2025年5月30日金曜日

2025.05.30 また,クツワ補助軸礼賛

● 補助軸は,ミミックやポイント,たんぽぽ,伊東屋など,複数の補助軸をそのときの気分で選んでいる。
 何度も書いていることなのだが,最も頼りになるのは(したがって,最も頻度高く手に取るのは)クツワ。ネジ式もノック式も鉛筆の固定に1㎜も不安を抱かせない。堅牢で,鉛筆をホールドするという補助軸本来の役割を最も遺漏なく果たしてくれる。

● 鉛筆って芯と木軸の一体性が大事な肝。なのに,鉛筆と補助軸の間にわずかでも隙間ができると,すべてが台なしになる。それがけっこうなストレス。クツワなら安心しきって委ねることができる。
 鉛筆がある程度長ければたいていの補助軸で問題なしなのだが,いよいよ短くなってきたときに,それぞれの補助軸の特性が出る。極度に短くなった鉛筆でも,クツワならガタつくかもという不安に曝されることがない。
 他の補助軸だと,少しビクビクしながら使うことになる。実用性に軸足を置いているのがクツワということ。

● 最近,STAEDTLER も多用するようになった。STAEDTLER もガッツリとホールドしてくれるが,鉛筆が短くなると,クツワとの差が出る。鉛筆がいよいよ短くなってくると,使える補助軸はクツワしかない。
 いよいよ短くなった鉛筆はクツワの補助軸でしか使えないとなると,ある程度長いうちからクツワを使ってればいいじゃないか,となる。たぶん,明瞭にそうなるんじゃないかとと思う。

● 素材はいずれもアルミ。真鍮は味わいはあるのだが,味わいだけでは補助軸にならない。実用性を完全に満たしているくれる方に傾くのは仕方がない。
 もっとも,アルミ製であることが極度に短くなった鉛筆でもしっかりホールドする理由であるのかどうかは知らない。そのあたりは,こちらのブログの解説が参考になる。

● この,文具店の学用品売場にある,工業製品然とした,鉛筆の補助軸ですよという表情しか持たない,安価な補助軸が,実用性においては群を抜く。補助軸のプロユースというものがあるのかどうか知らないが,鉛筆をヘビーに使う職業の人が選ぶ補助軸は,たぶんクツワに収斂するのでは,と思ってみたりする。

● 中には,鉛筆が木軸なのだから補助軸も木製でなきゃ,と考える人もいるようなのだが,その感覚はぼくの理解の外にあるものだ。木軸なのは鉛筆で完結しているのだから,補助軸は金属だろうが樹脂だろうが,そこにはこだわらない。
 むしろ,木製の補助軸は無意味に厚ぼったくなっていて,使う気を刺激しないものが多い。

● いわゆる工房系は,頭の毛が3本足りないヤツが使うものだという,根拠のない偏見がぼくにはあって,木製補助軸が工房系に多いこともあり,木製は選択肢に入れていない。
 工芸品あるいは工芸調の強いものは敬遠したいと思っている。工業製品であって欲しい。少なくとも,工業製品に見えるものであって欲しい。手作り感はない方がいい。あれは感興を削ぐ。

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