それはともかく。相当いいじゃないですか。トンボのHBにしては,濃い。濃いめ好きのぼくとしては,北星9500と甲乙つけがたいと受けとめた。
● 70周年記念ゆえ,ちょっといいものにしてるんですかねぇ。そんなことはないのか。いや,缶ペンケース付きとはいえ,6本で890円で販売したのだから,市中品の8900と同じものを入れてるわけではなさそうだ。
もしこれが市中品と同じなら,生産拠点をベトナムに移して,さらに品質が上がっていることになる。
● トンボが8900を世に出したのは,日本が史上空前の窮地に置かれた1945年。以来,トンボは8900の品質改善を不断に行ってきたはずだ。
少なくとも,今の8900はぼくが子供の頃だった8900とは別物になっているだろう。
● トンボに限らず,各社ともそうだろう。三菱とトンボの凄いところは,はっきり変えたところでも同じ品番で吸収してきたこと。それくらい品番自体が屹立したものになっていた。
もちろん,コロコロ変えたものも一方ではあるのだが,“不滅の法灯” を一つでも二つでも持てたメーカーはやっぱ大したものだ。そもそもの発端はたとえ偶然であったとしても,だ。
● ぼくの年代は当時の鉛筆で鉛筆のイメージを作ってしまっている。大人になって鉛筆から離れると,そのイメージをアップグレードしないままだから(どうせもう使わないのだから),鉛筆を過小評価することになる。
鉛筆にとっての不幸だ。年輩者の記憶にあるのより,たぶんずっと良くなっている。
こちらの方を好む人もいるだろうが,これがトンボ標準だとすると,ぼくならトンボはBを使いたい。
(追記 2025.05.25)
やっぱり違うようだ。8900という品番はそのままに,不断に改良を加えてきたに違いないのだが,現在の8900は70周年記念よりは40年前の8900に近い。
● 70周年記念の方は,2558を彷彿させる書き味。市中品の8900より濃いめ,軟らかめ,したがって書か味が滑らか。
2558はさらに滑らかなような気もするのだが,かなり近い。ひょっとすると,2558の芯を使っているのかもしれない。
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