2024年10月29日火曜日

2024.10.29 北星9606について

● 北星鉛筆9606が Amazon で579円。2つ以上買うと550円になる。1本あたり46円。
 メルカリなんか漁ってないで Amazon で買え。2ダース,ポチッとな。

● 鉛筆は迷ったら北星にしておくと間違いがない。三菱にしてもトンボにしても,同様に間違いはないんだけど,9606はHBしかなくて,そこが潔い。
 三菱9852もHBとBしかないのだが,さらにHBだけにして,黙ってこれを使っとけ,とね。
 ただし,北星のHBは他社のB寄りだから,硬めがいいという人は(あまりいないと思うけど)ご注意。

● 国産消しゴム付き鉛筆の中では,北星9606の芯質が最もいい。トンボ2558もぼくの好みに合う。
 三菱9852は9800と同じ芯を使っているっぽい。だからダメと言うつもりはないんだけども,20円の価格差は消しゴムだけかよ,と言いたく・・・・・・

● ちなみに,消しゴムは2558がいいと思う。微差で9852,9606。
 消し具合いは3者横並びだが,消しクズが散らからないのは2558かな,と。ただ,気にするほどではなくて,文字どおりの微差。2558と9852の間には微差すらないかも。

● 待て,9852は66円だったのか。9800と10円しか違わないのか。なら,9800の芯を使っていて当然だわ。三菱鉛筆のサイトでは924円とあるから,本当は77円なんでしょうけどね。
 9800EW の消しゴム付きがあるけれども,やはり20円高いからね。9800の55円というのが安すぎるのかもしれんね。

2024年10月27日日曜日

2024.10.26 鉛筆がいいのは,使ったら姿を消すところ

● ポツポツと最後まで使い切る鉛筆が出てきた。ハンドル式の鉛筆削りを使えなくなる程度に短くなると,手回し式の鉛筆削りを使い,それも使えなくなってからは補助軸に挟んで手削りする。
 手削りも最初はぎこちなかったが,すぐに慣れる。

● そこまで短くなった鉛筆は本当に軽い。掌に載せても重さを感じなくなるほど軽く,儚げになる。
 そうなるまで自分のために働いてくれたのかとしみじみするといった情緒に浸るところにはいかないのだが,鉛筆のいいところの1つは姿を消すことかもしれないとは思う。使い終えたあとにブツを残さないということね。

● たいていのものは残るわけだ。読み終えたあとも本は本としてそのまま残る。聴き終えたあとのCDも変わらぬ姿でそこに残る。
 だから何度も読んだり聴いたりできるわけだが,時にそれが邪魔に思えることがある。CDはともかく,一度読んだ本をもう一度再読することは,ぼくの場合はだが,ほとんどない。なのにブツが残ってしまうのだ(かといって,電子書籍では読んだ気分にならない)。

● 残ってしまうのだから処分しなければならない。今すぐ処分するかどうかは別として,自分の死後まで放置するわけにはいかないのだから,いつかは処分しなければならない。
 そのための手間がかかる。勝手に消えてくれるわけじゃないんだから。

● ぼくはサブスクをありがたいものだと思っているのだが,それはブツを介さないですむからだ。デジタル化の恩恵の1つはそれだ。内容を盛るのに質量のあるブツを必要としないこと。
 その代わり,スマホやタブレット,PCといった別のブツが必要になり,それらの耐用年数はそんなに長くないという問題が生じるわけだけどね。
 とはいえ,スマホのおかげでカメラやボイスレコーダー,ラジオや万歩計を持つ必要がなくなった。ぼくの場合だと,テレビも新聞も要らなくなり,オーディオ機器も不要になった(BTスピーカーがあればいい)。

● 鉛筆の話だった。鉛筆は自分の姿を消してくれる。最後の最後,1cm程度の残骸を残すわけだが,それは当然,許容の範囲内だ。
 鉛筆のいいところは,すかり短くなって,ほとんど重量をなくすほどに,いと儚げになって命を終えてくれることだ。

2024年10月24日木曜日

2024.10.24 上野文具のオリジナル商品を2つ購入

● 宇都宮は福田屋3Fの上野文具。上野文具オリジナルと称するコーナーがありました。
 オリジナルと言ったって,モノ自体がオリジナルのはずはない。あたりまえだけどね。軸の色や意匠に変化を加えてるだけね。
 モノ自体はすでに持ってるわけですよ。そこに更に買わせる工夫をしてるわけなんですけどね。

● 2つ買いましたよ。ひとつは測量野帳。昨年は日光の三猿のやつだったけど,今年はこれ。
 「愛」をテーマにデザインを公募して,最優秀作品を製品化するという企画だと思う。この図案は幼児に対する親の愛をシンボル化したものですかねぇ。
 愛という文字をアレンジする方がいいんじゃないかと思ったけど。こちらは660円。

● もうひとつはロディアNo.11のカバー(本体付き),935円。
 ロディアなんて使いやしねーんですよ。しかも,これ,ビニール製の一番安いやつですよ。ビニール臭もしますよ。

● ところが,文具をあしらった表紙がツボを刺激する。測量野帳も文具柄のはかなり持ってるんですよねぇ。
 使わなくても,これ,欲しいなぁ,と思っちまったんだから,仕方ないんですよ。935円は捨ててもいいと思っちゃったんだから。

2024年10月22日火曜日

2024.10.22 買って後悔したもの パーフェクトペンシル

● 買ってからしまったと思った筆記具はいくつもあるが,鉛筆でいうとトラベラーズ・ファクトリーのブラスペンシルの他にもうひとつ,FABER-CASTELL のパーフェクトペンシルがある。
 写真はマグナムだが,このほかにも UFO などいくつか買っちまってる。どんだけノンビリした人生やってんだ,おまえは,と自分にツッコミを入れたくなる。

● この遊び心のない遊びは何なんだ。こういう実用性から離れたところで(鉛筆が短くなっても,このキャップは補助軸にもならない)モノを愛でるのを貴族趣味というのかね。愛でるならもっといいものがあるだろうよ。
 唯一,鉛筆自体はかなりいいものだ。FABER-CASTELL の基準では4Bになるのではないかと思うのだが,国産鉛筆に引けを取らない。が,価格を考えるとね。

● UFO や9000などの安めのパーフェクトペンシルを買っていたのに,最後にマグナムを買ってしまったというのも,われながらバカを地で行ってるというか,懲りない性分だというかね。
 これは使えないと実地に検証したはずなのに,なぜ更に買う?

