2020年6月7日日曜日

2020.06.07 Bun2 4月号&6月号

● 宇都宮東武百貨店5階の文具売場。Bun2の4月号と6月号があったので,もらってきました。このフリーペーパーは偶数月の発行。ちょうど6月号が配布されたところだったんでしょうね。加えて,4月号が撤去される前だった。
 その端境期だったので,両方とも見ることができた。ラッキー。

● Bun2の読者は主には社会人かと思うのだけど,4月号の特集の名宛人は生徒・学生。出稿している広告も彼らに宛てているものが多い。この時期員新生活を始めるのは学生だけじゃなくて,社会人も同じですけどね。特に,新卒で会社や役所に就職した人たちは,これまでの人生で最も大きな転機を迎えた人たちだ。
 かく申すぼくも新生活を開始した人間ですよ。41年のサラリーマン生活から足を洗って,他人が決めた約束事や義務から自由になりました。

● ま,そういうことはどうでも。少子化で絶対数が減っているとはいえ,文具のユーザーっていうと,やはり勉強することを仕事にしている生徒・学生ってことになるんですかね。文具=勉強のための道具である,と。
 逆に言うと,社会人になったとたんに,ノートやペンを買わなくなる人が大半なんでしょうか。仕事で必要なものは会社が買ってくれるんだろうけどね。
 やった,これで勉強しなくてすむ,と思う人はそんなにいないと思うんだよね。文系の大学生は,すでに勉強しなくてすむ環境にいたはずだからさ。

● まずは,携帯はさみと消しゴムの記事。携帯はさみではサンスターとクツワが強いんですかね。
 と思ったら,コクヨはこの分野にも手を出している。まったく何にでも手を出すんだな,と言ってはいけない。総合文具メーカーなんですよ。紙製品だけではないんですよね。コクヨといえば,Campusノートであり,測量野帳であり,書翰箋であり,原稿用紙であって,紙製品を支配しているガリバーだと思いがちなんだけど。

● 消しゴムなんてもう改良の余地はないのじゃないかと思えるんだけど,メーカーはそんな素人レベルに甘んじてはいないのだ。消しクズが磁石にくっつく,鉄粉入りの消しゴム。カドが取れると富士山が現われる消しゴム。
 トンボのMONOはスリーブにミシン目を入れた。消しゴムがどんどん短くなっていくのに合わせて,スリーブも短くカットできるのだ。チキンラーメンのたまごポケットを思いだしましたよ。言われてみれば,何で今までなかったのだ? と不思議に思えてくるっていうかね。

● 第9回OKB48選抜総選挙。ボールペンの人気投票。1位はジェットストリーム,2位はブレン。三菱鉛筆とZEBRAが首位を競っていて,パイロットとぺんてるが後を追うという展開。
 手帳用にハイテックCコレトを10年間使い続けている。赤,青,黒,緑の0.3mmを装着して。が,これ,上位にいない。なぜ?

● 6月号の特集は筆記具。万年筆ではパイロットのキャップレスLS。キャップレスはパイロットの専売特許かと思いきや,プラチナも55年ぶりにノック式のキュリダスを出してきた。ステンレスのペン先,樹脂製のボディ。全般的にチープな外見だけども,価格も7,000円。
 EFを1本,買っておこうかと思っていたけど,まだ買ってない。4月以降,手書きする時間が激減してしまったからだ。何とかする必要があるのか,流れに任せればいのか。

● 万年筆のインクも最近はすごいことになっている。ここではナカバヤシの「浮世絵インク」が紹介されている。北斎,写楽,広重,歌麿の4テーマからそれぞれ4色。
 文具店でも,文具店独自のインクを販売している。若い女性が需要を牽引しているんだろうかね。
 これだけの多色インクが売れるということは,万年筆は文字を書く道具ではなくなりつつあるということだろう。鉛筆画,水彩画という並びと同じ列に万年筆画ってのが加わっているんでしょうね。
 もうひとつ,これだけのインクを使うとなると,万年筆も10本,20本と必要になるはずだ。安いスケルトンの万年筆(その筆頭はPreppyになると思うのだが)も売上を伸ばしているんでしょうなぁ。

● 三菱のユニボールワン。シグノとどう違うのと思ってた。「学生が勉強に取り組む意欲が湧いてくるペン」を目指したらしい。「色濃い文字が書け,見返した後のノートがくっきり見える新インクを搭載している」のだそうだ。
 いや,それシグノでいいじゃん,とぼくなんかは思ってしまうのだけど,メーカーはそういう安易な妥協はしないのだ。結果,かなり売れているらしい。

● ZEBRAのサラサはぼくも何本か持っている。数えたことはないが,10本程度だろうか。
 ただし,色はブルーブラックとグリーンブラックとグレーの3色のみ。ブルーブラックは1.0mm以外はすべて持っている。文字しか書かないから,そういうことになる(グレーは,使うことはないとわかっていながら買った)。

● が,サラサは「豊富なインク色で女子中高生に絶大な人気を誇っている」ようなのだ。で,ZEBRAは今年の3月にサラサグランドを出した。1本1,000円で高級感がある。「サラサクリップを学生時代に使っていた方が,社会人になっても使える高級タイプが必要と考え」た結果らしい。
 したがって,ビジネスユース(≒黒インク)という方向ではなく,11色の多色展開。社会人女性の購入者が多く,「手帳にちょっとしたイラストを書く」のに使われているんだとか。

● ともあれ。女性を掴め,ということなんでしょう。男どもよ,質実剛健なんてのじゃ時代についていけねぇんだよ,考え直せよ,ってことですかね。
 この場合の質実剛健とは,実用的っていうことね。実用性を満たせばそれ以上は求めない,というスタイルのこと。

● 今回は外海君子「ニューヨーク文具レポート」が面白い。鉛筆の話。面白いのは鉛筆じゃなくて,鉛筆に偏している人の方。常軌を逸して偏している人の話ってほんと面白い。
 三菱の9800にファーバーカステルの KIDS パーフェクトペンシルを合わせて使ってみようかね。KIDS は専用鉛筆じゃなくても使えるんでしょ。
 が,使う動機がノスタルジーというのは,あまりいい結果を産まない。経験の教えるところだ。

● というわけで,タダでもらえるフリーペーパーでけっこう遊べる。文具を扱ったムックや雑誌の文具特集なんか,読む必要ないね。フリーペパーのBun2で充分。
 どちらも業界紙的なところがあるのは共通している。が,業界事情にどれだけ詳しいかも,ファンにとってはアピールポイントになる。遊べますよ。

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