2021年10月5日火曜日

2021.10.05 トラベラーズカンパニー 『TRAVELER'S notebook トラベラーズノート オフィシャルガイド』

書名 TRAVELER'S notebook トラベラーズノート オフィシャルガイド
著者 トラベラーズカンパニー
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2021.09.25
価格(税別) 1,600円

● 「旅行をするように毎日を過ごすノート」ってかっこ良すぎ。が,トラベラーズノートは人を選ぶだろう。文具店で現物を手にとってみたが,これは自分には使いこなせないと思った。
 トラベラーズノートの志向するところには全面的に賛成だし,年に1回発行される「TRAVELER'S TIMES」も読ませてもらっている。ので,お礼と応援の気持ちをこめて(?)ブラスペンシルは買ったけれど,本体には手を出さず。

● そのトラベラーズノートの公式ガイドブックが出たらしい。読んでみたい。普通のノートでも使える技がいくつもありそうだしね。
 で,先月の28日に宇都宮市内の書店を3つ回ったけども(暇だからできる),そのいずれにもなかった。ちょっと早すぎたのか。が,SNSには入手したよと言う人がたくさんいるんだが。
 今月の3日にまた行ってみた。手帳売場に置いてあるか,ない。仕事術・ノート術のコーナーにあるか,ほぼ日手帳の公式ガイドはあるけど,トラベラーズノートの公式ガイドはない。

● やっぱりないのか。で,諦めて旅行ガイドのコーナーに行ってみたら。こんな感じで置いてありました。1冊だけ。
 そっか,ここに置くか。気づくべきだった。と,いったんは反省したんだけど,ここに置くか,普通。置かないだろ。いくら何でもこれはないだろ。

● ともあれ。速攻で買って読んだ。
 以下にいくつか転載。
 見た瞬間にかっこいい!って一目惚れ。さらに「日常を旅する」というオンセプトを聞いて,これだ!と思いました。僕の最愛の車で相棒のジムニーに通じる言葉だったから(p42)
 トラベラーズノートユーザーがユーザーになった動機って,こういうことなんだよなと思うんだよね。ぼくもそこは共感するんですよ。けど,こうして人が語っているのを聞くと,なんだか浅さを感じてしまうのはどうしてだろうか。
 トラベラーズノートが変わらずに大切にしていることのひとつに「自分たちがワクワクするかどうか」という軸がある。作る人が心から楽しんでいるからこそ,訪れた人にその熱量は伝わっていく。(p99)
 ちょっと風変わりで面倒なこのノートは,たぶん世の中のすべての人に好きになってもらえるようなプロダクトではないかもしれない。だけど,そんなノートを好きだと言ってくれる人がこの世界にいるんだということを知って,一気に仲間が増えたような気分になった。(p104)
 過去を振り返ればワクワクしたり,感動したりするだけでなく,悩むことだってあったし,生み出して作り上げるための身を削るような苦しみも,たくさんあった。(p105)
 トラベラーズファクトリーも遊びを本気でやったからこそ実現できた(p107)
 このノートの一番いいところは自由。その分,完璧ではないかもしれないけど,余白や手間を楽しんでもらえたら嬉しいです。そこに旅と同じ楽しさを感じます。(p107)
 言葉が通じなくても,トラベラーズノートを使っていることで友人のようにコミュニケーションをとっている方もいますよね。(中略)このノートが好きな人同士は,いいなと思うものが言葉がなくとも通じ合えるというか。(p107)
 受け入れてくれる人はひょっとしたら100人に1人くらいかも(中略)100人に1人という割合を無理に2人へと増やそうとするのではなく,海外にトラベラーズノートが広がっていくことで,僕たちに共感してくれる,まだ会ったことのない100分の1人に出会えるのだと,ワクワクとした希望が湧きました(p137)
● 自分には使いこなせないと思ってトラベラーズノートは見るだけにしているのだが,このあたりを多少掘りさげてみよう。なぜ手を出さないか。理由は3つある。
 第1。自分の手には負えないだろうと思っているからだ。あのノートを手なづけるのはけっこう厄介そうだ。たとえば表紙が皮でグニャグニャするから,立って書くのはできなくはないが,快適ではない。

● 第2。ノート本体の他に,周辺機器(?)が揃っている。各種リフィルは当然として,ブラス鉛筆,ボールペン,万年筆といった筆記具があるし,ペンケースや消しゴムのスリーブまである。素材は真鍮で統一してあって,なかなか以上にお洒落だ。
 使え終えたリフィルを保存しておくためのバインダーも用意されている。ページクリップもあり,付箋もある。そうした製品群に取り込まれそうなのがイヤだという気持ちがある。
 同じことを iPhone を使ったときに感じた。何とはなしの閉塞感。Apple が用意した世界にいれば安全で快適だけれども,その外に出られないもどかしさみたいなもの。
 トラベラーズノートのユーザーの多くは Apple 好きなんじゃないかという気がするのは,そうした共通性を感じるからだ。ぼくは Apple より Google を良しとする一派だ。iPhone ではなく Android。iPad より Chrome Book。

● 第3。どんなノートでも「旅行をするように毎日を過ごすノート」になり得る。製品が使い方を誘発するということはもちろんあるのだとしても,畢竟すれば使う人の問題だ。
 コクヨの Campus ノートでも百円ショップのノートでも,それを「トラベラーズノート」として使うことはできる。むしろ,そうした方がその人の個性が光るとしたものではないか。汎用性を備えたものを尖った用途に使うのがいい。


(追記 2022.03.06)

 最近,ミリペンに凝っている。この本の目次の前にある口絵の中に,トラベラーズノートに何かを書いている最中の写真がある。ミリペンタイプの極細サインペンを使っている写真が2枚あってね。
 そのペンが,ぼくがいくつか持っているミリペンタイプのペンのいずれでもない。ちょっと気になっている。いや,気になっているだけで,そのペンがどんなメーカーのどんな製品なのかを突きとめようとまで思ったわけではないけれど。

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