積では青森市に大きく水をあけられていても,てやんでぇ,こちとら津軽様のご城下だぜ。青森市なんざ僻遠の漁村だったんだろうがよ。青森市民に言わせれば,殿様との距離の近さを優位性のモノサシにするしかないのかよ,と反論したいだろうけどね。
 が,貴族や華族というのは,煎じ詰めればそこだもんね。王様との血筋や距離が近いほど,ヒエラルキーの上位に位置することになる。

● 青森市も津軽には違いないんだろうけど,いくぶん南部が入るというかね。青森県イコール津軽藩ではないもんねぇ。
 八戸や三沢に住んでいる若者が弘前大学に通うのは無理。下宿するしかない。岩手大学なら余裕で通える。

● ともあれ,弘前。駅の構内に書斎として使えるところがある。ノートパソコンを開いてリモートワークする人もいるし,コーヒーを飲んだり休憩している人もいるし,“何もしない” をしている人もいる。
 無料で使えるこういうスペースがあると,ぼくなんかはホッとする。

● 平山萬年堂に行ってみることにする。昨年の11月28日に初めて行ったのだが,裏を返しておこう。
 こういうところで「裏を返す」と言うのが適当なのかどうか,われながら疑問に思うけどね。

● STAEDTLER の芯研器が自宅内行方不明になっている。uni の芯研器を緊急避難的に使っているのだが,慣れているせいか STAEDTLER の方が使いやすい。補充しておくことにした。
 605円のはずだが,税込み472円の値札が貼ってあった。ずいぶん長く店で眠っていたのだろう。2円オマケしてくれた。

● たぶん,先代の主人だと思うのだが,色々と世話を焼いてくれる。つまり,話しかけてくれる。
 小さな店だが,STAEDTLER の芯研器を置いてあるくらいなのだから,他にも面白いのがあるだろう。ちょっと見せてもらっていいですかと断って,店内の商品を見始めたのだが,どうも放っておいてもらえない。
 そういう流儀なのだろう。これでは長居はしずらい。3分後には店を出ていた。

● STAEDTLER Noris の三角軸(JUMBO じゃないやつ)がバラ売りされていた。HBだった。ドイツのHBは日本のよりだいぶ薄いんですよね,そうなんですか ,という会話はした。
 普段は誰とも言葉を交わさない。夫婦の会話は普通にあると思うけれども,隣近所を含めて普段は誰とも話をしない。ので,こうした短い会話がぼくには貴重だ。
 他者との会話はした方がいいですよね。対話とかディベートとかいう大袈裟なことではなく,他愛のない内容もない会話をね。
 だったらもっと先代主人と話をすればいいじゃないか,って? そうはいかない。短い会話でいいのだ。

● 弘前の目抜き通りに建つショッピングセンター。元々は百貨店だったんじゃないかと思う。1階に無印良品が,5階にくまざわ書店と Can Do が入っている。
 カルチャーとアミューズメントのセンターになる目論見だったのだろうが,平日の午後3時は閑散としていた。

2026年6月29日月曜日

2026.06.29 ワタクシの手帳タイム

● 青森市の魚市場の「お休み処」で手帳タイム。と言っても,ワタクシに手帳を使って管理しなければならないほどの予定などあるはずもありませぬ。
 今日やるのは昨日の行動履歴を摘記することです。手帳は昨日のログを残すためのもの。ぼくの手帳は将来の方を向いているのではなくて,過去を向いております。

● それをするのに最も便利なのは A5 週間バーチカル。退職してから,ぼくの手帳は大きく厚くなりました。バイブルからA5へ。
 厚くなったのは,何でも貼って手帳に綴じ込むようになったからです。前からそうしてましたが,その度合いが上がりました。何でも貼っちゃう。トラベラーズ手帳と呼んでおります。

● A5 システム手帳を使ってます。綴じ手帳では貼るためのスペースが足りない。ほぼ日のような1日1ページタイプでもダメ。
 白紙をいくらでも追加できるシステム手帳がトラベラーズ手帳には必要。

● 中身は Seria のバーチカル手帳をバラしたもの。紙が弱いのでパンチで穴を空けただけではいけません。ビニールパッチで穴を補強してやる必要がある。そのビニールパッチもダイソーで売ってるのを使っとります。
 バインダーはビニール製のもの。メーカーはパイロットだったかな。お茶の水の丸善で買いました。
 保存用バインダーも百均で売ってるもの。1年で2冊必要です。とにかく,やたら貼っているので。

● システム手帳というと,昔なら Filofax,今でもデザインフィルの PLOTTER に代表される革製の高価なものというイメージがありますが,ぼくのはあらかた百円ショップで賄われております。
 白紙の A5コピー用紙も,ダイソーで売られていたのをまとめ買いしておいたものです。

● 自分以外の誰かに自分の予定を決められることは基本的にない,自由な境遇になってますので,誰かの前で手帳を開かなければならないこともない。
 自分は百円ショップの製品を使うような人間ではない,特に手帳のような毎日使うものはそれなりにいいものを使いたい,などというムダなプライドも持つ必要がなくなっている。

● ので,百均まみれの手帳にほぼほぼ満足しております。ただ,Seria の週間バーチカルはこれをよく百円で出せるものだと感嘆するのだけれども,さすがに紙質はよろしいとは言い難い。
 時々,ボールペンのインクをはじいてしまうこともある。来年の手帳は本体部分を別なのに換えるかもしれない。でも,換えないかもしれない。

2026年6月28日日曜日

2026.06.28 uniball ZENTO のシグニチャーモデルを購入

● 青森市の成田本店しんまち店に uniball ZENTO のシグニチャーモデルがありました。0.7㎜も出たんですな。3種(0.38㎜,0.5㎜,0.7㎜)とも2本ずつありましたよ(3色のはなかった)。
 そろそろ,欲しい人には行き渡って来たんですかね。スタンダードモデルでいいんじゃないの,とぼくなんぞは思っちゃうんですが。

● 水性ボールペンは直液式のパイロットVコーンだけ。Vコーンもノック式はゲルですよ。
 ZENTOも同じ。インクの開発にン年とかノーガキ垂れてても,あれは水性じゃない。ゲルですよ。

● メーカーのノーガキに乗せられて色めき立つとは,𝕏 の文具界隈民は低能猿か。文具猿は救われないと思ってたんですよ。
 使ってみりゃわかんだろーが。使ってみてもわからないんじゃ,猿以下だぞ。

