● 調布にやってきた。駅から歩いて0分のトリエ京王調布A館の4階。くまざわ書店が入っているので,雑誌の立ち読みでもしようかなと思ってさ。文具も見たいし。
先日,アルカキット錦糸町に入っているくまざわ書店の文具売場に感心したばかり。が,ここは手帳売場しかないようだった。
● 隣に「ハンズ ビー」があった。東急ハンズの系列がなにゆえ京王の駅に店を出しているのかと思うのは,昭和の発想ね。しかも,昭和50年以前の発想のような気がするね。
文具も扱っているんだけど,ありきたりの実用文具は少ない。もちろん,売れ筋は押さえていると思うんだけど,かといって,手帳だったらロルバーンはあるけれども,NOLTYや高橋はない。
● それよりもたとえばこんなやつ。小型のステッカー。洒落のわかる人御用達。あるいは遊べる人御用達。オッサンが立ち入るところじゃなかったかもね。
要はシールだもんね。それが400円するんだからさ。決して安いものじゃないんだよね。
● でも,価値というのは,つまるところ主観で決まるんだよね。ぼくがこれは400円の価値はあると思えば,400円は正当な価格なのだ。で,こういうものに400円の価値を認める人が一定数いるわけだ。だから置いてある。主には若い人たちが買うんだろうけれど。
ということは,若い人たちのそうしたマインドというか何に価値を見いだすかというのは,ぼくの想像の及ばないはるか向こうにあるってことだなぁ。
● ぼくはこういうものに400円は出さないから。400円あればダイスキンが4冊買えるんだよ。と,思っちゃう。実用一点張り。購入するかしないかの最大ポイントはコスパ。
考えてみりゃあ,水準が低い。っていうか,貧しい時代の発想だ。20世紀的価値観から一歩も出ていない。
ぼくなんか昭和40年代に育ったから,昭和40年代の空気の中で人生観も価値観もおおよそできあがっている。その後,それをアップデートする作業はしていない。だからこうなる。
つまり,今の時代とぼくの間には乖離があると思う。その幅はぼくが思っているより大きいかもしれない。
● 今の若い人たちはバブルも知らないし,経済は成長するものだという実感もないと言われる。たしかに,それはそうかもしれない。彼らが生まれたときはすでにデフレ色が濃かったろう。
しかし,美に対する感覚,仕事に対する感覚,楽しむことへの抵抗のなさ,そういうものははっきりぼくらより先を行っている。時代に密着している。
● 付いていかなければならないと思うのだが,昭和40年代を振り捨てるのはなかなか容易ではない。
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