2022年12月31日土曜日

2022.12.31 文具店の鉛筆売場

● 先日(27日だった),アトレ川崎に入っている東急ハンズの鉛筆売場を覗いてみた。ほとんどが三菱の Hi-uni。あとはステッドラー。それと,かきかた鉛筆の類がいくつか。
 鉛筆は画材になったんですかねぇ。というか,Hi-uniくらいじゃないと,売る手間に見合わないんですかなぁ。

● 地元の文具店も基本は同じ。三菱の 9800 と 9852(消しゴム付きのやつ)もあったけど,売りたいのは Hi-uni と MONO100 とステッドラーなんでしょう。
 ちなみに,9800 と 9852 には,通常版と木無垢(?)版がある。いかにもエコでございというのはイヤなので,買うなら通常版だね。

● 隣の消しゴム売場。消しゴムといえばトンボの MONO かシードでしょ,と思ってましたけどね。コクヨ,ぺんてる,パイロット,サクラスレパス,サンスターも出してるんですな。サカモトというメーカーもあったんですなぁ。
 ぼくは MONO しか買ったことがない。いや,最近,ぺんてるの消しゴムを買った。メルカリで,だけど。

● 最近,文具店に行くと最初に鉛筆売場を覗く。けど,鉛筆は使っていない(当然,消しゴムを使うこともない)。なのになぜ?
 じつはチョコチョコと昭和以前の古い鉛筆を買い集めたりもしている。買い集めるだけで使うことはない。鉛筆をコレクションしたいという気持ちがあるわけでもない。
 何なんですかねぇ。われながら少し持て余している。安い鉛筆のことゆえ,財布の負担になることもないんで,まぁいいかと(自分で自分を)放っているんですけどね。

● タイトルからは脱線するけど,左の写真はジェットストリームの売場。そうですよ。人はずっと想いをペンに乗せてきたんですよ。その想いの大半は愚にもつかないもの。
 けど,愚にもつかないのは他人にとっては,なのでね。自分は書いておこうと思ったから書いただけ。他人がどう思うかなんて関係ないッス。

2022年12月25日日曜日

2022.12.25 昭和レトロの鉛筆の収集ごっこをしてみた

● コーリン鉛筆はもういいかとなったのだが,昭和レトロを中心に三菱とトンボではない鉛筆を,主にはメルカリでポチっちゃってますよ。
 まずは,北星鉛筆の9800。HB5本。軸色はトンボ8900と区別がつかない。使わなきゃな。
 北星鉛筆といえば2mm芯のシャープペン「大人の鉛筆」が有名なヒット作だが,普通の鉛筆ももちろん製造している。ダイソーで4Bの3本セットが売られているが,それ以外に文具店で北星を見かけることはない(というか,国産では三菱とトンボ以外を見かけることはない)。OEM生産が多いらしい。

● 地球鉛筆が2本。三菱の8800番。High Quality とだけ印刷されているのが4本。

● まだまだ続く。地球鉛筆の9000番もやってきた。出品者によると昭和40年代のものということ。たしかに箱は古いけれども,中身はそんなに古びていない。JISマークも付いていないから,中身は割と新しいものかもしれませんな。
 とTwitterでつぶやいたら,詳しい方が「地球桜鉛筆の書体から考えると昭和40年前後の鉛筆ではないかと思います。所謂類似品的なブランドなので,JIS認証の無い工場だった可能性が高いです」と教えてくださった。
 鉛筆本体は地球桜鉛筆に紛れもないので,仰るとおり昭和40年頃のものなのだろう。保存状態がかなり良かったということだろうか。

● こちらはだいぶ前の太陽鉛筆。メルカリで5本で550円と,なかなかの値段だった。
 このあたりでまぁ気はすんだのだ。実際,買っても届いたのを見るだけで,使うことはないんだから。コーリンを1本,試しに使ってみたけど,それ以外派手をつけていない。一過性の熱病だから,そんなものなのだ。
 他にもヨット鉛筆とか,今はなき鉛筆メーカーはある。三菱やトンボにしたって,意匠は何度も変わっている。
 それらを追って行こうとすれば,深い沼にズブズブと足を取られることになりそうだ。そういうことは他の誰かにお任せするのが吉。ぼくは更生の道を歩むことにしたい。

● ところが,この一過性はぶり返すから困る。結果的にこれにて終了ということには全然ならず,なぜだか集まってきてしまう。
 アイボール鉛筆の Hi-new。HB。メルカリで650円で購入。三菱の Hi-uni のエピゴーネンでありましょうな。Hi-uni って鉛筆界の絶対的なリーダーですな。土産品界の “萩の月” のごとし。パクられるって凄いことですよね。
 ちなみに,アイボール鉛筆も現存する鉛筆製造会社。

● キリン鉛筆の9600番。2H。メルカリで500円で購入。当時の普通の鉛筆という佇まい。
 2Hなのでね,いよいよ使うことはないだろうなと思うんですよね。現物を見たかったという以外に購入の動機はないかなぁ。あと,安いことだよね。鉛筆なんだから安い。ついポチってしまう。

● あかつき鉛筆の9000番。こんな鉛筆があるなんて知らなかったッス。こちらはヤフオクで送料込み1,444円。高かったッスか。
 あかつき というのがメーカー名なのかメーカーが出しているブランド名の1つなのか。ググッてもヒットしなかったッス。

● ぺんてる のマークシート用鉛筆。ぺんてる も最近まで鉛筆を(自社生産かどうかは知らないけど)出荷してたんですよね。
 消しゴムや鉛筆削りなど込みで,メルカリで750円。

● こちらは ぺんてる のコンテ画鉛筆。こういうのを使って,サラサラとスケッチするなんてのは,ワタクシの憧れでありますよ。メルカリで333円でした。
 クツワやサンスターも鉛筆を自社名義で出している。が,自社生産だとは考えにくいよね。それこそ,北星や太陽に発注して作らせているんだと思うんだが。
 ぺんてる はどうだったのだろう。シャープペンの芯ではパイオニアだったのだから,鉛筆も自社で製造していたんだろうか。

● ヨット鉛筆。三角鉛筆の同じものが26本。 ヤフオクで送料込み1,799円。Toshiba の文字が入っているので,東芝がノベルティにしたもの。
 ヨット鉛筆をはずすわけには行かない。1967(昭和42)年まで,三菱,トンボに次ぐ3位の鉛筆メーカー。ヨットの倒産後にその地位に滑り込んだのがコーリン,と聞きました。
 ちなみに,チェリーヨット鉛筆はヨットの倒産後に出たもの(ヨット鉛筆の製造品ではない)という理解でよろしいんですか。