● 文章を書かせりゃ小学生の作文並みの文章しか書けず,絵を描かせてみりゃポンチ絵レベルの絵しか描けないくせに,何がシグニチャーモデルたよ,このゴミカスがっ,と思ってたんですよ。
 だいたい,ノック式で水性なんてあり得んだろうがよ。キャップレス並みの機構を施せば別だが,たかだか千円か2千円のボールペンにそんなことができるかよ。そんなに水性がいいんなら,黙ってVコーンのキャップ式を使っとけや。

● しかるに何ぞ。ぼくの手元に ZENTO のシグニチャーモデルがあるじゃありませんか。って,買ったんだからあるに決まっている。買うことはないと思ってたんですけどね,自分への青森土産ということで。
 0.5㎜と0.7㎜はVコーンにもあるので,買うなら0.38㎜一択。

● Vコーンノック以上に水性。Campus で使ってみたが,裏抜けは完全になし。さすがは三菱鉛筆。と,評価がコロッと変わってしまう。
 が,これを常用することになるかと言えば,ならない。理由は単純で,鉛筆に及ばないからだ。同社が生産する uni や Hi-uni が ZENTO 以上。鉛筆ではダメで,ZENTO でなければならない,という局面はぼくの場合は想定しにくい。
 こういうのがいいと言う人はいるだろう。そういう人が使えばいい。

2026年6月26日金曜日

2026.06.26 Musgrave を使っていこう

● 一昨日買った Musgrave 3本を削るのに難儀した。ジャンボ鉛筆にも対応する鉛筆削りがうまく作動しないのだ。
 チャチい鉛筆削りだから壊れたのかと思ったのだが,そうではないようだ。Musgrave の塗装の関係か,滑りやすくてホールドできないようなのだ。それでも,鉛筆削り側の問題だと思うけどね。

● やっぱりね,鉛筆削りはカールのエンゼル5のように,鉛筆に歯型をつけてしっかりとホールドしてくれないと困る。ジャンボサイズにも対応するエンゼル5が出てくれるのが一番なのだが,それはあるまいからね。
 Musgrave のこの3本はいずれも小学生向けのようなのだが,彼らはどうやって削ってるんだろうか。アメリカには多彩な鉛筆削りがあるのかい?

● 手回し式の鉛筆削りも使ってどうにか削れたけれども,手回し式はできれば使いたくない。削るときに芯を折ったりするし,鉛筆に負荷をかけてる気がするんだよね。
 ハンドル式でも電動式でも木の繊維に対して90度の角度で刃を当てるのは同じなんだけども,その削り方をするときには切れ味の良い刃を使うべし。手回し式のほとんどはアカンです。一番いいのは,繊維に沿って削る手削りなんでしょうけどね。

● とまれ,削ることができたので,手元にある Musgrave を並べてみた。概ね,太さ順。まぁ,太さのバラエティーはお見事。
 丸,三角,六角も揃っている。

● 市販の普通のキャップが使えるものもある。普通のキャップは入らないが,コンビニなどで予め削ってある鉛筆に付いてるキャップなら行けるものもある。
 ちなみに,このキャップはとんでもない優れものだと感じ入っている。

● 学研の三角太軸用のキャップが使えるものもある。学研の補助軸も使えるだろう。
 一番下のはダイソーでかつて販売されていた樹脂製補助軸の本体をキャップに流用している。ということは,太さはFABER-CASTELL の JUMBO と同じはず。パーフェクトペンシル マグナムのキャップを補助軸代わりに使えるかもしれない。

● “Choo-Choo 8500” だけが,使えるキャップがない。キャップがないことによる問題はまぁまぁ無視できる程度に小さいっちゃ小さいんだけども,削ってある鉛筆の芯をむき出しにしておくことには,若干の抵抗がある。
 絶対にむき出しにすることはないかというと,しばしばあるんだけれどもね。

● 並べるだけじゃなく,使っていくことにする。遊び半分で買ったものではあるのだけど。
 もって日米親善の礎にせむ。テネシー州を第2の故郷にせむ。行ったことはないし,これからもないと思うんだけど。

● Musgrave を使っていて,アメリカを感じることはない。鉛筆はどの国のものも一定の水準に達している。最上質の一点に収斂する過程にあるように思われる。鉛筆で空想旅行を愉しむのはかなり難しい。
 コカ・コーラを飲んでアメリカを感じることもない。コカ・コーラは普通のものとして日本にも定着して久しい。結局,モノでその生産国を偲ぶのはそもそもが難しいのだろう。

2026年6月25日木曜日

2026.06.25 好みは変わる,揺れる

● 昨日買った,LYRA の Super FERBY を使ってみた。名前からして学童用の鉛筆かと思う。
 三角太軸だが,日本のそれよりさらに太軸。硬度表記はないが,日本鉛筆のHB程度だ。
 ぶっとい芯。ドイツの学童が思いっきり筆圧をかけてこの鉛筆を使っている様を想像してみる。なかなかいいぞ。

● 買ったはいいが,使うことなく数年が経過した FABER-CASTELL の9000 JUMBO。2Bだが,LYRA とほぼ同じ硬度(気持ち,こちらの方が濃い)。
 ぼくは日本基準のBか2Bを好むものだが,HBも許容範囲に入ってきた。こうしてHBの芯を使っていると,それが自分の守備範囲に入り込んで来るという感じ。自分の守備範囲が広がるのではなくて。

● KOH-I-NOOR JUMBO はHBしか持っていない。日本基準だとHになる。さすがに薄い。が,いずれここまで許容範囲に入って来そうな気がする。
 ちなみに,JUMBO 鉛筆は他に STAEDTLER のものもあるが,ぼくは KOH-I-NOOR のこの黒いシンプルな佇まいを最も好む。

● 人間の感覚に不動点はないっぽい。かなりの幅で揺らぐ。不動点がないのだから,どの方向に揺らいだのか,どのくらい揺らいだのかも計測し難い。そもそも,計測が成り立たない。
 要は慣れの問題と言い換えてもいいが,大事なことは自分の感覚が不動だとは思うなってことだな。

● 感覚に限るまい。政治信条だの異性の好みだのも揺らぐものだろう。
 全く揺らがないとすれば,情報摂取が少なすぎるか,偏りすぎているのじゃないか。あるいは死人に近いくらい活動量が少ないか。
 揺らいでいるのが正常だ。朝令暮改をあまり悪く思わない方がいい。首尾一貫をあまり重んじない方がいい。

