2024年8月23日金曜日

2024.08.23 三菱鉛筆一強時代?

● 酒米を磨きに磨いて,その酒米だけで酒を造る。純米大吟醸というのは,メーカーを超える。どれも似たものになる。一点に収斂する。
 鉛筆も上質の黒鉛を微細に砕き,これまた上質の粘土だけを使って作ると,メーカーの持ち味は消える。どの製品も同じようになる。

● そこで。文具店の鉛筆売場に行く。Hi-uni と MONO100 がある。価格はどちらも165円。品質と書き心地も同じ。
 しかし,片や MADE IN JAPAN,片や MADE IN VIETNAM。さて,どちらを買いますか。

● トンボはフラッグシップの MONO100 を含めて,すべての自社製鉛筆の生産拠点をベトナムに移した。
 ベトナム人は勤勉だし,手先も器用だし,向上心も旺盛だ。これらの点で日本人に劣るとは思えない。ハイエンド製品の製造を委ねても,何ら問題はあるまい。

● まして鉛筆だ。7NMの最先端半導体を製造するのとはわけが違う。ベトナムでもタイでもインドネシアでも,最高品質の鉛筆を量産するのは比較的容易であろうと思う。
 しかし,MADE IN JAPAN と MADE IN VIETNAM,どちらを買いますか。

● 鉛筆に関しては三菱一強の方向か。三菱鉛筆は MADE IN JAPAN を前面に押し出した訴求を強めて行くだろう(現に強めている)。
 北星鉛筆以下の国内メーカーにとってはトンボから販路を奪取する機会到来ではないかと見る。

● 価格面においても,トンボは三菱と差を付けられることになるだろう。MONO100 が Hi-uni と同じ価格を維持できるとは考えにくい。
 8900 はひと足早くベトナムに移ったが,以後,ヨドバシの文具売場では 8900 は三菱の 9800 より安く売られるようになった(Amazon では,HBでの比較だが,9800 がダース424円なのに対して,8900 は380円)。同じことが MONO100 においても起こると見るのが順当だ。
 それでも,消費者の多くは MADE IN JAPAN の三菱を選ぶだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