2023年6月17日土曜日

2023.06.17 堤 哲哉 『日本懐かしキャラノート大全』

書名 日本懐かしキャラノート大全
著者 堤 哲哉
発行所 辰巳出版
発行年月日 2021.04.25
価格(税別) 1,600円

● タイトルのとおりで,キャラノートを広汎に収集して,そこに考察というのか分析というのか,文章による短い解説を加えたもの。
 内容の大半はキャラノートの表紙の写真。

● ではあるのだけれども,フィールドワークを専らにする研究者による学術書を思わせるようなところがあって,いやこれは大変なことをやっている人だな,と思った。
 これだけ集めれば,そこから世相や時代の襞のようなものが見えてくるのではないか。著者を呼ぶには,コレクターよりはフィールドワーカーの方が相応しいと思う。

● 本書に載っているキャラノートのどれかをぼくは使ったことがあるだろうか。あるに違いないのだが,記憶にはまったく引っかかってこない。
 ひょっとしたら,ぼくは幼少のみぎりから真面目に勉強していた良い子ちゃんだったのだろうか。って,そんなはずはないのだが,キャラノートの記憶はない。しかし,間違いなく使っているはずだ。

● 少年時代をいつ頃過ごしたかによって,馴染みのキャラは違ってくる。ぼくは「少年マガジン」「少年キング」「少年サンデー」の1960年代の三大少年漫画週刊誌はその最盛期を知っているが,「少年ジャンプ」を読むようになったのは「ジャンプ」が創刊されてからだいぶ経った頃だ。大学生になってからだった。
 「少年画報」「ぼくら」「冒険王」「まんが王」といった月刊誌も読んでいたが,記憶は薄い。小学生の低学年だったか。

● それでも,本書に登場しているキャラの大半は知っている。雑誌で読んだり,テレビでアニメを見たり。「鉄腕アトム」や「鉄人28号」は再放送も含めて何度も見た記憶がある。
 「のらくろ」はさすがに知らないのだが,「忍者部隊月光」や「赤胴鈴之助」,「怪傑ハリマオ」,「遊星王子」あたりもカバーしている。「巨人の星」や「あしたのジョー」は言うまでもない。
 「マーガレット」や「少女フレンド」「りぼん」などで少女漫画もわりと読んでいる。「アタックNO.1」は当然として,「リボンの騎士」も「魔女っ子メグちゃん」もアニメを見ている。

● というわけで,本書を見ながら色々と思い出すところがあった。年寄りには懐かしさ満載。これは立派な研究にもなり得るテーマだと思うのだが,それ以上にロートルにとっては堪えられないエンタメでもある。

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