● ユニ色の鉛筆を中心に,HBを書き比べてみるというバカを地で行くようなことを始めてみるつもりでいる。本格的にはだいぶ先になるはずだが,ちょっとだけ試行的にやってみた。
暇だからそこそ,こんなこともできる。
● ちょっと弄ってみて感じたのは,北星が特異だということ。9606もクラフツマンも,他社より濃い。かつ軟らかい。B寄りな感じがする。
同じHBなら個別メーカーを越えて同じ硬度濃度のはずと漠然と思っていたのだが,JISはそれを担保するものではないのか。
● JISを確認してみようか。「HBの硬度は,0.25~0.42とする」「同一銘柄のしんについては,硬度記号の順に従って,濃さ及び硬さに逆転があってはならない」とある。
この幅に収まっていれば,銘柄によって中心硬度の硬さを変えても構わないのだな。ましてメーカーが違えばね。が,「0.25~0.42」とは基準なしに等しいのじゃないか。
● HBならこんな硬さと漠然と思うことができていたのは,JISによるものではなく,各メーカーの相互忖度の結果だったか。もっとわかりやすく言うと,三菱の硬度展開を他のメーカーが斟酌して云々,ということか。
が,北星のような跳ねっ返り(?)も出てくる,と。しかし,北星もJISは遵守しているわけだ。
● で,先代の伊東屋鉛筆を思いだした。uni より Hi-uni に近い。コスパに優れた上質な鉛筆なのだけどね。
ITOYA とあるだけで,硬度表記もないのだが,硬度表記がないのだから中心硬度(HB)のはずだと推測するのは全く正当だろう。が,これも一般的にはBに属するものだ。HBにしてはだいぶ濃い。
● 伊東屋鉛筆は北星が製造しているようだ。と単純に思ってしまったのだが,伊東屋鉛筆を生産しているのはキャメル鉛筆だとの説がある。
キャメルはOEMを専らとし,自社製品は出していない(と思う)ので,両者を書き比べてなるほどと納得する術がない。
● というようなことを 𝕏 にポストしたら,北星の社長さんから次のような教示を頂いた。
JIS制定当時は今より沢山の鉛筆メーカーがいて,様々な規格で鉛筆を作っていたのと,芯の配合はどのメーカーも社外秘の為統一する事は難しかったのです。
品質を守る為濃さの基準範囲が広いが芯の強度はしっかり定めてそれを守ればOKという各メーカーの特徴を守る物となりました。
● ついつい,JISを消費者保護的な表示制度だと見てしまう。JISはそういうものではない。消費者保護などという言葉ができる前からあるものだ。
それにしては,逆に,硬度も濃さも揃っているという言い方もできる。ドイツ製の鉛筆は国産より2硬度ほど上の硬度になるが(ドイツ製の2Bは国産のHB),ドイツ製は(当たり前だが)JISの守備範囲の外側にある。
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