● この製品,しかし,憧れの対象にしている人も多いようなんだよねぇ。ぼくが言ってはいけないのだけれども,そういう人たちってのは価格に憧れているだけなのじゃないか。
 もし,パーフェクトペンシルと同等のものが5分の1の価格で販売されたら,はたして買うだろうか。5分の1でもけっこうな価格だからね,買うんだろうかね。

● ステイタスと見ているんだろうか。パーフェクトペンシルの伯爵コレクションを持てるようになったことを寿ぎたいんだろうかね。けど,軽自動車の1割もしないわけだからね,高いといってもね。知れてるといえば知れてるんだよね。
 サラリーマンをやっている人なら誰でも買えますよ。つまり,ステイタスにはならないはずのものだよねぇ。

● 装飾品として買うんだろうか。使いものにならないのはわかってるけど,それでもいいんだよ,ってことですか。
 単純に他人に見せびらかしたいから? しかし,結果は逆効果にしかならないよねぇ。バカか,こいつ,と思われるのが関の山でしょうよ。あるいは,モノの価値がわからないやつと思われるか,メーカーのイメージ戦略に弱いやつと思われるか。

● パーフェクトペンシルが自分の何かを変えてくれるかも,と考えるんだろうか。たかだか鉛筆が自分を変えてくれるはずがない,そんなものに変えられるような自分って何なんだ,と思いつつも,自分の中の何かが変わるんじゃないか,と淡い期待を持ってしまう。そういうことなんだろうか。

● それでは,ぼく自身がパーフェクトペンシルを買ってしまった理由は何かってことになるんだけれども,装飾品として持っておくかってことだったろうかな。パーフェクトペンシルを胸ポケットに挿しておいて,サッと取り出して・・・・・・というイメージに抗しきれなかったといったあたりかな。
 あとは,SNSで話題にする人が多かったので,ついフラフラとなってしまったということ。

● どっちにしても,碌なもんじゃありゃしない。こういうモノを買ってしまった自分に腹を立てて,コンクリートに叩きつけてやったことがある。
 FABER-CASTELL の名誉のために言っておくと,その程度のことではビクともしなかったよ,このキャップは。

2024年10月21日月曜日

2024.10.21 筆鉛筆からの妄想

● 三菱の筆鉛筆を買ってみた。使い途は・・・・・・ない。

 できれば,これで手紙を書いてみたいが,手紙を出す相手がいない。ラブレターでも何でもいいから書いてみたいんだけどね。

 Hi-uni の10B も持ってるんだけど(9Bも8Bも持ってるんだけどさ),同様に持て余している。


● この筆鉛筆,10Bとしては国内初。Hi-uni 10B は後から世に出た。

 埼玉県が小学校の硬筆書写用に採用しているらしい。それ以外ではほとんど使われていないんじゃないか。Amazon で取り扱っているから,埼玉にいないと買えないというわけじゃないけど。現に,ぼくもこうして買ったんだしね。


● 価格は Hi-uni の倍以上。が,三菱が筆鉛筆の質を下げて,自社のフラッグシップに加えるとは考えられない。

 使っていないので断言はできないのだが,両者は同じものと考えていいだろう。


● となると,埼玉県の児童生徒の保護者は過重負担を強いられている,と思いますな。半額以下の Hi-uni 10B を選ぶことができないんだからね。

 埼玉県市町教育委員会はいつまでこんな無意味な統制を続けるつもりかね。何十年は継続するといった裏取引を三菱鉛筆と取り交わしているわけでもあるまいに。


● 8Bには Hi-uni スーパーDX というのがあるけどね。価格は Hi-uni 8B の倍くらい。

 これも硬筆書写用で,埼玉県御用達じゃなかったか。何をやっているのかね,埼玉県は。

 ま,何をやろうと,カラスの勝手ではあるんだけどさ。


● これが大人だったらね,スーパーDX と並み Hi-uni に違いがあると思うんだったら,スーパーDX を買って使えばいい。そんなのは個人の自由だ。

 が,埼玉県の小学生は使わされるわけでね。教育する側にそこまで野放図な裁量権を与えていいのか,とは思うよ。


● これも小さな利権だからさ。三菱鉛筆側に経済的な旨味はおそらくないだろうけど,経済外的な何らかのメリットはあるだろう。

 それとも,公教育への奉仕のためにひと肌脱いでいるんだろうかね。

2024年10月20日日曜日

2024.10.20 “デキる男” になるには

● 久しぶりに地元の図書館に。メモをとるつもりだったので,ロディア No.11と,短めの鉛筆を北星のペンシルガードに挿して,シャツの胸ポケットに入れてきた。
 デキる男に変身した気分。

● 外に持ち出すのに最も便利な筆記具はどれか。鉛筆党の党員なので,鉛筆から選ぼうとするのだが,エクステリバー+マホウノシース のセットだな。
 サッと取りだしてすぐ書ける。ノックする,キャップをはずす,の手間がかからない。

● いや待て。エクステリバーじゃなくて,伊東屋補助軸やポイント補助軸の方がいいか。エクステリバーより長いから頭が飛びだす。抜き取りやすい。
 どっちにしても,ポケットに引っ掛けられるマホウノシースはマスト。あと,エクステリバーに装着できる程度に短くなった鉛筆もね。

● 家を出るときには必ず,こいつ(短めの鉛筆+北星のペンシルガード,でもいいのだが)とロディア No.11 を胸ポケットに挿す男になりたいよ。
 デキる男への第一歩ですよ。

● その簡単なことがなかなかできないわけだが,その理由というのが,胸ポケットのないシャツを着てることだったりする。
 デキる男になるためには,服選びから見直さなくちゃいけないってことだな。服選びの他にもありそうだけど,まずは胸ポケットのあるシャツを買わなくちゃ。

● メモはスマホで,𝕏 はメモ代わりに使ってる,という人も多いと思う。
 𝕏 は写真付きで残せるメモ用データベースだ。コミュニケーションもできるへれども,それは添えもの。
 写真もスマホで撮れるんだから,あたりまえになって馴れてしまっているけれど,スマホやインターネットってとんでもないんだよね。

● しかし。サッとメモって,はい,終わり,ならスマホで完結するんだけども,そこから膨らませるとか,続きがある場合には,小さくても紙に書いてある方が相手にしやすい。
 今どきのメモはクラウドに保存されるから,後でパソコンで開いて継続作業をすればいいのではあるんだけども,やっぱ紙かなぁ。

● できあがった後の保存はデジタルがいいんだけど,ワーク中は紙。結局,そういうことになりそうだな。
 でなければ,アナログなど一切放逐して,デジタルを徹底させる。それも選択可能な状況にはなっているような。
 ぼくはそこまでの割切りはできないので,胸ポケットのあるシャツを着ることから始めてみようかな,と思ってますけどね。

2024年10月19日土曜日

2024.10.19 北星とアイボールの無念,察して余りある?