● 最後に,エベレスト鉛筆の50番と530番。50番が15銭,530が20銭。50の方は印字も覚束ない。0が塗りつぶされていたりするのがある。ヤフオクで購入。それぞれ10本づつで,送料込み1,710円でした。
 今回の鉛筆購入騒動(わが家限定)も,これにて一件落着。・・・・・・となればいいのだが。

2022年12月24日土曜日

2022.12.24 主婦の友社編 『書くだけでラクになる 自分を動かす手帳術』

書名 書くだけでラクになる 自分を動かす手帳術
編者 主婦の友社
発行所 主婦の友社
発行年月日 2021.10.20
価格(税別) 1,400円

● 自分もノートや手帳が好きで,長く使ってきたから,自分なりのスタイルというのが自ずとできている。作為しないでそうなったものだから,そのまま続ければいいのだと思うのだが,自分以外の人はどうやっているんだろうかと気にはなる。
 ので,この種の本もだいぶ読んだ。が,正直,参考になったことはない。参考にしようと思って読んでいるわけではないから,そもそもアンテナに引っかかって来ない。
 他人のやり方が気にはなるけれども,漠然と気になるというのは問題意識じゃないからね。

● ここまで活用している人がいるんだから,自分も頑張ろう的な刺激を受けるということはある。その刺激が欲しくて読むのかもしれないのだが,言うまでもないが,その刺激は一過性のものだ。
 結局,暇つぶしだよね。Twitterを見ているのと同じで,読書の多くは暇つぶしだよなぁ。

● ノートや手帳や文具を扱った書籍は,そのほとんどが女性が女性に取材して女性に宛てて出したものだ。本書もそうだ。
 で,女性はポジティブ思考が男性より強いような気がする。正確に言うと,ポジティブ思考志向が強い。そういう傾向も本書を読むと伝わってくる。

● というわけで,いくつか転載。
 こまごました出来事を書き出したり,自分の思いを手帳やノートに残すことはしないです。手帳はただただかわいくしたい。(mizutama p26)
 もしも,うっかりイヤなことを書いちゃったときは,かわいい紙で封印するんですよ。(mizutama p27)
 子どもの頃にスケッチブックにいろんな言葉を書いて楽しんでいたことを思い出したんです。スケッチブックを好きな言葉で埋められたら,今のこの状況から抜け出せるんじゃないかと思ったんです。(甲斐みのり p36)
 イヤなことじゃなく,いいことのほうが目につくようになりました。(中略)自分が好きなものを文字化することで,好きだということが認識できるから,気持ちや行動がどんどん変わっていくんですよね。(甲斐みのり p37)
 普段意識しないことを意識するようになることって大事だなと思います。「こんなところには何もない」じゃなくて,「ここにはこんなものがある」といいこととしてとらえる癖を,子どもの頃からつけていけるといいですね。(甲斐みのり p38)
 だから一回,頭の中にあることをワーッと書き出すんですよ,デトックス的に。(佐藤ねじ p44)
 自分であとから見て,がっかりするようなことは書かない。(中略)悔しさやイヤなことってほぼ自分のせいだと思っているんです。だからその場で反省して終わり。わざわざ文字化して残しておいても同じ失敗をするときはするし(山本ふみこ p67)
 なかむらさんはもやもやすると「ちょっと悪口大会しちゃおう!」と自分に声かけしてノートに向かうそう。(中略)もやもやする自分を受け入れて,ネガティブをサクッと紙に書くとすっきりするのでいいですよ。もやもやタイムは時間を決めてやることもポイント。(p95)

2022年12月6日火曜日

2022.12.06 Bun2 12月号

● 川崎に遊びに来ている。アトレ川崎の有隣堂においてあったので,もらってきた。12月号は Bun2大賞の発表が恒例の特集となる。12月号に限らず,号ことの特集は毎年同じ。
 今年の第1位(大賞)はサンスター文具のメタシル。圧勝だったのではないか。芯も軸も金属でできている鉛筆。普通に紙に書け,消しゴムで消すこともできる。削らなくても16kmも書ける。

● 多くの文具店で品切れになったらしい。こういうものを誰が買うのかといえば,中高生だろう。オヤジやオバンはこういうものに飛びつくだけの瞬発力はないはずだ。そもそも,筆記具なんて使っていないからメタシルを知らない人が多数派だ(たぶん)。
 しかし,課題もある。硬度が2H相当だということ。実際にはもっと硬いかもしれない。普段使いするには最低でもHB,可能なら2Bが欲しい。つまり,もっと柔らかく,もっと濃く書けるようになってほしい。

● 金属なのだから,なかなか難しいのだろう。となると,従来型の鉛筆がいいかな,と。
 中高生も目新しさに飛びついたのではないか。飛びついて好奇心が満たされた後も,リピートして使い続けるかどうか。
 おそらく従来型の鉛筆に戻るのではないか。試験の答案をメタシルで書くわけにはいかないだろうしね。

● 2位のユニボールワンF(三菱鉛筆)と11位のボールサインiDプラス(サクラクレパス),14位のキャンパスノートハーフサイズ(コクヨ)はぼくも買った。逆に言うと,30位までの製品の中で,その3つ以外は買っていない。
 ぼくの知らないジャンルの製品というのがあるわけね。インク沼関係のものとか,スタンプとか,ポーチとか,マステとか,その辺のものは文具店に行っても売場を見ない。

● 30位までにはボールペンが最も多く選ばれている。で,ボールペンならぼくの視野にも入ってくるわけだ。文具店に行けば,こういうものが出たのかとわかる。あと,ノートも(学習ノートを除けば)。
 けれども,それ以外となると,まったく知らない。Bun2 を読んでこういうものがあったのかと気づく。ま,ジッツァマはそれでいいのだ。

● 同時に,文具市場を牽引しているのは,やっぱり女子中高生なのかなとも思う。高校生とかに男子の文具チューもいそうだ。彼らも盛りあげ役になっているのだろうか。
 けれども,そうだとすると文具界は縮まるばかりだ。中高生はそんなに使えるお金を持っているはずがないから。彼らが牽引して,大人がそれに続くというふうでないと困る。