● 今までは北星のHBは問題ないが,北星以外のHBはちょっと硬いかな,薄いかなと思っていたのだが,そこからけっこう動いているぞ,ということ。
 とはいえ,ぼくの好みはまだBか2Bにある。HBでもいいけれども,好んで使うのは依然としてBか2Bだ。
 でも,それだって変わるかもしれない。HBがいいけれどもBか2Bも許容範囲だな,と逆転している可能性だってある。

2026.06.24 福島の「ペントノート」

● 福島市の「ペントノート」。今回が二度目の訪店。今年の1月末以来。小さい店だが,こういうセレクトショップが地方都市で成り立っているのが,驚きと言えば言える。
 ただし,1階に汎用店(?)の「文化堂」があるからね。それが2階の「ペントノート」を支えているのかもしれない。

● 鉛筆を6本買った。アメリカの Musgrave が3本。ドイツのLYRA,FABER-CASTELL,STABILO。

① Musgrave CUB 3030T 220円
② Musgrave Choo-Choo 8500 220円
③ Musgrave 5050 FINGER FITTER 242円
④ LYRA Super FERBY 330円
⑤ FABER-CASTELL Grip 2001 143円
⑥ STABILO EASY graph 352円

● ⑤を除いて,Hi-uni を優に越える値段なんだねぇ。現地で買えばもう少し安いんだろうけど,欧米は鉛筆も高いんですな。
 加えて円安ですからね。国産を使っとけって話です。「ペントノート」には国産鉛筆はないんだけども,1階の「文化堂」にはありますからね。

● まぁ,ありていに申して,無駄遣いだね。しめて1,507円のささやかな無駄遣い。
 でも,まぁ,無駄とわかってやってる無駄は,どっちにしたって知れている。無駄と思わないでやってる無駄が膨大にあるはずだよ,諸君。

● ⑥は右利き用と左利き用がある。右利き用は頭が赤で丸められているが,左利き用は黄色。当然,軸に印字されている文字列は逆並びになっている。
 鉛筆でそこまでするのかと思った。社会は行き過ぎることがある。そのコストは消費者が負担する。

● ⑥は学童に向けたものだろう。軸を削ってあるのは持ちやすくするためだ。というか,正しく持てるようにするためだろうか。欧州に鉛筆の正しい持ち方などという概念があるのかどうか知らないが。
 しかし,学童向けにしては値段がなぁ。STAEDTLER の学童向け鉛筆にもとんでもなく高価なのがあった気がする。学童にこそ質のいい鉛筆を使わせるべきだと言うなら賛成だが,本当にそれだけなのかね,と勘ぐってしまいたくなるのは,ぼくが下賤な人間だからか。

● 硬度表記があるのは⑤と⑥だけ。製品名で硬度もわかるのか。同じ製品で複数硬度を出すことはないんだろうかね。
 この製品はHB,こちらは2B,と憶えているわけかね。そんな芸当がよくできるものだな。製品自体が日本に比べて少ないってことはないと思うんだが。

● ⑥以外にも,①〜④も学童向けかと思われる。⑤以外の5本は学童に向けたものっぽい。
 が,「ペントノート」ではこれらを学童用として販売しているわけではあるまい。もしそうなら,そもそも扱っていないはずだ。デザイン鉛筆(?)として置いている。あんまり見かけないお洒落な鉛筆でしょ,と。

● 鉛筆に学童用とか大人用とかの区別を強調しても仕方がないが,アメリカやドイツでは学童用として売られているものが,日本ではお洒落鉛筆として売られている。
 そういうことがあるのは知っておいた方がいいんでしょう。いろんな場面であるんじゃないだろうか,そういうことが。

● BLACKWING も置いている。が,定番の4種(MATTE:SOFT,PEARL:BRANCED,602:FIRM,NATURAL:EXTRA FIRM)はなかったようだ。
 BLACKWING を鉛筆の最高峰という人がいるが,たぶん,値段に目くらまされているのだろう。値段なりのことはあるはずだと,予め決めてかかっているのじゃないか。

● 「ペントノート」はセレクトショップゆえ,普通の文具店にあるようなものは置かれていない。よそにはないようなちょっと澄ました文具が多い。そういうのを “デザイン文具” というのか。
 薄い小さなノートで1,600円を越える値段のがあったりする。たしかに表紙はカッコいいんだけど,こういうのを誰が使うんだろうと思ってしまう。あまりノートを使わない人が使うんじゃないだろうか。

2026年6月23日火曜日

2026.06.23 ユニ色ではない高級鉛筆の書き比べ

● 三菱鉛筆が1958年に出した uni は,軸色にも圧倒的な影響を残した。ユニ色は高級鉛筆の色,を定着させた。
 コーリンもアイボールも自社のフラッグシップにはユニ色を採用。自ら,uni や Hi-uni のエピゴーネンになることを指向した。

● もちろん,それを潔しとしなかったメーカーもある。その代表は業界2位のトンボ。
 トンボにもユニ色の MONO がなかったわけではないのだが,そんなのは瞬間的な現象で,それがトンボの主流になることはなかった。MONO シリーズは光沢のある黒で一貫している。
 ので,今回は,ユニ色以外の高級鉛筆を書き比べてみることにする。

● 次の7本。いずれもHBで,頭は丸められている。
 トンボ MONO100
 トンボ MONO
 トンボ MONO-R
 北星 クラフツマン
 北星 9900(HIT)
 北星 9900(Art Set)
 地球 9300(GOLD&BLACK)

● まずはトンボの MONO シリーズ。MONO-J は外している。いずれも〄がある。前世紀のものだ。
 MONO100 と MONO には〈HOMO-GRAPH〉の文字が小さく印字されている。MONO100 のゴールドラインは金属の輪を嵌め込んだものだが,Rの方は塗装。uni とは違った高級感というか,貴族感というか,どんなもんだい感というか,そういったものが溢れている。
 いや,高貴感は uni 以上かもしれない。黒の効果だ。

● uni の場合,Hi-uni,uni,uni-star の違いはほとんど体感できなかったのだが,MONO はどうだろうか。
 3種とも uni より硬い気がする。不快なものではない。硬いから薄いというのでもない。単純に硬い気がするというだけのことだ。

● この3種の違いは,uni と同様に,ぼくには明瞭には知覚できなかった。特に,MONO100 と MONO の違いはわからない。わかる人にはわかるのだろう。少なくとも,メーカーの開発陣はわかっているはずだ。しかし,ぼくにはわからない。
 MONO-R になると,ちょっと違うかなという感じはする。しかし,予めこれは MONO-R だと知っているために,脳が勝手に動いて違いらしきものを作り出しているだけだろう。目隠しテストをしたら,まずもって区別はつくまい。