● 右の写真はかつては4本,現在は3本セットでダイソーで販売されている北星の “かきかたえんぴつ”。
 この鉛筆に9900番を与えているんだね。“For Draftmen,Desiners,Copy-writers” の文字も入っている。かつての北星9900は高級路線の鉛筆じゃなかったっけ。

上がダイソー印。下がかつての HIGH-CLASS。
● アイボール鉛筆もダイソー印の鉛筆に HI-CLASS と印字してるんだよね。
 HIGH-CLASS(軸には HIGH-CLASS と印字してあるのに,スリーブは HI-CLASS になっている奇妙な鉛筆だった)→ Hi-new は,アイボールのフラッグシップじゃなかったか。

● それをダイソーで販売するものに転用するのは,メーカーとしては本意ではないと思うんですよね。
 ダイソーからの要求に抗しきれなかったとんでしょうかね。自社名を表に出した製品をダイソーで扱ってもらえる,ダイソーの販売力があればかなり売れる,まぁ仕方がないか,ダイソーさんの言うことを聞いておくか,と。

● それとも,あまり気にしないのか。ダイソーもそんなことは要求してないのかもしれない。
 ダイソーはブランドで売るんじゃないもんね。価格を訴求するんだろうから。

● ひょっとすると,かつての9900や HI-CLASS の品質を確保したうえでダイソーに卸しているんだろうか。さすがにそれは考えにくいよなぁ。
 いや,充分に使える鉛筆ではありますよ。が,ダイソー印のアイボールとかつての HI-CLASS では明らかに違いがある。

● だいたい,この値段で売ったのでは利益はほぼほぼないはずだ。生かさぬよう殺さぬよう,という扱いをダイソーはしている。北星とアイボールの無念,察して余りある。
 というのも素人感覚でかもしれないんだけどね。大人の世界はもっと懐が深いのかもしれませんよね。

2024.10.19 2Bの鉛筆

● 鉛筆を使うようになって7ヶ月。いろんなのをチョコチョコと使ってるんだけど,55円と165円の鉛筆では何が違うかというと,滑らかさが違う。55円のはザラつきがある。
 では55円は165円に劣るかというと,そういうことではなくて,ザラつきも味のうちだったりする。55円を良しとする人もいるだろう。

● 1958年に uni が50円で登場したとき,9800は5円だったか。価格差は10倍。今は2倍。だったら,uni の方が割安じゃん。
 この発想もよろしくない。昔の値付けは忘れた方がいい。当時の9800と今の9800は完全に別物。
 uni も何度も手直しされているのだろうけれども,別物度合いは9800の方が大きいんじゃなかろうか。

● いや,昔の9800は良かった,と言いだす人がいるんだけど,これが不思議でしょうがない。
 軸の木材や貼り合わせ方に関して,一家言持ってる人なんだろうかね。

● というわけで(何が “というわけ” なんだ?),MONO100 と Hi-uni の2B。
 Amazon で購入。昨日ポチると今日には届く。市価より安い。

● Hi-uni は文具店ではあまり見かけない紙ケースにした。MONO100 の紙スリーブに MADE IN VIETNAM とあるのは,少ぉしだけ寂しさを感じますな。
 一番情報を持っているところが決断したことなのだから,素人があげつらうべきではないのだけどね。

● 作家の遠藤周作は Hi-uni の2Bで原稿を書いていたらしい(→『趣味の文具箱 2024-4月号』P68〜)。今でもパソコンではなく手書きで原稿を書いていて,しかも鉛筆を使っている作家さんはいるようだ。2Bを使うことが多いらしい。
 たくさん書く人は,筆圧をかけずとも来い筆線が残る,軟らかめの2Bを選択するんでしょ。疲れないもんね。

● けど,この鉛筆まで辿り着けるかどうか。3回生まれ変わっても全部はとても使えないくらいの在庫を抱えているのに(多いでしょ,そういう人),ここ数日で10ダースほど増やしてしまった(多いでしょ,そういう人)。
 鉛筆(鉛筆に限らず文具)はあくまでも使ってナンボ。愛着を持つのはいいが,鑑賞の対象にしてはならない。使い切れないほどの鉛筆を抱えてどうする?
 そうではありませんか,御同輩。お互い,困ったものですなぁ。

2024.10.19 鉛筆の軸の太さはメーカーによって違う

● ドイツやアメリカの鉛筆は,軸が国産鉛筆よりも細い。やつらは日本人より手はデカいし指も太いのに,なぜそういうことになっているのか。鉛筆界最大の謎だ。
 その代わり,とつなげていいのかどうかわからないけれども,JUMBO なる軸も芯もぶっとい鉛筆を作っている。描画用でしょうけどね。

上から,三菱,トンボ,北星
● では,国産鉛筆の軸の太さは統一されているのかというと,そうではなくメーカーによって若干の違いがある。どこも欧米軸よりひと回り太いけれども。
 三菱はトンボより太めで,トンボは北星より太めのような気がすっとや。

● といっても,昔の北星9800は三菱並みに太かったし,三菱でも uni は9800より細めのように感じる。塗装で厚みが加わるから,軸の太さは細かく調整しているのだろう。
 ところが,Hi-uni は9800より太い。トンボの MONO100 も8900より明らかに太い。塗料をタップリ載せてるんですか。

● あんまり大雑把に決めつけてはいけないようだ。
 が,普及品で見ていくと,三菱(9800)>トンボ(8900)>北星(9500) かなという感じね。


(追記 2024.10.29)

● この動画(有隣堂しか知らない世界)で,uni,uni-star,Hi-uni を順番に手に取ったブッコローが,Hi-uni は(軸が)太いですか,と訊く場面がある。
 三菱の社員は「太さは一緒かと」と答えてるんだけど,これはブッコローが正しい。Hi-uni は uni より太いよね。塗装の厚みが違うんでしょうね。

● ついでにもうひとつ。uni,uni-star,Hi-uni の違いがわからないと言うブッコローに,俺はわかったよとプロデューサーが返す。「Hi-uni はちょっと硬い気がした,同じ濃さなのに。これは正しいですか」と三菱社員に尋ねる。
 それに対して「そうですね。Hi-uni は黒鉛を一番多く含んでますから,硬く感じる方もいらっしゃるかと。」と,三菱社員は答えるんだけども,黒鉛が多ければ軟らかくなるんじゃないか,という単純な疑問。

2024.10.19 ミミックにも弱点はある

● 右の写真は宝島社の『トンボ鉛筆8900ペンケースBOOK』の付録(いや,こちらが本体)のペンケース。片側をミミックルームにしている。

 こんなドでかい筆箱を持ち歩くことは,もちろんない。家で鎮座されてござる。


● ミミックを持ち出すこともほぼない。持ち出すのは細いエクステリバーが適している。

 ショートサイズ(エボナイトしかないが)が補助軸としては適しているかもしれない。レギュラーサイズのメリットは,鉛筆がそんなに短くならなくてもミミックに装着できるところ。


