● 「開きやすいノート」にシグノの0.38㎜(ブルーブラック)でしばらく書いてみた。のだけれども,どうも書いていて楽しくない。
プレジール(万年筆)を紙にあてているときの感触の方が快が大きい。
● 鉛筆と万年筆には筆の字が付く。ボールペンやシャープペンには付かない。この筆の字が付く筆記具と付かない筆記具では,けっこう大きな違いがあるような気がする。
手書きだと,キーボード入力と違って,筆跡にそのときの自分の気持ちや思いが残ると言われる。字体の崩れ具合や筆記のスピードまで残るから,文字だけではなくて筆跡そのものも何ごとかを語る記録になる。
● その筆跡に残る度合いが,鉛筆・万年筆とボールペン・シャープペンではかなり違う。線が太くなったり細くなったり,色が濃くなったり薄くなったり,筆跡を構成する要素が多くなるのが鉛筆・万年筆だ。
ボールペンやシャープペンでは線の太さはどう書いても一様になるし,特にボールペンは色の濃淡も付きにくい。ノッペリとした印象になる。
● 筆跡が最もハッキリと残るのは筆だ。それが書道という芸術にまで至るのは,毛筆なればこそ。その筆の様相をより多く残しているのが,鉛筆と万年筆という筆の字が付く筆記具だ。
字体の個性などなければないほどいいビジネスにおいては,ボールペンがいいのだろうが,個人が自分の記録を残すという用途に使うのなら,鉛筆か万年筆を使った方が,より愛着の湧きやすいノートができるのではないか。
● 自分の字が好きだという人は少ないと思う。ぼくも自分の下手くそな字がいやで,だからワープロが登場したときには救世主が現れたと思ったものだ。
けれども,老境にさしかかってみると,自分との対話が多くなる。自分1と自分2の対話を媒介するのがメモノート。そこはヘタだろうが何だろうが,自分の字で行うのがいいと思う。
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