2021年4月29日木曜日

2021.04.29 鉛筆迷走-トンボ鉛筆の8900を買っちまった

● トナリエ宇都宮4階のダイソー。鉛筆売場を見ると,2Bが標準になっていることが歴然。HBの時代は終わったのか。
 どういうわけなんだろうと思って,帰宅後,HBの鉛筆を使ってみると,たしかに墨芯の線が薄いなと感じるし,書き味も硬いと感じる。これをずっと使い続けると腱鞘炎になりやすいかもねぇ。

● 昔はマークシート方式の各種試験でもHBと指定されていた。しかし,機械で読み取るのも2Bくらいの濃さがあった方がいいのじゃないか。
 で,今は2Bが推奨されているんだろうか。それゆえ2Bが標準になったと。機械に合わせて人間界の標準が変わったと。

● ググってみた。そういうことではないようだ。
 三菱鉛筆の広報担当・神崎由依子さんは「入学時に2Bの鉛筆を購入し,そのまま高学年になってからも使い続ける人が増えているのではないでしょうか」と話します。
 トンボ鉛筆の広報担当者はこう話します。「鉛筆の出荷量が減った背景には,銀行や役所,オフィスなどで使う機会が減ったことがあります。つまり,相対的に教育現場が中心となってきたために,HBから2Bへ移行しているのです。これからも鉛筆が『子どもたちが最初に触れる筆記用具』でありつづけるために,使う側のニーズに合わせた良質な鉛筆を作り続けていきたいと思います」
 たしかに,ぼくらが小学生の頃から「書き方鉛筆」というのはあった。芯もBか2Bだったのではなかったか。「書き方鉛筆」を使うのは低学年で,だんだんHBに移行してきたのかもしれない。
 ただ,ぼくが今,鉛筆を使うとしたらやっぱり2Bにするね。以前,シャープペンを使っていたときも芯はHBではなかった。仮にオフィスで鉛筆が使われるようになったとしても,選ばれるのはHBじゃないような気がするんだけどね。

● 以下,使わないなと確認したはずの鉛筆を懲りずに買ったという話。トナリエ8階のヨドバシ文具売場に移って,トンボの8900(2B)を買ってしまったんですよ。トンボ鉛筆8900番70周年限定セットをゲットして,“使わない” がブレてしまったか。
 これだけボールペンが進化していて,万年筆も安価で完全な実用性を備えたものが出ているなかで,鉛筆を選択するのはそれなりの理由があってのことだと思う。「描く」の場合は鉛筆でなければならない理由があるのかもしれないが,「書く」にそれがあるとは思われない。

● 夜になると鉛筆の字は見えにくくなる。蛍光灯では光が反射して見づらくなる。
 2BよりHBが,つまり硬い芯の方が,いっそうそうなるようだ。これも鉛筆の弱点になるかな。

● 下敷きが必要になるところも鉛筆を使うことのデメリットのひとつだ。両面使用の場合は下敷きを使わないと,前ページに書いたものが前々ページに転写されてしまう。
 それを避けようとすれば(完全には避けられないのだが),Hや2Hのような硬くて薄い芯を使わなければならない。黒々とした線が好きだという場合は,いかんともしがたい。

● 実際に鉛筆で何ごとかをノートに書いていくと,数行でやっぱり無理だなと思うことになる。鉛筆を使う局面があるとしてもここではない別のどこかだな,と。
 そのどこかが自分に必要なものかどうか。必要ならいずれ遭遇するだろうし,不要なら出逢わないだろう。たぶん不要だから出逢わない。
 が,いつでも鉛筆で書ける用意だけはしておこうと思う。現時点ではそこが自分の実態と欲望(?)との妥協点。

● にもかかわらず,鉛筆で書いてみたくなるのはいかなる心理作用によるものか。
 たとえば上手に配置されたタイプライターの写真を見て,パソコンではなくてタイプライターのキーボードを叩いて文章を書いてみたいなと考えるのと同じか。要するに,ノスタルジック願望というか,昔の遊びで遊びたいということかなぁ。
 それとも,他に何か鉛筆の持つ誘引力があるんだろうか。木や墨芯の匂いといった情緒的なものではない何か。

● 子供の頃,正式な文書には鉛筆を使ってはいけないのだと聞いた。手紙やハガキも鉛筆で書くのは失礼になるのだそうだ。
 それで,子供の頃は早く鉛筆を卒業して,正式な文書とやらにも使える万年筆を自分も使ってみたいと思っていた。中学校の入学祝いが万年筆だったのも(今はそういう習慣はないのかもしれないが),君も大人の仲間入りだよという意を込めたものだったのかもしれない。13歳の少年の何かをくすぐるものがあった。
 それが,この歳になって,早く離れたかった鉛筆を使いたくなるのは,ほんと,どういう心的機序によるものか。

● 鉛筆を使うのであれば,どういう用途に使うのであれ,鉛筆は8900で充分。ヨドバシだとダースで374円と他より安いので,とりあえず買ってみたわけだけどねぇ。
 ちなみに,8900は MADE IN VIETNAM なんですね。ベトナム製なら信用できる。根拠はないんだけど,ベトナムのモノ作りなら安心だと思う。

● ダイソーで買った鉛筆削りがどうもなと思ったので,クルクル回して削るタイプの鉛筆削りを買った。でも,ダイソーのと同じ感じ。
 削れているのになおハンドルを回していると思う。削れたよというサインが鉛筆削りから出てこない。安物はダメかなぁ。手頃なのを持ってたんだけど,もう鉛筆を使うことはないと思って,捨ててしまったんだよな。大昔に。
 ヤフオクは送料が高すぎてダメ。Amazonで物色中。

● でも,今日買った鉛筆も結局は使わないんだよ。なのに,なぜ鉛筆削りを買う? 誰か俺を止めてくれ。


(2021.04.30 追記)

 宇都宮市福田屋2Fの無印良品で鉛筆削りを買った。大きい方。990円。
 昨日買ったトンボの8900を5本削った。OKだ。削りすぎることがない。やっとまともな鉛筆削りに出会えた。
 しかし,鉛筆は使わないのだ。ということは・・・・・・場所ふさぎだし邪魔だし,お金を払ってゴミを買っちゃった? しかも,2日で2つも。

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