● そのミミックにも弱点が3つある。

 ①クロームのグリップはどうしても滑りやすい。

 ②鉛筆を装着するとグリップと本体軸の間に溝ができてしまう。その溝が指に与える感触は決して快ではない。

 ③グリップと本体軸の間が軋むことがある。強度に問題はないと思うが,これまた書くことへの集中を削ぐことがある。


● 狭義の実用性だけで言えば,ミミックは275円のクツワ補助軸に劣る。が,それらを補ってあまりある魅力がミミックにあることは言うまでもない。

 その第1は圧倒的な質感だが,それを代表するのはアセテート素材のものだと思う。ベークライトでもエボナイトでもなく。

 ただし,ここは異論が出るところでもあるだろう。


● 55円で買える三菱9800をミミック・ショート(エボナイト)に挿して使っていると,じつにどうも気分がいい。

 が,安い鉛筆が高級筆記具に生まれ変わるという感覚ではない。つまり,ミミックが鉛筆にとっての厚化粧の役割を果たしているということではない。

 鉛筆はそのまま使っても鉛筆だし,ミミックに装着しても鉛筆だ。ミミックごときでその個性を変えられるようなことはない。鉛筆は強い筆記具だ。


● では,気分がいいのはなぜか。ミミックの感触,グリップの太さ,質感ですかねぇ。

 少し重くなるけれども,低重心でその重さを感じさせないのもミミックのいいところ。基本,軽量の素材を使っているのだが,とにかく鉛筆が軽いのでね。

 昨今は木軸が脚光を浴びているが,それへのアンチテーゼとしての意味合いもあるだろうか。ミミックにも木軸のがある(あった)ようなのだが。

2024年10月18日金曜日

2024.10.18 メルカリでいくつかの鉛筆を購入 2

● 第一勧業銀行のノベルティ。ので,製造されたのはバブル崩壊以前。
 北星鉛筆製だけども,元になったのは当時の北星9800ですかね。同じ意匠と色の “コーリン鉛筆謹製” の第一勧銀ノベルティもあるようだ。
 ぼくの手元にあるコーリンのノベルティはこれだけ。相当前のもの。書き味も昔のもの。

● 今となってははるかな昔,こういうテイストが流行ったことがあったんですかね。
 上の1本はジャノメ(アイボール)。下の2本はメーカー不明。軸の太さは三菱だが。

● 三菱9000番。古い順に並べたつもりだが,真ん中の箱には ¥360 の印字あり。
 かつては9000も両切りピースだった。頭を丸めたのは,9800と差別化するためだったろうか。
 三菱製品の中では影が薄い。4Bが3本セットでダイソーで売られてたこともありましたよ。9800には4Bがないので,代打に出たってことですか。

● トッポジージョの鉛筆。箱に ¥360 の印字あり。
 ミッキーよりトッポジージョを先に知った。アニメが日本でも放送された。中尾隆聖の声を憶えてる人は多いんじゃないか。

2024年10月17日木曜日

2024.10.17 三菱鉛筆9800について

● トンボ2558,三菱9852,北星9606は,自分に合った鉛筆だと思う。が,そういうこととは別に,この鉛筆は信用できるというのがあって,それが三菱9800だ。
 ぼくは,モレスキンやロルバーンではなく,Campusノートを使っている人を信用できると思ってしまう(もちろん,根拠はない),古風なタイプの人間なのだ。

● 同様に,9800を使っている人を,この人はデキるな,実があるな,と思ってしまいそうな気がする。
 気がすると言ったのは,リアルで鉛筆を使っている人を見かけたことがないからだ。

● たとえば,左の写真は宇都宮駅ビル2階のタリーズを3階から眺めたものだ。お勉強中の高校生の他に,シニアのお爺ちゃんやお婆ちゃんもパソコンを広げていたり,ノートに何かを書いていたりする。
 宇都宮で最も “知的” が漂う空間はここではないかと思う(ぼくはここに座ったことはない)。図書館とかって,全然そういう感じはないからね。
 ところが,この中にも鉛筆を使っている人はひとりもいないんですよ。

● 9800はすでにだいぶ持っているのだが,また追加してしまった。メルカリで三菱9800を2ダース。ダース箱に240円の印字がある。
 9800が1本15円から20円になったのは,昭和48年。石油ショックがあった年だ。第二次石油ショックは昭和53年で,その渦中の昭和54年に30円になっている。よくぞこの程度の値上げで抑えたものだ。

● 原材料費の高騰を企業努力で吸収し,製品価格に転嫁させない努力をするのは日本企業のお家芸。それをマスコミや左巻きは便乗値上げと言って非難した。
 左巻きは頭の中が天然パーマだから仕方がない。この図式は今も変わらない。

● なぜ自民党に投票する人がいるのか? 劣等民族だから と言う,棒にも箸にもかからない大馬鹿野郎まで出てしまう。左巻きのなれの果て。居酒屋でオダをあげてればいいものを,公開の場で発言してしまうのだから,こういうヤツは猿とどこが違うのかと思う。
 左巻きの特徴は3つあって,第1は子供も引いてしまうほどの強度な幼児性。第2は自己評価が尋常ならざるほどに高いこと。第3は他罰的傾向が強いこと。何があっても自分は悪くないと考えられる特殊な頭脳を持っているらしい。

● おっと,話が逸れた。
 一方,この頃は高度経済成長の余韻もあり,モノの値段も上がったけれども給料も上がった。ITなど雲の彼方。少子化も具現化してない。鉛筆業界に活気があった頃だったろう。
 鉛筆業界に限らず,日本の産業界にまだイケイケドンドンの気があった。その気を持つことを許す時代状況だった。

2024.10.17 上質は一点に収斂する

● 日本酒は純米大吟醸が普通に飲めるようになった。が,純米大吟醸になると,味わいは一点に収斂する。銘柄の差は極小になる。
 青森の「田酒」と山形の「十四代」と栃木の「鳳凰美田」の違いを語っても,重箱の隅を突つくことにすらなるまい。

● 鉛筆界も同じで,Hi-uni,MONO100,BLACKWING を書き比べてみても仕方がない。差はほとんどないからだ。鉛筆も上質になると書き味は収斂する。
 目隠しテストをして百発百中当てられる人はいないだろう。いや,実際には当たるんだけどね。ただし,それは軸の太さが微妙に違うからで,書き味を感知しているわけではない(BLACKWING だけは頭が重いから誰でもわかる)。

● そんなことは誰も知ってるから,“個人の好み”というマジックワードで逃げ場を作ったうえで,脳内で違いを作り出して,それを弄ぶことになる。
 それはそれで楽しいことだろう。SNSの文具界隈はそういう遊びで溢れていると言っても,たぶん過言ではない。

● となると,選択の基準はダース箱のデザインや,すでに確立された “名声” にならざるを得ない。
 そう考えないと,たとえば STAEDTLER の Mars Lumograph がここまで幅を利かせていることを説明できない。

● しかし,だ。このレベルになると微差が大差。その微差を生むために,メーカーは骨身を削っているに違いない。
 自分だけが骨身を削って,他社は遊んでくれてればいいんだけども,そうじゃないから困る。

● ホクサインは苦戦しているだろう。一度出来あがった生態系に割り込むのは容易じゃないというのは別にしても,生態系を揺るがすほどの差は残念がらないということなんだよね。このレベルまで来ちゃうと,画期的というのはあり得ないものなぁ。
 販売元のクツワはどこかの鉛筆メーカー(たぶん,ウェルビー鉛筆)に作らせているわけだから,骨身を削っているかどうかはわからないけどね。

