● 宇都宮の福田屋(竹林の方)3Fに入っている上野文具にあったので,ひとつもらってきましたよ。年1回発行のトラベラーズカンパニーのPR紙。
PRには違いんだけども,内容も紙面の構成も洗練されてて都会的。かっこいい。
PRには違いんだけども,内容も紙面の構成も洗練されてて都会的。かっこいい。
● だいたいね,表紙に踊るコピーが,Trip with Your Imagination and TRAVELER'S notebook! ですよ。想像力とトラベラーズノートを抱えて旅に出よ,ですよ。
旅は,思考する。
旅は,発見する。
旅は,想像力を解放する。
旅は,自らの内面をさらけ出す。
そのすべてを受け入れ,
ここに書き留めよ。
旅は,発見する。
旅は,想像力を解放する。
旅は,自らの内面をさらけ出す。
そのすべてを受け入れ,
ここに書き留めよ。
刺さりますよね,このコピーは。「旅するように毎日を過ご」すことができれば,毎日が思考と発見と想像力の解放の日々になるわけですよ。理屈的にはそうなる。
現実はそうじゃないことくらい誰でも知ってるけれども,この理屈にはすがってみたくなるでしょ。なりません?
「一箇所に留まらずに,動き続ける精神のことを Free Spirit と言います。このノートがあなたの Free Spirit を呼び覚ますきっかけになってくれれば幸いです」ともある。Free Spirit かぁ。いよいよズンズンと刺さってくるじゃないですか。
「一箇所に留まらずに,動き続ける精神のことを Free Spirit と言います。このノートがあなたの Free Spirit を呼び覚ますきっかけになってくれれば幸いです」ともある。Free Spirit かぁ。いよいよズンズンと刺さってくるじゃないですか。
● 日本人は,いつ頃からかは知らないけれど,一箇所にとどまるようになった。侍も農民も商人もひと所に居住し,動き続けることからは遠くなった。稀にそういう人がいると,漂白の詩人などと呼ばれて,カースト外に祭りあげられてきた。
戦後は終身雇用という言葉ができた。若いときに入った会社で定年まで勤めあげるのが良しとされた。そうした方が生活も安定するから,人々はひと所で囲い込まれるように努力した。
一方で,そうだからこそ,束の間の自由を求め続けるというね。自分でそれを選んでおきながら,ここにいる自分は仮の姿だと,訳のわからないことをつぶやきながら過ごしてきた。
今となっては昔の話になったのかもしれない。いや,今でも基本は同じですか。
戦後は終身雇用という言葉ができた。若いときに入った会社で定年まで勤めあげるのが良しとされた。そうした方が生活も安定するから,人々はひと所で囲い込まれるように努力した。
一方で,そうだからこそ,束の間の自由を求め続けるというね。自分でそれを選んでおきながら,ここにいる自分は仮の姿だと,訳のわからないことをつぶやきながら過ごしてきた。
今となっては昔の話になったのかもしれない。いや,今でも基本は同じですか。
● そうしたいびつな自由を希求する人たちに,トラベラーズノートはグッと来る形状でもあったろう。いかにも自由を具現化したように見える。他のノートとは一線を画している。
紙を束ねて皮カバーで包んで,紐で綴じただけという風情を醸している。実際には緻密に計算されているわけだが,ラフさの演出は見事と言うほかはない。
紙を束ねて皮カバーで包んで,紐で綴じただけという風情を醸している。実際には緻密に計算されているわけだが,ラフさの演出は見事と言うほかはない。
● トラベラーズノートはオンリーワンだ。ダイソーが300円でトラベラーズノート様のものを出しているけれど,あれはトラベラーズノートの代わりにはならない。あくまで別物。
そこがダイスキンとは違う。ダイスキンはモレスキンと対比されることが,販売の推進力になっている。なぜそれが力になるかといえば,モレスキンが粗悪だからだ。だから,モレスキンの20分の1の価格でモレスキンと同等のものが作れるなんて凄いね,となる。
が,トラベラーズノートの場合は,13分の1の価格で同じものを作れるなんて凄いね,とはならない。ぜんぜん違うものだから。
そこがダイスキンとは違う。ダイスキンはモレスキンと対比されることが,販売の推進力になっている。なぜそれが力になるかといえば,モレスキンが粗悪だからだ。だから,モレスキンの20分の1の価格でモレスキンと同等のものが作れるなんて凄いね,となる。
が,トラベラーズノートの場合は,13分の1の価格で同じものを作れるなんて凄いね,とはならない。ぜんぜん違うものだから。
● コロナ禍で旅はしづらくなっている。編集子はこう語る。「どこかへ移動する旅はできなくても,家に居ながら想像の中で旅をすることはできる」「旅ができない時こそ,旅するように毎日を過ごしたい」。
いや,旅するように毎日を過ごせているなら,わざわざ旅に出る必要もないわけですよ。こういうときこそ真価が問われるのでしょう。
とはいえ,身体が物理的に動いてないとね。脳内だけでどうにかできる部分はそんなに大きくないでしょうねぇ。
いや,旅するように毎日を過ごせているなら,わざわざ旅に出る必要もないわけですよ。こういうときこそ真価が問われるのでしょう。
とはいえ,身体が物理的に動いてないとね。脳内だけでどうにかできる部分はそんなに大きくないでしょうねぇ。
● ユーザーインタビューは写真家のハービー・山口さん。トラベラーズノートなんだから,○○会社の△△部長なんてのが登場するはずもない。いわゆるクリエイティブ系から選ばれる。
サラリーマンユーザーもかなりいるはず。そうでなければ商品として長く継続させていくのは難しいだろう。しかし,それはそれ,これはこれ。
● その山口さんが「心の中にある愛情や憎しみ,夢や憧れは言葉にすれば伝わるけれど,目には見えない。写真を撮る時には,そういう見えないものも表現したい。だからこそ,旅とか日常でふと耳にした宝石のような一言とか,その時の感情をノートに記しておくことが大事なんです」と語っているんだけど,これは語らせたと言った方が正確なのかねぇ。
● ところで。刺さってくるトラベラーズノートなんだけれども,意外にあれって立ったまま書くには適してないんですよね。皮だからグニャグニャして安定しないんで。デスクかテーブルか作業台に置いて使うものなんじゃないか。
ので,旅のお供に連れていくのは,たとえば測量野帳やSYSTEMICに挟んだCampusノートの方がいいかもしれない。ダイスキンもいいかも。
ので,旅のお供に連れていくのは,たとえば測量野帳やSYSTEMICに挟んだCampusノートの方がいいかもしれない。ダイスキンもいいかも。
トラベラーズノートのコンセプトを載せる具体物はトラベラーズノートじゃない方がよくない? トラベラーズノートはむしろインドアに向くんじゃないかと思うんだけど。
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