2022年12月3日土曜日

2022.12.03 上野駅構内の ANGERS を覗く

● Ecute 上野にある ANGERS を覗く。最近はまず鉛筆売場を見るのが習慣になっている。なぜ鉛筆なのか,自分でも測りかねるのだけど。
 ANGERS のセンスが最もわかりやすく表現されているのが鉛筆売場だと思っているのか,俺よ。三菱やトンボは置いてない。他では見ないようなものばかりだ。
 いや,BLACKWING は LoFt でも見るようになったし(銀座 LoFt にはある),取扱店が増えているような気がするのだけど,初めて見たのはここだった。

● アメリカ製の太軸の鉛筆がある。日本ではマイナーだろう。ここ以外では見かけないから。
 こういうものをどこで見つけるのか。それ用の情報ルートがあるんだろうけど,仕入れルートを確保するうえでの困難はないのか。

● 太軸の鉛筆は,ファーバーカステルのものを1本持っている。軸が太いほうが書きやすいのは確かなのだけど,削り器や補助軸など,周辺機器が限られる。
 太軸の鉛筆って主には描画用なんだろうか。1本ずつ買ってみようかと思ったんだけど,やめておく。ぼくに絵心は1㎜もない。

● BLACKWING の鉛筆も試しに買ってみようかと思った。モレスキン同様に洒落た雰囲気をまとわせている。モレスキン同様に胡散臭さも漂わせている。
 つっても,鉛筆のことだから,高いと言っても300円とか500円の話だ。立食いそばの一杯も喰えやしない。
 でも,これもやめておいた。自分には分不相応だからと,謙虚に言っておく。

● 自分が使っているものが ANGERS にあると嬉しくなるのだが,こちらはボールぺんてる。元祖水性ボールペン。今でも110円で売られている。根強く売れているんでしょう。
 でも,ぼくは使わなくなった。通常筆記には太すぎる。使い途は封筒の宛名書きくらいしか思いつかない。宛名書きなんてやらない。どういう用途に使われているんだろうか。
 一時期,ボールぺんてるには極細があった。極細なら通常筆記に使用可能。その極細も持っている。まだ書ける。

● 三菱鉛筆は今でもユニボールの極細を出している。しかし,メインはゲルインクに移っているから,メーカーも改めてCMは打たない。
 初期の液状インクの水性ボールペンはノスタルジーを刺激してくる。安っぽいたたずまいなのだが,ふと使いたくなるペンの1つではある。水性ボールペンはこれでいいんだよ,と訴えてくるような。

2022年12月2日金曜日

2022.12.02 コーリン鉛筆を買う 2

● 使うことはないとわかりつつ,鉛筆を買い続ける。今度はコーリンの8562。要は,木製のケースが欲しかった。メルカリで1,600円でした。
 見て触ったら,それだけで満足した。なんだかなぁ。何やってんだ,俺。

● 北星9800と先月買ったコーリン9900にキャップを被せてみた。このキャップはソっと扱ってやらないと,キャップも芯先も傷めてしまう。普通の六角鉛筆には合わないのかもしれない。けど,このくらいのゴールドが加わると軸色が映えるような気がしてさ。
 コーリン8562にはこのキャップで良かろう。鬼滅キャップ。ところが,あんまり良くない。少女の絵柄が入った鉛筆にはいたって普通のアルミキャップの方がよろしいですか。

● トンボ鉛筆のMONOのような色だと,ゴールドよりシルバーの方が合いますな。やっぱり,こういう普通の絵柄なんか入っていない鉛筆がいいですな。

● キャップを被せただけではしょうがないので,コーリン9900を使ってみましたよ。ちょっとドキドキした。タイムマシンだからさ。55年を遡る。
 ザラザラした書き味。今どきの,たとえばトンボ8900の方が滑らかだ。ザラザラ感を好む人もいるかもしれないけど,昔を志向せず,素直に今の鉛筆を使うのが吉だ。
 この分野でも技術の進歩や革新があったはずで,その恩恵を捨てることはない。

● そんなことは初めからわかっていたでしょ,ってか。そうなんだけども,タイムマシンの魅惑に抗せなかったってことね。
 昔の製品をずっと使い続いている人は,タイムマシンから降りられなくなっちゃったのかもしれないね。

2022年11月12日土曜日

2022.11.12 コーリン鉛筆を買う

● 鉛筆は使っていない。万年筆か極細サインペン(ミリペンと総称されるやつ)を使っている。
 なのに,けっこうな勢いで在庫が溜まっていく。メルカリで買っているからだ。三菱鉛筆の130周年記念のユニや,トンボ鉛筆100周年記念の復刻版の鉛筆などなど。
 その前は東京メトロの文具を漁っていた時期があって,やはり鉛筆が集まってしまったことがあった。死ぬまで毎日使い続けても,とてものこと使い切れない数になっている。

● さらに,ここに来て,コーリン鉛筆をメルカリでポチッてしまった。理由はノスタルジー。自分が児童・生徒だった頃,つまり最も鉛筆を使っていた頃,たくさん使ったのはコーリンだったような記憶があってね。
 田舎のよろず屋にはコーリンしかなかったのかもしれない。三角顔のマークを見たら,妙に懐かしくなっちゃって。子供の頃を懐かしむこと自体,老化現象が顕現したものかもしれないんだけどね。
 コーリン鉛筆は1997年に倒産したから,今はない。そのこともノスタルジーの刺激要因になっているかもしれない。

● 買ったのは,まず Hi pierce(ハイピアス)。980円。1967年(昭和42年)に発売されたコーリン鉛筆のフラッグシップ。
 もちろん,当時のぼくには無縁のものだった。そんな高いものが小学生に与えられるわけがない。そもそも,存在を知らなかった。
 三菱鉛筆が Hi-uni を出したのが1966年だから,コーリンもその後を追ったわけだろう。拙速に追ったという印象になってしまうのだが(軸の色も Hi-uni と同じだし),実際にはどうだったのか。トンボが MONO100 を出したのも1967年なのだが。

● しかし,届いた Hi pierce はさほどに経年を感じさせない。たぶん,2009年に発売された復刻版だと思う。1997年倒産しているのになぜ復刻できたとかというと,次のような事情による。
 コーリンはタイに工場を作っていた。本社が倒産したあと,タイ工場は地元資本が承継し,コーリン鉛筆の生産を継続した。商標も受け継いだ。
 そのタイ法人(コーリン鉛筆タイランド)が2008年に東京都墨田区に「株式会社コーリン色鉛筆」(社長の井口英明氏についてはこちら)を設立し,日本に再上陸。その「株式会社コーリン色鉛筆」が Hi pierce を復刻発売した。