2024年10月16日水曜日

2024.10.16 メルカリでいくつかの鉛筆を購入

● まず,旺文社鉛筆。じゃなくて,ノベルティですな。元になってるのは地球鉛筆8800でしょうかね。
 旺文社といえば,かつては文庫も出してましたよね。箱を付けていた時期もあったんじゃ。

● 『中1時代』とか『蛍雪時代』といった中高生向けの学年別学習雑誌もありましたなぁ。少子化と共に消え去りました。
 『蛍雪時代』だけは今も残っているらしいんだけど,往事茫々ですなぁ。

● これはけっこうメルカリに出回ってるもの。広島県相互扶助会のノベルティ。
 太陽鉛筆の,フラッグシップではないかもしれないけれども,かなりいい鉛筆じゃないですか。国や自治体からたっぷり予算が付いたんだと思うんだけどね。県や市のいわゆる天下り先のひとつでもあったんでしょうかな。

● Patented 時代の三菱9800。“物をたいせつに”。日本にも貧しかった時代はあったんですよ。
 逆に,あのバブルは異常でしたね。人はここまで卑しくなれるのかというのを,イヤというほど見なければならなかった。かつ,自分もそうなっている,というね。人間は考えない葦でしかない,と思わされましたよね。

● メルカリの “鉛筆まとめ売り” の中に入っていたコーリン鉛筆。401と411。小学生のときに使っていたのはこれか。
 先達はいるもので,ネットに情報が上がっている。おかげで,概略はわかった。これは,たぶん,ぼくは使っていない。書き味は使わなくてもわかる。

● こちらは中華製の2Bのかきかた鉛筆。下の2本はまったくの無記だけれども,中華製でしょう。
 鉛筆に関しては中華製を侮ってはいけない気がするが,使うことはたぶんないと思いますよ。つまり,物理的に使い切れない。

● レイメイ藤井の消しゴム付き鉛筆。メーカーは不明。が,下のかきかた鉛筆もレイメイ藤井のもので,こちらには MADE IN TAIWAN の記載がある。消しゴム付きも台湾メーカー製でしょうかね。
 台湾に工場を持っている日本メーカー製かもしれないけど,台湾に工場を持っているメーカーなど聞いたことがない。

● ちょっと使ってみた。消しゴム付きはいたって凡庸な鉛筆で,なぜ自社の名を冠してこれを世に出さなければならなかったのか,その理由を推測しかねる。
 かきかた鉛筆は使いやすい。現在でもかきかた鉛筆の供給は継続しているようだが,学童用品に橋頭堡を築きたいということか。祈,健闘。

2024.10.16 三菱鉛筆9800の風格

● トンボ2558,北星9606は,自分に合った鉛筆だと思う。が,そういうこととは別に,この鉛筆は信用できるというのがあって,それが三菱9800だ。
 モレスキンやロルバーンではなく,Campusノートを使っている人を信用できると思ってしまう(もちろん,根拠はない)古風なタイプだ。

● 鉛筆に対しても同様で,9800を使っている人は信用できる人だなと思うだろう。たぶん。
 たぶんと言わざるを得ないのは,鉛筆を使っている大人を見たことがないからだ。鉛筆を使っている大人なんて,SNSの中にしか存在しないものな。

● 9800のどこがいいのか。尖ったところは何もなく,愚直に “最大多数の最大幸福” を追求した結果,こうなった,という佇まい。
 Hi-uni のような際立ちはない。しかし,その寡黙な感じがいい。

● 芯質も改善を重ねて今に至っているのだろう。充分に書きやすく,持ちやすい。
 80年になろうかという長い間,地道な改善を積み上げて来た。その風格のようなものも感じるじゃありませんか。

● 何と言うんですかね,鉛筆の第一人者あるいはトップブランド(最も売れてきたという意味ね)の矜持のようなもの。
 声高にアピールせず,奇抜な格好もせず,ただそこに黙っているだけで,他を圧するオーラを放っているみたいなさ。

● 𝕏 で,こんなの買ったよ,この木軸どうだい,オラのコレクションすごくね,とかやってるバカに,9800の木軸を砕いて煎じたやつを飲ませてやりたいね。効かないだろうけどね。
 おまえがまず飲めや,と言われちゃうだろうから,ま,これくらいでやめておくよ。

2024年10月15日火曜日

2024.10.15 宇都宮の Standard Products にも北星クラフツマンの2Bはない

● 宇都宮東武百貨店7階の Standard Products。写真の上中段が北星クラフツマン。中段右の4列は色鉛筆。
 けしからんことに,ここでも北星クラフツマンの2Bは欠品。

● 硬度を混ぜて高さが同じになるように陳列されていたから,硬度ごとに並べ替えてやったんだけどね(良い子は真似をしないように)。
 Fと3B〜6Bはたっぷり残っているが,HBとBは残りわずかで,2Bは払底。

● H〜4Hは12硬度セットでしか売らないのだろう。箱やバラであるのを見たことがない。
 実際,売れないんだと思うんですよね。昔は,半ば面白がって,Hや2Hを使う児童もいた。今はそれは許されていないのかもしれない。教師が見づらいからという理由で。
 メルカリなんかでも,Hや2Hの出物は売れ残っている印象が強い。Hより硬いのは画材用で,一般筆記はHBかFまでってことなんでしょ。

● ともあれ。どこの Standard Products でもHB〜2Bは少ない。特に,Bと2Bは欠品のところが多いんだな。
 こまめには補充しないようなんだよね。全部が売れてからしか補充しないってことはないんだろうけど,年に2回とか3回しか補充しないと決めているのかね。

● そもそもが鉛筆がそんなに売れているとも思えないので,補充という概念自体が立ちにくいのだろうか。
 まさか,メーカーの生産が追いつかないってことはないと思うんでねぇ。

● ともかくBはあったので,2箱(1ダース)購入。結果,Bも残り1箱になったぞ。

2024.10.15 欧州産のHB鉛筆で日本語を書くのは辛いぞ

● 右の写真は STAEDTLER の NORIS。メルカリの “まとめ売り” の中に入っていた。1回使ってみれば気が済むはずなので,これで充分。ダースを探して買うほどのものじゃない。
 黒鉛鉛筆は国産に限るってのは大前提。海外産はちょっと気になるから試してみようか,という程度なのでね。

● この鉛筆。ちょっとおかしいところがあって,印字が消えかかっているので見づらいが,印字の向きが逆。STAEDTLER がこういうミスをするかね。
 1本には GERMANY とあるが,もう1本は bonded。生産国が bonded って何だ?

