2019年12月8日日曜日

2019.12.08 Bun2 12月号

● 隔月刊のフリーペーパー。今回の特集はBun2大賞。映画の賞は日本アカデミー賞をはじめいくつもある。クラシック音楽のコンクールも数え切れないほどある。文具の賞も近年,いくつもできた。
 いずれも,業界の業界による業界のための話題作りであるに違いはないが,だからといって斜に構えて見ているだけではつまらない。

● ターミナル駅で乗換の折など,文具店や書店の文具売場を覗くことはしばしばあるのだが,見る棚は決まっている。手帳とノートの棚だ。だから,ボールペンやマーカーの新製品に気づくことはあまりない。
 文房具屋さん大賞や日本文具大賞は,こんな製品が出ていたのかと後から知るための,いい機会になる。Bun2大賞も同じ。

● で,Bun2大賞の結果はというと,第1位はZEBRAのボールペン「ブレン」。高畑文具王は「ブレないといっても,他の筆記具も言うほどブレていたわけじゃない」「こういう製品が出てきたことで,これまでの筆記具がブレていたということが分かってしまった」とコメント。
 第2位もZEBRAで「クリッカート」。ノック式のサインペン。インクが乾かないというのがウリらしい。
 第3位はぺんてるの「エナージェルインクフリー」。ゲルインクのボールペン。
 
● というわけで,3位までは筆記具。やっぱりね,文具の王者といえばペンってことになるんでしょう。
 で,それらを今日,この記事を読んで知ったわけだから,ぼくは買ったことも使ったこともない。保守に凝り固まった爺さんですからね。ペンはプラチナの千円万年筆(Plaisir)しか使わないし,手帳にはパイロットのハイテックCコレトをかれこれ10年近く使い続けている。これからも変わらないと思いますよ。

● 「ブレン」は別として,「クリッカート」や「エナージェルインクフリー」は色の展開にも重きを置いているっぽい。となると,女性がメインユーザーでしょうね。
 文具業界は女性ユーザーが支えていますな。極論すると,男が文具店に行くのは翌年の手帳を買うときくらいではないか。若い男性諸君においては,彼女に引っ張られて来ることがあるかもしれないけどね。

● 第5位にセーラーの「四季織」。「万年筆用ボトルインクと同じカラーを採用した水性ツインマーカー」で「20色をラインアップしている」そうだ。ぜんぜん知らなかったのだが,今はサインペンブームであるらしい。
 マーカーにとどまっている分には「浅いインク沼」ですんでいるけれども,「深い方のインク沼に引きずり込まれる可能性もある」と文具王は言う。そちらを深いインク沼と言うらしい。
 これまた,女性の世界だろう。女性の世界はカラフルであり豊かである。視神経のありようがそもそも男性とは違うんだろうかねぇ。

● 第10位が学研ステイフルの「STUDY STATIONERY SERIES」。スタディプランナーというジャンルがあるようだ。勉強の計画を立てつつ,勉強ノートになるという。
 文具王によれば,「女の子ばっか流行っていた」ようだ。そこに東大クイズ王を持ってきてプロデュースした製品。男子を取りこむことにも成功した?

● 第28位にレイメイ藤井の「decona」。「システム手帳好きの女性たちのために,本体のつくり方やリフィルの紙などにこだわって創り上げたライフログノート」というふれこみ。
 システム手帳が久しぶりに盛り上がっているんだよね」と文具王。これはわかる。牽引しているのは,デザインフィルのPLOTTERだろう。
 「女の子のデコレーション手帳として,システム手帳が再認識されている」という。となれば,システム手帳という名前では体を表さない。硬すぎる。リング手帳と呼ばれるようになるのではないか,と。

● 広告でオッと思ったのは,ヒサゴの「Copy Memo」。その名のとおり,複写できるメモ帳なのだが,コピー機が登場する前はカーボン紙を挟んで,コピーを作っていた。はるかな昔のことを思いだした。
 オフィスには必ずコピー機があって,スマホのカメラでPDFファイルで保存できるようになっても,こういうものに対する需要が一定程度あるんですね。
 というわけで,無料のフリーペーパーながら情報がぎっしり詰まっている。タダで一夕の歓を尽くすことができる。

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