● こういうのも買った。いわゆる “かきかた鉛筆”。600円。三角顔が右向きのと左向きのがあるが,1982年に右向きから左向きに変わったので,左向きの方が新しい。
 左向きになってから15年度に倒産したので,今,メルカリなどに出回っているのは右向きのものが多い。「コーリン鉛筆タイランド」では右向きを使っているようだ。

● これも買った。500円。トンボでいえば8900にあたる,最も一般向けの製品だと思う。出品者によれば,昭和40年頃のものと推定されるとのこと。ぼくも使ったろうかな。
 こちらは充分に経年劣化があって,それが逆に有難味を感じさせる。塗装が剥げているところもあるし,波打っているところもある。昭和40年生まれだとすると,同じ時代を呼吸してきたわけだよ,こいつとぼくは。ぼくが使わなければ,こいつはぼくより長く生きるだろう。

● さらに。こんな色鉛筆もポチりましたよ。999円でした。高橋真琴さんの絵が刷り込まれた缶ケース入り。
 色鉛筆なんか120%使いませんよ。なのになぜ買ったか。ぼくの中に眠っていた少女趣味が目覚めた(?)ようなんですよ。

● こうしてメルカリで古い鉛筆の出物を見てると,Hとか2Hがけっこう出てることに気づく。硬度の高いやつ。製図用じゃなくて,普通の鉛筆で。
 大昔,硬い鉛筆を使うのが “ナウかった” 時期がありましたっけねぇ。あったような気もするんだけど,往事茫々として思いだせないねぇ。

2022年11月4日金曜日

2022.11.04 能率手帳ゴールド60周年記念の万年筆が出る

● 能率手帳ゴールドが60周年。それを記念(自画自賛?)して,日本能率協会がメモティやデイリーブックのゴールド版を出したわけだが,第2弾が発表された。
 NOLTY なんだから紙製品だろうと思っていたのだが,万年筆を出す。もちろん,能率協会が自前で作るわけではない。製造はパイロットが担当する。マットブラックのキャップレスになるらしい。価格は36,300円。

● 元になるキャップレスは FC-18SR だろうか。もしそうなら,文具店で19,800円で販売されている。
 それを36,300円にするからには,それなりの付加価値を付けねばならない。能率手帳ゴールドと同じ革を使ったノート(無地)が付属する。それとパッケージにお金をかけている。

● 限定365本。36,300円で365人の中の1人になるかならぬか。それが問題だ。
 瞬間性熱病だと自分でも自覚しているのだが,欲しいなと思っている。限定365本というのもソソってくるじゃありませんか。
 今すぐに注文できるならポチっていたかもしれないが,今月の11日11時から予約受付開始だという。11日まではポチることができないとなると,熱も冷めて買わずにすみそうだ。やれやれと思う気持ちもある。

● 使わないペンをコレクション的に抱える趣味はなかったはずなのに,ここのところタガが緩んできている。とても使い切るだけの時間的余裕は与えられていないだろうことが明らかなほどに,筆記具が溜まってしまった。
 まぁ,安物ばかりなんだけどね。ので,もしこのキャップレスを買うと,ぼくが持っている筆記具の中では最高値になるはずのものだった。

2022年11月2日水曜日

2022.11.02 ホテルの客室に置いてあるボールペンとメモパッド

● ホテルの客室に置いてあるボールペンやメモパッドを持ち帰る人はいるんだろうか。昔はいたんじゃないかと思うのだが,今はまずいないでしょうね。
 ひとつには,客室のボールペンを持ち帰ってまで使いたいと思わなくなったこと。ひょっとすると,ホテル側がたび重なる盗難(?)に嫌気がさして,持ち帰られても懐が痛まないような安物に変えたのかもしれないけれども,樹脂製のチャチイのが普通になった(ような気がする)。これなら130円のジェットストリームの方がずっといいじゃん,というわけだ。記念の品としても物足りない。
 もうひとつは,高価(そう)なペンを置いてあるホテルでは,同じものをフロントで販売しているところが増えたことか。

● 東京ステーションホテルの客室に置いてあるボールペンはチャチくない。分解すると,こんな感じ。リフィルはパーカー型のようだ。メーカーはどこかね。たぶん,外国製だと思うんだけどね。
 頭が重いんで,長時間使用には向かないけどね。サインをするとか,何かちょっとした用事に使うならこれでいいと思うんだが。

● ベッドサイドには(たぶん)同じメーカーの短いやつが置いてある。フロントで販売していたとしても,正直,買おうとは思わないですな。
 常用するペンは高価なものである必要はないが,使いやすいものである必要はある。国産の安い,それこそジェットストリームでもサラサでも,使いやすいものがいくらでもある。

● メモパッドは原稿用紙の枡目が薄く印刷されているもの。満寿屋のものだろうか。これは持ち帰っても叱られないだろうけど,やめておく。そこまで貧乏しちゃいねーや,と思ってさ。
 っていうか,これほどいいものではないが,メモパッドもずいぶん溜まってしまっている。それを使わないとな。

2022年10月19日水曜日

2022.10.19 丸善の檸檬万年筆

● 丸善丸の内本店の4階の文具売場に行くと,最初に目に入るのが丸善限定の「若檸檬」という明るい緑色の万年筆。黄色く熟する前の若い檸檬。
 製作はセーラーが担当。発売は今年の9月7日。取扱いは本店のみ。

● ちなみに,この万年筆を紹介しているサイトでは,“限定数 150本” とあるんだけど,1,500本の間違いだよね。いくら何でも150本しか作らないってことはないよね。
 発売後,1ヶ月しか経っていないのに,EFとBは完売らしいから,ひょっとすると150本?

