2021年4月5日月曜日

2021.04.05 日本橋丸善

● 銀座線で日本橋に。ここで東西線に乗り換えればいいんだけど,急ぐ理由はないから,久しぶりに日本橋の地上に出てみた。
 雨が降っていたので,濡れないように丸善に逃げ込んだ。高島屋でも良かったんだけど,やっぱり丸善に。

● 日本橋であり丸善であり,となると,ここはやはり聖地ということになる。丸の内の方が大規模だし,本店でもあるのだが,こちらはこちらで存在感がある。建物の佇まいもそう思わせる理由のひとつだろう。
 丸善は書籍と文具をメインにそれ以外(たとえば眼鏡)も扱うという業態なんだけれども,丸善で書籍を見ることはほぼなくて,もっぱら文具に行く。

● 革職人展というのをやっている。バッグやペンケースなどの展示即売会。ぼくは遠巻きに眺めるだけだね。近づいていって職人さんと話すことができないんでさ。
 なぜできないかといえば,革製品にあまり興味がないからだということになってしまう。興味もなく買う気もない人に近づかれても迷惑なだけだろう。

● と思って,自分が使っている革製品を数えてみた。財布,名刺入れ(もう使うことはない),キーホルダー,トートバッグくらいのものか。システム手帳のバインダーもそうだったか。
 ベルトや時計のバンドは? ここ20年ほどベルトを締めたことがない。時計も同じ。財布も名刺入れもキーホルダーもトートバッグも,奥さんが買ってきたものを使っているだけのことだ。

● 革って高級素材の代名詞的存在だけれども,あまり思い入れもないかな。革の質感とか肌触りとか,そういうものに対する感性が鈍いのかもしれないんだが。
 実用性を優先するのであれば,バッグ類はナイロン製をもって最上とする。装うための手段だというなら,持ち物で自分に付加価値を付けようとするのはそもそもが下品である,と言っておけばいいだろう。場に合わせなければそこにいる人を不快にするという人がいれば,それなら装う以前にしなければならないことがあなたにはあるはずだ,と言ってやればいいだろう。
 といって,革に恨みがあるわけではない。革に対する感覚の鋭い人が革製品を愛用するのはすこぶる自然なことだ。

● システム手帳の棚では,やはりフランクリン・プランナーの充実ぶりが目立つ。フランクリン・プランナーの直営店がここからほど近い八重洲地下街にあるのだが,あまりお客は入っていない。
 フランクリン・プランナーの理念に共感してうちでも売りたいということではないと思うのだ。売ったときの利幅が大きい,あるいはキックバックがある,ということなのだろう。
 メーカーとすれば丸善に置いてもらうこと自体に価値がある。販売店とすれば売れ筋である能率協会のBindexやレイメイ藤井のDavinci,デザインフィルのPLOTTERは揃えておかなければならないとして,それ以外は自店の特徴やイメージに合わせた品揃えにしたい。
 デキる系,意識高い系が使っている感のある(実際にはどうだかわからないが)フランクリン・プランナーを揃えておくのは,店側の思惑にも合致するのだろう。

● 3Mのこんな製品もあった。これってポップアップで付箋を取り出せるようにしたケースで,そのケース自体をノートやパソコンに貼り付けておけるというもの。それだけのもの。
 間違ったってこの写真の女性のような使い方をするはずがないでしょ。もしこんな使い方をしている人がいたら,吹いちゃうでしょ。
 けれども,丸善の売場でこれを見ると,カッコいいと思ってしまうんだよね。こういうバリバリ人間ってカッコいい,って。
 そのイメージに自分も近づこうとしちゃう。危ない,危ない。

● ここにいたのは13時過ぎなんだけど,近くで働いているとおぼしきOLさんがやってきて商品を物色している。そういう人を何度か見かけた。
 仕事で急に必要になって買いに来たのだろうと思うんだけど,そんなに急いでいるふうでもない。ゆっくりしているというのではないけれど,悠々とはしている。それでよろしいのですよね。

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