鉛筆も上質の黒鉛を微細に砕き,これまた上質の粘土だけを使って作ると,メーカーの持ち味は消える。どの製品も同じようになる。
● そこで。文具店の鉛筆売場に行く。Hi-uni と MONO100 がある。価格はどちらも165円。品質と書き心地も同じ。
しかし,片や MADE IN JAPAN,片や MADE IN VIETNAM。さて,どちらを買いますか。
● トンボはフラッグシップの MONO100 を含めて,すべての自社製鉛筆の生産拠点をベトナムに移した。
ベトナム人は勤勉だし,手先も器用だし,向上心も旺盛だ。これらの点で日本人に劣るとは思えない。ハイエンド製品の製造を委ねても,何ら問題はあるまい。
● まして鉛筆だ。7NMの最先端半導体を製造するのとはわけが違う。ベトナムでもタイでもインドネシアでも,最高品質の鉛筆を量産するのは比較的容易であろうと思う。
しかし,MADE IN JAPAN と MADE IN VIETNAM,どちらを買いますか。
● 鉛筆に関しては三菱一強の方向か。三菱鉛筆は MADE IN JAPAN を前面に押し出した訴求を強めて行くだろう(現に強めている)。
北星鉛筆以下の国内メーカーにとってはトンボから販路を奪取する機会到来ではないかと見る。
● 価格面においても,トンボは三菱と差を付けられることになるだろう。MONO100 が Hi-uni と同じ価格を維持できるとは考えにくい。
8900 はひと足早くベトナムに移ったが,以後,ヨドバシの文具売場では 8900 は三菱の 9800 より安く売られるようになった(Amazon では,HBでの比較だが,9800 がダース424円なのに対して,8900 は380円)。同じことが MONO100 においても起こると見るのが順当だ。
それでも,消費者の多くは MADE IN JAPAN の三菱を選ぶだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