● はい,使ってみて気が済みました。STAEDTLER のHBなんでね。国産鉛筆の基準に換算すれば2Hか3Hですわね。通常筆記には使えない。
 子供の頃に使っていたコーリンのHBを思い出した。それよりも薄いけどね。

● 欧州でもHBが標準硬度なのだろうな。彼らはこの硬さと薄さを標準だと考えているわけか。これが標準だと思って使っているよ,と。
 これが標準だとすると,欧州では鉛筆はほとんど使われていないのじゃないかと思える。欧州では小学生に万年筆を使わせるというのも得心が行くというかね。

● これで日本語を書くのは辛いけれども(自動的に筆圧を要求される気分になる),アルファベットならOKなのかね。筆記体のドイツ語や英語は筆圧要らずで書けるのか?
 ダイソーの4本110円のHBならいいけれども,これは全然ダメだよ,日本語を書くにはね。

● 日本のHBが濃くて軟らかいのは,筆文化に由来するのだろうか。
 対して,欧州のヤツらは羽ペンにインクをつけて書いていた。そのインクって,けっこう薄かったのかね。

2024年10月14日月曜日

2024.10.14 道具に過度にこだわる愚

● 右の写真はメルカリに出品されている月光鉛筆。こうした古の鉛筆を使ってみたいとは思わなくなってきてるんだけど(筆記具界にピリオド奏法は要らんぜ),ゼロになったわけではない。
 ポチッてみるかと思わないでもない。が,4ダースは要らんわ,ということで思い留まった。

● 価格も1,980円。以前は,不用品処分的な価格だったような。持ってけ泥棒的というか。
 それがだいぶ高くなってきたようだ。コロナ禍収束後のインフレの大波はこういうところにも及んでるんですかね。
 あるいは,古鉛筆収集家が増えて来たんだろうか。

● 鉛筆(筆記具)を使うために鉛筆(筆記具)を使ってる人はいないはずだよね。何かを書(描)くために使っているはずなんですよ。
 書(描)くことに集中するには,過度に道具にこだわらないことが意外に大切でしょ。こだわってしまうのは,書(描)くことに集中できてないからなんですよ。

● 弘法筆を選ばずといえども,紙とペンはよく選べ,というのには一理どころか二理も三理もあるんだけれども,二理か三理しかないんでね。
 道具というのは,使い手の能力の欠如を基本的には補わない。弘法筆を選ばず,というのも一定の真理を含んでいるんですよ。

● 古鉛筆や万年筆の収集に走る人に,書(描)くことに集中できてる人なんかいないと思うんだよ。そういう人は,書(描)くを手段にして別の愉しみを追求してるんだな。
 それはそれで全然悪いことではないけれどもね。駄文しか書けないのに万年筆にこだわったり,ポンチ絵しか描けないヤツが画材にこだわってるのを見るのもなぁ。アンタ,それ滑稽だよ,と言いたくなるんだよな。

● 少なくともだよ,ニワカ収集家を指して,市場が荒らされますねぇなどと聞いたふうなことを言うのはやめてほしいぞ。おまえらも同罪なんだよ。
 自分が散々やってきたことを他人が始めるとそれを嘆くというんじゃ,ワタシは棒にも箸にもかからない大馬鹿野郎です,と自分で言ってるようなもんだろうよ。ま,実際,バカなんだけどさ。

2024年10月12日土曜日

2024.10.12 クツワのオレンピツという鉛筆

● アトレ川崎4Fのハンズでクツワのオレンピツを見かけた。ホクサインは知っているし,8日に青森の成田本店で現物を買った(まだ使っていない)。
 が,オレンピツは初めて見るもので,存在自体を知らなかった。

● 受験生に向けたもののやうだ。芯が折れにくいので,試験の解答を書くのに向いているというふれこみ。

 けれども,鉛筆で芯折れなんて経験したことがない。三菱9800もトンボ8900も,書いてる途中で芯が折れたことは一度もない。

 よほど細く尖らせない限りは,今どきの鉛筆は(中華製であっても)芯が折れることなどない。試験も普通の鉛筆でいいじゃないか。


● というのは,この鉛筆の価格が,ホクサインと同じ198円だからだ。3本セットで594円で売られていた。

 びっくりするような価格じゃないと言えばたしかにそうだが,Hi-uni だって165円なんだから。試験の答案など55円の9800で充分じゃないか。何の問題もないはずだ。


● しかし,本人や親御さんにとっては大事なイベントだから,198円もする鉛筆を受験本番ために誂えるのだろう。

 そこを突いてきてるわけなのだが,ぼくが初めて見たということは,そんなには浸透していないんだろうな。三菱とトンボを押しのけて,店に置いてもらうだけでも大変だろう。


● ところで,このオレンピツはホクサインと同じものだろうか。軸の塗装を変えてるだけで,芯は同じ?

 ホクサインの特徴は,2B,4Bといった軟らかめの芯でも,芯の太さがHBと同じというところにある。軟らかくても折れないから芯を細くできるのだろう。オレンピツも同じはず。


● つまり,黒鉛+粘土 の普通の芯ではなく,ポリマー芯なのだろう。ポリマー芯はぺんてるが考案し,シャープペンの芯として製品化したもの。

 ぺんてるも最近まで鉛筆を自社から出していた。ぼぬもマークシート用のぺんてる鉛筆を持っているが,それもポリマー芯だったんだろう。


● すると,クツワのホクサインとオレンピツはぺんてる鉛筆の後継ということか。

 ぺんてるの鉛筆を製造していたのは,埼玉県吉川市にあるウェルビー鉛筆だったらしいから,ホクサインやオレンピツもウェルビー鉛筆が請け負っているんだろうか。

 芯はぺんてるが製造しているのか。ぺんてるのシャープペン替芯を製造している工場も埼玉県吉川市にある。そういうことですか,という話になる。


● しかし,ホクサインは先日買ったので,こちらはキッパリと見送り。買う気のない客は店側でもわかるだろう。まことに相すまない。

 文具も文具店も好きだが,自分が必要とする文具は一生分以上を在庫しているのだ。申しわけないが,買えるものはないのだ。

 試し書きだの余計なことなしない。見るだけだから,勘弁してほしいのだ。

2024.10.12 モレスキンは氏素性が卑しすぎる

● 某月某日。某文具店でモレスキンの広告を見かける。
 何が文化だよ,何が想像力だよ,何が個性だよ。そもそもの話が,かつて存在したノートを勝手にパクっておいて,「伝説」までありていい申さば捏造しておきながら,どの面下げて文化だの想像力だの個性だのとホザいてるんだよ。モレスキンは氏素性が卑しすぎるだろ。

● しかも,言っちゃ悪いけど,モレスキンは品質粗悪の塊だぞ。紙質は凡庸以下。ゴムバンドはすぐにビローンと延びてしまう。背割れは起こす。
 そのくせ,価格だけはボッタクリだ。

● こんなものを有難がって使ってるバカが世界中に存在するのは,大いなる不思議というものだ。「品質管理に努めているが,もし不具合があったら品質管理番号を添えて送ってくれ」とあるのを,さすがはモレスキンの良心だなどと感心している,手がつけられないレベルのバカまでいる始末だ。
 品質管理をきちんとやっていれば,そんなことをわざわざやる必要はないだろうよ。これは,「悪いけど品質管理なんてやってないからよ,不良品に当たったときの対応はアンタに押しつけるからよろしくな」と言っているのだ,と読むべきだろうがよ。

