2021年2月20日土曜日

2021.02.20 JOYFUL2をウロウロする

● 文具売場の一角に月光荘の製品を集めたコーナーがあった。画材ではなく一般文具の売場。消しゴムとか色鉛筆とかバッグとか。
 月光荘画材店といえば,自分で作ったものを自分で売るというスタイル。他社の製品を仕入れて売ることはしていないし,自社製品を文具店に卸して売ってもらうこともしていない。

● 今はインターネットが普及したから,地方在住者も月光荘の通販サイトで購入することができる。しかし,それ以前から月光荘の製品を購入したいという要望はあったはずだ。
 だったら銀座の店まで買いに来てください,と言うような殿様商売はもちろんやらない。販売機会の逸失にもなる。
 で,ここから先は推測に過ぎないのだが,地方の一部の文具店に商品を卸していたのではないか。それを現在でも継続しているのだろう。

● 月光荘にこだわる人は,しかし,一部のマニアに留まるだろう。したがって,期間限定で卸しているのではないか。いつでも買えるというわけではないと思う。
 JOYFUL2でもこのコーナーを見るのは,今回が初めてだ。

● 画用紙と書道筆の売場。こういうものを見ると,「梁塵秘抄」の “遊びをせんとや生まれけん 戯れせんとや生まれけん” という有名な章句を思いだす。
 人は遊ぶために生まれてきた。ヨハン・ホイジンガの言う「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人)だ。
 文化というと何やら高尚な響きがあるが,その文化の出発点は何かといえば,おそらく遊びだろう。遊びを洗練させれば文化になり,一生かけてその頂きを目指す人が現れる芸術にもなる。

● 絵も書も音楽も,科学者の研究も,こうしてブログに何事かを書いてるのも,つまりは遊び。仕事にもそのどこかに遊びの要素がある,たぶん。
 だから,画用紙と書道筆に限らず,文具店に置いてあるすべてのものは遊ぶためのものだ。じつに,人間は遊ぶために生まれてくるのだ。

● その文具遊びに,最近,色遊びが加わった。いや,以前からあるのだろうけれども,従来は考えられなかったところで色遊びができるようになった。万年筆だ。
 インク沼にも浅瀬とドップリと深いところと,色々あるらしい。ぼくには色彩感覚と遊び心がないので,その沼にハマりこむことからは免れている。沼に誘われることがない。

● インク沼を楽しめるように,安価な万年筆が増えたような気がする。外側からインクの色がわかるようにスケルトンタイプになっているものだ。もちろん,コンバーターも透明なものにしなければ意味がない。
 以前はプラチナのPreppyだけだったのが,他にもいくつか。そのPreppyにも完全スケルトンが登場し,カクノも同様。ほかに,Hmmm!?やMoonmanから。特に,中華の偉大な模倣メーカーであるMoonmanのM2は本体にインクを充填するタイプだ。

● ラミーもサファリ スケルトン を出している。ペリカンやアウロラなどの高級万年筆にもスケルトンタイプは登場している。
 ま,しかし。価格では依然としてPreppyが優位にあるから,インク沼ブームはPreppyに最も追い風になっているのではないか。

● 画材売場に置いてあるステッドラーの12Bの鉛筆が何気に気になる。さすがにこれは一般筆記には使えない(使えなくはないが,まったく向かない)だろう。
 自分が絵を描くことがあるとは思えない。絵心はまるでないので。でも,どんな書き心地なのか確かめてみたいかな。
 Hi-uniの10Bもある。おそらくだけど,ステッドラーの12Bよりこちらの方が柔らかいのではないかな。

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