● 要するに,ぼくのような感度の鈍い人間は1本77円の MONO-R を使っとけという話になる。そういう人間が MONO100 や MONO を使うのは,分不相応というものだ。それが論理的帰結だ。
 MONOシリーズの3種を使い比べて評価めいたことをしようとしているのだが,評価能力があるのかどうか,われながら疑問だ。むしろ,これらの鉛筆を使うことによって,いい鉛筆とはこういうものだと教えられている側面があって,そちらの方が大きいだろう。

● Hi-uni と MONO100 の違いについては,Google の検索エンジンAIが的確にまとめている。
 Hi-uni は「超微粒子の黒鉛を大小混合することで,ムラなく均一で濃い発色を実現して」おり,「芯にややしっとりとした柔らかさがあり,非常に滑らかに書ける」のに対して,MONO100 は「1立方ミリメートルあたり1億個の超微粒子黒鉛を高密度で圧縮して作られてい」るので「芯がしっかりとしており,カリッとしたシャープなタッチで,濃く美しい線を書くことができ」る。

● AI先生の仰るとおりだ。ということは,芯の製造方法のや違いや,使ってみての感想はネットにたくさん上がっているんだろうか。
 上記のとおり,MONO100 は Hi-uni に比べるとタッチが硬いのだ。Hi-uni は女性的,MONO100 は男性的。どちらが好きかは好みによるが,ぼくは Hi-uni を採る。
 ただし,以上はHBの場合であって,Bや2Bで MONO100 がどんなタッチになるのか,どう化けるのか,ひょっとすると Hi-uni を超える仕上がりになっているかもしれないと期待させる。

● 今すぐにでもそれを確かめることはできるのだが,それはしないでおく。ものには順序というものがあるのであって,その順序を自分で決めてしまっている。
 当面,自分が決めたその順序にしたがって鉛筆を消費していこうと思っている。MONO のBや2Bを使うのはもう少し先になる。

● MONO シリーズの3種の違いを明確に知覚するのは無理なのであるけれども,にもかかわらず好みというのは生まれてくる。この3つの中から1つ選ぶとすれば,100やRのつかないノーマル MONO だ。
 不思議なものだ。どれも同じだと感じるのに,なぜ好みが? たぶん,指は脳が感じていないことを知覚しているのだろう。
 理由はわからない。理由は脳が考えることだからだ。脳はわかっていないのだ。けれども,MONO シリーズの中でのぼくの好みはノーマル MONO だ。

● 次に北星のクラフツマンと9900。9900はすでに生産をやめている HIT と Art Set の2種がある。他に,ダイソーで販売されているのもあるのだが,こちらは4Bと6Bしかないので除外。
 ただし,ダイソーで売られているのに高級鉛筆のわけかないじゃないか,と短絡しない方がいいとは思う。こちらの9900も侮れない品質を持っている。

● 北星の特徴は,他社より濃いめで軟らかいということだ。が,書き終えてから MONO で書いた筆線と見比べてみると,濃さはそんなに違わない。錯視とでも呼べばいいのか。
 が,軟らかさは筆線のように跡に残らない。ライヴ感100パーセントというか。だから安心して言うのだが,北星の芯は軟らかい。ここに挙げた3本はいずれもオリエンタル産業(東海カーボン)製だろうけれど,相当に良質な芯なのだろうとは素人でもわかる。

● では,3つのうちでどれがどうという話になるのだが,トンボの3つよりは明確に違いがあるように思われる。思われるのだが,目隠しして当てられるかというと心許ない。
 滑らかさは クラフツマン−HIT−Art Set の順だが,それはこの3本を交互に使っているからわかる(というか,感じる)ことで,目隠しでおもむろに1本を取り出して書き始めてみても,それが3つのうちのどれなのか,おそらくわかるまい。

● 北星の3本はいずれも他社より軸が細め。9500や9606もそうだから,それも北星の特色と言える。
 が,昔の北星はこうではなかった。こうなったのは比較的最近のことだと思われる。

● HIT はすでに生産されていないのだし,クラフツマンも Art Set も12硬度セットで購入するしか入手の方法はない(Art Set については,サードパーティーが Amazon で硬度別の販売をしているが)。入手に難があるのが残念だ。
 要するに画材として扱われてる。その扱いじたいに反論はないが,一般筆記に使いたいという人にはなかなか厳しい状況だ。事実上,選択肢から外すしかないのが現実かもしれない。

● メーカーはクラフツマンを硬度別でも売りたいはずだ。しかし,クラフツマンを独占的に扱っている Standard Products の方針は違うらしい。
 Standard Products は硬度別の販売を開店時の初回入荷分のみに限定し,それが売れた後の補充はしない。12硬度セットで売りたいようだ。
 Standard Products には Standard Products の考えと都合があるのだろうから,傍からとやかく言うことではないのだが,一般筆記に使う鉛筆としては選びにくいというのが現状だ。

● 地球の GOLD&BLACK。地球鉛筆のフラッグシップはこれだったのだろう。書き心地も良好だ。
 すでに消滅しているメーカーだし,北星の3本(いずれも〄は入っていない)より古いものになるのだと思う。
 ということもあってか,クラフツマンほどの滑らかさはないのだが,ではあっても充分に滑らかだし,芯先から伝わってくるフィードバックもなかなかに快適だ。こういう鉛筆を使って,文句を言ってはいけない。

● 北星の3本も地球の GOLD&BLACK も,先ほどの uni 型か MONO 型かでいえば,明らかに uni 型。国産鉛筆のほとんどは,uni を範にしているように思われる。しっとり感を大事にしているとの印象を受ける。
 カチッとした MONO 型はトンボの独自路線。そのトンボにしても8900は uni 型に属する。

2026.06.23 仙台の「文具の杜」

● 仙台に来た。アエル4Fの「文具の杜」。今回が二度目。
 トータルでは新宿の世界堂,浅草橋のシモジマ,銀座の伊東屋に及ばないとしてもワンフロアの広さは相当なもの。回遊しやすい。

● 大変な品揃え。世の中にはこんなものもあったのかと教えてくれる。ホームセンターの趣さえあるかと思えば,Namiki の蒔絵万年筆も置いてある。何でもある。
 ただし,欲しいものだけがない。自分が必要とするものはごく少数で,その欲しいものは手元に過剰に抱えているのが,そう感じる原因。