● モレスキンはバカを釣ることで商売している。釣られるバカが多すぎるのが,とにかく不可思議だ。
 少なくとも,日本国内の賢者は Campus ノートを使ってるだろうよ。Campus ノート以外にも,品質はモレスキンの数倍,価格は数分の1というノートはいくらでもあるだろうに。
 よりによって,何でモレスキンなんだよ。まさか「伝説」に釣られて,モレスキンを使えば自分もあやかれるとでも思っているのかよ。あやかれるわけないだろうよ,アンタほどのバカが。
 
● ところで,モレスキンポケットって2,970円になってるんですな。5割の値上げ。これは仕方ないでしょうねぇ。
 てか,モレスキンなんか使ってるアホからはいくらふんだくっても構わんよ。

● と,ここまで言っておいて何なんだけども,困ったことにぼくも持ってるんですよ,モレスキン。数えたことはないけど,ポケットとラージ合わせて40冊くらいかな。
 救いようがないほどのバカの一員なんですよ,ぼくも。

2024.10.12 シャープペンやボールペンの極細化

● 今って,芯径0.2㎜のシャープペンがあるんですねぇ。アトレ川崎のハンズでぺんてるのオレンズネロを見てたんですけどね,0.2㎜,0.3㎜,0.5㎜の3種。
 0.2㎜なんて何に使うの? 細密画でも描く気かね。

● わしゃあ,最低でも0.7㎜だな。0.9㎜か1.3㎜がよろしいかな。それだけ太いとどうやったって芯は折れないしね。
 偏減りはしやすいけれども,頼みもしないのに芯が勝手に回転するなんてのはナシにしてね。回転させるのは手動でやるから。

● シャープペンはね,ノックで芯が出てくれればいいんですよ(それだけでも凄いことだけどね)。
 Simple is Best が常に必ず成立するとは限らないけれども,最近のシャープペンは機構過剰かなとは思いますよ。
 いや,使ったことがないまま言ってるんでね。クルトガとか使ったら虜になるのかもしれませんけどね。

● にしてもですよ。筆記具の極細化が絶賛進行中の感がありますよね。ボールペンにしたって,ジェットストリーム・エッジに始まってね。
 ジェットストリームだったら0.7㎜がベストだ,と年寄りのぼくは思うんですけどね。

● 極細化を支えているのは,やはり高校生とかの若者たちでしょうかね。かく申すぼくも,若い頃は細ければ細いほどいいと思っていたものですよ。
 細い → シャープ&インテリジェント →カッコいい,と単純に思い込んでいたのかねぇ。今の若者も当時のぼくと同じ程度に愚かだ,とは考えづらいんだけどね。

2024年10月10日木曜日

2024.10.10 買って後悔したもの トラベラーズ・ファクトリーのブラスペンシル

● 買ってはみたものの,使う気にならなくて,長らく放っておいたトラベラーズ・ファクトリーのブラスペンシル。
 芯先を出すとこんな感じね。これ,使いこんでませんからね。ほぼ,未使用の状態ね。

● パーツをバラしてみる。鉛筆本体は76㎜。
 これだったら,最初から市販の補助軸に入れて使いたくなりませんか。ブラスペンシルのまま使うと,鉛筆として使える長さは50㎜しかないからね。

● 頭が重すぎてまともに使えない。紙に当てるときの角度は60°なんて言われるけれども,ブラスペンシルでは不可能な領域。親指と人差し指の縁で頭を受けとめて書くしかないからだ。

● あの冗談を形にしたとしか思えない BLACKWING の専用補助軸と,バカバカしさにおいては双璧を為す。
 どうしてこういうものを世に出したのかね。携帯に便利だろうってか。しかし,これ,シャツの胸ポケットに挿すと,ポケットが汚れるよ。

● いやいや,遊び心も必要だよ。実用一点張りじゃ息が詰まるだろ。
 さよう,然り。これを正当化できる理由は遊び心以外に思いつかない。

● しかし,だ。遊び心しかないのは困る。鉛筆に遊び心を求めるなよ。
 つーか,実用性を犠牲にしすぎだろ。遊び心と実用性のバランスが取れてないだろ。

2024年10月8日火曜日

2024.10.08 また,青森で鉛筆を買う

● また,青森にいる。クツワのホクサインのBと2B,STAEDTLER tradition の3Bを買った。
 青森で買わなくてもいいようなものだが,ぼくの地元ではあまりホクサインを見かけることがない。とんなものか一度は使ってみて実地に確認したかった。

● というのは,無理やり付けた理屈であって,要は買ってみたかった。“買う” という行為をしたかった。
 その鉛筆を買った成田本店の入口に貼ってあるパイロットの広告ポスター。この文案を見てグググッと来ちゃった人,ちょっとナイーブに過ぎると思いますよ。ナイーブは詩情の礎ではあるんでしょうけどね。

● 成田本店では,前回,uni の60周年記念鉛筆を買った。パッケージが3種あるのだが,ぼくが買ったのは水色のもの。
 他に,ピンクと藍色があり,どちらも成田本店には残っている。それも買おうかと思わないでもなかったのだが,やめておいた。1年365日,1日24時間,1秒の休みもなく使い続けたとしても,とても使いきれないだけの在庫を抱えている。
 が,次に来たときは,たぶん買ってしまいそうな予感がする。つーか,買うだろう。

● 旅先でもダイソーを覗いてみる。ダイソーなんだから,売ってるものは全国どこでも同じ。わかっていても,覗いてみたくなる。
 けど,当然ながら,買うものはない。帰ってから買えばいいわけだから。

● ところが,何も買わないで出ては申しわけないと思ってしまう気弱な人間なんですよ。そういうときに買うのはだいたい決まっている。ビニール付箋と鉛筆ね。
 ダイスキンフリークだつた頃は,ダイスキンやA6ノートを買ってたもんだ。百均なんだから財布も痛まないしね。安い無駄遣いをしちゃうわけですよ。

● というわけで,ダイソー新町通店で付箋と鉛筆を購入。付箋は間違いなく使うと思うが,鉛筆はここまで辿り着く前に,ぼくの寿命が尽きる公算が大きい。
 鉛筆は太軸ではない三角軸。国産で4本110円。握りやすさは六角軸に勝るが,芯の片減りに対応するために軸を回して握る箇所を調整するには,あたりまえだが六角軸に軍配があがる。

● ぼくが入れるのは文具店くらいのものだ。青森駅ビル「&LOVINA」3階の Standard Products でも文具売場しか見ない。
 北星クラフツマンのBと2Bは依然として欠品中。Bはバラで2本あった。

● Standard Products にある文具は,北星鉛筆の他には,ノートが数種。多くはA6のA罫。 
 A罫ならば,3Bや4Bの鉛筆を使って,描くように文字を書けるかもしれない。では買ってみるか,とはならない。

● CampusノートにもA罫は当然あるわけで,だったらCampusノートにするわ,と思っちゃう。
 この点に関してはコクヨの存在感は圧倒的だ。良くて安くて入手が容易。他のメーカーにとっては,コクヨをかいくぐって自社製品をどう売っていくか,頭が痛いことだろう。

