2014年3月6日木曜日

2014.03.06 ポメラに惹かれる話

● 昭和の末にワープロ専用機が登場したときの衝撃というか感動(?)は忘れられない。訂正が自由自在で,その痕跡が残らない。削除するのも追記するのも順序を入れ替えるのも思いのまま。自分が作った文書が活字で印刷されて出てくる。ファイル数冊分の文書がフロッピー1枚に収納できる。しかも,サクッと呼びだせて,編集できる。
 パソコンがワープロ専用機に取って代わり,表計算やゲームもできるようになり,ついにはインターネットまで個人のところに降りてきたわけだけど,ワープロ専用機に接したときの驚きは感じなかったもんね(パソコンもわりと早く買った方だと思うんだけど,パソコンを使いながらも,ワープロ専用機があれば充分じゃんってずっと思ってた)。

● 当然,これ欲しいと思った。が,数百万円。ところがねぇ,その2年後か3年後には買ってたんじゃないかな。機能はほとんど変わらずに,サイズが小さくなり,価格も十数万円になった。
 ちなみに,このとき買ったのは富士通のOASYS30msだったと思う。思うっていうか,たぶん間違いない。このワープロにはずいぶんお世話になった。

● それ以来,紙のノートやペンとは縁遠くなった。仕事で使うことはあったけど。
 というわけで,ずっとキーボード派。OASYS文書はOASYS側でテキストファイルに変換できたので,すべてパソコンに移行できている。

● それが,昨年6月に唐突に紙のノートに戻ることにした。戻るというか,紙のノートも使うことにした。理由は,パソコンに放り込むと,二度と見返すことがなくなるから。ブラックボックスに入ったようなものだ。
 もちろん,ここは人によると思うんですよ。ぼくの場合は,ってことなんだけど。見返さないのはパソコンのせいではなくて,たんに見返す価値がないからだとも考えられるしね。

● で,百円ショップで買ったA6の小さいノートに,ノベルティのボールペンでチョコマカ書くようになったんですけどね。
 その後,岡田斗司夫さんの『あなたを天才にするスマートノート』(文藝春秋)を読んで,やっぱり紙の方がいいんだよなと意を強くしましたね。

● だけど。ノートだとブツとして残ってしまうわけですよ。ブツとして残るからたまには見返すこともあるんだけど,10年,20年と溜まっていくのを想像すると,けっこうヤなんですよね。
 それとね,『スマートノート』のような使い方はしないわけですよ。しないっていうか,できない。あれは自分の人生や生活にきちんと対峙しようとする人向けのもので,ぼくみたいにチャランポランを良しとする人間には,まず続かない。
 実際にノートに書いていることは何かといえば,心に浮かんできたよしなし事。それをたんに書きつけているだけ。

● であれば,デジタルに戻しちゃおっかな,と。デジタルに戻るといったって,再びパソコンにってことにはならない。ノート&ペンの最大の魅力は機動性。その機動性を大きく損ないますからね。
 で,ポメラはどうかな,と。

● ポメラのことは知ってましたよ,もちろん。現代によみがえったワープロ専用機。が,いまいち食指が動かなかった。
 かつて,NECのモバイルギアというのがありましたよね。じつはこのモバイルギアを4台持ってるんですよ。うち,2台は乾電池で駆動するやつ。
 当時は,ミニパソコンのようなものだったんだけど,今はワープロ専用機としてしか使えない。が,ワープロ専用機として使う分には,今でも使用に耐える。
 というわけで,今さらポメラもな,って感じで。

● スマホでどうにかできないかっていう発想はあったんですけどね。あんまり色々持ち歩きたくないし。
 けれども,これはどうにもならないという結論。外付けキーボードはどうしたって必須。ところが,これがね,Bluetoothでつなぐにせよ,USBで有線接続するにせよ,かったるいでしょ。

● よしなし事ならそのままTwitterで流してしまってもいい。どうせ誰も読まないだろうけど,自動的にログが残る。ブラックボックス化も防げるかもしれない。
 ポメラから直接Twitterに流すことはできないけれど,スマホに移すのは簡単にできそうだ。となると,やっぱりポメラかな,と。今だったらDM100の一択かな,と。
 Twitter云々はべつにしても,テキストなんだから2GBのSDカードを入れておけば,容量が足りなくなるなんてことはあり得ない。来世までも使えるだろう。
 機動性も問題なさげだ。再び,デジタルに戻るとすれば,戻る先はポメラ。

● で,ぼくの中でポメラ熱が沸騰しちゃってね。すぐにもアマゾンで買っちゃいそうになって。
 待て待て。ダイスキンも無印ノートも買いだめしちゃってるじゃないか(たいした金額じゃないけど)。アナログに戻って1年も経ってないじゃないか。
 何とか冷まそうと思って,手書きの効用を説いているサイトを次々見たりしましたよ。たとえば,「糸井重里さんに聞いた「公私混同」する働き方」で糸井さんが次のように語っている。
 Twitterなどでは「使う言葉」を書いているけど,手帳では「出てきた言葉」を書いてるのが,面白いんですよ。
 あるいは,次のような記事
 下記のようなイギリスの調査結果を見つけた。 紙に日記を書くことと,PDA(個人用の携帯情報端末)を使ってネットにアクセスし,ブログに記載することの違いを調べたものだが,面白い結果が含まれている。紙で書くと「読み返しやすく,また,読み返したくなる」という点だ。
 よくわかる,よくわかるぞ。そうなんだよ。そのとおりなんだよ。

● 結局,思いとどまりましたよ。いったんは。でもね,たぶん買うことになるような気がする。
 これ,つまるところ,飽きからきますよね。ノートに手書きすることに飽きてきた。で,ポメラに行けば行ったでやっぱり飽きる。人は飽きる動物だ(おまえだけだよって言われるかもしれないけど)。
 だから,アナログとデジタルを行ったり来たりすることになるのかも。

● もっというと,どっちでもいいんですよ。どっちでもいいから迷うんでね。逆に,迷ってるときはどっちでもいいんですよ。
 まぁ,迷う楽しみってのもあるからさ。

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