● 上野東京ラインの開通以後,上野駅で降りることはめっきり減ったけれども,上野で下車するとどうしたってここにフラッと入ってしまう。滅多に買わないんだけど。
文具は基本,どこで買っても値段は同じだから,買いたいところで買うってことになる。伊東屋の人,LoFtの人,そしてANGERSの人。お気に入りの店を持っている人が多いのだろう。
地元で長くやっている文具店を贔屓にしている人もいるだろうし,それ以上に文具店をハシゴするのが趣味という人もいるだろうけれど。
● 最近は書店の文具売場でも,手帳は通年で置かれるようになっている。さすがに,年があらたまると面積は縮小するけれど。年の途中から手帳を使い始める,途中で手帳を変える,ということが,普通になってきたんだろうか。
ここANGERSでは,さすがにそれはしていない(ただし,トラベラーズノートのスケジュール帳はある)。面積が限られているのも理由だろうけど,そんなイージーなことはしないという挟持もあるんだろうかね。
たいだい,ビジネスマンが実務的な文具を買いにくるところじゃないっぽいからね。高橋やNOLTYは最初から扱っていない。
● ANGERSは文具店ではない。文具がメインだけれども,文具以外の雑貨,書籍,CD,オーディオ機器(Bluetoothスピーカー)も取り扱っている。
というか,予め取り扱う品目を決めているわけではない。こういう生活はいかがですか,と商品で提案を形にして差しだす。それに必要な品物を持ってくるのだろう。
● こういうデザイン系,ライフスタイル提案型の店は,これから難しくなるんじゃないかなぁと思っている。
消費者は自分が何を欲しいのかわからない。具体的に現物を示されて初めて,これが欲しかったんだと気がつく。それはそうなんだけど,提案されたくないって人がこれから増えるんじゃないかと思ってるんだよね。
● なぜそう思うのかといえば,自分がそうだからだ。用があればこちらから出向く,用もないのにおまえの方から来るな,と思うことが増えていて,それは営業とかセールスに限らない。
ライフスタイルの提案? 大きなお世話だ。どんなスタイルにするかは自分で決める。自分以外の人間に決めてもらう必要はない。と,思うことが増えたんですよね。
他者は他者,自分は自分。人がどうやっているかなんて興味ねーよ。そういう人がこれから増えてくるんじゃないかと思うんですよ。自他を比べない境地に進む人が増えるように思えるんだよね。
● 知識人や文化人やオピニオン・リーダーは,昔からそうなれと言ってきてたわけだけど,実際に誰もがそうなると,彼らの足場は崩れてくるよね。
彼らの活躍の場,たとえば雑誌とかテレビとか,は,どんどん狭まることになるだろう。慶賀に耐えない。こいつら,ほんと,うるさいからね。
● ともあれ。ぼくはダイスキンとPlaisirですんでしまう人間だから,ANGERSに置いてあるような品々とは基本,無縁な生活をしている。
だけども,時々,ツボに落ちることがある。これらの品々を見ながら,それを使っている自分を妄想したり,自分だったらこれをどう使うかを考えこめることがある。
今日はそうだった。そういうときは,店側には迷惑ながら,滞在時間が長くなる。
● しかし,妄想はあくまで妄想であって,自分には過ぎたものだと現実に立ち返る。
文具で自分に付加価値を付けるのはイヤだ。お客様にサインしてもらうのにこのペンでは失礼だというような場面に出くわす仕事もしていない。実用一辺倒でいいのだ。
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