● では,具体的に見ていこう。
 Campus-Rollbahn コラボの製品群がこちらではまだ相当残っている。始まってから半年になるのに,測量野帳も一番人気の “屋上” こそないものの,“黒板” と “飛行場” はたんと残っている。
 Rollbahn 用紙の Campus など,他のものも相当ある。

● A5のコピー用紙もる。A4やB5なら置いてある文具店は珍しくないけれども,A5は少ない。
 ぼくはA5をシステム手帳に挟んでる。わりと多用している。“貼る” をするからだ。
 以前はダイソーにあったので,5束か6束買ってある。ダイソーで見かけなくなったので,補充は家電量販店だなと思ってたんだけども,仙台市民は文具店で補充できる。だから何? という話ではあるかもだけど。

● デザイン文具のコーナーもある。RHODIA とか,penco(HIGHTIDE)のボールペンとか,MOLESKINE とか。そうか,こういうのをデザイン文具と言うのか。 
 RHODIA もそうなのか。RHODIA は典型的な実用品だと思っていたのだが。

● 三菱鉛筆の uniball ZENTO の緑色のがあった。グラッシーというのが,メーカーが付けた名前らしい。
 ボールペンも売るほどある(安物ばかりだが)。もう買うつもりはないのだけれども,この色にはちょっと惹かれた。
 シグニチャーモデルは入荷待ちの状態。いくら何でも欲しい人には行き渡ったろうと思っていたのだが,まだまだなのか。

● といったところなのだが,いかんせん欲しいものがない。せっかく来たのだから,記念に何か買って帰りたい。と言って,コピー用紙を持ち帰るのは重すぎる。
 他に何かないか。候補に残ったのは2つ。ひとつはパイロットのデスクペン細字。プラチナの極細は手元にあるのだが,極のつかない細字があってもいいかな。でも,たぶん使わないな。万年筆はサファリでいいや。
 もうひとつは,三菱鉛筆9800VB。これ,どういうわけか,ANGERS 丸の内店でバラ売りしてるんですよ。でも,これも自宅の鉛筆タンスを探せばあると思う。

● というわけで,何も買わないで,店を後にした。誠にもって申しわけない。

2026年6月22日月曜日

2026.06.22 ANGERS 丸の内店で

● ANGERS 丸の内店で Musgrave の鉛筆を買いました。1本だけね。140円。これが5種めの Musgrave
 Musgrave は「TEST SCORING 100」の滑らかさが出色だと思うが,ANGERS が扱っているのだから,悪い鉛筆ではあるまいと考える程度のリスペクトは ANGERS に対して抱いている。

● 串田孫一の文庫本。白日社の『文房具』は大昔に買って読んでいる。この文庫本はその新装版なんですかね。ま,ゆるりと読んでみることにしますわ。
 ちなみに,この鉛筆で文庫本を叩くと,ポコポコといい音がします。

● カランダッシュのエクリドールのボールペンがシルバーの光を放って,おいらも買ってくれよと訴えてるような気がしたが,バカ野郎,お前を買ってやるほど暇じゃねーんだよ,と一蹴した。
 わかるでしょう。買えませんよ,エクリドールなんて。そんなお金がどこにあるんだよ。ボールペンなんて使うシーンがなくなっちまったしよ。

● 「TENTと文具」フェアをやっていた。「TENT」とはキャンプに使うテントではなくて,“最高のアイディアは1枚のコピー用紙から” を標榜する「東京と岐阜を拠点に活動するクリエイティブチーム」らしい。
 クリエイティビティーに溢れ,バリバリ活躍中の人には関係ない話だろうけど,クリエイティブに憧れる人には刺さる展示かもしれない。小さなスペーズだけれども。
 展示のセンスもいい。むしろ,見るべきはそこかもしれない。

● ANGERS のレジ袋。このデザイン,良くないですか。
 life and design はぼくには遠い境地ではありますけどね。

2026年6月20日土曜日

2026.06.20 鉛筆のプラケースが筆箱になった時代があった

● 右の写真はリボンの絵柄鉛筆,503番。
 この鉛筆がいつのものかは知らないが,プラケースの右側に何か入っているわけではない。uni や MONO には消しゴムが入っているが,このケースには何もない。
 けれども,わざわざ空きスペースを作っているのは,このケースを筆箱として使えるようにするためだろう。

● Hi-uni や uni のケースを筆箱にするのが流行った,それに憧れた時代があった。Hi-uni や uni の,中身は無理でも,ケースを欲しがる子供は普通にいただろう。
 昭和50年代の前半までは,そうしている人が大人の中にもいたと思う。

● それから幾星霜。鉛筆は安くなり,そうした誘引力を失った。それ以前に鉛筆を使う人が減った。
 プラケースが高級鉛筆の印であった時代も過ぎた。プラスチックの値打ちが下がったどころか,環境汚染の代名詞になった。今は紙ケースの Hi-uni もある。

● 社会のすみっコの変化ではあるけれど,「久しくとゞまりたるためしなし」の一例。

2026年6月19日金曜日

2026.06.19 鉛筆は時空を越えない

● 万年筆やボールペンに比べて,鉛筆はとにかく耐用年数が長い。戦前に生産された鉛筆が普通に使える。
 戦前の鉛筆を使うと,その時代の空気を感じるか。アメリカインドの鉛筆を使うとアメリカの風やインドの灼熱が伝わって来るか。
 そんなことはない。使っている場が令和8年の北関東の田んぼの村にある陋屋なのだ。場の粘着力は強烈だ。

● それを破れるものがあるとすれば想像力だけなのだろうが,場を破るほどの想像力をどうしたら獲得できるのか,ぼくにはそれこそ想像しかねる。
 旅行記や歴史書,文芸作品をどれほど読んだらリアリティに充ちた想像が可能になるのか。

● いつの時代に,どこで生産されようとも,今ここにある鉛筆はあくまで1本の鉛筆という物体であるに過ぎない。その物体からそれが製造された時代や場所の何かを感じられることはない。
 感じられると思ってもいけない。おそらく,それは脳が勝手に作り出したイリュージョンでしかないからだ。この鉛筆は前世紀のもの,この鉛筆はインドで生産されたもの,ということを予め知っているから,それに応じて脳が勝手に作動した結果に過ぎない。

● ヴィンテージという言葉があるが,そのヴィンテージが時代を偲ぶよすがとなるのは,形状が現在のものと違っているからだろう。経年変化も含めて,時代がかっているからだ。
 しかし,そのヴィンテージでその時代の何がわかるか。見る人が見れば何がしかはわかるんだろうけど,ぼくら素人は今とは違った形状を形状として認識して終わる。それだけのことだ。

