9800は2H〜2Bの6種しかないが,以前はもっと多彩だった。ぼくも古い9800の5Bを持っている。こうした絵描き硬度はuniシリーズで提供すればいいとなったのであろうが,9800とuniで違いを出すのが難しかったという裏(?)の事情もあったのではないかと邪推している。
● 文字書きユーザーとすれば,HBやF,Hといった硬いものはuniシリーズを使い,Bや2Bは9800や9000で良しとするのが,賢い対応であるかもしれない。セコいけど。
● 鉛筆に関しては,自分とっての決定版はなかなか決められないものだ。「自分」が絶えず揺らいでいる存在だからということの他に,Hi-uni と9800の間にビックリするほどの違いはないからだ。
価格差ほどの違い(Hi-uni1本で9800を3本買える)があるとは思えない。わずかに良くなると,価格はドンと上がる感じ。指数関数的とまでは言わないが,直線的に比例するものではない。
● 加えて,9800で実用性は完全に満たしている。三菱なら9800→9000→uniシリーズと続くわけだが,9800で充分なものだから,その上に行くことの効用をさほどに感じることがない。
Hi-uni の良さはわかる。わかるけれども,だからといって9800に不満を感じるわけではない。
ぼく一個の意見は,小学生には Hi-uni を使わせた方がいいが,大人は9800でいいんじゃないか,というものだ。
● 自分にとってこれが決定版だという1本はそもそも存在しないとすれば,ずっといろんな鉛筆を使い続けるしかない。
ただ,その範囲はある程度絞れてくるだろう。絞れてはくるが,この1本を特定することは,百年生きてもできないような気がする。
● 鉛筆に限らず何でもそうかもしれない。たとえば,ビールならスーパードライと決めてる人でも,それは怠惰の現れでしかない可能性がある。決めてしまった方が楽だから,ほどほどのところで決めているのだろう。
そこを厳密に追求したのでは身体を壊してしまうかもされない。そんなことを本気で追求するなど,狂気の沙汰と言うしかない。ほどほどのところで収まるしかないものだ。
● が,鉛筆に関しては,ほどほどのところであっても決めない方がいいと思う。「決まらない」状態を続けるのが最適解のような気がする。
それでも範囲は絞られてくるだろうが,じつは,その自ずと絞られてくる状態すら拒否するのがいい。
● ともあれ。自分にとっての決定版を求めること自体をやめるのが正解なのかもな,と。存在しないものを求めるのはやめる。
万年筆でもボールペンでもなく,鉛筆を選択した時点で,絞り込みは完了しているとも言える。
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