2019年8月5日月曜日

2019.08.05 A4コピー用紙

● 氏家の「BIG」の文具売場に,A4コピー用紙が置いてあった。500枚で267円。
 無地のA4用紙はひとつの小宇宙たり得る。A4用紙じたいがそうなのではなく,そこに表現し得るものがひとつの小宇宙たり得るという意味だ。A4という大きさと無地という制限のなさが生む小宇宙。

● これをPOSTALCOのスナップパッドに挟んで使うと格好いい。このスナップパッドは使用済みのコピー用紙を使うときに臆せずに使えるようにと,マイク・エーブルソンがあり合わせの布と革で作ったことから始まったらしい。
 ぼくは使ったことはないんだけれども,気になる製品のひとつではある。

● しかし,反故紙の裏を使うのはエコではあるけれども,基本的には止めた方がよろしいだろうとぼくは思う。反故とはいえ何がしかの情報が印刷されているわけだ。
 個人情報保護が喧しいこのご時世に,そういうものを迂闊に外に持ちだしたり,古紙回収の日にゴミステーションに持っていくのは,個人としてはやめておいた方が安全というものだ。

● 未使用のコピー用紙がこれだけ安く売られているのだから,エコはいったん置いておいて,これを買って使うのがいい。500枚あれば半年や1年はもつだろう。コストはゼロと見なしていいくらいのものだ。

● 問題はどういうふうに使うかだ。ぼくの場合はそれを思い付けないので,手を出さずにいる。コピー用紙は百円ショップでも売っている。それをノート代わりに使えると,便利だろうなと思うわけだが,ノートの代わりにはならないものだよね。
 コピー用紙は大きいながらもカードだ。ノートはアナログでカードはデジタルという(安直すぎるかもしれない)対比をぼくなんかはしてしまいがちなんだけども,コピー用紙はカードだというのは間違いない。

● 大昔に梅棹忠夫『知的生産の技術』はぼくも読んでいる。一度のみならず再読もしていると思う。ので,京大型カードという言葉も知ったし,梅棹さんが日記もカードに書いたらどうかと提言していたのも憶えている。
 カードは溜まりすぎると取り回しが大変になるのが難点といえば難点だけれども,これはパソコンが解決してくれた。カード型データベースソフトはパソコンの黎明期からある。カードに書いたことをパソコンに入力し直すことはさほど面倒なことでもない。
 それ以前に,カードを永久保存しようという発想がよろしくない。使用済みのカードは捨ててしまっていいものだ。図書カードのようなものは,最初からパソコンに入力してしまえばすむ。

● 若い頃からルーズリーフは使ってきたけれども,ルーズリーフはノートであって,カードではない。というわけで,ぼくはカードを使ったことがない。『知的生産の技術』を読んだあとでも手を出そうとは思わなかった。
 カードじたいは何度も買ったことがある(だから,だいぶ溜まっている)。ジョッターまで買っているのだ。

● カードをどう使おうかと考えてそうしたわけではなく,カードを使っているクリエイティブな自分というのを演出したくてそうしたのだと思う。
 買ったら気がすんでしまって,演出するところまでも行かなかった。

● そうなのだ。カードはクリエイティブ系御用達だ,とぼくは思っているのだ。思ってしまっているのだ。それがカードを使うことを妨げている第1要因かもしれない。
 付箋もカードの一種だと思っている。したがって,付箋もぼくはあまり使わない。目印(インデックス)代わりにするのにフィルム付箋を使うくらいで,ある程度の大きさを持ったメモができるカードは,プライベートでは使ったことがない。

● クリエイティブを特別視しすぎているのかも。自分の世界や自分の経験したことのなかには存在しなかったもので,それを支えている重要なツールがカードだ,と。
 しかし,それを言うなら無印で売っている安いメモブロックだってカードだからね。あれをどう使っているかというと,3分後には捨てる用途のためだよね(あのメモブロックもぼくは使ったことがないんだけど)。
 であるからして,もっと軽い気持ちでカードを使うといいかもしれないんだな。

● A4コピー用紙を使うメリットはいくつもあげられる。
 第1に(あたりまえのことだが)コピーを取りやすい。情報共有の仕方はいろいろあるけれど,コピーを配るのが最も直裁でわかりやすい。
 第2にスキャンしやすい。デジタル化して残すのであれば,ノートよりもカードの方が百倍は扱いやすい。
 第3に捨てるときの分別がしやすい。
 第4に保存もしやすい。A4のバインダーなら各種取り揃えられている。

● ぼくはすっかりノート派になってしまっているが,カードを使うことへの憧れはまだ持っている。が,ぼくに限らず,『知的生産の技術』以後もカード派はそんなに増えていないように思われる。
 学校でノートオンリーだから,それをずっと引きずることになるのかもしれないけれど,ノートにはノートの良さがあるからなんだろうねぇ。
 隣の芝生は緑に見えるってやつね。今回,コピー用紙に目が行ったのもそういうことなんだろうなと思うんですよね。

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