● 丸善では “若” のつかない檸檬万年筆も作っている。軸がレモンイエローのやつ。丸善の創業130周年に当たる1999年に初めて出して,以後10年おきに出している。現在までに3回。
 1,000本とか1,400本とかの限定生産だったらしいのだが,いずれも完売。念のために,ヤフオクやメルカリをチェックしてみたのだが,檸檬万年筆の出物は現時点ではない。

● が,こういうのはある。雑誌「サライ」の今年の6月号の付録。その名も
万年筆「ミニ檸檬」だ。丸善の檸檬万年筆を80%程度に縮小して再現したらしい。もちろん,軸やキャップは樹脂だし,ペン先も鉄ペンになっている。
 この雑誌は6月号だから発売は5月だったろう。が,その雑誌も丸善本店には残っている。

● 「サライ」という雑誌は万年筆を付録に付けるのが好きなようで,北斎ブルー太軸万年筆とか,雪舟ブラック太軸万年筆とか若冲レッド太軸万年筆とかアクアスキュータム万年筆とか,過去に何度も万年筆を付録にしている。
 「サライ」ではないけれど,たまたま買った雑誌に万年筆が付録に付いてくるのがあった。そういうときにどうするか。もらってくれる人がいればもらってもらう。いなければ捨てる。
 雑誌の付録を使うほど貧乏しちゃいねーや,というわけね。そりゃそうでしょ。だって雑誌の付録ですよ。300円の Preppy は使っても,雑誌の付録は使いませんよ。

● ところが,この檸檬万年筆,何だか気になりだしちゃってね。黄色に惹かれちゃう。若檸檬の緑もいいんだけど。
 丸善が出したのは3万円とか4万円とかする。つまり,ぼくが使うものじゃない。
 経済的にはどうにかこうにか買えなくはないけれども,そんな立派なものを使うほど,大層なことを書いてるわけじゃない。ぼくが書いているのは,所詮は落書きだ。
 そもそも,中古であってもメルカリにもヤフオクにも出ていないんだから,入手は難しい。

● では,雑誌の付録はどうか。節を曲げて雑誌の付録を使ってみるか。よし,使ってみよう,そうしよう。
 というわけで,雑誌の本体は要らないので,ヤフオクで付録だけ600円(送料込み)で出ていたのをゲット。届くのは数日あとになる。
 インクは欧州共通規格。雑誌の付録はだいたいそうじゃないかね。ダイソー万年筆もそうだよね(昔はプラチナ製の万年筆もあったけど)。そういうものを専門に扱っているメーカーが中国かどこかにあるんですかねぇ。
 字幅はMであるようだ。これも雑誌の付録とダイソー万年筆のお約束になっているんでしょうかね。

● 黒のカートリッジが1本付いてくる。が,黒ではなくブルーブラックを使いたいので,オートのカートリッジインクを5箱(30本)ほど,ヨドバシドットコムに注文した(Amazon は割高)。
 欧州共通規格ならコンバータは使えないのか。欧州共通規格のコンバータはもちろんある。が,ミニ檸檬の短い軸には収まらないらしい。

● では,短いコンバータはないのか。ある。Kaweco がショートタイプのコンバータを市場に出している。Kaweco は欧州共通規格を採用しているメーカーだ。
 なら,Kaweco のショートタイプのコンバータをミニ檸檬で使えるはずではないか。それが使えないんだよね。このあたりが,要するに欧州共通規格は規格であって規格ではないという,良くいえば規格の柔軟性のなせるところなんだよね。

● オートのカートリッジだって本当に使えるかどうかは,試してみないとわからない。たぶん大丈夫だろうと思うものの,大丈夫じゃないかもしれない。
 もし使えなかったらどうするか。そのときは,無印の丸軸アルミ万年筆を買ってしまおうと思う。あれはオートのOEMだろうから,間違いなく使えるはずだから。


(追記 2022.10.25)

● “ミニ檸檬” が届いた。印象を一言でいえば,小さくてチャチイ。玩具のようだ。ラミーのサファリと並べてみると,右の写真のようになる。
 しかし,これほど頼りなく見える万年筆でもレッキとした万年筆だ。万年筆なんてこの程度でもいいのだ。
 いや,高価な万年筆があってもいいし,それらを使う人がいてももちろんいいのだけども,実用性を満たすだけならすこぶる安価に製造できるんだよってことね。

● 万年筆を特別な筆記具と見做すことはないんですよね。これまた見做す人がいてもいいんだけど,万年筆も大量生産が可能な工業製品なのでね。人の目や手を要する工程はほぼなくなったんだろうと思ってるんですけどね。
 だからこそ,今の万年筆は問題なく使えるようになったんじゃないかと。人の手が加わっているとか,職人芸とか,そういうものの価値をあまり重く見ない方がいいと思ってますけどね。

● で,“ミニ檸檬” なんだけど,当分は見るだけにしとこうと思う。紙の空き箱のペン皿に並べておいて,時々目をやってレモン色を愛でることにしよう,と。

2022年10月18日火曜日

2022.10.18 「人生でしたい100のことを書くノート」

● 東京駅地下のグランスタ丸の内にある「Neue」を覗いてみた。Twitterで東京駅の駅舎を箔押しした測量野帳がここにあるというツイートを見たので,まだあるんだったら買おうかなと思ってね。
 レギュラーの測量野帳はあるんだけれども,東京駅のやつは見あたらなかった。是が非でも欲しいというわけでもないから,なければないでよろしいのだが。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」というのがあった。ロバート・ハリス『人生の100のリスト』(講談社 2004年)という本を読んだことがある。それを実践するためのノートですかな。
 “したいことリスト” のページがある手帳もけっこうな数あるのだけど(たとえば,CITTA手帳。ジブン手帳),アホかと思ってましたよ。そんなリストを作ってる暇があるんだったら,サッサと動いた方がいいでしょう,と。リストは脳内に置いて,時々点検すればいい。

● が,毎日が日曜日の隠居生活を3年近く送ってみると,年寄りこそ,こういうリストを作ることを試みた方がいいのかもしれないと思えてきてね。若い人には要らないと思うんですよ,こんなものは。
 後先短くなったジジイやババアは,この種のリストを作るという作業を自分に課した方がいいかもしれない。作業をすること自体に意味がある。できあがったノートはどうでもよい。

● 年を取ってみると,年を取るとはこういうことかと感じることがいくつかある。若い頃に想像していたことと同じこともあるし,若い頃には気づかなかったこともあるのだが,年を取ったなと感じる一番目は,やりたいことがなくなることだ。
 今さら何をしてももう時間がない,手遅れだ,と思って,勝手に蓋をしてしまうというのではない。正真正銘,やりたいことがなくなる。

● まず,グルメ願望がない。卵かけご飯でいいし,味噌汁と納豆だけあればいい。旨い酒を飲みたいとも思わない。ウィスキーならトリスで充分。
 年を取ったら “いいものを少し” になるのだと思っていた。食欲は,若い頃と言わず,10年前と比べても落ちている。しかし,だからといって “いいもの” でなくても別にかまわないのだった。

● 海外旅行にも行きたいとは思わなくなった。国内だって北海道や沖縄はもういいや。金沢や京都も別に行かなくたっていいよな。
 何だったら一切出かけなくたっていい。月に何度か宇都宮に出る程度でいい。あとは家の近くを散歩するくらいで生きていける。
 ま,今は全国旅行支援もあるので,東京近辺に出ることが多いが,出れなくなったところで困ることは何もない。

