2025年5月23日金曜日

2025.05.23 70周年記念のトンボ8900を使ってみた

● 70周年記念のトンボ8900(HB)。“THE JAPANESE CLASSIC 70th ANNIV.” と印刷されているが,この時点でとっくに MADE IN VIETNAM になっている。
 それはともかく。相当いいじゃないですか。トンボのHBにしては,濃い。濃いめ好きのぼくとしては,北星9500と甲乙つけがたいと受けとめた。

● 70周年記念ゆえ,ちょっといいものにしてるんですかねぇ。そんなことはないのか。いや,缶ペンケース付きとはいえ,6本で890円で販売したのだから,市中品の8900と同じものを入れてるわけではなさそうだ。
 もしこれが市中品と同じなら,生産拠点をベトナムに移して,さらに品質が上がっていることになる。

● トンボが8900を世に出したのは,日本が史上空前の窮地に置かれた1945年。以来,トンボは8900の品質改善を不断に行ってきたはずだ。
 少なくとも,今の8900はぼくが子供の頃だった8900とは別物になっているだろう。

● トンボに限らず,各社ともそうだろう。三菱とトンボの凄いところは,はっきり変えたところでも同じ品番で吸収してきたこと。それくらい品番自体が屹立したものになっていた。
 もちろん,コロコロ変えたものも一方ではあるのだが,“不滅の法灯” を一つでも二つでも持てたメーカーはやっぱ大したものだ。そもそもの発端はたとえ偶然であったとしても,だ。

● ぼくの年代は当時の鉛筆で鉛筆のイメージを作ってしまっている。大人になって鉛筆から離れると,そのイメージをアップグレードしないままだから(どうせもう使わないのだから),鉛筆を過小評価することになる。
 鉛筆にとっての不幸だ。年輩者の記憶にあるのより,たぶんずっと良くなっている。

● 40年前に使いかけにした8900を使ってみた。70周年記念と比べると,はっきり硬いし薄い。黒鉛を節約している感じ?
 こちらの方を好む人もいるだろうが,これがトンボ標準だとすると,ぼくならトンボはBを使いたい。




(追記 2025.05.25)

● 70周年記念と市中の8900が同じなのか違うのか。40年前のものではなくて,現在のと比べてみないとね。
 やっぱり違うようだ。8900という品番はそのままに,不断に改良を加えてきたに違いないのだが,現在の8900は70周年記念よりは40年前の8900に近い。

● 70周年記念の方は,2558を彷彿させる書き味。市中品の8900より濃いめ,軟らかめ,したがって書か味が滑らか。
 2558はさらに滑らかなような気もするのだが,かなり近い。ひょっとすると,2558の芯を使っているのかもしれない。 

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