● それを鉛筆に求めるとすると,軸に印字されている文字の書体や色,塗装の具合いといったところになるだろうが,残念ながら,そこは鉛筆の中で最も劣化しやすい部分で,比較的早く消滅する。
 黒鉛芯は百年経ってもビクともしないかもしれないが,芯を取り囲んでいる部分は劣化する。表面に近いところほど劣化が早い。

● もうひとつ。どこの国の鉛筆も似てきているのではないか。
 吟醸や大吟醸があたりまえになると,日本酒の味や風味はメーカーを越えて一点に収斂する。同じように,鉛筆の芯も各国で良質化が進行すると,どれも似たものになる。そうした方向に向かっているのだと思える。

● というわけなので,鉛筆は時空を越えない。
 鉛筆で書(描)かれたものは,幸運に恵まれれば,時空を越えて存在するが。

2026.06.19 横罫の測量野帳と中華コクヨの測量野帳

● 横罫の測量野帳がかつてあった。60周年限定商品の「NOTE BOOK」ではなく,最近出た Campus の「ポケットノート」でもない。
 判型も厚手の表紙も製本の仕方も測量野帳そのものだが(中紙は48枚だった),型番はノ-432。

● 測量野帳と同じラインで生産はしていても,“セ” で始まるんじゃないからね,“ノ” だからね,測量野帳とは別系統だからね,というやつね。
 もちろん,とうの昔に廃番になっているわけだが,5年前に2冊350円でメルカリに出たことがあって,もちろん買って使った。
 普通に文字列を書き連ねるには横罫がいい。ぼくはそれしかしないので,流行りかに見える方眼は罫線過剰というか,横書きするには縦線がジャマなんだな。

● 今度はノ-421がメルカリに出てきた。4冊で800円。もちろん,ポチって入手。
 ノ-432よりスタイリッシュ。中紙は野帳と同じ40枚。

● ぼくは立って書くということがまずない。歩いているときに,ふと思いついたことを立ち止まって書くなんて,カッコいいこともしたことがない。これからもしないと思う。
 が,デスクやテーブルで書くんでも,表紙が厚いノートは使いやすい。

● 中華コクヨ(国誉商业(上海)有限公司)の測量野帳。判型,製本方法,中紙の枚数とも,日本コクヨと同じ。
 唯一,方眼が4㎜なのが違う。なにゆえに4㎜にしたのか。中華と日本の筆記スタイルや嗜好の違いがあるなら知りたいものだ。
 中国では “頁” の意味が日本とは違うようだ。1頁は1枚の意味なんだな。

2026年6月18日木曜日

2026.06.18 台湾の鉛筆

● MADE IN TAIWAN の鉛筆を買った。LUX 3001。メーカーは「雄獅(Lion)」。現在は廃番になってるらしいのだが,詳細はわからない。
 レイメイ藤井(と思うのだが)が販売元になっているゴム付き鉛筆も台湾製だったと思う。こちらはちょっと使っている。普通の鉛筆で,特に見るべきところはない。普通にいい鉛筆という感じね,という印象だった。

● LUX 3001 はどうか。使ってみた。鉛筆から伝わってくるフィードバックはレイメイ藤井とほぼ同じ。レイメイ藤井の方が少し濃いかもしれない。レイメイ藤井に高級感があるように感じたが,錯覚の可能性がある。
 大雑把な言い方をすると,三菱9800の現行品を使っている感じ。9800よりやや硬め,薄め。ホントに “やや” だが。

● 濃いめ,軟らかめ好きなぼくとしては,9800を採る。が,この台湾製も何の問題もない。
 LUXには “FOR OFFICE & SCHOOL USE” とあるが,その用途にピッタリだ。硬め,薄めが好きな人にはちょうどよろしかろう。

● もうひとつ,MADE IN TAIWAN がある。F1レーサーの絵柄の鉛筆だ。硬度はHB。それ以上のことはわからない。メーカー名も販売元の記載もない。値段も書かれていない。
 レースの観覧チケットを買った人へのお土産ということはないだろうけれども,タダで配られたんだろうか。

● LUX 3001 とほとんど同じ。まさに日本基準のHBだなと思った。軸は LUX 3001 やレイメイ藤井より太めだが,日本の鉛筆の太さのバラエティーの範囲に収まる。
 台湾の鉛筆製造に関しては最初から日本メーカーが関わっているのであろうから,芯の濃さや外見が日本の鉛筆に似ているのは不思議ではないだろう。

● というわけで,アメリカンに比べると,使っていてそんなに楽しい気分にならなかった。日本製との乖離がないのだ。驚きがない。
 台湾でも uni や MONO に相当する高級鉛筆があるに決まっている。それらを使ってみたいという気分には,しかし,ならなかった。
 ちなみに,上記の3つの中で最も使ってみたい鉛筆はレイメイ藤井のもの。“普通にいい鉛筆” ではあるのだが,少しこだわってみたいなという気にさせる。

● 日本同様に中高生で鉛筆を使う人は減っているらしい。シャープペンが天下を制しているのは世界共通だろう。
 という中で鉛筆を使っているのは,日本であれ台湾であれ,変わり者の範疇に入る。そんなところで変わり者であっても仕方がないのだが,このまま変わり者を全うしようと思う。

● 日本橋の「誠品生活」を思いだした。ほんの少しとはいえ台湾鉛筆を使ったのだから,台湾文具に関してゼロ地点は脱したということにしたい。
 ゼロじゃなくなったところで「誠品生活」に行ってみれば,何かの発見があるかもしれない。とは言うものの,「誠品生活」で鉛筆なんか扱っていたっけ?

