鉛筆ってまだあったんだ,と言っているが,これはまぁ許すことにしよう。ずいぶん浮世離れしているのか,強調話法なのか知らないけれども,まぁ,どっちでもよろしい。
● 北星鉛筆を取材したときの話で,北星側が伝えたことをそのまま紹介しているようだ。
その北星を,キタボシではなくホクセイと言ってる時点で,トットと引っ込め,このクソジジイ,と思ったことであったよ。
● 今の子供は筆圧が弱くなったという話が最初に出る。そうであっても正しく鉛筆を持てれば云々という,お決まりのパターン。
本当なのか。そんなデータがあるのかね。ぼくは昔の子供だけれども,筆圧を測られたことなど一度もなかったがな(測る方法があるのかどうかも知らんが)。今の子供が筆圧が弱くなる理由も思いつかんね。
● このあたりについて,ぼくの意見を言わせてもらうと,昔の子供にもBか2Bを使わせるべきだったんだよ。
昔はHBが標準だったわけだが,なぜそうだったのか。メーカーがHBを標準硬度にしているんだからと,何も考えずに(何も考えずに,だよ)HBを児童に押しつけてきたのが,当時の教育界の実態だったんじゃないか。
● 大人でも大量に書く人は2Bを使うだろう。手書きで(しかも鉛筆で)原稿を書いているプロの作家には2B使用者が多いんじゃないか。
毎日数時間も鉛筆を使う小学生にHBを使わせるなんてムチャだったんだよ。HBでは硬すぎるんだよ。持ち方がどうのこうのと言う以前の話だ。
● それを今のジジイどもは自分の経験を是として,それを疑うことを知らない。2Bが標準だなんて,今の子供は情けないくらいに思ってるんじゃないか。
鉛筆を正しく持てなくなったのも,スマホを使いすぎるからだとか,根拠のないことを思い込みだけで語って恥じることがない。
● だいたい,鉛筆の「正しい」持ち方など誰が決めたのか。ぼくは,鉛筆に「正しい」持ち方などない,自己流に勝る正統なし,と思っている。
自分が不自然さを感じない持ち方なら,それで良し。「正しい」とされる持ち方に気を取られるより,自己流を洗練させることに意を用いよ,という意見だ。
● かつ,「正しい」とされる持ち方をしていない子供は,昔もいた。今と比べて少なかったとも思わない。それが問題にされることがなかっただけだ。
人を放っておくことができないお節介な暇人が増えただけではないか。放っておいて差し支えないことは放っておくのが正しい。“小さな親切,大きなお世話” ということがある。
● 小学校で2Bを推奨するようになったのがいつで,それがどういう理由によるのか,ぼくは知らない。ので,まったくの当て推量なのだが,公文の功績(と言っていいだろう)が大きいのではないかと思う。
公文は小さい子どもたち(未就学児)をよく見ていた。現行鉛筆では合わないと考えて,三角太軸を出した。しかも,最適硬度は6Bとした。
このあたりから初等教育の現場にも広がって行ったのではないか。
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