鉛筆族のぼくにはあまり関係がない。というか,鉛筆しか使わない人には,毎号が関係ないっちゃ関係ないわけだが。
● 紹介されているボールペンの筆頭は,三菱の uniball ZENT。話題のノック式水性ボールペン。
「クッション成分となるPOA界面活性剤をインクに配合することで筆記摩擦抵抗を軽減し,やわらかい書き心地を実現。さらに,紙面に浸透していくインク同士を引き寄せる働きをするという “引き寄せ粒子” を配合することで,インクの広がりやにじみを抑制」と説明されている。
● 店頭で試し書きをしただけなのだが,これは水性ではなくてゲルだ,というのがぼくの認識。水性ボールペンというのは,つゆダクで,インク多消費型で,万年筆のような筆線が残るものだ。
それゆえ,ノック式の場合は,ノックでインクが外に飛び散らないようにするための機構を搭載しなければならない。万年筆でそれを施したものはあるのだから,技術的には可能。
問題は経済的コスト。万年筆ならそのコストを吸収できるだろうが,本体価格の安いボールペンでは困難。
● 以前,パイロットのVコーンで同じことがあった。ノック式のVコーンが出るのかと色めき立った。
が,実際に出たのはゲルだった。ゲルにしては水性に寄せているのは確かで,よくぞここまでと思ったが,しかし,水性ではなくてゲルだった。
ZENT も同じ。Vコーンにはない極細(0.38㎜)があるのが特色だが,その極細を試し書きしてみたのだが,ぼくは買わないことにした。
● 同じく三菱の「ラミーサファリ ジェットストリーム インサイド」。三菱がラミーを買収した以上,まず出るべきものが出たという感じ。
問題は,新規開発の “ラミーのM16をベースにしたリフィル” 少々お高いこと。
● ラミーのローラーボールやボールペンの中身を国産リフィルに替える試みは以前からなされており,ぼくもローラーボールをジェットストリーム スタンダードのリフィルに替えて使っていた。少し背丈を足してやる必要があるが,大した操作が必要なわけではない。
これならジェットストリームの安いリフィルでラミーを使うことができる。ボールペンの方も同様にして国産リフィルを使うことができる。
したがって,「ラミーサファリ ジェットストリーム インサイド」も買うことはない。
● サクラクレパスの「ボールサイン ティアラノック」。「今の女子小学生もラメペンが人気,そしてお手紙交換文化が相変わらずあることから,「ティアラ」を知らない今の小学生にも使ってもらいたいといつ思いから発売しました」と言う。
そうか,小学生の女の子にも “お手紙交換文化” があるのか。メーカーの情報収集力は凄いものだね。
● ゼブラのシャープペン「リント」。「女子学生をメインターゲットに想定」。「例えば,弓道部のキャプテンのような凛とした人が使うとしたら,どんなペンが相応しいか。そんなことを考えながらデザインしたそうで」,だからリントなのか。
増産も決定したらしい。初回生産で終わるのが多い中で,増産がかかれば開発陣は嬉しいだろうね。
● 舘神龍彦さんの「手書きの未来は明るい」と題するエッセイ。「確かに,ビジネスパーソン向けの雑誌で思いだしたように登場するノートや手帳の特集記事では,利用者数やそのメリットなどの点でアナログ派が優勢,みたいなデータが登場する。だがそれは,そもそも雑誌という,紙の記録媒体と親和性が高いメディアが発表しているデータだ。いわば “心情的エビデンス” である」。仰るとおりだ。
それでも,というわけで,手書きがデジタルツールに勝る7つのメリットを挙げている。ただし,特に目新しいものはない。
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