2026年6月17日水曜日

2026.06.17 欧州の鉛筆

● KOH-I-NOOR HARDTMUTH SCHULSTIFT AUSTRIA。SCHULSTIFT は School Pencil,学童用という意味であるらしい。
 この明るい緑色は KOH-I-NOOR の基本色なんですか。芯ホルダーにも同じ色のがあったな。

● ダース箱にはメーカーの住所(ウィーン)とテレックス番号が記載されている。
 Gemini 先生によると​,KOH-I-NOOR はチェコのブランドとして知られているが,発祥はウィーン。その後,製造拠点をチェコ(当時は同じハプスブルク帝国)に移転したが,第二次世界大戦によってチェコとオーストリアに分割されることになった。ぼくの手元にあるのはオーストリアで製造されたもの。

● これも Gemini 先生に教えてもらったのだが(キャロライン・ウィーヴァー『ザ・ペンシル・パーフェクト』にもあったような気がする),​KOH-I-NOOR は「黄色い鉛筆」の元祖であるらしい。
​1889年のパリ万国博覧会で,彼らは「コヒノール」という最高級の鉛筆を発表しました。当時,鉛筆は木肌がそのままのものが多かったのですが,彼らは最高品質のシダー材を使い,見事な「黄色」で塗装して売り出しました。これが大ヒットし,「良い鉛筆=黄色」というイメージが世界中に定着しました。アメリカの黄色い鉛筆が多いのもこれがルーツです。
● KOH-I-NOOR はジャンボのHBを持ってるんですけどね(こちらはチェコ製),彼の地のHBは硬くてぼくの手に負えない。これは国産鉛筆のBくらい。スムーズだ。
 軸の太さはドイツ製と同じ・・・・・・ではなく,それより細い。ドイツ製のバレットキャップもスコンと芯の先端にあたってしまう。六角なのだが,角は丸まっている。塗装が厚いのか。

● LINEX WP 100(デンマーク)とCOSTS(イギリス)。どちらもHB。
 彼の国のHBはドイツと同じなんだろう,であれば手なずけるのが厄介だ,てか,手なずける気にならない,だったら買うなよな,と自分にツッコんでたんだけれども,書いてみたら日本のHBと同じ。LINEX は三菱より北星のHBに近い。

● COSTS の軸の太さはドイツと同じなのだが,LINEX は日本と同じで,バレットキャップに合わない。入らないことはないが,入れない方がいい。
 LINEX WP 100 はデンマークでも高級な鉛筆なんだろう。相当にいいですわ。

2026.06.17 インドの鉛筆

● apsara pop。インドの Hindustan Pencils 社が展開する製品であるらしい。
 大昔(「リンガーハット」がなかった頃),チャンポンを食べるためだけに寝台特急「さくら」に乗って長崎に行ったことはあるが,鉛筆を買うためだけにインドに行くという酔狂はさすがに致しかねる。もう若くないしね。

● メルカリで買いましたよ。ポップな仕上がり。硬度(濃度と言った方がいいでしょうね)は extra dark。国産鉛筆だとBくらいか。頭は丸まっている。軸はヒマラヤ杉を使っているのだろうか。
 インド文具は日本に比べるとよろしくないので,赴任する場合は日本製を持ちこむべしという声がネットにあるが,この鉛筆は国産普及品に引けを取ることはない。塗装も丁寧だ。

● つーか,引けを取らないというレベルではない。これがインドの標準だとすると,インド恐るべし。ネットにあった情報はなんだったのだ?
 昭和30年代の日本製鉛筆なんか,インドでも通用しない。あたりまえか。
 若者向けの意匠なのだが,これを普通にインドの若者が使っているわけではないのだろうね。高級鉛筆に属するのだろう。

● と書いて 𝕏 に投稿したら,こんなリプが届いてね。𝕏 の鬱陶しいところだな,愚にもつかないリプを読まされること。
工業化は世界を均質にするものデス
ひげ剃りのカミソリなどを見ても、インド製は先進国と比べても遜色ないデス
日本製と比べて最初の切れ味では劣るものの、耐久性能(いつまで剃れるか)については日本製品より遥かに上デス
つまり…そういうことデス
● こういうリプにどう対応すればいい? スルーでいいかね。それとも,丁寧に対応してやるべきかね。
 工業化は世界を均質にする? 大丈夫ですか? 生兵法は大怪我のもとですよ。通俗的な理解に留まっていないで,もう少し勉強した方がいいと思いますよ。
 カミソリについての評価も的外れ。それは供給側の(日本市場を睨んだうえでの)選択の結果であって,優劣を測るモノサシにはならんです。市場が切れ味より耐久性を求めていると考えれば,すぐさまそれに対応した製品を出しますよ。
● けど,そこまで親切にしてやっても通じないだろう。「そういう小学生レベルのことを言われても」と返して,お引き取り願った。
 できればフォローを外してもらうか,ブロックしてもらえるとありがたい。

● いや,インドの鉛筆の話だった。apsara pop,かなりいい鉛筆なのだった。これなら,日本の鉛筆に慣れた人からインド鉛筆ファンが出ても全然おかしくない。
 逆に言うと,この鉛筆にインドらしさを見出すのは難しい。日本製と何が違うのか。
 その「インドらしさ」というのが,こちらがわずかな風聞から勝手に形作ったものだ。そもそも存在しないものなのではあろうけれども。

● AI検索エンジンによると,「インド市場の大部分は,大手の「ヒンドゥスターン鉛筆(Hindustan Pencils)」と「ドムス(DOMS)」の2大メーカーが占めて」おり,「HBと表記されていても,日本の鉛筆よりかなり濃い(B〜2B程度)ことが多く,筆圧が弱くてもスラスラと書けるのが特徴です」とのことだ。
 ドイツの鉛筆は逆に,同じHBでも日本の鉛筆よりかなり薄い。南になるほど標準の濃度が上がる傾向にあるんだろうか。

2026.06.17 アメリカは Musgrave の鉛筆

● アメリカンな黄色いゴム付き鉛筆については,ちょい書きの結果でしかないけれども,ひととおりのところをまとめたので,次はそれ以外のアメリカ鉛筆について。
 とは言うものの,ぼくはテネシー州に本拠を置く「Musgrave Pencil Company」が製造しているものしか持っていない。ぼくが行ったことのある文具店には Musgrave しか置いてないので。

● 上の写真の4本だが,一番下の「909 CERES」(ANGERS で121円)については,すでに紹介しているので,残りの3本について試していく。
 まず銀色の「TEST SCORING 100」(ANGERS で154円)。「マークシートやテストの解答欄を塗りつぶすために特別に開発された,非常に柔らかく濃い芯が特徴となっています」と検索エンジン搭載のAIは教えてくれる。言われてみれば納得。

● 「909 CERES」よりは軸も細い。それでも国産鉛筆より太め。キャップや補助軸は市販のものを問題なく使うことができる。六角の角は「909 CERES」同様に角々しい。
 硬度は2Bくらいだろうか。濃いめ,軟らかめが好きなぼくには随喜の涙を流したくなるほどドンピシャリ。マークシートに最適だからといって,それ以外に使ってはいけないなんてことはないわけで,一般筆記に大人が使って何が悪いってなもんだ。