● まして,一旗揚げたいとか,世間を驚かせたいとか,そんなことを思うわけがない。そんなのは若いときにも考えたことがない。老いたらなおさらだ。
 社会貢献願望もない。年寄りの社会貢献願望など社会の迷惑だと思っているからでもあるが,社会そのものへの関心が薄れている。

● 以上は,ひょっとすると,前頭葉が萎縮し始めて,汎用的に意欲が減退しつつある結果なのかもしれないが,このままであと10年なり20年なりを生きていいのかと思う程度には,正気を保っているのだ(それでいいのかもしれないんだけどね)。
 ので,とりあえず年齢のことは忘れて,本当にやりたいことがないのかどうか内省してみた方がいいのじゃないかと考えることがあるようになった。

● 内省すると言ったって,沈思黙考じゃダメだ。少なくともぼくの場合は,沈思黙考などしたところで,休むに似たりでしかない。
 無理やりにでもやりたいことを書き出してみるのがいい。なくても書く。したがって,けっこうな力業になる。無から有を生じさせるようにする。

● 乾いた雑巾を絞るような作業になると思うが,100個書きだす。でっち上げでもいいから書きだす。そうやってでっち上げて書きだして,でっち上げようがなくなった80個目あたり以降に出てきたものが,自分の深層にあった本当にやりたいことかもしれない。
 そうした作業をやってみた方がいいのじゃないかと思ったりする。やりたいことがないと感じている年寄りは。

● 大きなことである必要はないし,立派なことである必要もない。些細でいい。つまらなくていい。後ろ指を指されそうなことでもいい。
 それこそ,朝起きたら必ず顔を洗う,でもいいのだ。ちなみに,ぼくはそれを実行していない。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」は1,980円もするから,もっと安いノートを使ってもいいだろう。百円ショップのノートで充分だ。が,「人生でしたい100のことを書くノート」の構成はそのままパクった方がいいかもしれない。
 100個書くのだから,最低でも100行は必要だし,その後に,その100個を1個づつページの最初に転記して,なぜそれをしたいのか,取っ掛かりをどう作るか,などを書くようにする。その作業は一気にやるのは無理だから,とつおいつ,ゆっくり時間をかけてやっていくことになる。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」はリストの頭にチェックボックスが印刷されていて,したいことを実行したらレ点を入れていくようになっているが,ここだけは採用しない。
 作業をすること自体に意味があるので,リストに上がったことを実行するかしないか,やるかやらないかは問題ではない。作業が終了した時点でノートは用済みだ。チェックボックスは不要。

● で,自分もこの作業をやってみようと思うんだけども,格好のノートがある。かなり前に数十冊ほど買ってしまって,手つかずになっているB6ダイスキンだ。
 16枚の折丁(4点糸綴じ)4つに8枚の折丁1つという変則的な製本で,中紙は72枚。144ページ。
 100円でこのノートが買えたとにあらためて驚くのだが,100円なら心おきなく処分できる。この作業にちょうどいい。

2022.10.18 能率手帳ゴールド60周年記念のメモティを見る

● 17日。川崎に来たので,ラゾーナの丸善を覗いてみた。NOLTYのサイトに,能率手帳ゴールドの60周年記念のメモティなんかを10月から文具店でも販売するとあったので,現物を見たいなと思って。
 たぶんガラスケース越しにしか見られないと思うんですけどね。でも,ありませんでした。ホントに並ぶんだろうか。並ぶとすればまずは丸善でしょうけどねぇ。

● けれども,今日,伊東屋に行ったら,あったんでした。Kの伊東屋(1階)にありました。
 ゴールド版のデイリーブックとメモティ,触れるようになっている。ガラスケースの中じゃなく。マイクロゴールドバインダーの実物も初めて見ました。こちらはケースに入っていて触れなかったけど。

● 他に,リーガルパッドホルダー(A5),補充ノートのカバー,ペン立て,使用済みの手帳を保存するための桐箱がありました。書斎具をカバーして行こうってことなんでしょうか。
 見ただけで気がすみました。目の保養になりましたよ。下賤な者には似つかわしくありません。こういうモノたちを置くのに相応しい空間がわが家にはない。

● Kの伊東屋では,1階がビジネス手帳,2階がそれ以外の手帳という仕分けで陳列されている。2階にも外国製のビジネス手帳と呼びたくなるのがけっこうある。
 チャラチャラしたやつはないってことね。しっかりと稼いでいる人向けの手帳しかない。

● 来年使う手帳をどれにするか。多くの人は迷うことはないと思う。今年と同じものを買うことが多いだろう。それでいいのだ。正直,どれを使ったってそんなに変わらん。手帳を飯の種にしている人は色々と語ってくれるけれど。
 が,手帳を変えてみようかというのであれば,伊東屋に来て売場をひととおり見て歩くのが最善手かもしれんね。

● ところで。NOLTYからこんなのが出てたんですな。A5とB6のスケジュール帳。それから,カバー。同型のノートと一緒に挟んで使える。コクヨのシステミックと同じような製品ですかな。
 A6がないので,ぼくは手を出さない。A6のシステミックはとっくの昔に購入済み。まだ使う機会を得ていないけど。

2022.10.18 山本紙業の RO-BIKI-NOTE を買う

● 銀座蔦屋書店で初の買い物。何度か行ってるけど,こういう店は自分のホームにはならない。見るだけの人で終わるところだ。
 とはいえ,何度も目の保養をさせてもらっているので,自分にも買えるものがあれば買わなきゃなぁと思ってはいましたよ。買えるものっていうのは,財布と相談して何とかなるものという意味でもあるけれど,それ以上に自分が実際に使うだろうなと思えるもの。

● で,前回行ったときに,これなら自分の手に負えるかもと思ったのを見つけた。山本紙業の RO-BIKI-NOTE。蝋引きノート。
 このノートを他の文具店で見かけたことはない。ネット通販では取り扱っているのだが,リアルの文具店ではまず見かけない。あの ANGERS にもなかったと思う。

● 今回,それを購入。サイズは91×210mm(パスポートサイズもあった)。A4を三つ折りにしたのとほぼ同じ。トラベラーズノートのリフィルとしても使えるらしい。幅はだいぶ小さくなるが,高さが合うので。
 中紙は30枚。15枚をまとめて折って糸でかがっている。表紙を蝋でコーティングしてあるようだ。革と同じように経年変化を楽しめるらしい。見た感じ,丁寧な作りで,これで495円は安いと思う。
 ただし,長くても1ヶ月で使い終え,その後は見返すこともあまりないと思うので,経年変化のところはぼくには無縁。

