編者 藤川明日香
発行所 日経BP社
発行年月日 2020.04.07
価格(税別) 627円
平日なら年寄と子育て中の専業主婦しかいないのだが,今日は土曜日だ。にしては,ちょっと少ない。専業主婦はいるが,男性の年寄が少ないのが意外だった。
田舎の図書館はほとんど常連さんばかりだと思うのだが,常連さんの一部がコロナによる閉館に慣れてしまったんだろうか。
● 正直のところ,何の根拠もなく9月30日まで緊急事態宣言を延長してしまったことは,為政者の人権感覚の欠如を疑わなければならないくらいのものだ。休業を余儀なくされ,仕事をしたくてもさせてもらえない人たちが多数いることを踏まえての決定だったのかという意味だ。
もうとっくに事実上のゼロコロナ状態に至っている。マスクをしないで酒場をハシゴしても,グループでカラオケに行っても,コロナに感染する状況ではない。3密を避ける必要もなく,ソーシャルディスタンスを確保する必要もない。
この状態がいつまで続くのかはわからないけれども,今はどうしたら感染できるのか教えて欲しいくらいの状況だ。どんどん外に出られてはいかがか。
● 図書館とインターネットがあれば,「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するのに,そんなにお金は要らない。読む,見る,聴くといった,インドアの受動型の趣味の持ち主なら,インターネットにアクセスできる環境と図書館があれば,他に必要なものはないと言ってもいいくらいだろう。
たとえば音楽だ。クラシックしか聴かないという人がいると思う。そういう人は,県内で最も大きいCDショップに行っても,欲しいCDに出会える確率はゼロに近い。TSUTAYAとかBOOK-OFFでも同じだ。
最も品揃えがいいのは公共の図書館であるはずだ。ならば,図書館でCDを借りて,自宅のパソコンでリッピングして聴くという方向に向かうことになる。音源を確保するのにお金は要らない。
● 毎日が日曜日のぼくにしても,毎日が日曜日になったのは昨年4月からなので,つまりコロナのパンデミックと重なったので,図書館に出向いたのは数少ない。コロナ以後は緊急事態宣言が出るたびに休館したし,開いていてもできれば来ないでくれ的空気があったから。
ではあっても,税金で支えて頂いてありがとうと思っている。自分が気づかないところで税金の恩恵に与っていることが多々あると思うのだが,公立図書館は意識できる恩恵の最たるものだ。
この時期に「最高の毎日がはじまる」というのはなかなか辛かったかもしれないけれど,まぁ仕方がない。編集作業はずっと前にはじまっていたのだろう。
● 特集の最初に登場するのは樺沢紫苑さん。手書きの3つの効能を解説している。
第1に,チャンスを呼び込む。なぜなら,手書きで書いていると注意のアンテナが立つから。
第2に,毎日を効率化できる。なぜなら,書くことで忘れられるから。目の前のそのことに集中できる。
第3に,いい習慣が続きやすい。なぜなら,変化が目に入るから。レコーディングダイエットが典型例。
● 目新しいことではない。すでに多くの人が同じことを言っている。
けれども,時々は思いだして,自分を手書きに留めおくようにする必要がある。少なくとも,ぼくの場合にはある。手書きに厭いてしまうことがないわけではないので。
● そのあとは,いろんな人の具体例が紹介される。私はこんなふうに書いていますというのを,実際のノートを公開して,それぞれが語る(記者のインタビューに答える)。
が,その紹介は斜め読みですませた。自分のやり方は自分で編みだすしかない。人のやり方を参考にしようとすると,参考になるより足を引っ張られてしまうことの方が多いのではないか。
● が,昔はわりと熱心に読んだものだ。どんなノートを使っているのかにも気を引かれた。合格体験記を読むのが好きな受験生がいると思うのだが,ぼくはかなりの年齢までその尾っぽを引きずっていた。
けれども,雑誌のこうした特集記事を読むこと自体を止めてしまえるところまでは至っていない。ただ,昔はこの種のものを見かけると片っ端から買っていたが,今はこうして図書館ですますことが増えてはいる。
● ところで。入館するときにサーモ体温計が37.2°を表示。普段より1度高い。コロナに感染したか?
気温が上がったところを黒のトートを肩から提げて歩いてきたものだから,サーモが熱を吸ったトートにも反応したんだと思いますわ。冬には33.3°と出たこともあって,俺は死んでるのかと突っ込みたくなったこともある。
正直,サーモ体温計ってアテにならないよね。みんな,そう思ってますよね。わかっていて設置しているということは,(いちいち測る手間はかけられないってこともあるんだけれども)それでもいいやってことだよね。要するに,あんまりシビアに考えていないよね。いや,ぼくもそれでいいと思ってるんだけどさ。
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