まずは,三菱の9800。購入先はヤフオク。6本で680円(+送料210円)。ポチった瞬間に後悔。誰か高値更新してくれと念じたんだけども,虚しく落札してしまった。
● MASAKI YAMATO の印字がある。眞崎大和鉛筆が三菱鉛筆と社名を改めたのは1952年のことだ。
が,三菱鉛筆となった後も MASAKI YAMATO を添えていたのかもしれず,この鉛筆がいつ頃製造されたのかは知る由もない。
● 小学生の頃に使っていた鉛筆って,粗悪品でしたよ。芯はポキポキ折れるし,ザラザラした書き味で気分がよくなかった。今の鉛筆の方がいいに決まっている。
なのにどうして古い鉛筆に気が行くかねぇ。ノスタルジー以外に理由を見つけるのは難しい。ノスタルジーで動いているのだとすると,われながらあまり感心できることではないなぁ。
これもね,誰か高値更新してくれと願ったものだけどね。縁あって,ぼくのもとにやって参りましたよ。
が,昔のものとか保存状況だけで,これを説明してはいけないような気がする。造りが甘かったということだ。
鉛筆メーカーのすべてがそうだったわけではないだろうが,当時の国産品のクォリティーはこんなものだったのかも。
が,他に入札者はなく,あっさり落札。1,000円(+送料870円)。
今で言うかきかた鉛筆的なものだろうか。2Bが太字,Bが中字,HBが細字ということなんだけどね。
この頃の大学進学率は数%だったろう。大学は大方の庶民には高嶺の花。だから,大学という文字自体に吸引力があったろう。
価値とはつまり稀少価値のことだ。稀少価値以外の価値はない。したがって,その頃は大学生にも価値があった。今は偏差値40でも入学できるのだから,稀少価値もヘッタクレもない。
同じ鉛筆を以前メルカリで買ったことがあって,そのときはオリエンタル産業㈱のカーボン鉛筆の箱に入っていたので,これがカーボン鉛筆なのかと思っていたのだけど。
色は三菱の uni とうり二つ。
この頃の8900は国内で生産されていたのだろうが,品質はベトナムで生産されている現行品の方が上だろう。
国産メーカーの凄いところは,Hi-uni や MONO100 ではなく,普及品の9800や8900の品質を高い水準で維持しているところにあると思っている。メーカーとすれば Hi-uni や MONO100 に集中したいだろうに。
現在では4Hの鉛筆は描画の下書きに使われることが多いのだと思う。4Hで文字を書いたり,勉強したりする人はいないのじゃないか。
ノートが汚れないからという理由もあったろう。さらには,芯がなかなか減らずにすむからという理由もあったかもしれない。
58本ある。そんなに使うのかって? 使うわけがありませんがな。
● 頭のキャップを取ると消しゴムが出てくるのかと思いきや,何も出てこなかった。キャップをはめるために軸を削っている。何でこんな無意味なことをしたのかはわからない(→ 大変失礼いたしました。頭のキャップが消しゴムだったんでした。よく消える消しゴムです)。
ちなみに,このタイプの鉛筆は廃番になっており,現行の伊東屋鉛筆はこうしたデコレーションは施していない(→ これまた失礼しました。このタイプの鉛筆は現在も販売されてます。軸には Helvetica と印刷されてます)。
● というわけで,今回の悪ふざけはこれで終わり。今度こそ本当に悪ふざけはこれで止めにしたい。
(追記)
トンボの8900かなぁ。実った稲穂のイメージになる。