書名 考具
著者 加藤昌治
発行所 阪急コミュニケーションズ
発行年月日 2003.04.04
価格(税別) 1,500円
● 5年前に買って積んどいた。読んでみればめっちゃ面白かった。広く読まれているんだろうね。2008年3月で27刷だから。
ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」と並んで,企画マンのバイブルのような存在になっているのかも。
● 読みものとしても面白い。スラスラ読んでいけるように工夫されている。ぼくは企画で生きている人間ではないから,まぁ,お気楽に読んでしまった。
● ビジュアルの重要性が何度も説かれる。
メモを取る,となったらまずほとんどの方々は文字のメモのことだと思われるでしょう。それを絵メモにしてみる。人に見せるものではありませんから,うまい下手は関係ないです。 あるいは絵と文字が一緒くたになった複合型のメモ。ビジュアルで描くことに慣れると本当に役に立ちます。(p64)
アイデアを探し続けるわたしたちにとっては,1種類のボールペン×10本よりも,10種類のボールペン×1本ずつ,の方が可能性が広がるんです。多種多様な要素を併せ持つ感覚をどこかでもっていたいなあといつも思います。(p65)
実際の企画はどんなものであれ,企画書を飛び出して,生き生きとして動くもの,立体的なものです。アイデアを考えるとき,そして企画にまとめていくときには,理想型のイメージを立体的に描いてください。ビジュアルで考えてください。(p178)
「絵にならないもの」は企画として成立しません。企画が実施されたとき,何がどうなっているのか? 何かを製作したとしたなら,それはどんな姿・形をしているのか? プレゼンしているあなたがイメージできないのに,話を聞いただけの相手が想像図を頭の中でうまく結べるはずありません。(p179)
ビジュアライズは企画化作業の奥義かもしれません。絵にさえできてしまえば,5W1Hに整理することも簡単だし,タイトルだってつけられそうです。ビジュアライズ,本当に重要です。(p181)
● 直線思考はダメだよというのも強調される。あっちに行き,そっちに跳ぶ。それに逆らうな,ついていけ,ということ。
わたしたちがこれまで受けてきた教育はかなり一直線的なパラダイムに支配されているようです。順番をしっかり守るパターン。しかし「考える」という知的作業は,その反対。行きつ戻りつすることが頻繁に起こります。行きつ戻りつの試行錯誤がない企画もまたパワーがないのです。迷う=複数の選択肢の可能性に自分を置いてみることは大事です。創造性がない,と言われる背景には,こうした選択肢があまりに少ない環境で結論を出してきたことにもあると感じます。(p103)
ポストイットにネタ素を書き出している最中にいいことを思いついたら即,そっちに取りかかってください。そのままそっちに行きっぱなしで構いませんから。(p106)
● パソコンより手書き。
まず紙を1枚。普通のノートのように綴じてあってページが切り離せないもの,横罫のものは避けた方がいいと思います。この時点で紙に落としていきたいのはアイデアのエッセンスであって,文章ではありません。左上から書く必要はありませんし,やめた方がいいです。(p92)
様々なアイデアの素を頭の中から拡げ出していくときには,スピードとフレキシビリティを大切にしたいです。なので最初からパソコンを使うことはあまりお薦めしません。メモ書きと同じレベルで,手書きで大らかに書き出していきましょう。(p92)
パソコンは単なる入力装置。様々な情報やヒントがインプットされ,アイデアとしてアウトプットされるのは,あなたの頭の中。最新機種を追いかけてばかりではダメですよ!(p140)
● その紙は惜しみなく使うことも大切。
両親から,また学校でも紙を無駄にしてはいけないと教えられた気がします。でもアイデアを出す上では,それがとても邪魔になってしまいます。意識改革してください。紙はじゃんじゃん使ってください! 環境のことを考えるなら,コピーの反故紙をどっさり使いましょう。わたしもそうしています。(p97)
● 考具のひとつに“マンダラート”が紹介されている。ぼくは『スマホで捗るライフハック』で発想技法に対して揶揄するようなことを書いてしまったんだけど,著者は“マンダラート”をしっかり評価している。使ってもみないで揶揄してはいけないね。
が,スマホじゃなくて紙を使った方がいいんだとは思うけど。
● ほかに,ふたつ転載しておく。
アイデアのヒント・要素は作り出すのではなく,探す・見つけるという捉え方の方が正解です。(p147)
アイデアに行き詰まったら,質問,問いかけを拡げまくる。あなたの脳は,必ず応えてくれます。(p212)
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