2024年10月3日木曜日

2024.10.03 百円ショップも楽じゃない

● 盛岡の駅近くのイオン。その中に入っている100円ショップ Watts。
 置いてある鉛筆はすべて外国製。トンボ8900がベトナム製のほかは,全部中華製ね。

● その8900も2本で110円。文具店価格なんだな。  
 近くに DAISO があるから,苦戦してるでしょうな。DAISO だったら,3本で110円なんだから。
 百均も簡単に参入できる分野じゃないよな(中華製鉛筆は DAISO や Seria と変わらないようなのだが)。

● このノウハウとコネを作りあげるのが Watts の課題になるのだろうが,DAISO,Seria,CanDo で市場はすでに飽和状態だろうから,割って入ること自体が難しい。Watts は1995年の創業らしいんだけどね。
 そもそもの話,イオンは百円ショップより安い値段で売ってたりするんだから,その中に店を出してもねぇ。集客力をイオンにおんぶしてもらえる効果はあるんだろうけどさ。

● 左の写真はさくら市の Seria の鉛筆売場。三菱の9800と9000がある。
 9800は3本セットだ。Seria の実力でしょ。百均というのはそういうものでしょ。

● 9800と9000以外は中華製。ダースは消えて10本セットになってる。それでも,いかな中華製とはいえ,この時代にこれを110円で売れるのは驚異。
 あまり芳しからぬところも含めて,ノウハウの塊なんでしょうな。それと販売力が強大であることですか。

● ところで。上の写真の右側の NATURAL はかなりいい鉛筆ですからね。
 言っちゃ悪いけど,アンタ程度の人間が使うには充分すぎるからね。

2024.10.03 高橋真琴鉛筆

● 左の写真はコーリンのかきかた鉛筆。高橋真琴さんの挿絵はいいですなぁ。当時の女の子が夢中になったのも当然だと思いますわ。
 550円の値札が付いとります。頭も丸めてあるし,それなりの鉛筆だったんでしょ。この鉛筆を買ってもらえたのは,いいところのお嬢ちゃん?

● 狙ってそうしてるんだろうけど,2Bでも少しザラつきがある。
 Bと2Bの違いってけっこう微妙で,濃さはさほど違わないが,軟らかさが違う。軟らかさを求める人が2Bを買うんだろうな,と。
 その意味では,この鉛筆は間違いなく2Bだ。

● というような回りくどい言い方をしているのは,コーリンって同時代の三菱やトンボに比べると,若干,品質が落ちるんじゃないかと思っているからだ。HBの普及品で顕著だと思っている。
 この2Bはそうしたことを意識せずに,快適に使えるけどね。

● 今は芯製造専業メーカー(オリエンタル産業)も育って,ぶっちゃけ,鉛筆メーカー間の違いなんて無視していいレベルだと思う。三菱やトンボにしても,自社製品のすべてに自社製芯を使っているんだろうか。
 といっても,B2B の取引だから,専業メーカーが鉛筆メーカーに販売する芯に既製品はないはずだが。そこは両者で合作するという形になるのだろう。そのレシピは他社には漏らさない。

● そうなったのはいつ頃か。コーリンのこの鉛筆が出た頃には,すでにそうなりつつあったんじゃないかと思うんだけども。

● ま,そういう話はどうでも,筆箱代わりにするダース箱はこれで決まりかなという感じッス。
 挿絵の色褪せを防がなくちゃな。カラーコピーも取っておくかな。

2024年10月2日水曜日

2024.10.02 BLACKWING の “ワンステップシャープナー” を買いそうになった

● BLACKWING を使う気はないけれども,1回は試しに使ってみないと。というわけで,1本だけ買っている。
 BLACKWING とはこういうものかとわかったから,それはそれでいいんだけれども,キャップまで買っちゃっててね。やってもいい無駄遣いといけない無駄遣いがあるとすれば,これは後者かもしれん。

● なのに,“ワンステップシャープナー” をポチりそうになってね。すんでのところで思い留まれた。
 思い留まれたのは,Amazon のレビューに「この鉛筆削りでできるのは芯を折ることくらいです」というのが多かったからなんだけど。

● 「絶妙に湾曲したラインで芯を長く削ることにより,折れにくい完璧な先端を作り出す」って言っても,作り出す前に自分が芯を折ってしまっては話にならんじゃないか。アホかという話だ。
 その前に,中華製の手回し式携帯鉛筆削りに5千円も出そうなんてヤツは,どこのどいつだい?
 おっと,ブーメランが飛んで来そうだ。買っちゃうところだったんだからね。

● 湾曲したラインって,じつは目新しいものでもないしね。むしろ,ハンドル式の鉛筆削りで芯先まで直線に削れるものなんてないんじゃないか。
 大なり小なりRがつく。それを売りにしている鉛筆削りも存在する。

● そういうのを使えばいいんじゃないかね。5千円はしないで買えるし,一度買えば,たぶん,死ぬまで使い続けることができるだろう。
 BLACKWING の “ワンステップシャープナー” は,半年ごとに刃の交換が必要になる(たぶん)。

2024.10.02 鉛筆はそれぞれ違って,全部いい

● 鉛筆を使うようになって7ヶ月。Bの使いかけ鉛筆から使おうというわけで,数十年前に使いかけたものなんかで書いているのだけど,チョコチョコとそれ以外のものも使っている。
 でね,ノーマルユニのBの良さがわかってきた。もっと早くわかれよ,そんなの使った瞬間にわかるはずのものじゃないか,と言われそうなのだが,何度目かに急にピンと来た。他の硬度は使っていないので何とも言えないが,Bのユニはいい。

● まだ使っていない鉛筆がたくさんあるので,ちょっと以上に楽しみになってきた。
 ところで。鉛筆はキンキンに尖らせてはいけないのかもしれないねぇ。それでは鉛筆の一番美味しいところを取り逃すことになるのかも。

● 自分にはオーバースペックだと思いつつ,北星クラフツマンHBを使っておりますよ。箱買いすると1本92円。この品質で92円は安い。
 毎日ガシガシ書いても1ヶ月は保ってしまう。話にならないほど安い。

● Hi-uni の165円だって安いし,BLACKWING の500円も高いとは言えない。BLACKWING を使う気はないけどね。
 総じて,鉛筆は安い。その昔は庶民には高嶺の花もいいとこだったものだぞ。心して使うがいいぞ,諸君

● クラフツマンを使っているとホッとする。なぜか。鉛筆の軸が2枚の板を貼り合わせていることが歴然とわかるからだ。
 ジョイント工法の鉛筆も出ているが,今でも大方の鉛筆は同じように作られている。クラフツマンに限らない。それでも板の継ぎ目がわかりにくい鉛筆がけっこうある。
 クラフツマンはピシッとわかる。継ぎ目がわかるとなぜホッとするのかはわからないけど。

● というわけで,いくつかの鉛筆をチョコチョコと使っている。次は,ダイソーで4本110円で売られているアイボール製鉛筆のB。
 何か不満があるか。ない。まったくない。何もない。文字を書くためなら,これでいいじゃないか。