2016年3月28日月曜日

2016.03.26 伊東屋池袋店を覗く

● 池袋に行く用事があった。東武7階にある伊東屋を覗くのが池袋の最大の楽しみだ。
 が,率直に申しあげて,ぜひとも欲しいという商品はない。

● これは,ぼくが文房具を実用品として見ているからで,実用品として必要なものはすでに充分に所有してしまっているからだ。
 ここが問題で,文房具に腕時計やアクセサリーと同じ装飾性や高級感を求める向きがある。それはメーカーの思惑にも叶うところでもある。
 文房具=実用品,となると,現時点で文具の供給は飽和点を超えている,たぶん。

● 使わなくても買ってほしい。普段は使わなくても,とっておきのために用意しておくべき1本(の万年筆)っていうような訴求の仕方もされている。文房具に遊びを加えるっていう方向もあるな。
 そういう無駄がないと文房具の世界が面白くならないのも確かだろう。実用一辺倒だと,かつての社会主義国のごとく売場に華やぎというものがなくなってしまう(ような気がする)。

● といっても,ぼくはわりと実用品としてしか文具を見ていないところがあって,これはつまるところケチ根性に由来している。
 ただ,ケチ云々を別にすると,ダイスキンとPreppyのせいだ。ダイスキンは100円,Preppyは200円。この値段でこれだけのモノを出されては,何というのか,そこから先はないって感じになる。

● 目下,前回,この伊東屋池袋店で買ったジークエンスを使っている。600円のモレスキンサイズのノートだ。
 よくできていると思う。ぼくの知る限りでは,最も厚いノートだ。これだけ厚いのにページが剥がれたり表紙が浮いたりする気配はない。さすがはメイドインジャパンのクオリティー。
 なんだけども,すでにダイスキンに戻りたくなっている。ダイスキンは自分にとってのホーム。

● でも,それじゃつまらない。文具店を覗く楽しみが減殺されてしまう。使わないかもしれないけれど,いや,たぶん使わないと思ったんだけど,つい買ってしまった。それがなくては文具ファンの名折れになる。
 と,思って,売場を見て回った。花形はどうしたって万年筆。伊東屋にとっても,最も利幅が大きい商品だろうしね。

● やはり,モンブランが最も華やぎを放っているように思われる。149は10万円超。買うとすればやっぱりこれかな。
 でも,日本語を書くんだから,国産がいいと思う。

● パイロットからもプラチナからも蒔絵を施した工芸品とでも呼ぶべきものが出されている。が,これは使う気にならないね。お金の問題ではない。
 これを仕事で使うのはまったく論外だと思える。仕事を何と心得ているのか,おまえは,と言われそうだ。
 かといって,職業作家が原稿書きに使うものでもないでしょ。手帳やノートにもぜんぜん合わなそうだ。
 結局,こういうのは実用品にならない。眺めておくだけにしたい。

● 買うとすれば,まずはプラチナの♯3776センチュリー。値段も手頃。1万5千円もあればいい。
 しっかし,食指がのびない。Preppyでいいやとどうしても思ってしまう。価格や高級感と使い勝手の良さはほとんど関係ないことを,自分なりの文具遍歴の中で知ってしまっている。
 結局,ぼくはダイスキン+Preppyの外には出られないで終わりそうだ。

2 件のコメント:

  1. 3776センチュリーはヤフオクで5000円で落とせます。EF1本あれば良いでしょう。無駄なものを買わない、でもいいものを長く使いたいという人にはもってこいかと。エリートはヤフオクで手放されては。

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    1. ありがとうございます。目下のところ,自分にはPreppyでいいという結論です。

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