何ごとによらず,100回続くのは大したものだね。ダメだと思ったときにサッとやめるのはもっと大したものだけど。
● ともかく,100号記念。巻頭の特集は,高畑正幸,きだてたく,他故壁氏の3人が,Bun2大賞を受賞した文具の中から,大賞 of 大賞 の文具を語っている記事。選んだのは次の10点。
1 カクノ(パイロット)
インク沼の起点となった。インクの数だけ万年筆を買うという消費行動を作った。
2 クルトガ(三菱鉛筆)
客単価を上げた。500円,1,000円のシャープペンを普通に持つようになったのは,クルトガから。
3 ココサス(ビバリー)
4 ジェットストリーム(三菱鉛筆)
文具に興味がなかった人も文具を語れるようになった。文具ライターとして飯が食えているのはジェットストリームのおかげ。
5 ソフトリングノート(コクヨ)
右ページしか使えなかったリングノートの,左ページも使えるようにした。
6 バイモ11フラット(マックス)
7 フィットカットカーブ(プラス)
切れ味抜群のハサミ
8 フリクションボールペン(パイロット)
ノック式が出て急速に普及した。ヨーロッパではノック式は安っぽいと思われるきらいがあるが,日本は逆で,キャップ式は馴染まない。
9 ブレン(ゼブラ)
インクの性能が書きやすさを決めるという風潮を変えた傑作。デザインもその後の潮流を作る起点になった。
10 ペンカット(レイメイ藤井)
ペン型ハサミ
以上のような話をしながら,「日本では,この十数年の間にこれだけいろいろな文房具が出ているけど,海外をみると文房具はほとんど進歩していないんだよね」と総括する。
● 加えて,高畑文具王が最近の筆記具に見られる傾向をまとめている。
カタログスペックよりも「その製品を所有し,使うことに対する感性的な満足感を向上させるデザイン」を重視している。「無駄な装飾を減らし極力シンプルにする」とともに,「視覚で感じる形や色から,指先で感じる触覚的要素へ」「働きかけるデザインになりつつある」。
一定以上の筆圧がかかると,ペン先がしなる仕組みのボールペンもある(ゼブラのビモア)。さらに,聴覚や嗅覚にまで入り込んでいる。ノック音を低減する工夫や,香り付きのインク。
● 他にも,面白い記事があって,読み応え充分。
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