● 最大の特長は滑らかさだ。ここまで滑らかな鉛筆を使うのは,ひょっとすると初めてかも(ちょっと持ち上げ過ぎ? 2Bだからね)。
 Hi-uni,クラフツマン,BLACKWINGなど,芯が黒鉛と粘土を混ぜた焼成体であることを感じさせないくらいの鉛筆はいくつもある。芯をノートに擦り付けている感じをまったく抱かせない鉛筆群だ。そういう鉛筆を良い鉛筆と,ぼくらはしている。
 「TEST SCORING 100」はそれらに勝るとも劣らない。外見は無骨だけれども,非常に繊細な鉛筆だ。

● 「テネシー州シェルビービルにある工場で伝統的な製法で作られてい」るらしいのだが,アメリカの鉛筆は大味なのだろうと思っていた自分を恥じます。申しわけありませんでした。
 ただし,この鉛筆もゴム付きなのだが,消しゴムは使ってはいけない。あと,削るとこんなふうになるから,芯は真ん中に収まっていない。偏っていると思う。それで問題があるわけではないけどね。

● 次は「MY-PAL 2020」。太軸(8.5mmの丸軸)。当然,普通の鉛筆削りの穴には入らない。STAEDTLER や FABER-CASTELL のジャンボ鉛筆を削れる鉛筆削りがあるので,それで削った。
 キャップも使えるものはぼくの手元にはない。補助軸についても同様だが,ギリギリ短くなればクツワのノック式が役に立ってくれると思う。

● 「通常の鉛筆より握りやすく,学習中の子どもや筆圧が弱い人,手の大きい人に適しています」「濃く滑らかな書き心地のHB芯を採用しており,太めの芯のおかげでボールドで濃い線が描けます」というのが,検索エンジンAIの解説。
 濃さは国産鉛筆のHBと考えていいと思う。たしかに芯も太いので,一般筆記に使うとその大半を削り捨ててしまうことになって,少々以上にもったいない気がする。“ボールドで濃い線” を描く用途に使うのがいいのだが,ぼくの筆記シーンにはそうした局面がないのが残念。

● 「TEST SCORING 100」ほどではないが,書き味はスムーズ。芯が太いので,若干重さを感じることになるが,気になるほどではない。
 鉛筆はこれくらいの太さがちょうどいいのかもしれない。STAEDTLER や FABER-CASTELL のジャンボ鉛筆はそもそも一般筆記用ではないだろう。これくらいの太さで2㎜芯の鉛筆はないものか。
 木材を多く消費することになってしまうけど。いや,その前に,軸がこの太さで芯が2㎜だと,軸の先に出る芯が短くなりすぎてしまうか。何とか行けそうな気はするが。

● 3つ目が「BUGLE 1816」。「HBの芯を採用しており」「その軽量さと書きやすさから,多くの学校システムや鉛筆愛好家に選ばれています」ということなのだが,日本基準でもHBだと思う。
 「MY-PAL 2020」よりは少しだけ濃いような気もするが,こちらの錯覚かもしれない。同じく,「MY-PAL 2020」よりも滑らかさにおいてわずかに勝る。

● 丸軸で,いたって普通の太さ。黄色いゴム付き鉛筆の「Dixon Ticonderoga 1388-2」や「Berol Eagle 224」は,ドイツ並みに細かったのだが,Musgrave の鉛筆は総じて(と言っても,全部で4本しか持っていないわけだが)軸太めな感じ。
 あと,芯がいい。キメが細かい。これだったら,アメリカ人,高価な BLACKWING なんか使うより,Musgrave の方がずっと気が利いていないか。


(追記 2026.06.22)

● 5本目の Musgrave の鉛筆を買った。「600 NEWS」。ANGERS 丸の内店で154円。
 丸軸。軸の太さは普通。つまり,日本製の鉛筆とほぼ同じ。

● この鉛筆にも硬度は表示されていない。製品ごとに硬度が決まっていて,この鉛筆の硬度はHBだと,誰もがわかっているのだろうか。
 Musgrave はメジャーな鉛筆メーカーでよく知られた存在だからそうなのか。それとも,アメリカはそういうお国がらなのか。あるいは,そもそも硬度をそんなに気にしないのか。

● BLACKWING にも硬度表記はなかったな。BLACKWING の定番は4つ。MATTE,PEARL,602,NATURAL だが,それぞれの硬度は,Soft(3B〜4B),Balanced(2B),Firm(B),Extra-Firm(HB)。しかし,鉛筆の軸にその硬度が印字されているわけではない。
 日本だと,たとえば Hi-uni には10Hから10Bまでの22硬度があり,それが複数個所に印字されているのが普通だ。それを見て,ユーザーが自身の好みと用途に合わせて選んでいるわけだが,アメリカの鉛筆ユーザーはそういうのを全部暗記してるのかい?

● 「600 NEWS」は4Bくらい。BLACKWING の表記なら Soft にあたる。ので,芯も太め。
 一般筆記には向くまいと思うのだが,しかし,これくらいの軟らかさを好む人もいるだろう。ぼくもこれでもいいかなと感じるタイプだが,これだと芯の多くを削り捨てなければならない。

● なお,芯が軸の真ん中にキチッと収まっておらず,少し偏っている。こういうのはアメリカンはあまり気にしないのか。
 いや,ジャパニーズでもそこを気にする人はそんなにいないかもしれないが。


(追記 2026.06.24)

● 福島市の「ペントノート」で Musgrave の鉛筆を3本買った。
 1つめは CUB 3030T,220円。太軸(8.5㎜)で丸軸。軸色はグリーンとブルーの2色ある。ぼくが買ったのはグリーン。
 検索エンジンAIによると,「子供の学習やスケッチ,手が疲れやすい方に最適」とのこと。

● 2つめは 5050 FINGER FITTER,242円。太軸三角。角は削っているのだろう,だいぶ丸みを帯びた三角軸になっている。これも軸色は複数あった(オレンジと黄色)。
 太さはハッキリと JUMBO サイズだ。検索エンジンAIは「文字を書き始める幼児や小学生のファーストペンシル(かきかた鉛筆)に最適」と言う。

● 3つめは Choo-Choo 8500,220円。直径10㎜の太軸(丸軸)。蒸気機関車のイラストがプリントされている。
 「幼稚園〜小学1年生程度の学習用,または普段使い用」とのこと。つまり,3本ともお子様用ってことね。

● 芯は3本とも日本基準のHB。お子様用ならもう少し軟らかくてもいいかと思うのだが,これではダメってことではない。
 3本ともゴム付きなのだが,実際に使ってはいけないというのは,どうやら Musgrave に共通するお約束のようだ。