2022年8月30日火曜日

2022.08.30 大正時代の万年筆展

パイロットコーポレーション本社 1階エントランスギャラリー

● 京橋に行って,パイロットの「大正時代の万年筆展」を見てきたんですけどね。この展示は6月1日から8月31日まで。明日で終わる。
 ギリギリ間に合ってよかった。何で知ったかというと,「Bun2」でだったと思う(定かではないけどね)。

● 半ズボンにサンダルといういでたちだったので,入るのにかなり気後れしましたよ。こんな恰好で相すみませんでした。
 展示もね,わかる人が見ないと無意味でしょうな。ぼくが見てもしょうがなかったかもです。美術品と同じですわね。
 ただ,どれほどの見巧者でも,初期にはわけがわからない期間があったでしょうからね。ごく短かかったと思うんですけどね。

● 今,この万年筆があっても使えない(使わない)でしょうね。手が混んでいる。もったいなくて使えないとなる可能性がある。工芸品として眺めて楽しむしかない。
 今の万年筆ならどんなに高価なものでも工芸品とみなすことはないんじゃないか。プラチナが自社の創業100周年を記念して,2019年に出した「Century “THE PRIME”」は100万円もするけれど,仕舞い込んで使わないなんてことにはならないと思う。ガシガシ使うだろう。
 買えっこないから,言えることかもしれませんがね。

● 機能的には今の万年筆の方がはるかに優れているはず。パイロットでいえば,ここに並んでいるどの万年筆よりも千円のカクノの方が使いやすいでしょ。
 大正時代から万年筆を作り続けてきたから,ノウハウがつながって今の万年筆がある。先人たちが積みあげてきた踏み石の上に立っているようなものではありますね。

● 「ケータイもメールもなかった時代」の万年筆なんだけども,この時代に万年筆を持てた人は国民のごく一部でしょ。庶民には高嶺の花だったはず。
 今は庶民がスマホで,TwitterでもLINEでも,文字を書いて意思や用件を伝えることができる。お互い,いい時代に生まれましたな,ご同輩。

● 万年筆も大衆化した。蒔絵が装飾された20万円の万年筆はなかなか買えないとしても,1万円と少しで買えるカスタムなら,ほとんどの人は文句ないでしょ。ぼくはカクノで充分だと思ってますけどね。
 万年筆以外の筆記具も格段の進歩を遂げ,誰でもペンを持てるようになった。大正時代の庶民と現在の庶民を比較して,最も異なるところは,現在の庶民はたくさん文字を書くようになったことかもしれない。
 TwitterやLINEはひとまず置いて,手書きに限ってみても,大正時代よりは書くようになってますよね。みんなが手帳を持つようになったし。

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