● 買ったのは2mm方眼とB罫の2種。他に,4.5mm方眼と5mmドット方眼,無地がある。
 ぼくはひたすら文字列(文章)を書いていくという使い方しかしていない。箇条書きすらあまりしたことがない。それならB罫が最も適当。あとは,B罫としても使える2mm方眼か3mm方眼くらいだろう。
 能がない使い方にはB罫でいいね,と言われても返す言葉がない。

● が,一方でこうも思っている。5mm方眼ほど役立たずの罫線はない,と。それが売れているらしいから,世の中のことはわからない。
 誰がどんな用途に使っているのだろう。外人が使うならまだわかるんだが。

● ひょっとして,『頭のいい人はなぜ方眼ノートを使うのか』などというタイトルを真に受けて,横罫より方眼を使う方が知的だと思っている,度し難いバカがいるんだろうか。
 そういう人が方眼なら何でもいいと5mm方眼を何の考えもなしに使っている,と。全き自由があるんだから,5mm方眼を選んでも何の問題もないわけではある。

● ぼくも若い頃は無地を好んでいた。横罫であれ方眼であれ,罫線を嫌っていた。罫線は自由を奪うと本気で思っていたようなのだ。
 単純にバカだったと思ってますよ。罫線は自由を奪うものではない。自由を助けるものだった。

2022年10月15日土曜日

2022.10.15 Bun2 10月号

● 今回も宇都宮東武百貨店5階の文具売場でもらってきた。上野文具には置かれないようになったっぽい。

● 今月号の特集は「2023年版 手帳特集 各社のイチオシ手帳を一挙紹介!」。毎年恒例。
 なのだが,この特集にはそんなに見るべきものがない。日本能率協会マネジメントセンターや高橋書店など,ビジネス手帳の大手の製品が登場しないからだ。
 「Bun2」の発行元は㈱ステイショナーとなっているのだが,この会社の母体は全日本文具協会なのではないか。そこに日本能率協会や高橋書店,ダイゴーなどは,そのメンバーになっていないのだろう。

● 舘神龍彦さんが「令和の手帳の現在」というタイトルの解説文を寄せており,これは面白い。なるほど,手帳はこういうふうに変わってきているのかとわかる。
 かつての手帳は「正規雇用のビジネスパーソンが予定記入欄で予定管理するのに使われた」が,今は必ずしもそうではない。というか,それだけではない。
 それは,予定管理という手帳のメイン機能が「Google カレンダーをはじめとするクラウドツールやそれと連携するパソコン,スマートフォンによって代替される割合が,このコロナ禍によっていっそう増えてきたことの結果でもある」。

● デジタル手帳が実用に耐えるようになっても,紙の手帳は減るどころか部数を伸ばしてきたのだが,さすがにコロナ禍でベクトルの向きが変わったということだろう。
 理由は2つ考えられる。ひとつは,コロナは外出を規制する。リモートワークによって会社に行く必要もなくなった。出張や商談など,異動の予定がないのだから,それを書き留めることもない。手帳を持つ必要がなくなった。
 もうひとつは,リモートワークだと自宅のパソコンの前にずっといることになる。ならば,予定管理もパソコンでやるのが自然の流れというものだろう。かくして,ビジネス手帳は売れなくなった。

● 外海君子さんの連載「ニューヨークの文具レポート」。「驚異的な記録オタクである「アイビーリーグの大学教授」の話。
 観た映画をすべてノートに書き留めていたのを,コロナ禍でデジタル化した。1万枚に及ぶレコード・CDもリストを作っているらしい。

● 外海さんは「市販されているものを利用するてもある。市場にはいろいろな記録簿が出回っている。例えば,読書録」と「Bun2」らしくまとめるのだけれども,こうしたリストだけは最初からデジタルでやるのが正解。
 データベースソフトなど大仰なものを使わずとも,Excelか Google スプレッドシートで足りるでしょ。感想や梗概も読書録に残しておきたいのであれば,ブログにする手もある。見られるのは恥ずかしいと言うのなら,非公開に設定できるブログサービスを使えばいい。たとえば,Google の Blogger。

● ちなみに,件の教授が観た映画の本数は2692になるらしい。少し前なら驚くべき数だった。映画のチケット代に500万円も使ったのか,君は,ってなものだ(大したことはないか?)。
 が,インターネット配信のサブスクサービスを使えば,10年もあれば観られる数だ。費用も10万円程度ですむ。同じ観るでも,映画館で観るのと自宅のパソコンの画面で観るのとではまったく別の体験になると言われれば,それはそのとおりなのだけれども。

2022年10月3日月曜日

2022.10.03 相方がほぼ日手帳 weeks を購入

● ほぼ日手帳は LoFt にしかないものだと思っていた。weeks は自治医大駅前のうさぎや書店にもあるけれども,オリジナルやカズン,5年手帳は LoFt かほぼ日の直販サイトで買うしかないものだ,と。
 が,先日,丸善の丸の内本店で weeks 以外のほぼ日手帳があるのを見て,LoFt 限定ではなくなるのかなと思ったんですけどね。

● ラゾーナ川崎の丸善にもほぼ日手帳があった。ワンピースとコラボしたオリジナルの本体がドッサリあった。これ,同じラゾーナにある LoFt ではガラスケースに入っている。商品札を持ってレジに行く方式。
 とは言うものの,LoFt と丸善では品揃えがはっきり違う。言うまでもなく,LoFt の方が豊富に揃っている。

● ところで,相方が weeks に引っかかった様子だ。丸善で手に取ってみて,これ,いいね,と。ひっくり返して値札を見て,ウワッ,高いんだねぇ,とも。
 しかし,どうやら価格には目をつぶって買いそうな気配だった。が,丸善でのことだったので,LoFt にはもっとたくさんあるよと耳打ちした。

● 以上は昨日のこと。で,今日,LoFt へ。
 買うことに決めていたらしい。パステルカラーが好きなようで,白かピンクかで悩んでいた。ピンクがいいんだけど,白が200円安い。
 あのね,1年間使うんだからね,200円に負けたら後悔するよ。
 というわけで,こちらをお買い上げ。2,200円(+税)。

● 相方も昨年3月で仕事を辞めている。定年まで6年を残しての退職した。
 ので,現在はぼくと同じで毎日が日曜日(ぼくの年金と多少の蓄えはあるので,それを取り崩しながら,どうにかやっている)。そういう人こそ,手帳を使うべきだと思っている。

● 世間とつながっていた方がいいからだ。が,近隣との付き合いとか,自治会活動に積極的に参加するとか,そういうのはどうでもよろしい。
 世間とは暦のことだ。今日は何年何月何日何曜日とわかっていれば,それが世間とつながっているということだ。
 逆に言えば,世間とのつながりはその程度でいいのであって,太くつながっている必要はない。それはむしろ足枷になる。
 ただ,このギリギリのつながりは保っておかないといけない。これまで断ってしまうと,自分が空中に漂う浮遊物になってしまうからだ。

● ともあれ,暦とつながるために手帳を使う。カレンダーに書き込んでもいいんだけれども,いつでも手元に置いとける分だけ手帳が勝る。デジタルでもいいと思うが,紙の方が手っ取り早い。
 相方も使っているところをぼくに見せたことはないが,現役時代に手帳は使っていたらしい。辞めたあとは知らないが,少なくとも来年は使うことになる。
 しかも,ほぼ日手帳 weeks という,カジュアルだけれどもかなり本格派の手帳だ。来年の途中に感想を聞いてみたいものだ。

2022年9月29日木曜日

2022.09.29 落合書店(イトーヨーカドー店)の文具売場で

● 宇都宮はベルモールの落合書店文具売場に来た。前回来たのは8月18日。そのときは,測量野帳の60周年記念の OFFSET BOOK が3冊あった。
 さすがに売り切れたようだ。今回は見当たらず。

● 売場にある野帳は SKETCH BOOK だけなのだが,宇都宮市で測量野帳を置いてある店は,ひょっとするとここだけかも。あとは,上野文具の本店にあったかどうか。
 以前は福田屋に入っている上野文具でも見た記憶があるのだが(サンスターが発売元になっている,ミッキーの箔押しがある野帳は買ったことがある),今は見かけなくなった。気分としては,自分が使っているものは売れて欲しいのだ。

● 児童・生徒・学生が使う学習ノートや大学ノートの他には,ノートというのはあまり売れないものだろう。社会人になった大人で,ノートを使っている人は少数派だ(と思う)。
 測量野帳は児童・生徒・学生は使わないだろうから,大人御用達のノートのはずだ。Twitter や Instagram で “測量野帳” で検索して,出てきたものを見ていくと,この世は測量野帳ユーザーで溢れているように思えるのだが,もちろん,そんなはずもない。

● 本を読む大人が少数派であるように,ペンとノートを使っている大人は少数派だろう(仕事で使うことはあるだろうけど)。中には手帳すら使わない人もいると思う。
 その中で,Campus ノート,ロルバーンは売れている方のノートだと思う。Campus やロルバーンはたいていの文具店に置かれている(学生も使っている)のに対して,測量野帳はそうではない。

● 日本人と外国人のノート使用者の比率を測った統計があるんだろうか。SNSのユーザー比率のデータはあるようだけど,ノートやペンはどうなんだろうかな。
 何の根拠もなく言うのだけども,日本人の方が高いような気がする。ざっくり,西洋人よりも東洋人の方がノートの使用者は多いような気もする。
 しかし,日本の貧困化を思うと,ノートを使っている人の割合が高くなると国力が増す,とは言えない。そういうことではなさそうなんだよね。

● 他にも,売場を見て歩く。宝島社の「レトロ文具付録」シリーズ。今度は「仕立て屋ぺんてる」。ぺんてるが純喫茶から仕立て屋に転進。
 ぺんてるというメーカーも,トンボの次くらいに,固定ファンが多いイメージ。筆記具はぺんてる以外使わない,と決めている人たちがたぶんいる。

● 「超」整理手帳は,一筋の糸ながら,リフィルの供給が継続している。が,だんだん糸が細くなっている。
 当初は勢いがあったけどね。数年前から版元が講談社からKADOKAWAに変わり,かろうじて続いているというふうだ。アプリ版もあったようなのだが,これは Google カレンダーに駆逐された。
 長期的な予定を一覧できなければ仕事に使えないというのが出発点だったのだが,必ずしも蛇腹式の必要はなかったということですかね。

2022年9月28日水曜日

2022.09.28 トンボ鉛筆100周年記念の復刻鉛筆と缶ケースを買う

● メルカリで三菱鉛筆の「創業130年限定セット」をポチったときに,トンボ鉛筆の100周年記念の復刻鉛筆と缶ケースも見つけてしまって,食指が動いた
 しばらく忘れたふりをしていたのだけど,やっぱり買っちまった。1,700円。

● 中身は今の鉛筆ですよ。どう考えても1,700円の価値はない。何でこういうのに躓いてしまうかね。
 けど,しょうがないんですよ。チラッとでも欲しいと思ったら,そこで負けなんですよ。

● ポチったのは2日前。それが今日,届いた。鉛筆は11本,入っていた。1本は出品者様が使われたのだろう。紙のスリーブもない。
 スリーブがあって,鉛筆も12本揃っているものは4,000円とかで出品されている。であれば,さすがに買わなかった。
 欠けがあって,価格に値頃感が出ちゃったのがいけない。つっても,普通に考えれば高いですよね。

● 側の印刷は昔のものだが,中身は現在の8900だ。もったいなくて使えないなどといった馬鹿げたことは考えない。全てのものは使われるために存在する。絵画を買って,もった
いないからと,飾らずに仕舞い込む人はいないだろう。
 ただし,使うつもりでもその機会があるかどうかは別問題。


(追記 2022.10.15)

● 謹んで訂正。復刻版の鉛筆,芯も軸も MONO100 と同じものを使っているらしい。8900と同じなんて言っちゃったよ。すみませんでした。


(追記 2022.11.08)

● 1,700円で買ったのと同じのが2,800円でメルカリに出た。本文のとおり,前に買ったのは欠けがあった。スリーブはなかったし,鉛筆は1本足りなかった。実用上は何の問題もないけど。
 今回のは完全品。この値段は目下の最安値。誰か早く買ってくれ。そうじゃないと自分が買っちゃいそうだ。必死に抑えているのだ。

● 自分にコレクションの趣味はないし,所持している鉛筆の8割は遺品になりそうだ。買う理由は何もないのだ。
 でも,何だか欲しい。頼む。誰か早く買ってしまってくれ。